陽華の吸血鬼➁【完】

桜月真澄

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8 斎陵学園

side真紅7

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白ちゃんが寄って来て、紙片を覗き込む。

「うん、校庭の隅に小さなお社(やしろ)があるでしょ? そこを触れて来た風のね、香りが違ってるの」

斎陵学園は広く、学内を回るのに自転車を持ってきたいくらいだと思ったことがある。

その一角。あまり人の寄らない場所には小さな木立があり、百葉箱のような形の社があるのだ。

「ああ。あれは鎮守(ちんじゅ)の社だ。確か地神(じがみ)がいたはずだが……」

「地神って、国津神(くにつかみ)の方だよね?」

私の問いに、白ちゃんは肯く。

神話の神には分類があり、天孫降臨以前から土着の神としてあった地神が国津神、天照大神(あまてらすおおみかみ)など高天原(たかまがはら)にある神を天津神(あまつかみ)という。

『津』とは現代語の『の』の意味で、現代語に直せば『天の神』『国の神』ということになる。

他の言い方では天津神を『天神(てんじん)』、国津神を『地祇(ちぎ)』ともいい、あわせて『天神地祇』、または『神祇(じんぎ)』ともいう。

「ここは『せいりょう』の名を冠しているが、陵(みささぎ)の文字が入っているように墓があった場所だからな。見張り役というと難だが、抑え込む存在が必要だったようだ」

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