シドの国

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真吐き一座

第73話 かくて英雄は死せり

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~真吐き一座 宿泊馬車 (イチルギ・ジャハル・ナハル・ハピネス・ラプーサイド)~

 ウェンズ監督を含めた留守番の6名が食卓を囲んでいると、少しの物音共に入り口の扉が開いた。ナハルはその姿を確認する前に立ち上がって駆け出し、玄関へと駆け寄る。
「シ、シスター!!お怪我はありませんか!?」
 出迎えられたシスターがナハルに微笑む。
「大丈夫ですよナハル」
 シスターに続いてラデック、ハザクラ、バリアの姿が見え、ラルバを除いた全員が馬車にそろった。ハザクラは未だ変装しているイチルギの方へとまっすぐ歩いて行き、その隣に腰掛ける。
「もう一度シガーラット座長と話したい。明日、国議馬車を訪ねるのに付いて来て欲しい。イチルギ」
 ハザクラがイチルギの名前を呼ぶと、向かいに座っていたウェンズ監督は椅子から転げ落ちそうな勢いで驚いた。
「イ、イチルギって、イチ、せっ、世界ギルドの総帥さん!?」
 イチルギは少しだけ諦めを含んだ溜息を吐いて変装を解いた。
「“元”総帥。今はただの調査員よ」
「こっここここっこれは失礼を……!!」
「何もされてないわよ。そんなかしこまらないで?」
「いやっ、いやっ、あ、あのっ……」
 突然の世界的有名人との対面に、ウェンズ監督は只管ひたすらに慌てて取り乱す。
 シスター達の無事に安心して宿泊馬車に穏やかな空気が流れ出すと、突然玄関口の扉が勢いよく蹴破られた。
「私抜きでほんわかするなーっ!!!」
 不貞腐ふてくされた子供のように目くじらを立てたラルバが、わざとハイヒールで足音を鳴り響かせながら入室して来た。しかし、その鬼気迫る姿に一行は誰一人特別な表情を浮かべることはなかった。ラルバはそのままラデックとハザクラの方に詰め寄り2人の胸倉をつかんで揺さぶる。
「せっかく誘拐されたんだから探しに来てよ!!仲間でしょ!!」
 ぐわんぐわんと揺さぶられながらも無言で目を逸らすハザクラ。ラデックはうめき声を漏らしながら、ラルバの手を引きがそうと少しだけ反抗した。
「な、仲間なら、易々やすやすつか、捕まらないで、ほしい、おえっ」
「捕まっちゃったモンはしょうがないだろ!!」
「しょ、しょうがなく、ない」
 ラルバは2人から乱暴に手を離すと鼻息荒く食卓へとついて食事をむさぼり始めた。
「まったく……これだけ仲間がいて助けに行こうって言ってくれたのが1人だけだなんて、私は悲しいよ!」
 そして口に物を放り込んだままシスターをにらみつける。
「それも欺瞞ぎまんだったけどねぇ!!」
 シスターは「うっ」と小さく呻いて顔を背けるが、ラルバの発言にラデックがいぶかしげな顔をする。
「ちょっと待てラルバ。“助けに行こうって言ってくれたのが1人”と言ったか?何故それをラルバが知っているんだ?」
 全員が沈黙し、数秒の間馬車のきしむ音とラルバの豪快な咀嚼音そしゃくおんだけが流れた。そしてラルバが口の中のものをのどを鳴らして飲み込むと、太々しく椅子の背もたれに身を預けて踏ん反り返る。
「サイコメトリー」
「さてはウェンズ監督が来た時からずっと見ていたな?」
 ラデックの指摘に反論しないラルバを見て、ハザクラがバリアを睨みつけた。
「先生……もしかしてラルバが近くにいたこと、ご存知だったのではないですか?」
「なんで」
「どうなんですか」
「知ってたよ」
 バリアの解答にハザクラは顔を手でおおってうつむく。
「何で教えてくれなかったんですか……!」
「ラルバが”しぃー“ってやってたから」
 バリアがくちびるすぼめて人差し指を当て”内緒“のジェスチャーを取ると、ハザクラは大きく溜息を吐いて机に突っ伏した。その様子を見てラデックがなぐさめるように肩を揺すった。
「まあいいじゃないか。結果良ければ全て良しだ」
 ラデックの言葉にラルバが「そーそー」と同意すると、その場にいた全員がラルバを睨みつけた。



 翌日から真吐き一座の空気は一変した。イチルギ、シガーラット、ハザクラ、ジャハルの4名で行われた会議で、“真吐き一座”が“人道主義自己防衛軍“の従属国となることが決定した。シガーラットによる発表がなされると、当然真吐き一座国民は猛反対をした。しかし花形”タリニャ“のなかば横暴とも言える説得により、そのほとんどが黙殺される結果となった。

~真吐き一座 滞在4日目 昼間の食堂馬車~

 大量の食事が盛られた飾り棚から、ラデックは大量のソーセージとパンを大皿に乗せて席へと戻った。既に席についていたハピネスとラルバが、ラデックのランチを見てあきれた顔をする。しかしラデックはそんな視線を気に留める様子すら見せずに、パンを真っ二つに裂いてソーセージを挟み豪快にかじり付いた。
「むぐっ……んむ……うん。初めて食べたが結構イケるな。ハピネスは食べたか?このナッツソーセージ。細かく砕かれたピスタチオが入っていて美味いぞ」
「……ラデック君。もう少し栄養バランスってものを考えたほうがいいよ」
「大丈夫だ。俺は元々好き嫌いがそんなにないし、最悪異能でどうとでもなる」
「何それ、ズルくない?」
 ラデックは別のソーセージでホットドッグを作りながら、他の席に座る国民達に目を向ける。
「…………皆浮かない表情だな」
 国民達は皆、談笑したり料理を美味しそうに頬張ほおばったりと楽しそうに過ごしているように見えるが、その顔にはどこか曇った雰囲気が見受けられた。ラデックのつぶやきに、ラルバがレモネードのストローをみながら椅子を揺らして笑う。
「かなりマシな反応だと思うけどねぇ。信念だった勧善懲悪かんぜんちょうあくは禁止。自分の国も取り潰し。目の敵にしてた世界ギルドの言うことも聞かなきゃならない。旧文明だったら間違いなく反乱が起こるね」
「言われてみればそうか。従属国にされたと言うのにこの落ち着き……俺たちの時代では絶対にあり得ないな」
 2人の会話を聞いていたハピネスが、サンドイッチを一口かじってラデックを見つけた。
「現代っ子の私にしてみれば、従属国にされたぐらいで反乱を起こすのが不思議なことだよ。ラデック君の時代はそんな殺伐さつばつとしてたのかい?」
「殺伐としていたというより……自分の国が他の国に侵略されたら嫌に決まっているだろう。むしろ、この侵略行為をなくすことが全世界共通の悲願だったと言っても過言ではない」
 ハピネスはコーヒーを一口飲んで小さく「ああ」と呟いた。
「成る程。使奴が世界を統治しているかどうかの違いか……この世界は使奴がずっと昔から戦争を禁止しているから、多分私とラデック君達とでは認識のズレがあるんだね」
「使奴が戦争を禁止している?イチルギ達はそんなことまでしていたのか」
「大昔の使奴が決めたことと言えば後は……言語の統一かな?独自の方言とかなまりは可能な限り“標準語”に統一されたって文献が残ってるよ」
「そう言えばどこでも言葉が通じるな。今思えばおかしな話か」
「昔は違ったのかい?」
「俺たちの頃は200を超える言語があった」
「……それどうやって意思疎通するの?」
「俺の知ってる話では……こう……意味のわからない絵を紙に書いてだな。これを相手に見せると”これは何?”という言葉が手に入るから、それを使って他の言葉を……」
「気の遠くなる話だね……」
「従属国にされると言語は愚か、文化や宗教さえ塗り替えられるからな。その上敗戦国として即奴隷扱いだ。国の威厳も何も残らない。当時の人間にしてみればこれ以上ない屈辱だ」
「確かにそれは酷い話だね。今そんなことしたら世界ギルドからボコボコにされるよ」
「え、ちょっと待ってよ」
 ラデックとハピネスの会話に、黙って話を聞いていたラルバが唐突に割り込んだ。
「使奴が世界を統治してる?それはおかしいよ」
 ラルバの発言にラデックは首をひねる。
「別に何らおかしくないだろう?イチルギも最初会った時に言っていたじゃないか。暇だから人助けを始めたと」
「人助けの流れで世界平和を目的に国際協定まで定めているとは思わなかった。だが、だとしたらおかしい。まるでこの国みたいだ」
「どう言う意味だ?」
「人を助けたいのに悪者を滅ぼさない……。戦争を禁止しているのに内乱は見ないフリ?いや、まずイチルギの言う“みんな”は今何をしているんだ?助けたいのに助けない。守りたいのに守らない。できるのにしない……これは私が思うに――――」
「ラルバ」
 突然背後からかけられた声に、ラルバは思考を中断して振り向く。そこにはこちらをじぃっと見つめるラプーが立っていた。ラルバは初めてラプーに声をかけられ、少し驚いて目を丸くする。
「な、なんだ?」
「それ以上、言わんでくんねーか」
 ラプーは眉一つ動かさず、機械のようにそう言った。ラルバはいぶかしげにラプーを見つめ、数秒間黙り続ける。
「…………なんで?」
「それ以上、言わんでくれ。頼む」
 ラルバの問いに、ラプーは腰を大きく曲げて頭を下げる。ラルバはいつもだったら茶化して煽り立てるところであったが、相手がこれまで一切自分の意見を言わなかったラプーであったことと、彼の現れたタイミング、反応、そして内容全てに説明がつかず、ラデックとハピネスを含め誰もこれ以上追求することができなかった。




~真吐き一座 滞在7日目 スヴァルタスフォード自治区国境付近~

「はーい全員集合ー」
 全員が荷物をまとめて馬車を降りたところで、イチルギが手を叩いて注目をうながした。
「じゃあ改めて説明をするわね。どうせラデックは全部忘れてるでしょ」
 ラデックが真顔のままうなずくと、イチルギはほんの少し下唇を噛んでから説明を始めた。
「次の目的地は今もまだ内戦の火がくすぶっている君主主義国家、“スヴァルタスフォード自治区“。使奴のように色のない肌を持つ“霊皮症れいひしょう“の発症者と、それ以外の“コモンズ”と自称する人種が互いを差別し合っている国よ。霊皮症は本来遺伝とは無関係の病気なんだけど、何故かスヴァルタスフォード自治区では霊皮症が遺伝するようになっていて、発症者は国内で”悪魔あくま“と呼ばれているわ。最初はコモンズ側が覇権を握っていたんだけど、100年位前に悪魔側が当時の国王殺害に成功してからは勢力が逆転して”悪魔の国“と呼ばれるようになったわ。悪魔って言うのは元々コモンズが使っていた霊皮症発症者への蔑称べっしょうだったはずなんだけれど、今じゃ優れた力の象徴として悪魔側も好んで使っているわ」
 イチルギが全員に革製の手帳を配る。そこには全員の顔写真と名前、そして出鱈目でたらめな経歴と職業が記載されていた。
「有名人の私とハザクラとジャハル以外の7人の偽造パスポート。現地では三つのグループに分かれてもらうわ。まず私、ハザクラ、ジャハルの密入国グループ。私たちは正当な入国を歓迎されないだろうし、世界ギルドと人道主義自己防衛軍に迷惑がかかってもいけないから秘密裏に行動するわね。次にラデック・ラプー・ハピネス・シスターのコモンズグループ。でもってラルバ・バリア・ナハルの悪魔グループね」
 するとナハルは不安そうな表情で小さく手を挙げて意見した。
「わ、私もコモンズグループじゃダメだろうか……?自分の身は自分で守れる」
「ん~……出来る限り争いの切っ掛けは最小限にした方がいいと思うわ。シスターが心配なのも分かるけど、ナハルが側にいることでコモンズ達の顰蹙ひんしゅくを買いかねない」
「……そ、それは分かっているが」
「それにコモンズ側も肌に色彩を持っているだけで使奴寄りが居ないわけじゃないわ。確かに悪魔側に使奴寄りが多いのは事実だけれど、いざ争いになった時は多分こっちも無傷じゃ済まない。ナハルがついてこない方が安全なのよ」
 イチルギの説得を聞いて尚うつむくナハルに、シスターが励ますように顔をのぞき込む。
「大丈夫ですよナハル。スヴァルタスフォード自治区は強い差別思想を持ってはいますが、その分同族には友好的です。幾ら私が色白でも悪魔側と見間違うことはないでしょう。心配しないで」
 シスターに優しく手を握られると、ナハルは渋々イチルギの提案を受け入れた。イチルギは少し申し訳なさそうに微笑むと、気を取り直して地面に図を描き始める。
「“スヴァルタスフォード自治区”なんて単一の名称で呼ばれてはいるけど、実際は共産主義の“コモンズアマルガム”と、君主主義の“悪魔郷あくまきょう”。二つの国が隣り合っているって解釈が正しいわ。スヴァルタスフォード自治区の中央には南北に伸びる大きな壁があって、そこを中心に西側がコモンズアマルガム。東側が悪魔郷に分かれてるの。入国したら恐らく合流するのは難しいから、コモンズグループは用事が済んだら早めに撤退した方がいいわ。悪魔グループはラルバ次第でしょうし、私達密入国グループはコモンズグループの補助に回るから」
 ラルバが不満そうに地図の横に落書きを描き加え、イチルギをジロリと睨む。
「なーんか主導権握られてて良い気しなーい。チル坊なにたくらんでんの?」
「企むって……私は全員の身の安全を考えてるだけよ」
「あ、隠し事してる。言わないと寝てる間におヘソ増やしちゃうぞ」
 ラルバが指先をイチルギのヘソに突き刺すと、イチルギは大きく身をよじってラルバを睨み返す。
「あーもう分かったわよ!ちょっとは気を遣ってくれたっていいじゃない!もう!」
「やなこったんたったん」
「私の目的はスヴァルタスフォード自治区への介入口実探し!世界ギルドと人道主義自己防衛軍が軍事介入するのに正当な理由が欲しいのよ!」
「じゃあそう言えば良いのに」
「こんなの口に出したら最悪でしょうが!察しなさいよ!」
「誠実って不便だねぇ。ルギルギも自分に正直に生きよう?」
「嫌!!」
 鬼の形相で怒鳴るイチルギを尻目に、ラルバは大きく伸びをしてから歩き出した。
「まあいいや。私の方からの指示は追って伝えるね。ハピネス!」
 ハピネスは名前を呼ばれると、それだけで全てを理解したかのように深々と頭を下げた。
 一行はそれぞれ荷物を背負い、国民達とコウテイラクダに見守られる中、真吐き一座を後にした。

 ゆっくりと遠ざかっていくラルバ達の背中に手を振りながら、シガーラット座長は隣にいた花形タリニャに聞こえるように独り言つ。
「……さて、これから忙しくなるな」
 どこか遠い目をしているシガーラットに、タリニャは眉間にしわを寄せて顔を覗き込んだ。
「座長……まさか、今更旅を続けるなんて言わないでよ?」
「ははっ……まさか。もう国民達に発表してしまったんだ。今更やっぱりナシは通らないだろう。それに……その道には“星”が瞬いている」
 その言葉に、タリニャは安心したかのように微笑んで視線を遠ざかっていくラルバ達に移す。ふと、シガーラットは思い浮かんだ疑問を口に出した。
「そうだタリニャ。君に聞きたいことがあった」
「ん?なに?」
「私がラルバさんの誘拐を指示した日。何故君はラデックさん達に戦いを挑んだんだ?」
「…………いやー。もしかしたら勝てるかなーって」
「今思えば、ラルバさんの誘拐指示を承諾した理由も気になる。拘束されているとは言え、私とラルバさんを2人きりにする提案を何故受け入れたんだ?」
 タリニャはヘラヘラと笑いながら考える素振りを見せていたが、シガーラットの真剣な眼差しに耐え切れず顔を背けた。その反応にシガーラットは自分の考えが正しいことに気づいた。
「……私の考えに、気づいていたんだね」
 タリニャはゆっくりと頷く。
「タリニャ。君があの日ラデックさん達に戦いを挑んだのは、私とシスターさんの対話を皆に邪魔させないため……。私の自殺を達成させるため……」
「違う!!」
 タリニャは慌てて振り向いてシガーラットに詰め寄った。
「座長が自殺したがってるのは知ってた!知ってたから……だから……止めたくて……」
「でも……君はラルバさんと私を……」
「違うんだ。違う……実は……ラルバさんを誘拐した時に――――」


「ねえ、ラルバさん」
「………………」
「起きてるんだろ。一個だけ頼みがあるんだ」
「………………」
「誘拐しといて変だけど……座長を助けて欲しい」
「………………」
「座長はきっと死ぬつもりなんだ。でも、私じゃ助けられない……」
「………………やだ」
「お願いだ!せめて、せめて座長を殺さないでくれ……それだけでいい……」
「じゃあ私のこと誘拐しなきゃいいじゃん」
「……座長がアンタを連れて来いって言うってことは、多分、これは座長にとって危険行為じゃないんだと思う。座長の異能は危機察知の異能だから……アンタは座長を殺さないでいてくれると思う」
「……それ、死ぬことが幸せとかだったら発動しないんでないの?」
「もし、もしそうだったら……その時は、その、時は……」
「言いよどむくらいなら言うな」
「………………ごめん」
「はーめんどくさ……しょうがないな。約束してあげるよ」
「ほ、本当か?」
「うん。何があろうと真吐き一座の人間の殺害はしないでおいてあげるよ」
「あ、ありがとう!ありがとう……!」
「感謝するな。背中がかゆくなる」


「それで、他の奴らが座長の所へ来ないよう、私が座長を守るから他の奴らは来るなって皆に釘刺して……」
 シガーラットは思いもよらない吐露とろ呆然ぼうぜんとする。
「……ラルバさんが私を殺さなかったのは、約束があったから……」
「ごめん座長……私、本当に座長に死んでほしくなかったんだ……」
「そうか、そうか……」
 シガーラットは、もう見えなくなってしまったラルバ達の方を向いて目を細める。
「この力は、星は……ずっと、ずっと私を見守っていてくれていたのかもしれない」
 タリニャの目に映ったシガーラットの横顔は、今までに見たことがないほど朗らかで、き物が落ちたかの様に清々しい表情を浮かべていた。

※「シドの国」ご愛読ありがとうございました。続きは他掲載サイトにてお楽しみください。
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