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3 美也と奏
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しおりを挟む「奏さんの私への認識を無理やり変えるつもりはありません。ですが、奏さんの言いなりにはならないことも伝えておきます」
「……!」
奏は美也に向かって手を振り上げた。叩かれることを覚悟した美也は目を閉じた。――が、衝撃は来ない。
(……叩かれない?)
うっすら目を開けると、唇を噛んで悔しそうな顔の奏が肩を震わせていた。
「あんたなんて……顔だけのくせに!」
(……はい?)
美也が、どういう暴言だろう、と意味がわからずにいると、奏は美也を突き飛ばして玄関から飛び出して行ってしまった。
「え……なに? どういうこと?」
奏が意味不明なことを言って飛び出していったので、美也はその上をいくくらい意味がわからなかった。
(と、とりあえず……追いかけた方がいいよね?)
奏は明らかに様子がおかしかった。このまま事故に遭われでもしたら大変だ。
美也はカバンを玄関に置いて駆け出した。
「奏さん――」
いつの間にか、ぽつぽつと雨が降り出していた。
十字路で美也は周囲を見渡すが、奏の姿はない。
大降りになる前に見つけないと――
「巫女さま? どうされたのですか?」
「えっ? あっ! 開斗くん!」
聞き覚えのある声に呼ばれて振り返ると、小龍の姿でふよふよと浮いている開斗だった。
美也を見つけてぱあっと明るい顔になる。
「榊さまのところへ来られるのですか? でしたら雨も降っていますから――」
「開斗くん! 奏さん見てない!?」
美也は血相を変えて開斗に詰め寄った。
開斗は一瞬呆気にとられてから、むすっとした顔になる。
「ふえっ? かなでって……巫女さまにいじわるしてる人じゃないですかっ。ぼくそんな人知りませんっ」
ぷいっとそっぽを向く開斗だが、それどころではない。
「奏さん、家を飛び出しちゃったんです。なんか私のせいみたいで……お願い開斗くん、文句はあとでたくさん聞くから、一緒に探してくれませんかっ?」
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