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四 なゆの名前は当然のように母さんとお揃い。
side那也29
しおりを挟む「ゆ、由羽くん……?」
ずかずか突き進む由羽くんに呼びかけること何回目か。……さっきから無視されまくっている……。あと、そろそろ腕が痛い気がする……。
「ゆ――」
「総真は」
人込みを抜けたあたりで、ぴたり、と由羽くんの足が止まった。
「総真は父親譲りのクソど天然だから! あいつの言うことは流して置いて真に受けないでいいから!」
「え? ……はい」
……どういうこと? 意味がわからないまま肯いてしまったけど……。
怒っていたような表情だった由羽くんの顔が、一気に紅くなった。
「~~~ごめん! なんかよくわかんないんだけど、なんか~~~―――――総真には俺絶対勝ち目ないから仲良くしないで!」
「…………」
あ、はい。
「うん、わかった」
あれ? なんかまた素直に肯いてしまった。
けれど別に、間違ったとか、しまったとか思うことはなかった。
由羽くんがそうしてほしいなら、いくらだって。
由羽くんは、私に『すき』の感情をくれた。気持ちに名前がつくって、教えてくれた。
けれどあの時の……学に問われて、私を見て来た由羽くんの瞳は、もう見たくない。
由羽くんに、知らない存在を見るような瞳は、もうされたくない……。
――凍てついてしまうと、思ったから。
心が。
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