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1 始まりの夜会
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盤上に咲くイオス
─貶めた連中にやり返そうとしていたら幼馴染の騎士団長に溺愛されています─
もう、いい。
突然、諦念に満ちた聴き慣れた声が脳内に響く。同時にバチリと覚醒する意識の中、左の頬を中心に体には覚えのない痛みが襲いくる。
呆然としながら周りを見回せば、そこは先程まで過ごしていた職場とは打って変わった中世ヨーロッパの宮殿のような豪奢な広い部屋、遠巻きにこちらを見るドレスやら正装を身に纏った大勢の人、人、人。
どうやら俺は床から上半身だけを起こしているような体勢のようで体の痛みは床にぶつけたせいらしい。
ここはどこだ?
突然知らない場所に放り出され、様々な視線に晒されて混乱する俺を他所に目の前にいた男の一人が俺に指を指す。その男には見覚えがあった。
「セイアッド・リア・レヴォネ! 貴様の罪は全て暴かれた! 貴様はこの国を担う宰相には相応しくない!!」
セイアッド・リア・レヴォネ。
その名前が指す者は「俺」にとって大切なものだ。
ああ、そしてこれは何百回も見た場面。
心の奥底でそんなことを「俺」は思う。違うのは場面を見ている視点とBGMがない事だろうか。
俯いて自分の掌を見れば、見慣れぬ細く白い指。視界にはざらりと長い黒髪が垂れ下がってきて、まるでジャパニーズホラーに出てきそうな光景だった。
ゆるりと顔を上げ、長い黒髪に途切れながら遮られた視界の合間から見えるのは得意げに立つ王太子ライドハルトとその他色とりどりの髪や瞳をした「攻略対象者」達。そして、彼等に守られるように俺と勝ち誇ったような笑みを浮かべて対峙する少女の名は「ステラ」。のちに流星の乙女と呼ばれる伯爵令嬢の聖女候補だ。
「俺」にとって見覚えのあるシーン、「俺」にとって覚えのない体の痛み。
「私」にとって不測の事態は「俺」にとっては馴染みの場面だ。
異世界転生、なんて流行りのジャンルを思い出す。「俺」と「私」、全く違う世界を生きた記憶が混ざり合う事もなく思考の中に存在する、何とも奇妙な感覚。
だからこそ、当事者でありながら客観視出来るこの状況。
この物語り前半最大の見せ場はそれこそ飽きる程に繰り返し見てきた。次に来る台詞も下げ渡される沙汰も、何もかも「俺」は知っている。
これが酷くリアルな夢なのか有り得ない現実かはわからない。されど、ひとつだけ言える事がある。ここはゲームのワンシーン、それも所謂乙女ゲームと呼ばれるジャンルのゲームの。そして、今は前半の見せ場である。国王生誕祭の夜会で悪役宰相を裁いているシーンだろう。
主人公であるステラはその身に宿す聖なる力を見出され、身分が低いながらも聖女候補として伯爵家の養女となり貴族が多く通う名門学園に入学する。そこで様々な困難に立ち向かいながら自らのステータスを鍛えて聖女として認められていく過程で男を落とす、そんなありふれた乙女ゲームだ。
後半は、前半パートで定まった相手の攻略対象と共に聖女認定とエンディングである結婚式を目指して世の中の荒波に立ち向かう訳だが今はその直前、前半パートの学園編のクライマックスシーン。
今は国王の生誕祭の真っ最中で、恐らく「俺」はこのゲームで前半の悪役に設定されている宰相、セイアッドになっているのだろう。
そして、正に悪の所業を暴き立て、これから断罪するシーンだ。
……そもそもこのストーリーは気に食わなかったのだ。「俺」はこのゲームの制作に関わって、理不尽な思いを沢山した。ストーリー展開もそのうちの一つだ。ここから盤面をひっくり返してやったらさぞかし爽快な事だろう。意識の底に沈んでしまった「私」もきっと喜ぶに違いない。
「ふ、ふふ……はははは!」
狂ったように笑い出した私……いや、俺の様子にそれまで対峙していた者達が怯むのが髪の合間から見えた。この身をつんざく絶望感、そしてその奥底から湧き上がる、絶望を凌駕する遥かなる高揚感。今なら世界だって壊せそうだ、なんてらしくもなく思ってしまった。
実際、指先一つ言葉一つでこの場にいる者全てを絶望に突き落とす事が出来る身分だ。それだけ、「私」はこの国のあらゆる事を、「俺」はこの世界の細かい設定を知っている。
「あー……面白い。人生観が変わる瞬間ってこんな感じなのか」
くつくつ笑いながら立ち上がり呟く俺の様子を訝しげに対峙している男が…王太子ライドハルトがその青い瞳で俺を睨む。
「何がおかしい! 遂に狂ったか」
「そう受け取って頂いても構いません。連日の激務を顧みて頂く事すら叶わぬのに、突然謂れもない罪でいきなり暴力を受け、大衆の面前で吊し上げられたのですから」
くつくつ笑いながら言い返してやれば、王太子サマが息を呑むのがわかった。普段の不摂生と狼藉を働かれた事でボサボサになっている黒髪をかき上げ、先程殴られたせいでヒビの入った眼鏡を投げ棄てる。
カシャンと銀縁の眼鏡が大理石の床に転がる中、落ちるのは沈黙だ。相手は俺がこんな態度を取るとは思っていなかったのだろう。
それもそうだ。本来ならば断罪されたセイアッドは半狂乱となってヒロインを殺そうとしてしくじり、金切り声を挙げながら近衛兵に連行されるのだから。彼らもそうやって「私」が激昂するのを期待していたのだろう。
断罪されたセイアッドを待つのは散々共に働いて来た者達にも身内にも見捨てられ、領地に幽閉され心を壊して自死を選ぶ暗い未来。そんな未来を「私」に歩ませてなどやるものか。
「全く、このような茶番なぞ馬鹿馬鹿しくて付き合っていられない。お好きにどうぞ? 王太子殿下のお望み通り、私は一足先に舞台から降りるといたしましょう。新たな宰相にはお好きな方を据えると良い。……ローライツ王国に栄光あれ。一瞬で潰える流星にならぬ事を祈りますよ」
一息にそこまで告げてひらひらと手を振って見せた俺に激昂した王太子サマとその取り巻き達はそれぞれ表情に、態度に怒りを露わにした。
感情が齎す起伏のままに表情に出すなど愚かな事だ。政治の場でいちいち考えを露わにしていては足元をすくわれる。
「貴様……! 二度と王都の地を踏む事は許さん! せめてもの情けとして領地はそのまま残してやるが、生涯そこから出る事も許さん! これは王太子ライドハルトの命である!」
怒りに呑まれた王太子サマは思った通りの沙汰を言い渡す。口元に笑みを浮かべながら跪く。その言葉、恭しく跪いて受け取ってやろう。
だが、お前らに跪くのはこれが最初で最後。次にこの俺が膝をつく相手こそが……。思い通りにいかなかった相手は苛立っているだろうが、更に一つ置き土産を置いていくとしよう。
「ライドハルト殿下の寛大なる御心に感謝致します。……私は領地にある屋敷に引っ込んで余生を過ごすと致しましょう。湖の畔にある美しい屋敷なのですよ。傷心の身を慰めてくださる奇特な方がいらっしゃいましたらそちらへ是非。歓迎致しますよ。ふふ、……はははは!」
高笑いを挙げながら観衆の中を歩く。そして、出入り口の大きなドアまで来て俺は彼等を振り返る。
「それでは皆々様、ご機嫌よう。良い夜をお過ごし下さい」
大仰に芝居がかった仕草で頭を下げてやり、怒鳴り声と騒めきを背に受けながら俺は夜会会場を後にした。
あらすじを逸脱した登場人物。
其の物語りが行き着く先はハッピーエンドか、それともバッドエンドか。
それは誰にも分からない。
◆◆◆
高い哄笑と共にホールを去って行くセイアッドの姿を誰もが茫然と見送った。中には幾つか光る瞳があるが、彼らは今し方去った人間の価値を真に理解している者達だ。
王とて所詮は傀儡。目の前で起きたまるで物語りのような展開に高揚している人々の大半は玉座で顔色を変えている王の姿に気が付かない。
事実、国務を実際に握っているのは宰相であるセイアッドだ。国王はセイアッドが精査し処理したものに承諾のサインをするだけ。時折形骸的に会議は行われるが、それもセイアッドが前もって資料を寄越すからそのまま告げるだけ。尤も、それは今代の王に限った事ではない。
王政は形骸化して久しく、象徴的なものであり、実際に国政を動かすのは宰相を中心にした大臣達だ。その中でもセイアッドの執務能力は抜きん出ていた。数年前に大陸全土を襲った飢饉から国を立て直したのも、長らく国交が断たれていた国と新たに友誼を結べたのも。彼がいなければ成されなかった出来事であり、彼がいなければ既に国は回らない。
そんな男を、自らの後継者が追い出してしまった。そして、セイアッドは言われたとおりに引っ込むと宣言してしまったのだ。更には自らの元に訪れる者を歓迎すると。
その言葉が意味する事が分からぬほど王は愚かではなかった。セイアッドがその気になれば、彼が思う者を王にする事だって難しく無い。
目の前で邪魔者を追い出して抱擁を交わす可愛い一人息子と見慣れぬ少女は幸せそうに微笑み合う。その笑みも直ぐに失せる事を悟ってこれから可愛い我が子とこの国に待ち受けているであろう波乱を予測して、そして何よりも縛り付けておきたかった者を逃してしまった喪失感に、王は玉座で一人深い溜息を零した。
─貶めた連中にやり返そうとしていたら幼馴染の騎士団長に溺愛されています─
もう、いい。
突然、諦念に満ちた聴き慣れた声が脳内に響く。同時にバチリと覚醒する意識の中、左の頬を中心に体には覚えのない痛みが襲いくる。
呆然としながら周りを見回せば、そこは先程まで過ごしていた職場とは打って変わった中世ヨーロッパの宮殿のような豪奢な広い部屋、遠巻きにこちらを見るドレスやら正装を身に纏った大勢の人、人、人。
どうやら俺は床から上半身だけを起こしているような体勢のようで体の痛みは床にぶつけたせいらしい。
ここはどこだ?
突然知らない場所に放り出され、様々な視線に晒されて混乱する俺を他所に目の前にいた男の一人が俺に指を指す。その男には見覚えがあった。
「セイアッド・リア・レヴォネ! 貴様の罪は全て暴かれた! 貴様はこの国を担う宰相には相応しくない!!」
セイアッド・リア・レヴォネ。
その名前が指す者は「俺」にとって大切なものだ。
ああ、そしてこれは何百回も見た場面。
心の奥底でそんなことを「俺」は思う。違うのは場面を見ている視点とBGMがない事だろうか。
俯いて自分の掌を見れば、見慣れぬ細く白い指。視界にはざらりと長い黒髪が垂れ下がってきて、まるでジャパニーズホラーに出てきそうな光景だった。
ゆるりと顔を上げ、長い黒髪に途切れながら遮られた視界の合間から見えるのは得意げに立つ王太子ライドハルトとその他色とりどりの髪や瞳をした「攻略対象者」達。そして、彼等に守られるように俺と勝ち誇ったような笑みを浮かべて対峙する少女の名は「ステラ」。のちに流星の乙女と呼ばれる伯爵令嬢の聖女候補だ。
「俺」にとって見覚えのあるシーン、「俺」にとって覚えのない体の痛み。
「私」にとって不測の事態は「俺」にとっては馴染みの場面だ。
異世界転生、なんて流行りのジャンルを思い出す。「俺」と「私」、全く違う世界を生きた記憶が混ざり合う事もなく思考の中に存在する、何とも奇妙な感覚。
だからこそ、当事者でありながら客観視出来るこの状況。
この物語り前半最大の見せ場はそれこそ飽きる程に繰り返し見てきた。次に来る台詞も下げ渡される沙汰も、何もかも「俺」は知っている。
これが酷くリアルな夢なのか有り得ない現実かはわからない。されど、ひとつだけ言える事がある。ここはゲームのワンシーン、それも所謂乙女ゲームと呼ばれるジャンルのゲームの。そして、今は前半の見せ場である。国王生誕祭の夜会で悪役宰相を裁いているシーンだろう。
主人公であるステラはその身に宿す聖なる力を見出され、身分が低いながらも聖女候補として伯爵家の養女となり貴族が多く通う名門学園に入学する。そこで様々な困難に立ち向かいながら自らのステータスを鍛えて聖女として認められていく過程で男を落とす、そんなありふれた乙女ゲームだ。
後半は、前半パートで定まった相手の攻略対象と共に聖女認定とエンディングである結婚式を目指して世の中の荒波に立ち向かう訳だが今はその直前、前半パートの学園編のクライマックスシーン。
今は国王の生誕祭の真っ最中で、恐らく「俺」はこのゲームで前半の悪役に設定されている宰相、セイアッドになっているのだろう。
そして、正に悪の所業を暴き立て、これから断罪するシーンだ。
……そもそもこのストーリーは気に食わなかったのだ。「俺」はこのゲームの制作に関わって、理不尽な思いを沢山した。ストーリー展開もそのうちの一つだ。ここから盤面をひっくり返してやったらさぞかし爽快な事だろう。意識の底に沈んでしまった「私」もきっと喜ぶに違いない。
「ふ、ふふ……はははは!」
狂ったように笑い出した私……いや、俺の様子にそれまで対峙していた者達が怯むのが髪の合間から見えた。この身をつんざく絶望感、そしてその奥底から湧き上がる、絶望を凌駕する遥かなる高揚感。今なら世界だって壊せそうだ、なんてらしくもなく思ってしまった。
実際、指先一つ言葉一つでこの場にいる者全てを絶望に突き落とす事が出来る身分だ。それだけ、「私」はこの国のあらゆる事を、「俺」はこの世界の細かい設定を知っている。
「あー……面白い。人生観が変わる瞬間ってこんな感じなのか」
くつくつ笑いながら立ち上がり呟く俺の様子を訝しげに対峙している男が…王太子ライドハルトがその青い瞳で俺を睨む。
「何がおかしい! 遂に狂ったか」
「そう受け取って頂いても構いません。連日の激務を顧みて頂く事すら叶わぬのに、突然謂れもない罪でいきなり暴力を受け、大衆の面前で吊し上げられたのですから」
くつくつ笑いながら言い返してやれば、王太子サマが息を呑むのがわかった。普段の不摂生と狼藉を働かれた事でボサボサになっている黒髪をかき上げ、先程殴られたせいでヒビの入った眼鏡を投げ棄てる。
カシャンと銀縁の眼鏡が大理石の床に転がる中、落ちるのは沈黙だ。相手は俺がこんな態度を取るとは思っていなかったのだろう。
それもそうだ。本来ならば断罪されたセイアッドは半狂乱となってヒロインを殺そうとしてしくじり、金切り声を挙げながら近衛兵に連行されるのだから。彼らもそうやって「私」が激昂するのを期待していたのだろう。
断罪されたセイアッドを待つのは散々共に働いて来た者達にも身内にも見捨てられ、領地に幽閉され心を壊して自死を選ぶ暗い未来。そんな未来を「私」に歩ませてなどやるものか。
「全く、このような茶番なぞ馬鹿馬鹿しくて付き合っていられない。お好きにどうぞ? 王太子殿下のお望み通り、私は一足先に舞台から降りるといたしましょう。新たな宰相にはお好きな方を据えると良い。……ローライツ王国に栄光あれ。一瞬で潰える流星にならぬ事を祈りますよ」
一息にそこまで告げてひらひらと手を振って見せた俺に激昂した王太子サマとその取り巻き達はそれぞれ表情に、態度に怒りを露わにした。
感情が齎す起伏のままに表情に出すなど愚かな事だ。政治の場でいちいち考えを露わにしていては足元をすくわれる。
「貴様……! 二度と王都の地を踏む事は許さん! せめてもの情けとして領地はそのまま残してやるが、生涯そこから出る事も許さん! これは王太子ライドハルトの命である!」
怒りに呑まれた王太子サマは思った通りの沙汰を言い渡す。口元に笑みを浮かべながら跪く。その言葉、恭しく跪いて受け取ってやろう。
だが、お前らに跪くのはこれが最初で最後。次にこの俺が膝をつく相手こそが……。思い通りにいかなかった相手は苛立っているだろうが、更に一つ置き土産を置いていくとしよう。
「ライドハルト殿下の寛大なる御心に感謝致します。……私は領地にある屋敷に引っ込んで余生を過ごすと致しましょう。湖の畔にある美しい屋敷なのですよ。傷心の身を慰めてくださる奇特な方がいらっしゃいましたらそちらへ是非。歓迎致しますよ。ふふ、……はははは!」
高笑いを挙げながら観衆の中を歩く。そして、出入り口の大きなドアまで来て俺は彼等を振り返る。
「それでは皆々様、ご機嫌よう。良い夜をお過ごし下さい」
大仰に芝居がかった仕草で頭を下げてやり、怒鳴り声と騒めきを背に受けながら俺は夜会会場を後にした。
あらすじを逸脱した登場人物。
其の物語りが行き着く先はハッピーエンドか、それともバッドエンドか。
それは誰にも分からない。
◆◆◆
高い哄笑と共にホールを去って行くセイアッドの姿を誰もが茫然と見送った。中には幾つか光る瞳があるが、彼らは今し方去った人間の価値を真に理解している者達だ。
王とて所詮は傀儡。目の前で起きたまるで物語りのような展開に高揚している人々の大半は玉座で顔色を変えている王の姿に気が付かない。
事実、国務を実際に握っているのは宰相であるセイアッドだ。国王はセイアッドが精査し処理したものに承諾のサインをするだけ。時折形骸的に会議は行われるが、それもセイアッドが前もって資料を寄越すからそのまま告げるだけ。尤も、それは今代の王に限った事ではない。
王政は形骸化して久しく、象徴的なものであり、実際に国政を動かすのは宰相を中心にした大臣達だ。その中でもセイアッドの執務能力は抜きん出ていた。数年前に大陸全土を襲った飢饉から国を立て直したのも、長らく国交が断たれていた国と新たに友誼を結べたのも。彼がいなければ成されなかった出来事であり、彼がいなければ既に国は回らない。
そんな男を、自らの後継者が追い出してしまった。そして、セイアッドは言われたとおりに引っ込むと宣言してしまったのだ。更には自らの元に訪れる者を歓迎すると。
その言葉が意味する事が分からぬほど王は愚かではなかった。セイアッドがその気になれば、彼が思う者を王にする事だって難しく無い。
目の前で邪魔者を追い出して抱擁を交わす可愛い一人息子と見慣れぬ少女は幸せそうに微笑み合う。その笑みも直ぐに失せる事を悟ってこれから可愛い我が子とこの国に待ち受けているであろう波乱を予測して、そして何よりも縛り付けておきたかった者を逃してしまった喪失感に、王は玉座で一人深い溜息を零した。
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