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五 想い
side作之助18
しおりを挟む「はあ……琴のお父様もこんな感じだったのかな……」
「父は巽くんほどじゃないよ。でも水都、よかったね」
「はいっ。ありがとう、父様、母様」
「作之助くん、改めて水都をよろしくね」
「はい」
あ――。
同じ言葉を言われて、今気づいた。
そうか、水都さんの母様、あのときもこの意味で言ってくれていたんだ……ってこと俺、あのとき既に傍目には水都さんの惚れてるように見えていたのか……?
ちょっとあとで山手さんたちに訊こう。
「作之助」
「はいっ」
水都さんの父様に呼ばれて、またびくっとしてしまった。これはもう条件反射だ……。
水都さんの父様は正座のまま、畳に手をついて軽く頭を下げた。
「暴走癖があって行動力もある娘だから大変だと思うが……頼んだ」
「はい」
水都さんの父様に向かって、俺も頭を下げた。
俺を信頼して託してくださるのが水都さんの未来ならば、俺は誠実にそれに向かいたい。
何よりも大事にすると。
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