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4 知られていた壱
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しおりを挟む「玉、なんだか知らないけどうるさい」
「お前な! あやかし七翁ってのは開闢(かいびゃく)から存在するあやかしの祖で、神格にも等しく扱われるお方なんだよ! 俺なんかお会いすることもできない存在! 俺ふつーに壱に飛び蹴り喰らわしたりしてたー!」
玉の騒ぎに、壱はおろおろしながらなだめようとした。
「玉、別に咎めないから」
「ぴぎゃー! 死罪じゃー! 俺は死罪じゃー!」
玉が恐怖のあまりびびりちらかしている。
「――何騒いでいるんだ、このちびは」
ひょいっと美也の背後から顔を見せたのは、美也の彼氏と紹介された――
「榊さん! 出てこないでって言ったじゃないですかっ」
美也が手をばたつかせて、玉に榊を見せないようにしている。
「いや、なんかすごい騒いでいるから。ようこそ、朝倉舞弥」
「お邪魔しております。えーと……龍神様、なんですよね? 美也ちゃんの彼氏の」
以前姿を見た時と違い、和服姿の榊。
甘やかな顔立ちの壱と違って、精悍な顔つきだと思った。
「しばかれるんだ……俺、龍神様と壱にぼろ雑巾になるまでいじめられて川に流されるんだ……」
玉からは魂が抜けかけていた。
榊は平坦な目になる。
「どこまで残酷な性格になってるんだ俺は。そんな無意味なことしない。壱翁はどうだか知らんがな」
「壱は俺をぼろ雑巾にするのか!?」
ショックを受けた玉が目をまんまるに見開いて叫ぶと、壱が榊を睨んだ。
「しっかり俺の分まで否定しろ馬鹿! 玉、手塩にかけて育てたお前にそんなことするわけないだろう」
壱が焦って言えば、玉はうるうるした目で舞弥を見上げる。
「舞弥、本当か? 壱は嘘を言わないか?」
「短い付き合いの私に答えを求めるほど追い詰められている……あの、壱、龍神様、玉の立ち位置ってどうなってるんですか?」
むしろ舞弥が助けを求めたい状況だった。
玉のびびりようが半端ではない。
「んー、玉は生まれてから三〇年くらいだから、本当にまだ赤ちゃんなんだよな」
「人間にしたら生後一日も経っていないくらいか」
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