145 / 216
三 嫉妬
side作之助28
しおりを挟む「うん! 少しでも来てくれたら嬉しいっ」
由羽に背中を押されては、仕方ない感が出て来る。
俺の返事に水都さんはすごく嬉しそうな顔を見せる。
水都さんの父様を怒らせないかは不安だけど、水都さんを悲しませるのも難だし……。
うん、よかったってことにしておこう。そんで友達ですって挨拶したらとっとと帰ろう。
ウキウキした様子の水都さんの隣でそんなことを考えながらの帰路。
水都さんが今日一緒に帰ろうって言った目的はこれか、と今更ながら気づいた。
―――そして日曜日。水都さんに呼ばれている日。
友達の家に行くために、スマホで事前調査をして手土産なるものを用意してみた。
服装は悩んだ末いくつか組み合わせを写真に撮って送って、由羽に決めてもらった。
玲哉とはまた違った頼りがいが由羽にはある。
水都さんの家は何度も送っていっているから迷う心配はないとして未だに心配なのは、娘の高校での初めての友達が野郎だったと知った時の水都さんの父様の反応……。
~~~ああもう考えてもどうしようもないことだ。一度置いておこう。
頭(かぶり)をひとつ振って、家のドアを開けた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる