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五 羽咲の名前をつけたの俺らしいけど……憶えてないな。
side那也20
しおりを挟む「……羽咲」
「お兄ちゃんのことよろしくお願いしますね! 那也お姉さん! 私、人待たせてるんでこれで!」
もう片手で顔を覆ってため息をつく由羽くんを華麗に無視して、終始笑顔だった羽咲さんは手を振りながら駆けて行った。
なんというか……パワーのある子だなあ……。
「ごめん那也、あいついつもマイペースで……」
「ううん。明るくて楽しい子だね」
「……ただのストーカーだけど」
「………」
それにはなんと返したらいいのかわからない……。
「まあ、でも。羽咲にしてはいいお節介だな」
「?」
「いつ言いだしていいか、わからなかったから」
と、軽く手を持ち上げられた。
あ……。
「で、ですね……」
なりゆき? とはいえ、由羽くんと手を繋いでいるんだった……。私、色々大丈夫かな?
「那也って時々敬語になるよね。なんで?」
「なんでって言われても……なんとなく?」
「無理にとは言わないけど、気楽に話してね?」
「……がんばります」
「だから、がんばらなくていいの。俺に対しては」
「………うん」
繋いだ手があったかいのは、私が発熱レベルだからかな? それとも由羽くんの手があったかいのかな?
……どちらでも。どちらであっても、このあったかさを大切にしていこうと思った。
由羽くんを、大切に想うように。
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