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二 那也の『那』は那由多の那らしい。
side由羽1
しおりを挟む踊ってる、やつがいた。
なにやってんだ? と、思わず立ち止まる。
同じ高校の制服。背の高めな女子。ネクタイが同じ色だから一年。
さっきからぴょこぴょこ跳ねている。
なんだろう、役者見習いで演技の練習でもしてんのか?
何故か目が離すに離せず、少し離れた位置からじーっと見ているけど、そいつは俺に気づく様子はない。そんだけ集中しているのか。
けど、なんか――引かれる。
「あー……また落ちちゃった……」
「なんか探してんの?」
引力のまま歩み寄り、声をかけていた。
勢いよく振り返ったその子は、急に声をかけたからか驚いた顔で俺を見て来る。
「え……」
「いや、さっきからフラフラしてるからなんかあったのかなって」
「フラフラ? あ、ごめんなさいっ、その、花びら、欲しくて……」
「花びら? 桜の?」
ここは桜並木の一角だから、風が吹かなくても花びら散っている。
「ふーん」
こんなのが欲しいんだ。でも取ってどうするんだ?
手を伸ばすと、宙を浮くそれを片手におさめられた。
「はい」
「え?」
「欲しいんでしょ? あげる」
「なんでそんな簡単に取れるの!?」
「なんでって言われても、取れたからなんだけど……」
ふと摑めたものだから、理由を訊かれても困る。
「あっ、でも、たぶんおまじない? だから自分で取らないと意味ないかも……」
「お呪い?」
呪いの類?
「なんか、願掛け? みたいな感じで……」
「ああ、そうなんだ。じゃあこれどうしよ」
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