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side蘭5

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こうなったらお兄にもクッキーも出しちゃおう!

ディスクの入った紙袋をリビングのテーブルに置いて、部屋に戻ってスマホとストックのクッキーが入っている袋を手にして階段を駆け下りる。

「ちょっと待って~。コーヒーと紅茶、冷たいのならどっちもあるけどどっちー?」

「コーヒー」

さっさとディスクを準備しているお兄に言う。絶対オープニングも見逃したくない!

慌てて朝作って置いたアイスコーヒーを二人分用意して、リビングのソファに向かう。

「え、なんか豪勢じゃん」

「高一の夏休みはケータイ小説読みまくるって決めてたからそれ用に買っておいた」

お兄の分のクッキーをお皿に載せてテーブルに置きながら、無駄なドヤ顔で言う。

「じゃあ今度は菓子買ってくるわ」

「お兄、それより絵瑠(える)ちゃんに使ってあげなよ」

私が言うと、お兄はずーんと暗い顔になってしまった。

「……今日イベント行ってる……」

「あ(察し)」

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