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三 景の名前は勿論父さんとお揃い。
side由羽22
しおりを挟む『~~~っ』
「? 那也?」
返事がない。
「那也、やっぱり可愛いね。今日話して、少しは那也のこと知れたから言ってもいいかな……?」
今日の、那也の全部が可愛いと思った。
あたふたしているところも、困っているところも、嫉妬したって言ってくれたところも、大声で言ってくれたとこも。
全部、俺には唯一可愛い存在だ。
羽咲やなゆも周囲から可愛いと言われることが多いけど、俺にはクエスチョンマークだった。
ふーん、そうなんだ? 程度で、俺は羽咲たちを可愛いと思ったことはなかった。
ただ、父さんと母さんを見ていて、『可愛い』と思う人はたった一人でもいいんだろうな、俺はまだ見つけてないだけかな、なんて思ったりしていた。
そしたら、その通りだった。
那也にだけ、『可愛い』って言いたい。『可愛い』って思う。
俺のたった一人は、那也だったのかもしれない――。
『ゆ、由羽くん』
「なに?」
『あの、人前でそれを言われると大変困るので、人がいるところでは言わないでください……』
「そうなの? わかった。那也がいるときだけ言う。それなら困らない?」
『……恥ずかしいです』
「……言わない方がいい?」
那也の困った顔も可愛いと思うけど、困らせるのは本意じゃない。
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