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第十九話 汗だくセ○クス(超イチャつきまくり、愛され放題、褒められ放題)

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「ああ! 俺はもうお前のものだ!」
そして、俺たちはそのまま互いに愛をぶつけ合った。
幸せで幸せでこれ以上幸せになれないくらい幸せを感じた。



四時間ほど経って、俺は右隣でぐったりしているレイラを抱き寄せる。

ぎゅっ!
「……ん!」
彼女は甘い声をこぼして、俺に肩を抱かれている。

俺は左手で、そばにあったタオルを取ると彼女の汗だくになった体を拭いてあげた。
「今日……このままくっついて寝てもいい?」

すると彼女は、俺の頬をつまみ、
「いいに決まってるでしょ!」

そう言って、さらに俺に密着してきた。
ぎゅうう……!
「ぎゅって抱っこしたまま寝たい……いい?」

すると彼女は、俺の頬を恋人っぽくツンと突くと、
「しないとだめ!」
「朝までお互いの体をぎゅっと抱きしめ合って、温め合いながら寝たい……いい?」

すると彼女は、俺の頬をぷにぷにつつきながら、
「しないとダメに決まっているでしょ!」
(決まっていたのか!)

俺はレイラを横向きに寝かせ、バックハグしながら、
「じゃあさ……じゃあさ……例えばさ、俺がこうやってレイラを後ろから抱きしめて寝てもいい?」

彼女は、嬉しそうに、
「……むしろやれ……」

俺は今度は反対に、レイラに背を向けて、彼女の手を掴みバックハグられた。
「じゃ、じゃあ! 例えばさ、こうして朝までレイラに背中にピトッとくっついてもらうのは?」

彼女は、楽しそうに……だけど少し照れ臭そうに、恥じらいながら、
「……やる以外ない」
(やる以外ないってなんだよ!)


「じゃあさ、こういうのはどう? レイラが全裸のまま大きく股を……」
「もう! 全部好きなことやらせてあげるわよ! 朝までどんな格好でもなんでもしてあげます!」

「いや、そうじゃなくて俺は承認されたいんだ!」
「承認?」

「うん……『○○やらせて?』(○○にはえっちぃことが入ります!)って言って、それを彼女に、恥じらいを浮かべたまま『い……いいよ……!』って承認されたいの! だから俺の要求を一個一個全部承認して!」



「…………それはいや!」

「なんでだよっ! さっきまであれだけ従順だったじゃんか!」

「っていうかさっき何をお願いしようとしたの? どさくさに紛れて承認しちゃったけど、『レイラが全裸のまま大きく股を』の続きは? なんて言おうとしたの? 私の股に何をする気?」

「それさっき承認してくれたよね?」
「え? う、うん」

「もう取り消しとかないよね?」
「まぁ、もう承認しちゃったし……? それでなんて言おうとしたの? 私の股を広げて何?」

俺は彼女の耳元に口を寄せて、ゴニョゴニョとおねだりの内容を説明した。具体的かつ詳細に説明した。

するとボカンッと派手な音と共に彼女の頭から煙が出てきた。

彼女は顔を真っ赤にさせて、
「そんな卑猥なこと承認するわけないでしょ! 取り消しよ! 取り消しいい!」

「おい! 話が違うぞ! なんでもするって言ったばっかりじゃんか!」

「それは、私はあなたが大好きだから、あなたのためならどんなことでもしてあげたいっていう意味!」
「うん! だからなんでもしてくれるんだろ?」

「違うわよ! このエロ! 文字通り本当になんでもしていいわけないでしょ! いーい? ゆうくん? 
この世界には屋外で恥部を露出しちゃいけないっていう法律や、屋外で性行為をしてはいけないっていう法律があるの!」

「おい! 人のことをエロって呼ぶな!」



「だから商店街のど真ん中で、人に見られながら、おっぱいを揉ませて欲しいとか、吸わせて欲しいとか言われてもさせてあげられません! 確かに私のおっぱいはもうゆうくんのものです。

所有権は私にはありません。ゆうくんのものです。好きにしていいし、なんでもやっていい。だけど…………ものには限度ってものがあるの!」

「……この会話二回目じゃ……」
彼女は眉根をキッと寄せると、
「何か?」
「いえ! なんでもありません!」

「だから私の体を好きにしていいっていうのは、法律も人目もマナーも犯して、神のように振る舞っていいっていうわけじゃないの!」

俺は、すっとんきょうな声をあげて驚いた。
「ち、違ったのか!」


「当たり前でしょ! もうこの男は~~! 本当に自分の欲求に対してストレートで正直者すぎっ!」

彼女は俺のお腹の肉をむにぃっと引っ張った。
「痛い痛い痛い! 降参!」


それから俺たちはしばらくベッドの上でセ○クス後のピロートークを楽しんだ。
普通のカップルがするような甘い時間ではない。ふざけあい、笑い合うお子様のようなピロートークだ。

だけど、それがたまらなく嬉しくて、幸せなんだ。

幸せな時間はいつも矢のようにすぎていく。
それに比べて、不幸はいつまでも俺の体にまとわりつき離れようとしない。

人間は、不幸に気づきやすく、幸せに気付きにくい生き物なのだ。
不幸には敏感で、幸せには鈍感。

不幸は常にあるのに、幸せは常にない。

それはなぜか? きっとこの時、この瞬間のためだったんだ。

以前の俺は他人と自分を見比べてばかりいた。
あいつより金がない。あいつよりできてない。

人と比べている限り、人は幸せにはなれない。
逆に言えば、人と比べるのをやめればいつからでも幸せになれる。

そう、今この瞬間からだって間に合う。

今この瞬間だって誰かと比べれば、俺は一瞬で不幸になる。
俺より金持ちな人は常にいるし、俺より承認されている人だって山のようにいる。

だから俺は比べるのをやめたんだ。人と比べて一番になるより、自己ベストを目指そう。
比べなければ、いつだって俺は幸せだったんだ。

人と比べることをやめた俺は、彼女との幸せを噛み締めている。

俺なんかにはもったいないほど……十分すぎるほど、幸せだ。

俺はレイラの方を見つめる。
可愛くて、優しくて、褒め上手な俺の女。

この子がいるだけで、他の全部がどうでも良くなった。
「レイラ? そろそろ寝る? それとも……」

レイラは俺の方を見ると、
「私は……もう一回えっちしてもいいよ? …………したい?」








『したい!』と答えた人は、次話へお進みください。
『したくない!』と答えた人も次話へお進みください。

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