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三 嫉妬
side作之助18
しおりを挟む照れを誤魔化すみたいに頬を掻く水都さん。
……嫌がられるような反応でなくてよかった。
さすがに俺でも傷つくことはあるからね。
水都さんと似ていると言われて悪い気はしないけど、申し訳ない気はする。
俺みたいなのと似ているって言われてもね……。
「じゃあ」
俺は一人クラスが離れているから、いつまでも一緒にいるわけにはいかない。
別れの挨拶をして離れようとすると、後ろからガクンと腕を引かれた。
「な、なに?」
顔だけ振り返ると、水都さんが真顔で俺を見上げていた。
「作之助、帰り一緒に帰ろ!」
「え……山手さんたちは?」
「今日、私と快理ちゃん委員会で遅くなるんだわ」
「………」
それでも待っていたりしなくていいのかな。
そう返そうとしたけど、水都さんが真剣な顔を崩さないから、うん、と肯くしかなかった。
途端、ぱあっと顔を明るくさせる水都さん。
え、なんかかわ……ん? かわ? かわ……なんだ? まさか『可愛い』とかじゃないよな? 俺の感情にそんなもんがあるとは思えない。どうせ川中島の戦いとかだろ。
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