不登校の僕だから

さとぴー

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学校生活

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 いつかの春。この物語の作者でもある「僕」は中学校に入学した。楽しみなことがいっぱいだった。部活に、友だちに、教室などなど……。
 僕はどこにでもいるような、いたって平凡な学生だった。性格は、自分で言うのもあれだが、周りよりは真面目で、だれにでも仲良く接するような人だった。
 初めての中学に心躍らせる反面、緊張も感じていた。僕の学校は2つの学区からなる公立の中学校。
 そんなこともあり、小学校時代からの親友もいたが、クラスの半分ほどはもう1つの小学校の子たち。普通に考えて、それは当たり前の話なのだが。
 僕は普通の学校生活を送っていた。ときにはハプニングがあったりしたが、それも含めて楽しい学校生活だったと思っている。
 学校に通う人数は比較的少なかったからか、部活の種類も少なかった。僕は運動が苦手だったために、3つくらいしか無い文化部の中から吹奏楽部を選び、入部した。……吹奏楽部に入った割には、管楽器でなく打楽器を担当していた。まぁ、自分が希望していたことだし、別に嫌なわけではなかった。
 いつも学校の授業などは小学校の頃と比べて難しいし、疲れるから少し面倒だったけど、放課後には部活があるからと頑張って授業を受けていた。
 特に何の変哲もない1学期を終え、あっという間に夏休みになった。
 夏休みの前半には、所属している吹奏楽部のコンクールがあるため、7月中は部活漬けの日々だった。8月になり、コンクールが終わると部活は少なくなり、夏休みの課題に取り組む時間も増えてきた。

 その頃はあんな事件が起こるなんて僕には想像できなかった。
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