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第四章
13 これは私の人生
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ぱたり、と扉が閉まる。それを見届け感傷を振り切って、私はデュヘルに質問をぶつけた。
「そういえば、デュヘル様はどうやって私を混沌まで迎えに来てくれたのですか。あの世界を訪れるためにはきっと、混沌術を使ったのですよね。私的利用は禁じられているのでは?」
「何を言う、リザエラ」
デュヘルはほんの僅かたりとも悪びれず、わざとらしく目をぱちくりさせた。
「あれは公的利用だ」
「はい?」
「君が混沌に下った日から、ナーリスは継続的に人型であれるようになったものの、皇としての能力はまだまだ成長過程。皇の安定のためには我々二人の愛がこれからも必要なのだよ。だから国のために混沌術を使い、君を連れ戻した」
「でも、私がいなくなったのに、どうしてナーリスは人型に?」
「以前、プエリスが言っていた通り、神樹に預けた我々の魔力と聖力の器は、本来の持ち主が消えても維持される。憶測だが、混沌に下る寸前、照れ屋なリザエラが私への愛を認めたことにより、器が一つ強大になったのだろう」
「あ、愛……」
もはや赤面すらしない。無理もない。体感年齢百三十歳。初心な乙女のような反応を期待しないで欲しい。……のだけれど。
「やはり我々の愛は本物だった。リザエラ、君が聖女で良かった」
上体を起こしてベッドに座る私の手を、デュヘルが取った。指先に、恭しい仕草で口付けが落ちる。その途端、ぞわり、と背筋の毛が逆立った。嫌悪かと思ったが、今となればわかる。これは驚きと戸惑いと、ほんの少しの胸の高鳴りが、全身の毛根を刺激した結果のこと。リザエラは以前から、デュヘルのことを憎からず思っていたのだ。多分。
「デュヘル様、その」
「リザエラ」
真摯な光を宿す赤紫色の瞳が、私に注がれている。彼は形の良い唇に極上の笑みを乗せ、甘い言葉を紡いだ。
「改めて言おう。結婚してくれないか。魔王と聖女としてではなく、普通の男女として」
おかしいおかしいおかしい。私の胸は早鐘を打つ。老いてスカスカになった百歳の肋骨を粉砕して心臓が飛び出しそう……いや、何を考えているのだろう。リザエラは多分二十代。骨密度も問題ないはず。じゃなくて。
ついさっきまで、老いてシワシワになった乙女心を自虐していたというのに、油ギトギトお砂糖塗れ揚げパンの一言で途端に若返ったみたい。
私はごくりと唾を飲み一拍おいてから、疑問を吐き出す。柄にもなく掠れた声が出た。
「でもデュヘル様。私は罪を犯しました。それに、混沌に下る前の記憶がありません。当時のリザエラは、あなたやナーリスを素直に愛することができなくて混沌術に手を伸ばしたのですよ」
そんな女の隣で人生を過ごしたいと、思うものだろうか。
「ああ、知っている。だがそれは、家族に確かな愛情を感じ、事態を打開したいからこそ取った行動だ。混沌術に手を出す前に相談をしてくれたら良かったのに、と思う部分もあるが、きっと、優しいリザエラは私にそんなことを相談できやしない。むしろ、私の不甲斐なさゆえに、リザエラを混沌に追い込んでしまったのかも」
「そんなこと」
「リザエラ、我々は互いに対話が不足していただけだ。今この瞬間、確かな思いがあるのであれば、全てはここから再出発させれば良い。世界のために、ナーリスのために、何よりも私と君の幸せのために」
胸の奥に、火が灯ったような心地がした。見つめ合った二人の間の空間が、ちりちりと焦げ付いて、やがて火の手を上げる準備が整った。必要なのは、ほんの一押しだけ。私は、口を開いてその引き金を引く。
「わかりました。私で良ければ、改めて夫婦に」
全てを言い切る前に、デュヘルの匂いが近づいて、ふわりと私を包み込んだ。
ああ、驚くべきことだけれど、私はずっとこの温もりだけを求めていたのかもしれない。リサも理沙も、歴代の恋人達にはしっくり来なかった。私が切望していたのはデュヘルの心であり、体温であったのだ。
「デュヘル様、私は」
「ではリザエラ」
デュヘルが少し身体を離し、至近距離で言う。
「今晩早速君の部屋に」
「……は?」
「慎み深い君は今まで一度も寝室を共にしてくれなかっただろう。だが今や互いの心を確かめ合ったのだ。かくなる上は」
「ちょっと待ってください。この流れでそんな話をしますか!?」
「いけないかい」
いけないも何も、ムードが台無しではないか。私は、身体中の熱が急激に冷めるのを感じた。
しかしリザエラ、一度もデュヘルと共に夜を過ごしたことがなかったのか。これはもしや、リザエラがデュヘルに思いを寄せていたという私の読みは間違っていたのだろうか。ただの幻想?
愛していたのはナーリスだけなのか。それとも。
「ええい、もう良くわからない!」
私はお腹の奥に沈殿したモヤモヤを吐き出した。どうせ、リサ以前のリザエラの記憶は戻りそうもないのだ。であればリザエラの人生を作るのはこの私。過去のことなんて、どうでも良い。これからは、私の信じる通りに生きていく。
「とにかく、それはお預けです!」
「な、なぜ」
「なぜって」
その時だ。
遠くで甲高い悲鳴が響き、開け放した窓から飛び込んできた。私達はぎょっとして身体を離す。直後、雑なノックの後、返事も待たずに扉が開く。
駆け込んで来たのは、垂れた兎耳を精一杯怒らせたアリスだ。その腕には、茶色いモフモフが抱かれている。
私は目を疑ったものの、即座に事態を把握した。アリスに抱かれたナーリスが、子犬姿に戻っている。原因は明白。
「もうっ、デュヘル様! リザエラ様を幻滅させることをしないでくださいいいいい!」
大正解だ。まさか盗み聞きをしていた訳ではないだろうから、アリスには全てお見通しということか。
恐れもなくデュヘルの胸をぽかぽか叩くアリス。魔王相手に、強い子だ。
何はともあれ前途多難。けれど私はまだ二十代なのだから、時間だけはたっぷり残されている。
何だか意地悪い気分になり、アリスの拳の餌食になっているデュヘルの袖を引っ張り耳元に囁いた。
「ナーリスのために、私の心を掴んでくださいね。私が良いというまでは、台無し発言は禁止です」
デュヘルは驚いたように目を見開いて、それから楽しげに口の端を歪めた。
「聖女リザエラはいつから悪女になったのだろうね」
私達は笑みを交わし合う。
騒ぎ立てるアリスと、事態を呑み込めない様子のナーリスには申し訳ないのだけれど、心配ない。きっとそのうち、ナーリスは立派な皇になる。
かつて、狭い世界しか知らなかった品行方正な聖女は思い悩み、禁忌に触れた。そして世界を股にかけて百三十年を生き、スレて悪意と傲慢さとしたたかさを身に付け帰って来た。
リザエラがリサになるため混沌に下ったのは罪だけれど、決して誤った決断ではなかったはずだ。
清すぎる心はガラス細工のように壊れやすく、国母となるには心許ない。けれど今の私ならば、何だかんだと上手く立ち回ることができるような気がした。
――ごめんなさい、あなたのことを愛せない。
でも、あなたがいたからこそ、今の私がある。
窓から吹き込む微風が、騒がしい室内に暖かさと清々しさを運んで来る。それは、再スタートを迎えた私達への祝福のようだった。リザエラはこれからも、全世界のモフモフと、ついでに夫のために、奮闘するのだろう。
<完>
「そういえば、デュヘル様はどうやって私を混沌まで迎えに来てくれたのですか。あの世界を訪れるためにはきっと、混沌術を使ったのですよね。私的利用は禁じられているのでは?」
「何を言う、リザエラ」
デュヘルはほんの僅かたりとも悪びれず、わざとらしく目をぱちくりさせた。
「あれは公的利用だ」
「はい?」
「君が混沌に下った日から、ナーリスは継続的に人型であれるようになったものの、皇としての能力はまだまだ成長過程。皇の安定のためには我々二人の愛がこれからも必要なのだよ。だから国のために混沌術を使い、君を連れ戻した」
「でも、私がいなくなったのに、どうしてナーリスは人型に?」
「以前、プエリスが言っていた通り、神樹に預けた我々の魔力と聖力の器は、本来の持ち主が消えても維持される。憶測だが、混沌に下る寸前、照れ屋なリザエラが私への愛を認めたことにより、器が一つ強大になったのだろう」
「あ、愛……」
もはや赤面すらしない。無理もない。体感年齢百三十歳。初心な乙女のような反応を期待しないで欲しい。……のだけれど。
「やはり我々の愛は本物だった。リザエラ、君が聖女で良かった」
上体を起こしてベッドに座る私の手を、デュヘルが取った。指先に、恭しい仕草で口付けが落ちる。その途端、ぞわり、と背筋の毛が逆立った。嫌悪かと思ったが、今となればわかる。これは驚きと戸惑いと、ほんの少しの胸の高鳴りが、全身の毛根を刺激した結果のこと。リザエラは以前から、デュヘルのことを憎からず思っていたのだ。多分。
「デュヘル様、その」
「リザエラ」
真摯な光を宿す赤紫色の瞳が、私に注がれている。彼は形の良い唇に極上の笑みを乗せ、甘い言葉を紡いだ。
「改めて言おう。結婚してくれないか。魔王と聖女としてではなく、普通の男女として」
おかしいおかしいおかしい。私の胸は早鐘を打つ。老いてスカスカになった百歳の肋骨を粉砕して心臓が飛び出しそう……いや、何を考えているのだろう。リザエラは多分二十代。骨密度も問題ないはず。じゃなくて。
ついさっきまで、老いてシワシワになった乙女心を自虐していたというのに、油ギトギトお砂糖塗れ揚げパンの一言で途端に若返ったみたい。
私はごくりと唾を飲み一拍おいてから、疑問を吐き出す。柄にもなく掠れた声が出た。
「でもデュヘル様。私は罪を犯しました。それに、混沌に下る前の記憶がありません。当時のリザエラは、あなたやナーリスを素直に愛することができなくて混沌術に手を伸ばしたのですよ」
そんな女の隣で人生を過ごしたいと、思うものだろうか。
「ああ、知っている。だがそれは、家族に確かな愛情を感じ、事態を打開したいからこそ取った行動だ。混沌術に手を出す前に相談をしてくれたら良かったのに、と思う部分もあるが、きっと、優しいリザエラは私にそんなことを相談できやしない。むしろ、私の不甲斐なさゆえに、リザエラを混沌に追い込んでしまったのかも」
「そんなこと」
「リザエラ、我々は互いに対話が不足していただけだ。今この瞬間、確かな思いがあるのであれば、全てはここから再出発させれば良い。世界のために、ナーリスのために、何よりも私と君の幸せのために」
胸の奥に、火が灯ったような心地がした。見つめ合った二人の間の空間が、ちりちりと焦げ付いて、やがて火の手を上げる準備が整った。必要なのは、ほんの一押しだけ。私は、口を開いてその引き金を引く。
「わかりました。私で良ければ、改めて夫婦に」
全てを言い切る前に、デュヘルの匂いが近づいて、ふわりと私を包み込んだ。
ああ、驚くべきことだけれど、私はずっとこの温もりだけを求めていたのかもしれない。リサも理沙も、歴代の恋人達にはしっくり来なかった。私が切望していたのはデュヘルの心であり、体温であったのだ。
「デュヘル様、私は」
「ではリザエラ」
デュヘルが少し身体を離し、至近距離で言う。
「今晩早速君の部屋に」
「……は?」
「慎み深い君は今まで一度も寝室を共にしてくれなかっただろう。だが今や互いの心を確かめ合ったのだ。かくなる上は」
「ちょっと待ってください。この流れでそんな話をしますか!?」
「いけないかい」
いけないも何も、ムードが台無しではないか。私は、身体中の熱が急激に冷めるのを感じた。
しかしリザエラ、一度もデュヘルと共に夜を過ごしたことがなかったのか。これはもしや、リザエラがデュヘルに思いを寄せていたという私の読みは間違っていたのだろうか。ただの幻想?
愛していたのはナーリスだけなのか。それとも。
「ええい、もう良くわからない!」
私はお腹の奥に沈殿したモヤモヤを吐き出した。どうせ、リサ以前のリザエラの記憶は戻りそうもないのだ。であればリザエラの人生を作るのはこの私。過去のことなんて、どうでも良い。これからは、私の信じる通りに生きていく。
「とにかく、それはお預けです!」
「な、なぜ」
「なぜって」
その時だ。
遠くで甲高い悲鳴が響き、開け放した窓から飛び込んできた。私達はぎょっとして身体を離す。直後、雑なノックの後、返事も待たずに扉が開く。
駆け込んで来たのは、垂れた兎耳を精一杯怒らせたアリスだ。その腕には、茶色いモフモフが抱かれている。
私は目を疑ったものの、即座に事態を把握した。アリスに抱かれたナーリスが、子犬姿に戻っている。原因は明白。
「もうっ、デュヘル様! リザエラ様を幻滅させることをしないでくださいいいいい!」
大正解だ。まさか盗み聞きをしていた訳ではないだろうから、アリスには全てお見通しということか。
恐れもなくデュヘルの胸をぽかぽか叩くアリス。魔王相手に、強い子だ。
何はともあれ前途多難。けれど私はまだ二十代なのだから、時間だけはたっぷり残されている。
何だか意地悪い気分になり、アリスの拳の餌食になっているデュヘルの袖を引っ張り耳元に囁いた。
「ナーリスのために、私の心を掴んでくださいね。私が良いというまでは、台無し発言は禁止です」
デュヘルは驚いたように目を見開いて、それから楽しげに口の端を歪めた。
「聖女リザエラはいつから悪女になったのだろうね」
私達は笑みを交わし合う。
騒ぎ立てるアリスと、事態を呑み込めない様子のナーリスには申し訳ないのだけれど、心配ない。きっとそのうち、ナーリスは立派な皇になる。
かつて、狭い世界しか知らなかった品行方正な聖女は思い悩み、禁忌に触れた。そして世界を股にかけて百三十年を生き、スレて悪意と傲慢さとしたたかさを身に付け帰って来た。
リザエラがリサになるため混沌に下ったのは罪だけれど、決して誤った決断ではなかったはずだ。
清すぎる心はガラス細工のように壊れやすく、国母となるには心許ない。けれど今の私ならば、何だかんだと上手く立ち回ることができるような気がした。
――ごめんなさい、あなたのことを愛せない。
でも、あなたがいたからこそ、今の私がある。
窓から吹き込む微風が、騒がしい室内に暖かさと清々しさを運んで来る。それは、再スタートを迎えた私達への祝福のようだった。リザエラはこれからも、全世界のモフモフと、ついでに夫のために、奮闘するのだろう。
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