7 / 7
7.sideアレックス①
しおりを挟む
屋敷の中が慌ただしく騒がしい。
クソっ!どうしたらいいんだ!!
父上も母上も小言を言うばかりで、どうしたらいいかなんて言わずに俺を責めるだけだ。
マチルダの父上であるロヴネル侯爵から、父上宛てに婚約破棄の手紙が届くと俺は両親に呼び出され、ことの経緯を聞かれた。
「ロヴネル家と縁談を結べれば多額の支援を期待できたのに。婚約者の義妹に手を出して慰謝料を請求されていないのが不思議なほどだ。今後、慰謝料を請求されたらどうするつもりだ」
「どうしてなの?何も言わずに好きなことをさせてきたのに、こんなことをするなんて……」
俺を怒りと諦めが混じった表情で見る父上。
泣き崩れる母上。
俺を捨てるなんて許さない。
「マチルダ様はどうしてアレックス様と婚約されているのかしら?」
「ジョルジュ家は今はあれですけれど、名家なのには変わりないもの。家格的には釣り合いは取れているわ。問題なのは……アレックス様個人ね」
俺とマチルダの婚約を不思議があり、馬鹿にしたように笑う者達。
完璧なマチルダと名ばかりの家柄の俺。
マチルダが俺を選んでくれたという喜びが、劣等感に変わったのはいつだっただろうか?
「アレックス様は素敵ですわ」
「そうか?」
「はい。だから、私を選んでくださいな」
婚約者がいるにも関わらず言い寄ってくる女。
マチルダがいるのに他の女で遊ぶのに最初は抵抗があった。
だけど、一度経験してしまえばそれ以降は何も感じない。繰り返すのは簡単だった。
愛を囁き合って温もりを交換する。
隠れるように秘密の遊戯を楽しんでいたある日。
マチルダ――。
目が合ったのに逸らされた視線。
自分の婚約者の浮気を見たにも関わらず、怒りや悲しみさえ感じない冷たい視線。
後日届いたのは、何の感情もこもってない事務的な婚約者として行為を嗜める手紙だけ。
ハッ
乾いた笑いが漏れ、手紙を机に投げ捨てる。
最初はマチルダに隠そうとしていた行為も、一度見つかってしまえばもう隠す必要もない。
「アレックス様。お義姉様の婚約者だと分かっているのに、抱いてはいけない思いを他抱いてしまった私をお許しください」
自分の義妹と婚約者が浮気をしていると知ったら、マチルダはどんな反応をするだろうか?
いつものように見過ごす?それとも、自分を愛してくれと懇願してくるだろうか?
それなのに……。
マチルダからの手紙ではなく、ロヴネル侯爵から父上へと手紙が届いただけ。
花束を渡して告白までしたのに、俺へのマチルダからの言葉は何もない。
俺との関係を手紙一つで終わらしておいて、マチルダは新しい婚約者を探すためにお見合いまでしている。
そんなことが許されていいのか?
いいや!許されていいはずかない!!
俺を捨てるなんて許さない。
クソっ!どうしたらいいんだ!!
父上も母上も小言を言うばかりで、どうしたらいいかなんて言わずに俺を責めるだけだ。
マチルダの父上であるロヴネル侯爵から、父上宛てに婚約破棄の手紙が届くと俺は両親に呼び出され、ことの経緯を聞かれた。
「ロヴネル家と縁談を結べれば多額の支援を期待できたのに。婚約者の義妹に手を出して慰謝料を請求されていないのが不思議なほどだ。今後、慰謝料を請求されたらどうするつもりだ」
「どうしてなの?何も言わずに好きなことをさせてきたのに、こんなことをするなんて……」
俺を怒りと諦めが混じった表情で見る父上。
泣き崩れる母上。
俺を捨てるなんて許さない。
「マチルダ様はどうしてアレックス様と婚約されているのかしら?」
「ジョルジュ家は今はあれですけれど、名家なのには変わりないもの。家格的には釣り合いは取れているわ。問題なのは……アレックス様個人ね」
俺とマチルダの婚約を不思議があり、馬鹿にしたように笑う者達。
完璧なマチルダと名ばかりの家柄の俺。
マチルダが俺を選んでくれたという喜びが、劣等感に変わったのはいつだっただろうか?
「アレックス様は素敵ですわ」
「そうか?」
「はい。だから、私を選んでくださいな」
婚約者がいるにも関わらず言い寄ってくる女。
マチルダがいるのに他の女で遊ぶのに最初は抵抗があった。
だけど、一度経験してしまえばそれ以降は何も感じない。繰り返すのは簡単だった。
愛を囁き合って温もりを交換する。
隠れるように秘密の遊戯を楽しんでいたある日。
マチルダ――。
目が合ったのに逸らされた視線。
自分の婚約者の浮気を見たにも関わらず、怒りや悲しみさえ感じない冷たい視線。
後日届いたのは、何の感情もこもってない事務的な婚約者として行為を嗜める手紙だけ。
ハッ
乾いた笑いが漏れ、手紙を机に投げ捨てる。
最初はマチルダに隠そうとしていた行為も、一度見つかってしまえばもう隠す必要もない。
「アレックス様。お義姉様の婚約者だと分かっているのに、抱いてはいけない思いを他抱いてしまった私をお許しください」
自分の義妹と婚約者が浮気をしていると知ったら、マチルダはどんな反応をするだろうか?
いつものように見過ごす?それとも、自分を愛してくれと懇願してくるだろうか?
それなのに……。
マチルダからの手紙ではなく、ロヴネル侯爵から父上へと手紙が届いただけ。
花束を渡して告白までしたのに、俺へのマチルダからの言葉は何もない。
俺との関係を手紙一つで終わらしておいて、マチルダは新しい婚約者を探すためにお見合いまでしている。
そんなことが許されていいのか?
いいや!許されていいはずかない!!
俺を捨てるなんて許さない。
50
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
幼馴染、幼馴染、そんなに彼女のことが大切ですか。――いいでしょう、ならば、婚約破棄をしましょう。~病弱な幼馴染の彼女は、実は……~
銀灰
恋愛
テリシアの婚約者セシルは、病弱だという幼馴染にばかりかまけていた。
自身で稼ぐこともせず、幼馴染を庇護するため、テシリアに金を無心する毎日を送るセシル。
そんな関係に限界を感じ、テリシアはセシルに婚約破棄を突き付けた。
テリシアに見捨てられたセシルは、てっきりその幼馴染と添い遂げると思われたが――。
その幼馴染は、道化のようなとんでもない秘密を抱えていた!?
はたして、物語の結末は――?
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
どう見ても貴方はもう一人の幼馴染が好きなので別れてください
ルイス
恋愛
レレイとアルカは伯爵令嬢であり幼馴染だった。同じく伯爵令息のクローヴィスも幼馴染だ。
やがてレレイとクローヴィスが婚約し幸せを手に入れるはずだったが……
クローヴィスは理想の婚約者に憧れを抱いており、何かともう一人の幼馴染のアルカと、婚約者になったはずのレレイを比べるのだった。
さらにはアルカの方を優先していくなど、明らかにおかしな事態になっていく。
どう見てもクローヴィスはアルカの方が好きになっている……そう感じたレレイは、彼との婚約解消を申し出た。
婚約解消は無事に果たされ悲しみを持ちながらもレレイは前へ進んでいくことを決心した。
その後、国一番の美男子で性格、剣術も最高とされる公爵令息に求婚されることになり……彼女は別の幸せの一歩を刻んでいく。
しかし、クローヴィスが急にレレイを溺愛してくるのだった。アルカとの仲も上手く行かなかったようで、真実の愛とか言っているけれど……怪しさ満点だ。ひたすらに女々しいクローヴィス……レレイは冷たい視線を送るのだった。
「あなたとはもう終わったんですよ? いつまでも、キスが出来ると思っていませんか?」
あなたのことなんて、もうどうでもいいです
もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。
元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる