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第1章
1-4 クエスト
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「あの~、良ければ俺も貴方達のパーティーに混ぜてもらえませんか?」
そう言って話しかけると2人は振り返る、俺の顔を見て訝しむような目をしている、さも何故わざわざ私達のパーティーに?とでも言うように。さてどうするか?悩んでいたら向こうから声をかけて来た。
「えっと、何故うちのパーティーに?」
この子は、確かクレアだったか、紅い髪をポニーテールにして活発そうな女性だ
「わた、私達のパーティに入る理由が分かりません」
リーナと言う女の子は青い髪のロングヘアーで理知的な雰囲気を醸し出している。それと少し怯えられてるのは気のせいか?
うーん、このリーナという子は、俺を警戒?してるのかな。だが質問は想定の範囲内だな、それに対しの答えは簡単だ。
「これ、これですよ」
そう言って取り出したのは、銅のプレートが付いたネックレスだった。
これは、冒険者ギルドに入った場合、自分のランクと名前の入ったいわば身分証みたいなものだった。ちなみにFが銅、Eが鉄、Dが銀、Cが金、Bが白金、Aがダイヤモンド、Sがアダマンタイト、SSが虹石とプレートの材質で区分されてる。
「俺、実は昨日登録したばかりのFランク冒険者なんです。貴方達も多分そうですよね?」
「あら、奇遇ね私達も昨日登録したの同じFランクだから一緒にパーティーを組まないかって事かしら?」
「ええ、そういう事です、1人なので少し心細いですから、パーティーを組んでくれる人を探してたんです」
盗賊20人を相手どりBランク冒険者を倒した人間の言葉じゃ無いな、と思った。
「どう思う?リーナ。私は別に構わないと思うわ」
「む~、私はクレアが良いなら構わない」
「そう、なら決まりね、よろしく、えーっと」
「アルヴィス、俺の名前はアルヴィスって呼んで下さい」
「そうアルヴィスよろしくね、私はクレア・ハヴェルカよ、クレアって呼んで」
「リーナ・レイアロード、私はリーナで良いです」
「ああよろしく、クレア、リーナ。それでこれからどのクエストを受けるんだ?」
よし聞けた、文字が読めないからさりげなく聞く作戦、成功!
「私達は、初クエストだから簡単な物を受けるつもりよ」
「無理は禁物、私達の実力がどこまで通用するか見極める必要がある」
「ああそうな「なあ、アンタ」
誰だ?俺の会話に被せて来た奴は。っと振り向くと金のプレート(Cランク)を付けた冒険者が俺に話しかけて来た。クレアとリーナは格上の冒険者に話しかけられた俺を疑念の目で見ていた。
「えっと、どうしました?」
「そこのFランクの女達より、俺達と組まないか?そっちの方がアンタも良いと思うぜ、クエストだってそれなりのを受ける事ができるし」
確かにそっちの方が良いのかもしれないが、約束の件もあるしなんかコイツらクレアとリーナを見下したように見ていたので腹立つな。
「すまんが俺はアンタらと組みたく無いお前達は俺の仲間を見下した、だから一生嫌だ」
「なっ!どう考えてもこっちの方がアンタにとっては良いはずだ!」
コイツら分かって無いな、本当に分かって無い。
「俺はメリット、デメリットで動くつもりはない、俺は俺が選んで彼女たちとパーティーを組みたいと思ったんだ、それを馬鹿にしたアンタらと組むつもりはない」
「ちっ、仕方ねえ行くぞ」
はぁ、面倒くさいな、それにしてもCランク冒険者のパーティー相手に啖呵を切り過ぎたなクレアとリーナは静かだしちょっと反応見るのが怖いな。Fランク冒険者がCランク冒険者に勧誘されて断るという構図が既におかしいし、だが腹を決めるしか無いか、ゆっくりと振り返りクレアとリーナを見る。
すると、何故か2人とも俺の顔を見てたのにクレア達は顔を真っ赤にしていた。
ちょっ?どうした?風邪でも引いたのか!
「2人ともどうしたんだ、顔が赤いぞ!」
「いや、アルヴィスかっこよかったなぁーって思った、、、なんて思って無い思って無い思って無いーー」
そう言って、手で顔を隠しブンブンと頭を左右に振る、ふむ、照れてるな。
「クレアはまったく、それでは本音を言ってるようなものです。ちなみに私はかっこいいと思いましたよ」
おお~、なんか好評なようだった。取り敢えずは大丈夫そうだな。良かった、と思った束の間リーナが突っ込んで来た。
「それにしてもおかしいですね」
ドキッ
「何がおかしいの?リーナ」
「いやFランク冒険者であるアルヴィスが何故私達よりも上のランクである彼等に誘われたのかなっと思いまして」
ドキッドキッ
「確かにそうよね、アルヴィスは昨日冒険者登録してまだクエスト受けてない、つまり実力が分からないFランク冒険者のアルヴィスを誘ったって事になるわね」
うおーー、一回間を空けるの勘弁してくれ安心した後に、ビックリさせないでくれ!心臓に悪い!あっ、ほら手から汗が滲んで来た。どうにか誤魔化せるか?
「あー、いや俺にもさっぱり分からん、大体初対面出しなあの人達、だからさっぱりだ」
「うーん?それだと誘って来た理由が分からない」
頼むから、やめようぜ本当にそう言った一心で奇跡が起こると信じてクレアを見つめる。
見つめられたクレアがどんどん顔を赤くしていく、違う!そうじゃなくてなんかそれらしい事を言ってくれーー。
すると奇跡が起きた。
「ちょっと、ア、アルヴィスあんまり見つめないでよ、恥ずかしいじゃない」
「あっ!分かった、アルヴィスって顔が良いからそれで誘ったんじゃないかな?そうすれば、女の子と仲良くなれるからとか!」
まさかのリーナ誤解、正直違うと思うがそれならそれで助かった!よしそれならこのまま行こう!
「そうかな?自分じゃあんまり分からないんだけど?」
せめてナルシストの汚名だけは避けたいから俺分からないですよーアピールする。よしこのまま畳み掛ける。
「ほらそれよりもさ、クエストどうするの?簡単な奴受けるんだろ」
「これです!」
すると、クレアが1枚の紙を俺に突き出した。
ごめんなさい、読めないから見せつけられても分からん。
あーっ、もう面倒くさいし読めない事言おうか、言ってしまえば楽になる。
「ごめんクレア、実はさ俺文字読めないんだよ、しかも書けない!俺物心ついた時から爺ちゃんと山籠りしててさあんま文字とか習わなかったんだよ」
「そうなの?珍しいね、文字が読めないと本も読めないから不便じゃない?今度私が教えてあげる」
な、なんていい子なんだリーナは、恥ずかしさと嬉しい気持ちが混じって涙が出そうだ。
「わ、私も教えてあげます、ゆっくりとじっくり覚えていきましょう」
クレアもいい子だった。
「あ、ありがとう」
「それにしてもそんな幼い頃から山籠りしてたの?おじいさんと何をやっていたの?」
「ああ、剣術と武術を習っていたんだ」
「へぇーなら結構強いの?」
「あら強いなら頼もしいですね」
「まぁ、そこそこは出来るよ、うん。それで一体何のクエストにしたんだ?」
「基本中の基本である、ゴブリン討伐よ」
「うん、初心者向けのクエスト」
「成る程」
ゴブリンかぁー、確かに最初の代表モンスターだな。
「よしそれなら早く受注しに行こう」
そう言って紙を受付所に持って行くとティータが受付だった。
「ふふ、おはようございますアルヴィスさんクエストを受注しに来たんですね。やはりソロで行かれるのですか?」
「いえ、この子達とパーティーを組んで行く事にします」
そう言って後ろのクレアとリーナを紹介する。
「へぇーアルヴィスさん、つよ「あっあーーー」ってどうされました?」
やばかったこのまま行けば強い事がばれる。ちょいちょいと耳を貸してくれと招く、すうっと耳を寄せて来た。
「実はこの子達に俺の強さの事言ってないんですよ、とある約束であの子達が危ない目に合わないようにって事で俺がパーティーメンバーに入ったんです。だから俺の強さの事黙ってて貰えませんか?」
「なるほど色々あるみたいですね、頑張って下さい」
くすっ、と彼女は微笑んで頷いてくれた。良かった。
「ちょっと何してるの?」
「何か秘密の話し事ですか?」
「いえ、そうじゃないですよ。モンスターの強さについて先程何とかなりそうか?と言われたので答えていたんです」
「なるほどね」
「アルヴィスは心配し過ぎ、私達なら大丈夫」
うまい、流石受付嬢、なんて巧みな話術だ。
「あっああ、少し心配でね」
「それでは、受注完了しました。モンスターは北門を抜けてすぐにある森の中に生息しています討伐数は15体ですどうぞお気をつけて。」
「それじゃ行こうか」
そしてギルドをでて北門を目指す。俺が一番最初に入って来た門だった。
という事はすぐの森ってティアル助けた場所か!なるほど。
直ぐに森へ着いてゴブリン狩りが始まった。前衛に俺とクレアが行き後衛にリーナがついた。
クレアは、女の子が扱いそうにない大剣を構えていた。
リーナは、魔法を得意としていたので杖を装備している。
俺は、ガルアから貰った片手用直剣を鞘に収めていた。
「さて2人とも準備はいいか?」
「ええ、もちろん」
「問題無い、いつでも行ける」
クレアとリーナは緊張した様子は無く、体に無駄な力が入ってない。
この事に少し感嘆をした。人間は勝負の際、体に少なからず力が入るものだがそれらを全然感じ無い、これが異世界の人の胆力なのか?と思った。
「じゃあ、リーナ索敵よろしくね」
「分かった」
「全てを見渡す精霊の眼よ、私に力を」
「精霊の眼」
魔法かぁ、俺も使って見たいな確かミリアさんが魔法使えるようにしてくれたって言ってたし、リーナに聞いてみるか。
「索敵完了、周囲にモンスターらしきものは居ない」
「1つ聞きたいんだが、魔法ってどうやって使うんだ?」
「簡単だよ、まず大まかに言えばイメージしてそこに魔力を流すと発動する」
ふーん、イメージねぇ
「もっと細かく言うと、私達魔法師が魔法を使う際詠唱してるでしょ?アレはイメージを補強してもっと限定的な物にするためにしているの、何故限定的にするかと言うと下手をすると自分も巻き込んで自爆する可能性があるからで威力を落として指向性をつけて自分が被害にあわないためのものなの、つまり流れはこう、まずどのような魔法を使うかイメージして、魔力を通す、威力とどの向きにどのように行くか詠唱して、完成したイメージの魔法名を唱えて発動する、例えば火の魔法のイメージをして」
「小さき火の精霊よ、前方の敵を燃やせ」
「火球」
成る程、そう言う事か!何となく仕組みは分かったが、そもそも魔力と言う概念が無いため良く分からん。
「分かった?」
「うん、仕組みは分かったが魔力ってどうやって感じてどうやってイメージに通すんだ?」
「んー、手を貸して」
言われるがままに手を出した、すると手を握って来た。
えっ何?何で手を繋いでんのそれにしても、うわぁ、リーナの手柔らかい。
そんな事を考えてると体の中に何かが通る感覚がした、あまりの事にリーナを見ると。
「今何か感じた?感じたんならそれは魔力の通り道そこから持ってきて魔法を行使する」
へぇー、今のが魔力って奴なのか?成る程分かった。
「ありがとう、分かったよ、魔法が使えそうだ」
「ん、でも諸注意、余りにもイメージが莫大な物だったりした場合それだけ魔力が必要になる魔力が無くなると脱力感が襲って来るから気を付けて使って」
「分かった」
「しっ、リーナがアルヴィスに講習会を開いてる隙に敵さんが現れましたよ」
やっと敵が出てきたか!
さてさてゴブリンってどんなのだろうか?
木陰から覗くと、居た!うわぁ気持ちわる嫌だなぁ。
「さっ、行きましょう、リーナ、アルヴィス準備はいいですか?数は5匹ほどね」
「いいぞ」
「問題無い」
そして木陰から体を出して、ゴブリンと対峙する、こちらに気がついた、ゴブリン達も戦闘態勢をとり、ナイフや弓を出してくる。
「オンナ、オンナガイル、ツカマエル」
「「「「ゴギャー」」」」
へぇー、モンスターでも人語話せるんだ、カタコトだけど。取り敢えず剣を抜く、さて久々って程では無いけど剣術の練習と行くか!
3匹がクレア達から見たら素早い動きで俺に殺到する。流石に三匹ともに寄られると3割増しでキモい。
「オトコ、イラナイ、コロセ」
失礼な野郎共だ!
「「危ない!」」
3匹共が俺だけを狙って来たのを心配してるようだ。だけど問題無い俺にとっては亀の様に遅い
左足を一歩出し半身を引き腰を落としドッシリと構えを取る、剣を顔の高さに持って来て水平に構える、一体目が真っ直ぐに突っ込んで来た、残り
は一体目の後ろに隠れる様に迫ってくる。
なら
「神谷流剣術 雷光」
1匹目の首は右足を前に出し剣を右上から左下に振り抜き切り落とす、すぐさま剣を返して先程と逆に振り抜き後ろに隠れて居た2匹目の首も飛ばす、3匹目が2匹目を飛び越える様に斬りかかって来た、だが雷光はこれだけじゃない出ていた右足と左足より後ろへ持って来て二撃目で振り抜いた剣を体の方へ引き戻し、すれ違いの横一閃で3匹目の胴体を斬る、この間約10秒の出来事であった。そして視線をクレア達の方へ持ってくと、クレアとリーナはナイフを持った前衛と弓の後衛型のゴブリン達と戦っていた。
クレアは大剣を振るうが、前衛のゴブリンは素早く躱す、隙が出来た所へ弓を放つ後衛ゴブリン。
だが飛んで来た弓を魔法で撃ち落とすリーナ、若干苦戦している。
ゴブリンの癖にやたら連携取れてるな、クレアが崩れると危ないな。
っと悠長な事を考えてる暇じゃ無かった!
手を出しても良いが彼女達の成長に繋がらないアドバイスを送るか。
「クレア!ただ闇雲に剣を振るうな!フェイントを混ぜながら相手を誘導して剣を叩き込め!リーナ!クレアの事ばかりを気にかけるなまず魔法で後衛を潰してクレアのサポートしろ!」
アドバイスが聞こえたのか、クレアは前衛ゴブリンを押し始めた、矢が飛んで来ているが先程と違い余裕が出来たのか躱しながらも何とかなっている。リーナは敵の後衛に集中して魔法を叩き込む。そして後衛のゴブリンがリーナの火球に当たり焼死して、クレアのサポートに回りクレアの大剣が前衛ゴブリンの胴を横一閃に切り払った。
中々ドキドキしたが、筋が良い、あれだけのアドバイスで形勢が逆転するとは。
戦いが終わり2人は座り込んで息を整えていたので声を掛けに行った。
「お疲れ様、どうだった?戦った感想は?」
「ふぅー、疲れましたー、アルヴィスアドバイスありがとうあれが無かったら闇雲に剣を振るってました」
「わ、私も相手の矢を撃ち落とす事ばかり集中してしまい敵を倒す事を考えてなかったです、的確なアドバイスでしたありがとうございます」
「ああ、どういたしまして。確かに前衛を守るのも大切だが、前衛を信じる事も大切だ、一体でも敵を減らせばクレアが楽になるからな、クレアは、素早い相手の場合重たい大剣は不利になるそれを考えてどう倒すかが重要だ例えばさっき言ったフェイントを織り交ぜて攻撃する事なんかな」
うんうん、2人とも良い子だな、素直で可愛いかったので2人の頭を撫でてあげた。
「初戦闘にしては上出来だお疲れ様」
2人はされるがままに撫でられていた、下を向いて。
撫で終えると2人は顔を見合わせて何かコソコソと言っていた。
「撫でられるのも悪く無いわね」
「はい、中々良い腕をしています」
終わったかな?そろそろいいか?そんな事を考えて口を開こうとしたらクレアが先に口を開いた。
「時に、アルヴィスって何歳なの?」
「とても重要、ちゃんと答える」
「ん?俺は一応16歳だぞ」
また2人は顔を見合わせてコソコソ秘密会議を開始した。
「まさか、年下だったとは意外ね」
「ん、やけに大人びた雰囲気を出してる、でもアリかナシかで言えば断然アリ」
「同意見ですね」
「ここで提案がある、2人で取り合うのはみっともない下手したら呆れられるか嫌われる、だから仲良く分け合うのはどう?」
「んー、賛成ですね」
そんな事があるとも知らない呑気なアルヴィスは、何故か2人が仲良く握手をしている理由を知る事は無かった。
「そろそろいいか?」
「問題無いわ」
「作戦会議は完了しました」
作戦会議?何の事かは知らないが先程からこちらへ近づく気配を感じていた、2人に伝えるか。
「よし、なら敵さんがこっちに近づいている気を引き締めろ」
「えっ?ホントに?」
「気付かなかった、私達の索敵に引っかかる事なく接近して来るとは中々やる様ですね」
リーナよ、そんなキリッとした顔で言われてもあれだけ2人でコソコソ話してれば気付かないだろ。俺はちゃんと気付いてたぞ。
かなり近づいて来たのか足音が聞こえる。
ドスッドスッ
結構デカイな、確実にゴブリンでは無いな、すると姿が見えて来た。
熊?だな体長3メートルくらいあるだろうか?目の前まで来たその熊は目は赤く染まっていた。姿を視認したクレアとリーナは固まって居た、そしてガタガタと震え出し叫んだ。
「「レッドグリズリーアイ!!」」
ふーん、この熊そんな名前なのか、それにしても何で2人とも震えてるんだ?熊ごときに。
「なぁ2人ともどうしたんだ急に?」
「無理無理、あれCクラスパーティーでやっと倒せる魔物だよ!」
「パワーと俊敏性そして狙った獲物は何処でも追いかけるすごい粘着質な魔物」
なるほどCクラスパーティーでやっとねぇーつまりFランクであるクレアとリーナでは勝ち目がない訳か、仕方ない今回は俺が出るか。
「しゃーない、俺が行くからクレアとリーナはそこで見てて」
「ちょっ!人の話聞いてた?私達じゃ勝てないんだって!」
「とりあえず何とか街に逃げて助けを呼ぼう!」
「落ち着けって、2人とも熊ぐらいなら何とかなるって」
「「普通の熊と違うんだってーーー」」
さてと、熊か、久し振りだなあっちの世界でも爺ちゃんと山籠り中にやりあった事があるなぁ、あん時は、爺ちゃんのトドメの一撃で何とか倒したっけ?今の俺なら行けるだろ。
やるか素手で。
するとこっちの準備を待っていたのか。
「グォォォーー」
熊が手を横薙ぎに払って来た、その手を受け止めた、正面から。
普通の人ならばこの一撃で意識を持って行かれるが俺は違う。
「ふっ」
女神様から貰った身体強化をフルに使って止めた。
「「はぁーーー?」」
後ろで2人は信じられないとばかりに叫んでいた。
流石に3メートルは高いな。仕方ない、目の前で立っている熊の足に足刀を入れて足払いをする。蹴りの威力に耐えられなかった熊はその場でこける、そして倒れた胴体にいわゆる正拳突きを出した。
すると熊は10メートル以上に吹き飛んで絶命していた。
「弱いな」
「あっあり得ない」
「レッドグリズリーアイを瞬殺って、しかも素手で」
そんな2人に俺は振り返ってドヤ顔で一言。
「なっ!」
「飽きれた、あなた強いのね」
「あんな軽々あいつを倒すなんて四天騎士ぐらい、強い?」
「ん?四天騎士?何だそれ?」
つい聞き返しすとリーナは律儀に教えてくれた。
「知らないの?アレスト王国を守る最強の四騎士で通常時は、東西南北の門にて守備を任されてるの実力はみんなSSランク冒険者に匹敵する」
「へぇ、知らなかった」
「アレスト王国が誇る四天騎士さえ知らない人は中々居ませんよ」
だって仕方ないじゃんか、まだこっちに来て2日しか経ってないんだぞ、そんなのどうやって知れって言うんだよ。
「まぁでも戦ってみたいな」
「アルヴィスでも流石に勝つのは無理だと思うわ」
「それに、接触する機会がない」
そんな感じでゴブリンの討伐が12体目を終えた頃、それは起こった。リーナの索敵に引っかかたゴブリンを討伐しようとゴブリンがいる方へ行くと、何やらゴブリン達が人が1人分入る麻袋を4体で引っ張って居たのだった。
「何か、運んでいるのか?」
「分からない、何でしょう?」
なんか嫌な予感がするな。
「リーナ、もう一回索敵を使ってくれ」
「分かった」
リーナが、索敵を放つと4体しか居ない筈の場所に五体目が引っかかる。予感の正体を探る為何のけなしに尋ねる。
「なぁ、ゴブリンって人を攫う習性とかあるのか?」
「!まさか」
「多分、昔どこかの本で見た事があるゴブリンは苗床に人間の女を好むと書いてあった、その本を見る限り人があの麻袋の中に入ってる可能性が高い」
「あいつら、何処に向かってるか分かるか?」
「多分、住処に向かってる」
「バレない様に追うぞ、もしかしたらあいつらの住処に捕えられた人がいるかも知れない」
そうしてゴブリンの後をつけて行った。歩いて行くと村の集落の様な場所に着いた。
「リーナもう一度索敵頼む」
「うん、分かった」
さてあの集落みたいな場所に一体何体ゴブリンがいる事やら。リーナの索敵が終わるとリーナはビックリした様な表情をして居た。
「!!!」
「どうかしたの?リーナ?」
「ここから視認しただけでもかなりいるな、どうだった?」
「ここを落とすのは無理、推定でも200体はいる、それと一体強力な反応を探知した、おそらくゴブリン王がいる」
「!!!」
「?」
「ゴブリンロードの適正ランクはAランクパーティー、それに加えてこの数、Sランクパーティーに匹敵する」
「おい、クレア、リーナ王国に戻って助けを呼んで来い、ここで俺が見張っておく」
「えっ!で、でも」
「早く!行け!」
「行こうクレア」
「アルヴィス、無茶な事はしないで下さいね」
「ああ、無茶な事はしない。早く行け」
遠ざかって行く2人を見ながらアルヴィスは集落へ視線を戻し、作戦を開始する。
まずは、人質の救出が最優先だな、でなければ人質を守りながらでは全力で戦えない。さて魔法を使って見るか。
「全てを見渡す神の眼よ、鳥籠の中にて、救い乞いし者を見つけよ」
魔力を集中して。
「神の瞳」
唱えて発動した現象は、自分の頭の中に空中から見た様な視点が送られて来る、それから、それは動き始め物を透過して建物の中に入り捕らえられた女性たち見つける、居た!数は15人か、思ったより多い。
あの馬小屋の中に居るみたいだな、見張りは2匹か。
見られず排除して行く必要がある。
「隠せ、隠せ、世界から隠す鎧を我が元に」
「迷彩の鎧」
さてこれで敵から見えなくなった。
馬小屋までの逃走経路を確保する為そこに居る、ゴブリン達を斬っていく。
馬小屋の前に居たゴブリンを斬り殺し、周りにバレないようドアを開ける。
中に居たのは傷だらけの女性達だった。
インビジブルアーマーを解き姿を見せる。
いきなり現れた俺に驚いた女性達は同時に安堵の表情をした。
「た、助けに来てくれたんですか?」
「ああ、だが助けは俺1人だ、逃げるまでの逃走経路は確保している、走れるか?」
すると女性達は頷いて立ち上がり俺に着いてくる。
逃走経路に敵は居らず、すんなりと隠れらる場所に戻って来られた。その事に女性達は安堵し座り込んだ。
俺は少なからずゴブリン達に対して怒りを感じていた。だから
「ここにいろ、後は任せておけ奴等を俺が殺してやる」
「で、でもあの数に貴方1人では太刀打ち出来ません!それにあそこにはゴブリンロードが居ます!勝てません!」
発した女性に近づき頭を撫でながら優しい声音で語る。
「俺は、負けない、誰にも、貴方達は俺がちゃんと救ってみせる。だから安心して待っていてくれ」
そう言ってゴブリンが巣食う村へと戻って行く。
「まさか俺がこんなにも苛立ちを覚えるとは、ふっ、考えても無かったな」
覚悟しろ、俺を怒らせた事を。
「この身を纏え、光の波動よ、その全ては時を止めん」
魔力の大部分を流し込み発動する。
「光の超加速」
体から光の柱が立ち昇る、それを抑え込み身体強化を爆発的に上げる。
「さぁ、狩りの時間だ」
そして地を蹴る。
所代わり、クレアとリーナは王国へ向け走っていた。
私とリーナは彼の事を好きだ、会って1日しか経ってないが、確信を持ってそう言える。不思議な雰囲気を持っていて、時々、何でも無いかのように凄いことをする。見ていて飽きない何より楽しい、彼といる事が、だから何となくわかってしまう。彼は私達に助けを呼べと言ったが多分違う、私達を危険から遠ざけたかった、だから助けと称して危険な目に遭わないように行かせたのだと、それがとても悔しかった、もっと強かったら、彼の隣で一緒に戦わせて貰えただろうか。
「リーナ、急ぎましょう」
「分かってる、後少し!」
そして門へ辿り着き、衛兵に事情を伝える。そしてある人が力を貸してくれた。
四天騎士が一人、神速のレイナである。
レイナ・エルレイド、女性でありながら四天騎士に名を連ねる人、二つ名に神速と付くように彼女の動きは、捉える事が難しいぐらいに速いらしい。SSランク冒険者に匹敵する彼女ならば敵を倒せる可能性がある、悔しいが心強い。
「それでは、その場所まで案内してください」
「はい」
そして彼女と共に私達は元来た道を戻る、そして見た、天を貫く程の眩しい極光の柱を。
「一体何が?」
この光景に私達もビックリしたが、彼女が驚くとは思わなかった。
「凄い、桁違いの魔力が込められた魔法だよクレア、あんなの人には到底出来ない」
「ええ、もしかして」
「多分ね」
あれを放ったのはアルヴィスであると、私達は直感で感じた。
元の場所へ戻ると、そこには傷だらけの女性達がいた。アルヴィスが助けたのだろう。彼女達も私達の存在に気づいた。
「ここで一体何があったのですか?」
そう問うたのは、レイナであった。
「わ、分かりません、彼が私達を助けてくれて、それでここで待ってろって」
「彼?彼とは誰ですか?」
「レイナさん、多分私達の仲間だと思います」
「例の残ったあなた方の仲間ですか」
そうして村の方を見る、火の手が上がりここからでも見える敵達の死骸を。
俺はただ歩く、村に入り敵に視認され仲間を呼ぶゴブリンを眺める。
そうして集まって来たゴブリン達の群れ約150体といった所か。
そして剣を抜き歩みを再開する。
ゴブリンの弓兵約70体が一斉に上空に矢を放ち、矢の雨を降らせた。
だが関係ないとばかりに歩く、さながら散歩する速度で、矢の軌道を全て読み体捌きのみで躱す。
そのタイミングで無駄と悟ったゴブリンはなだれ込む様に前進して来た。
そこで足に力を入れ踏み込む、文字通り光の速さを手に80体の死体を瞬時に斬り捨てた。ゴブリンの弓兵はまるで同時に仲間が斬られた様に見えただろう。そしてまた弓兵達も同じ末路を辿った。
敵の首魁、ゴブリンロードはここか。
村の中で最も広い場所に仕切りをしていた場所へ入る。そこに敵はいた。
「まさかニンゲンごときに遅れをとるとは無能どもめ」
堂々とした態度で待ち構えて居たそのゴブリンは流暢な人語を話す。そして周りに居たゴブリン50体は今までとは比べ者にならない強さと装備品をしていた。
「お前がこのゴブリン共を纏めている者か?」
「ああ、ニンゲン俺はゴブリンロード、ゴブリンの王にして絶対の支配者である、そしてここにいるゴブリンは、俺が手ずから育てた精鋭だ、外のや「御託はいい」
長そうだったので被せて返した。
「全くせっかちなニンゲンだ、それにしてもお前1人か?という事はニンゲンのメスを逃したのもお前か?面倒くさい事をしてくれたなまた集めなければいけない、お前達ニンゲンにお前達の力を見せてやれ!!」
そう言って、ゴブリンの精鋭達が切り掛かって来た。それに対して俺はただ無造作に剣を振るう
「「「「ぐぉぉーーーーー?」」」」
「これがお前の用意した精鋭か?今までの奴と対して変わらんな」
そう言った時にはその精鋭達は地に血の池溜まりを作り伏せていた。
「何だと!!貴様ニンゲン何をした」
「五月蝿い、御託はいいと言ったはずだ、さっさとかかって来い」
ゴブリンロードは人の背丈程のアックスを背負い襲いかかって来た。
「うおおおぉぉぉーーー」
ゴブリンロードのアックスは俺を斬ることをせずに俺の後方へゴブリンロードの手ごと飛んで行った、奴の腕を斬りとばした結果だった。遅い!
「待て、やめてくれ、俺を殺さないでくれニンゲン!お前のゆう事は何でも聞くだから、なっ!」
腕を斬りとばされ、攻撃手段を無くした敵はあっさりと命乞いをして来た。だが俺は迷い無く剣を横一閃し、首を斬り飛ばした。
「お前に、命乞いをする権利はないよ」
「「アルヴィス!」」
クレアとリーナか。自身を纏っていた魔法を解き振り返る。
すると2人は跳びながら抱きついて来た。
うぉ!どうした?
「無茶はしないって約束したじゃない!!」
「アルヴィス、私達心配した、貴方が無事かどうか、こんなに心配をかけないで!」
「ふふっ、美しきかな仲間愛」
それにしても誰だこの人?
「ああ、無茶はしてないさ、それでこの人は?」
二人の頭を撫でながら尋ねる。
「この方は、四天騎士の一人、レイナさんだよ」
「初めまして、私はアレスト王国四天騎士、神速のレイナだ、よろしく頼む」
へぇー、この人がそうなんだ。
「それにしてもまさか、この短時間で敵の壊滅をしてしまうとは中々いい腕だ、機会があれば一手しあってみたいものだ」
「ええ機会があれば是非」
「時に君のランクは?」
「ええ、まぁ、しがないただのFランク冒険者ですよ」
そんな感じで俺達の初クエストは終わったのだ。
ゴブリンに捕まっていた、女性達からは感謝の言葉を貰い、行き場を無くした彼女達は王都にて国王の計らいで職場などを与えられて、そのまま王都に在住すると聞いた。
次の日
俺がギルドへ着くと、クレアとリーナは立っていた。
知った顔なので近づくと2人はこちらに来てこう言った。
「ねぇ、アルヴィス、私達強くなりたい、あの時貴方の隣で戦えなかったことが悔しかった。貴方は強くてあれだけの数の敵と戦っても苦労して無かった様に見えた、だから貴方の近くで貴方を見て習う事にしたの」
「あの時は、臨時パーティーの様な物だったけれど貴方の指導、身に沁みた」
「「だから私達とパーティーを組んでくれませんか?」」
そんな誘いに俺の答えは決まってる。
「もちろん!俺なんかで良ければ」
こうして俺達のパーティーの物語が始まる。
所代わり
「ふふっ、良い兆候だわ、少しずつだけど色付き始めた、貴方の魂は一体何色になるのか楽しみだわ、それにしてもそんな色の中に、んー?何だろこれ?みたこと ある様な色も出て来てるわね、何かしら?まっ、いっか!頑張ってね、私の愛しい神谷 奏士!」
そうして天界で趣味になりつつあるアルヴィスの観察をしているミリアであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キャラ紹介
いつでも活発少女
クレア・ハヴェルカ 17歳
武器 大剣
特技 キャンプ 子供の面倒を見ること
趣味 もっぱらリーナを外に連れ出すこ
と
嫌いな事 休日をグダグダ過ごす事
冷静沈着なクール女子
リーナ・レイアロード 17歳
武器 杖
特技 魔法詠唱文の文章構成を考える事
趣味 休日に本を読む事
嫌いな事 試したい事が出来るのに出来
ない環境
そう言って話しかけると2人は振り返る、俺の顔を見て訝しむような目をしている、さも何故わざわざ私達のパーティーに?とでも言うように。さてどうするか?悩んでいたら向こうから声をかけて来た。
「えっと、何故うちのパーティーに?」
この子は、確かクレアだったか、紅い髪をポニーテールにして活発そうな女性だ
「わた、私達のパーティに入る理由が分かりません」
リーナと言う女の子は青い髪のロングヘアーで理知的な雰囲気を醸し出している。それと少し怯えられてるのは気のせいか?
うーん、このリーナという子は、俺を警戒?してるのかな。だが質問は想定の範囲内だな、それに対しの答えは簡単だ。
「これ、これですよ」
そう言って取り出したのは、銅のプレートが付いたネックレスだった。
これは、冒険者ギルドに入った場合、自分のランクと名前の入ったいわば身分証みたいなものだった。ちなみにFが銅、Eが鉄、Dが銀、Cが金、Bが白金、Aがダイヤモンド、Sがアダマンタイト、SSが虹石とプレートの材質で区分されてる。
「俺、実は昨日登録したばかりのFランク冒険者なんです。貴方達も多分そうですよね?」
「あら、奇遇ね私達も昨日登録したの同じFランクだから一緒にパーティーを組まないかって事かしら?」
「ええ、そういう事です、1人なので少し心細いですから、パーティーを組んでくれる人を探してたんです」
盗賊20人を相手どりBランク冒険者を倒した人間の言葉じゃ無いな、と思った。
「どう思う?リーナ。私は別に構わないと思うわ」
「む~、私はクレアが良いなら構わない」
「そう、なら決まりね、よろしく、えーっと」
「アルヴィス、俺の名前はアルヴィスって呼んで下さい」
「そうアルヴィスよろしくね、私はクレア・ハヴェルカよ、クレアって呼んで」
「リーナ・レイアロード、私はリーナで良いです」
「ああよろしく、クレア、リーナ。それでこれからどのクエストを受けるんだ?」
よし聞けた、文字が読めないからさりげなく聞く作戦、成功!
「私達は、初クエストだから簡単な物を受けるつもりよ」
「無理は禁物、私達の実力がどこまで通用するか見極める必要がある」
「ああそうな「なあ、アンタ」
誰だ?俺の会話に被せて来た奴は。っと振り向くと金のプレート(Cランク)を付けた冒険者が俺に話しかけて来た。クレアとリーナは格上の冒険者に話しかけられた俺を疑念の目で見ていた。
「えっと、どうしました?」
「そこのFランクの女達より、俺達と組まないか?そっちの方がアンタも良いと思うぜ、クエストだってそれなりのを受ける事ができるし」
確かにそっちの方が良いのかもしれないが、約束の件もあるしなんかコイツらクレアとリーナを見下したように見ていたので腹立つな。
「すまんが俺はアンタらと組みたく無いお前達は俺の仲間を見下した、だから一生嫌だ」
「なっ!どう考えてもこっちの方がアンタにとっては良いはずだ!」
コイツら分かって無いな、本当に分かって無い。
「俺はメリット、デメリットで動くつもりはない、俺は俺が選んで彼女たちとパーティーを組みたいと思ったんだ、それを馬鹿にしたアンタらと組むつもりはない」
「ちっ、仕方ねえ行くぞ」
はぁ、面倒くさいな、それにしてもCランク冒険者のパーティー相手に啖呵を切り過ぎたなクレアとリーナは静かだしちょっと反応見るのが怖いな。Fランク冒険者がCランク冒険者に勧誘されて断るという構図が既におかしいし、だが腹を決めるしか無いか、ゆっくりと振り返りクレアとリーナを見る。
すると、何故か2人とも俺の顔を見てたのにクレア達は顔を真っ赤にしていた。
ちょっ?どうした?風邪でも引いたのか!
「2人ともどうしたんだ、顔が赤いぞ!」
「いや、アルヴィスかっこよかったなぁーって思った、、、なんて思って無い思って無い思って無いーー」
そう言って、手で顔を隠しブンブンと頭を左右に振る、ふむ、照れてるな。
「クレアはまったく、それでは本音を言ってるようなものです。ちなみに私はかっこいいと思いましたよ」
おお~、なんか好評なようだった。取り敢えずは大丈夫そうだな。良かった、と思った束の間リーナが突っ込んで来た。
「それにしてもおかしいですね」
ドキッ
「何がおかしいの?リーナ」
「いやFランク冒険者であるアルヴィスが何故私達よりも上のランクである彼等に誘われたのかなっと思いまして」
ドキッドキッ
「確かにそうよね、アルヴィスは昨日冒険者登録してまだクエスト受けてない、つまり実力が分からないFランク冒険者のアルヴィスを誘ったって事になるわね」
うおーー、一回間を空けるの勘弁してくれ安心した後に、ビックリさせないでくれ!心臓に悪い!あっ、ほら手から汗が滲んで来た。どうにか誤魔化せるか?
「あー、いや俺にもさっぱり分からん、大体初対面出しなあの人達、だからさっぱりだ」
「うーん?それだと誘って来た理由が分からない」
頼むから、やめようぜ本当にそう言った一心で奇跡が起こると信じてクレアを見つめる。
見つめられたクレアがどんどん顔を赤くしていく、違う!そうじゃなくてなんかそれらしい事を言ってくれーー。
すると奇跡が起きた。
「ちょっと、ア、アルヴィスあんまり見つめないでよ、恥ずかしいじゃない」
「あっ!分かった、アルヴィスって顔が良いからそれで誘ったんじゃないかな?そうすれば、女の子と仲良くなれるからとか!」
まさかのリーナ誤解、正直違うと思うがそれならそれで助かった!よしそれならこのまま行こう!
「そうかな?自分じゃあんまり分からないんだけど?」
せめてナルシストの汚名だけは避けたいから俺分からないですよーアピールする。よしこのまま畳み掛ける。
「ほらそれよりもさ、クエストどうするの?簡単な奴受けるんだろ」
「これです!」
すると、クレアが1枚の紙を俺に突き出した。
ごめんなさい、読めないから見せつけられても分からん。
あーっ、もう面倒くさいし読めない事言おうか、言ってしまえば楽になる。
「ごめんクレア、実はさ俺文字読めないんだよ、しかも書けない!俺物心ついた時から爺ちゃんと山籠りしててさあんま文字とか習わなかったんだよ」
「そうなの?珍しいね、文字が読めないと本も読めないから不便じゃない?今度私が教えてあげる」
な、なんていい子なんだリーナは、恥ずかしさと嬉しい気持ちが混じって涙が出そうだ。
「わ、私も教えてあげます、ゆっくりとじっくり覚えていきましょう」
クレアもいい子だった。
「あ、ありがとう」
「それにしてもそんな幼い頃から山籠りしてたの?おじいさんと何をやっていたの?」
「ああ、剣術と武術を習っていたんだ」
「へぇーなら結構強いの?」
「あら強いなら頼もしいですね」
「まぁ、そこそこは出来るよ、うん。それで一体何のクエストにしたんだ?」
「基本中の基本である、ゴブリン討伐よ」
「うん、初心者向けのクエスト」
「成る程」
ゴブリンかぁー、確かに最初の代表モンスターだな。
「よしそれなら早く受注しに行こう」
そう言って紙を受付所に持って行くとティータが受付だった。
「ふふ、おはようございますアルヴィスさんクエストを受注しに来たんですね。やはりソロで行かれるのですか?」
「いえ、この子達とパーティーを組んで行く事にします」
そう言って後ろのクレアとリーナを紹介する。
「へぇーアルヴィスさん、つよ「あっあーーー」ってどうされました?」
やばかったこのまま行けば強い事がばれる。ちょいちょいと耳を貸してくれと招く、すうっと耳を寄せて来た。
「実はこの子達に俺の強さの事言ってないんですよ、とある約束であの子達が危ない目に合わないようにって事で俺がパーティーメンバーに入ったんです。だから俺の強さの事黙ってて貰えませんか?」
「なるほど色々あるみたいですね、頑張って下さい」
くすっ、と彼女は微笑んで頷いてくれた。良かった。
「ちょっと何してるの?」
「何か秘密の話し事ですか?」
「いえ、そうじゃないですよ。モンスターの強さについて先程何とかなりそうか?と言われたので答えていたんです」
「なるほどね」
「アルヴィスは心配し過ぎ、私達なら大丈夫」
うまい、流石受付嬢、なんて巧みな話術だ。
「あっああ、少し心配でね」
「それでは、受注完了しました。モンスターは北門を抜けてすぐにある森の中に生息しています討伐数は15体ですどうぞお気をつけて。」
「それじゃ行こうか」
そしてギルドをでて北門を目指す。俺が一番最初に入って来た門だった。
という事はすぐの森ってティアル助けた場所か!なるほど。
直ぐに森へ着いてゴブリン狩りが始まった。前衛に俺とクレアが行き後衛にリーナがついた。
クレアは、女の子が扱いそうにない大剣を構えていた。
リーナは、魔法を得意としていたので杖を装備している。
俺は、ガルアから貰った片手用直剣を鞘に収めていた。
「さて2人とも準備はいいか?」
「ええ、もちろん」
「問題無い、いつでも行ける」
クレアとリーナは緊張した様子は無く、体に無駄な力が入ってない。
この事に少し感嘆をした。人間は勝負の際、体に少なからず力が入るものだがそれらを全然感じ無い、これが異世界の人の胆力なのか?と思った。
「じゃあ、リーナ索敵よろしくね」
「分かった」
「全てを見渡す精霊の眼よ、私に力を」
「精霊の眼」
魔法かぁ、俺も使って見たいな確かミリアさんが魔法使えるようにしてくれたって言ってたし、リーナに聞いてみるか。
「索敵完了、周囲にモンスターらしきものは居ない」
「1つ聞きたいんだが、魔法ってどうやって使うんだ?」
「簡単だよ、まず大まかに言えばイメージしてそこに魔力を流すと発動する」
ふーん、イメージねぇ
「もっと細かく言うと、私達魔法師が魔法を使う際詠唱してるでしょ?アレはイメージを補強してもっと限定的な物にするためにしているの、何故限定的にするかと言うと下手をすると自分も巻き込んで自爆する可能性があるからで威力を落として指向性をつけて自分が被害にあわないためのものなの、つまり流れはこう、まずどのような魔法を使うかイメージして、魔力を通す、威力とどの向きにどのように行くか詠唱して、完成したイメージの魔法名を唱えて発動する、例えば火の魔法のイメージをして」
「小さき火の精霊よ、前方の敵を燃やせ」
「火球」
成る程、そう言う事か!何となく仕組みは分かったが、そもそも魔力と言う概念が無いため良く分からん。
「分かった?」
「うん、仕組みは分かったが魔力ってどうやって感じてどうやってイメージに通すんだ?」
「んー、手を貸して」
言われるがままに手を出した、すると手を握って来た。
えっ何?何で手を繋いでんのそれにしても、うわぁ、リーナの手柔らかい。
そんな事を考えてると体の中に何かが通る感覚がした、あまりの事にリーナを見ると。
「今何か感じた?感じたんならそれは魔力の通り道そこから持ってきて魔法を行使する」
へぇー、今のが魔力って奴なのか?成る程分かった。
「ありがとう、分かったよ、魔法が使えそうだ」
「ん、でも諸注意、余りにもイメージが莫大な物だったりした場合それだけ魔力が必要になる魔力が無くなると脱力感が襲って来るから気を付けて使って」
「分かった」
「しっ、リーナがアルヴィスに講習会を開いてる隙に敵さんが現れましたよ」
やっと敵が出てきたか!
さてさてゴブリンってどんなのだろうか?
木陰から覗くと、居た!うわぁ気持ちわる嫌だなぁ。
「さっ、行きましょう、リーナ、アルヴィス準備はいいですか?数は5匹ほどね」
「いいぞ」
「問題無い」
そして木陰から体を出して、ゴブリンと対峙する、こちらに気がついた、ゴブリン達も戦闘態勢をとり、ナイフや弓を出してくる。
「オンナ、オンナガイル、ツカマエル」
「「「「ゴギャー」」」」
へぇー、モンスターでも人語話せるんだ、カタコトだけど。取り敢えず剣を抜く、さて久々って程では無いけど剣術の練習と行くか!
3匹がクレア達から見たら素早い動きで俺に殺到する。流石に三匹ともに寄られると3割増しでキモい。
「オトコ、イラナイ、コロセ」
失礼な野郎共だ!
「「危ない!」」
3匹共が俺だけを狙って来たのを心配してるようだ。だけど問題無い俺にとっては亀の様に遅い
左足を一歩出し半身を引き腰を落としドッシリと構えを取る、剣を顔の高さに持って来て水平に構える、一体目が真っ直ぐに突っ込んで来た、残り
は一体目の後ろに隠れる様に迫ってくる。
なら
「神谷流剣術 雷光」
1匹目の首は右足を前に出し剣を右上から左下に振り抜き切り落とす、すぐさま剣を返して先程と逆に振り抜き後ろに隠れて居た2匹目の首も飛ばす、3匹目が2匹目を飛び越える様に斬りかかって来た、だが雷光はこれだけじゃない出ていた右足と左足より後ろへ持って来て二撃目で振り抜いた剣を体の方へ引き戻し、すれ違いの横一閃で3匹目の胴体を斬る、この間約10秒の出来事であった。そして視線をクレア達の方へ持ってくと、クレアとリーナはナイフを持った前衛と弓の後衛型のゴブリン達と戦っていた。
クレアは大剣を振るうが、前衛のゴブリンは素早く躱す、隙が出来た所へ弓を放つ後衛ゴブリン。
だが飛んで来た弓を魔法で撃ち落とすリーナ、若干苦戦している。
ゴブリンの癖にやたら連携取れてるな、クレアが崩れると危ないな。
っと悠長な事を考えてる暇じゃ無かった!
手を出しても良いが彼女達の成長に繋がらないアドバイスを送るか。
「クレア!ただ闇雲に剣を振るうな!フェイントを混ぜながら相手を誘導して剣を叩き込め!リーナ!クレアの事ばかりを気にかけるなまず魔法で後衛を潰してクレアのサポートしろ!」
アドバイスが聞こえたのか、クレアは前衛ゴブリンを押し始めた、矢が飛んで来ているが先程と違い余裕が出来たのか躱しながらも何とかなっている。リーナは敵の後衛に集中して魔法を叩き込む。そして後衛のゴブリンがリーナの火球に当たり焼死して、クレアのサポートに回りクレアの大剣が前衛ゴブリンの胴を横一閃に切り払った。
中々ドキドキしたが、筋が良い、あれだけのアドバイスで形勢が逆転するとは。
戦いが終わり2人は座り込んで息を整えていたので声を掛けに行った。
「お疲れ様、どうだった?戦った感想は?」
「ふぅー、疲れましたー、アルヴィスアドバイスありがとうあれが無かったら闇雲に剣を振るってました」
「わ、私も相手の矢を撃ち落とす事ばかり集中してしまい敵を倒す事を考えてなかったです、的確なアドバイスでしたありがとうございます」
「ああ、どういたしまして。確かに前衛を守るのも大切だが、前衛を信じる事も大切だ、一体でも敵を減らせばクレアが楽になるからな、クレアは、素早い相手の場合重たい大剣は不利になるそれを考えてどう倒すかが重要だ例えばさっき言ったフェイントを織り交ぜて攻撃する事なんかな」
うんうん、2人とも良い子だな、素直で可愛いかったので2人の頭を撫でてあげた。
「初戦闘にしては上出来だお疲れ様」
2人はされるがままに撫でられていた、下を向いて。
撫で終えると2人は顔を見合わせて何かコソコソと言っていた。
「撫でられるのも悪く無いわね」
「はい、中々良い腕をしています」
終わったかな?そろそろいいか?そんな事を考えて口を開こうとしたらクレアが先に口を開いた。
「時に、アルヴィスって何歳なの?」
「とても重要、ちゃんと答える」
「ん?俺は一応16歳だぞ」
また2人は顔を見合わせてコソコソ秘密会議を開始した。
「まさか、年下だったとは意外ね」
「ん、やけに大人びた雰囲気を出してる、でもアリかナシかで言えば断然アリ」
「同意見ですね」
「ここで提案がある、2人で取り合うのはみっともない下手したら呆れられるか嫌われる、だから仲良く分け合うのはどう?」
「んー、賛成ですね」
そんな事があるとも知らない呑気なアルヴィスは、何故か2人が仲良く握手をしている理由を知る事は無かった。
「そろそろいいか?」
「問題無いわ」
「作戦会議は完了しました」
作戦会議?何の事かは知らないが先程からこちらへ近づく気配を感じていた、2人に伝えるか。
「よし、なら敵さんがこっちに近づいている気を引き締めろ」
「えっ?ホントに?」
「気付かなかった、私達の索敵に引っかかる事なく接近して来るとは中々やる様ですね」
リーナよ、そんなキリッとした顔で言われてもあれだけ2人でコソコソ話してれば気付かないだろ。俺はちゃんと気付いてたぞ。
かなり近づいて来たのか足音が聞こえる。
ドスッドスッ
結構デカイな、確実にゴブリンでは無いな、すると姿が見えて来た。
熊?だな体長3メートルくらいあるだろうか?目の前まで来たその熊は目は赤く染まっていた。姿を視認したクレアとリーナは固まって居た、そしてガタガタと震え出し叫んだ。
「「レッドグリズリーアイ!!」」
ふーん、この熊そんな名前なのか、それにしても何で2人とも震えてるんだ?熊ごときに。
「なぁ2人ともどうしたんだ急に?」
「無理無理、あれCクラスパーティーでやっと倒せる魔物だよ!」
「パワーと俊敏性そして狙った獲物は何処でも追いかけるすごい粘着質な魔物」
なるほどCクラスパーティーでやっとねぇーつまりFランクであるクレアとリーナでは勝ち目がない訳か、仕方ない今回は俺が出るか。
「しゃーない、俺が行くからクレアとリーナはそこで見てて」
「ちょっ!人の話聞いてた?私達じゃ勝てないんだって!」
「とりあえず何とか街に逃げて助けを呼ぼう!」
「落ち着けって、2人とも熊ぐらいなら何とかなるって」
「「普通の熊と違うんだってーーー」」
さてと、熊か、久し振りだなあっちの世界でも爺ちゃんと山籠り中にやりあった事があるなぁ、あん時は、爺ちゃんのトドメの一撃で何とか倒したっけ?今の俺なら行けるだろ。
やるか素手で。
するとこっちの準備を待っていたのか。
「グォォォーー」
熊が手を横薙ぎに払って来た、その手を受け止めた、正面から。
普通の人ならばこの一撃で意識を持って行かれるが俺は違う。
「ふっ」
女神様から貰った身体強化をフルに使って止めた。
「「はぁーーー?」」
後ろで2人は信じられないとばかりに叫んでいた。
流石に3メートルは高いな。仕方ない、目の前で立っている熊の足に足刀を入れて足払いをする。蹴りの威力に耐えられなかった熊はその場でこける、そして倒れた胴体にいわゆる正拳突きを出した。
すると熊は10メートル以上に吹き飛んで絶命していた。
「弱いな」
「あっあり得ない」
「レッドグリズリーアイを瞬殺って、しかも素手で」
そんな2人に俺は振り返ってドヤ顔で一言。
「なっ!」
「飽きれた、あなた強いのね」
「あんな軽々あいつを倒すなんて四天騎士ぐらい、強い?」
「ん?四天騎士?何だそれ?」
つい聞き返しすとリーナは律儀に教えてくれた。
「知らないの?アレスト王国を守る最強の四騎士で通常時は、東西南北の門にて守備を任されてるの実力はみんなSSランク冒険者に匹敵する」
「へぇ、知らなかった」
「アレスト王国が誇る四天騎士さえ知らない人は中々居ませんよ」
だって仕方ないじゃんか、まだこっちに来て2日しか経ってないんだぞ、そんなのどうやって知れって言うんだよ。
「まぁでも戦ってみたいな」
「アルヴィスでも流石に勝つのは無理だと思うわ」
「それに、接触する機会がない」
そんな感じでゴブリンの討伐が12体目を終えた頃、それは起こった。リーナの索敵に引っかかたゴブリンを討伐しようとゴブリンがいる方へ行くと、何やらゴブリン達が人が1人分入る麻袋を4体で引っ張って居たのだった。
「何か、運んでいるのか?」
「分からない、何でしょう?」
なんか嫌な予感がするな。
「リーナ、もう一回索敵を使ってくれ」
「分かった」
リーナが、索敵を放つと4体しか居ない筈の場所に五体目が引っかかる。予感の正体を探る為何のけなしに尋ねる。
「なぁ、ゴブリンって人を攫う習性とかあるのか?」
「!まさか」
「多分、昔どこかの本で見た事があるゴブリンは苗床に人間の女を好むと書いてあった、その本を見る限り人があの麻袋の中に入ってる可能性が高い」
「あいつら、何処に向かってるか分かるか?」
「多分、住処に向かってる」
「バレない様に追うぞ、もしかしたらあいつらの住処に捕えられた人がいるかも知れない」
そうしてゴブリンの後をつけて行った。歩いて行くと村の集落の様な場所に着いた。
「リーナもう一度索敵頼む」
「うん、分かった」
さてあの集落みたいな場所に一体何体ゴブリンがいる事やら。リーナの索敵が終わるとリーナはビックリした様な表情をして居た。
「!!!」
「どうかしたの?リーナ?」
「ここから視認しただけでもかなりいるな、どうだった?」
「ここを落とすのは無理、推定でも200体はいる、それと一体強力な反応を探知した、おそらくゴブリン王がいる」
「!!!」
「?」
「ゴブリンロードの適正ランクはAランクパーティー、それに加えてこの数、Sランクパーティーに匹敵する」
「おい、クレア、リーナ王国に戻って助けを呼んで来い、ここで俺が見張っておく」
「えっ!で、でも」
「早く!行け!」
「行こうクレア」
「アルヴィス、無茶な事はしないで下さいね」
「ああ、無茶な事はしない。早く行け」
遠ざかって行く2人を見ながらアルヴィスは集落へ視線を戻し、作戦を開始する。
まずは、人質の救出が最優先だな、でなければ人質を守りながらでは全力で戦えない。さて魔法を使って見るか。
「全てを見渡す神の眼よ、鳥籠の中にて、救い乞いし者を見つけよ」
魔力を集中して。
「神の瞳」
唱えて発動した現象は、自分の頭の中に空中から見た様な視点が送られて来る、それから、それは動き始め物を透過して建物の中に入り捕らえられた女性たち見つける、居た!数は15人か、思ったより多い。
あの馬小屋の中に居るみたいだな、見張りは2匹か。
見られず排除して行く必要がある。
「隠せ、隠せ、世界から隠す鎧を我が元に」
「迷彩の鎧」
さてこれで敵から見えなくなった。
馬小屋までの逃走経路を確保する為そこに居る、ゴブリン達を斬っていく。
馬小屋の前に居たゴブリンを斬り殺し、周りにバレないようドアを開ける。
中に居たのは傷だらけの女性達だった。
インビジブルアーマーを解き姿を見せる。
いきなり現れた俺に驚いた女性達は同時に安堵の表情をした。
「た、助けに来てくれたんですか?」
「ああ、だが助けは俺1人だ、逃げるまでの逃走経路は確保している、走れるか?」
すると女性達は頷いて立ち上がり俺に着いてくる。
逃走経路に敵は居らず、すんなりと隠れらる場所に戻って来られた。その事に女性達は安堵し座り込んだ。
俺は少なからずゴブリン達に対して怒りを感じていた。だから
「ここにいろ、後は任せておけ奴等を俺が殺してやる」
「で、でもあの数に貴方1人では太刀打ち出来ません!それにあそこにはゴブリンロードが居ます!勝てません!」
発した女性に近づき頭を撫でながら優しい声音で語る。
「俺は、負けない、誰にも、貴方達は俺がちゃんと救ってみせる。だから安心して待っていてくれ」
そう言ってゴブリンが巣食う村へと戻って行く。
「まさか俺がこんなにも苛立ちを覚えるとは、ふっ、考えても無かったな」
覚悟しろ、俺を怒らせた事を。
「この身を纏え、光の波動よ、その全ては時を止めん」
魔力の大部分を流し込み発動する。
「光の超加速」
体から光の柱が立ち昇る、それを抑え込み身体強化を爆発的に上げる。
「さぁ、狩りの時間だ」
そして地を蹴る。
所代わり、クレアとリーナは王国へ向け走っていた。
私とリーナは彼の事を好きだ、会って1日しか経ってないが、確信を持ってそう言える。不思議な雰囲気を持っていて、時々、何でも無いかのように凄いことをする。見ていて飽きない何より楽しい、彼といる事が、だから何となくわかってしまう。彼は私達に助けを呼べと言ったが多分違う、私達を危険から遠ざけたかった、だから助けと称して危険な目に遭わないように行かせたのだと、それがとても悔しかった、もっと強かったら、彼の隣で一緒に戦わせて貰えただろうか。
「リーナ、急ぎましょう」
「分かってる、後少し!」
そして門へ辿り着き、衛兵に事情を伝える。そしてある人が力を貸してくれた。
四天騎士が一人、神速のレイナである。
レイナ・エルレイド、女性でありながら四天騎士に名を連ねる人、二つ名に神速と付くように彼女の動きは、捉える事が難しいぐらいに速いらしい。SSランク冒険者に匹敵する彼女ならば敵を倒せる可能性がある、悔しいが心強い。
「それでは、その場所まで案内してください」
「はい」
そして彼女と共に私達は元来た道を戻る、そして見た、天を貫く程の眩しい極光の柱を。
「一体何が?」
この光景に私達もビックリしたが、彼女が驚くとは思わなかった。
「凄い、桁違いの魔力が込められた魔法だよクレア、あんなの人には到底出来ない」
「ええ、もしかして」
「多分ね」
あれを放ったのはアルヴィスであると、私達は直感で感じた。
元の場所へ戻ると、そこには傷だらけの女性達がいた。アルヴィスが助けたのだろう。彼女達も私達の存在に気づいた。
「ここで一体何があったのですか?」
そう問うたのは、レイナであった。
「わ、分かりません、彼が私達を助けてくれて、それでここで待ってろって」
「彼?彼とは誰ですか?」
「レイナさん、多分私達の仲間だと思います」
「例の残ったあなた方の仲間ですか」
そうして村の方を見る、火の手が上がりここからでも見える敵達の死骸を。
俺はただ歩く、村に入り敵に視認され仲間を呼ぶゴブリンを眺める。
そうして集まって来たゴブリン達の群れ約150体といった所か。
そして剣を抜き歩みを再開する。
ゴブリンの弓兵約70体が一斉に上空に矢を放ち、矢の雨を降らせた。
だが関係ないとばかりに歩く、さながら散歩する速度で、矢の軌道を全て読み体捌きのみで躱す。
そのタイミングで無駄と悟ったゴブリンはなだれ込む様に前進して来た。
そこで足に力を入れ踏み込む、文字通り光の速さを手に80体の死体を瞬時に斬り捨てた。ゴブリンの弓兵はまるで同時に仲間が斬られた様に見えただろう。そしてまた弓兵達も同じ末路を辿った。
敵の首魁、ゴブリンロードはここか。
村の中で最も広い場所に仕切りをしていた場所へ入る。そこに敵はいた。
「まさかニンゲンごときに遅れをとるとは無能どもめ」
堂々とした態度で待ち構えて居たそのゴブリンは流暢な人語を話す。そして周りに居たゴブリン50体は今までとは比べ者にならない強さと装備品をしていた。
「お前がこのゴブリン共を纏めている者か?」
「ああ、ニンゲン俺はゴブリンロード、ゴブリンの王にして絶対の支配者である、そしてここにいるゴブリンは、俺が手ずから育てた精鋭だ、外のや「御託はいい」
長そうだったので被せて返した。
「全くせっかちなニンゲンだ、それにしてもお前1人か?という事はニンゲンのメスを逃したのもお前か?面倒くさい事をしてくれたなまた集めなければいけない、お前達ニンゲンにお前達の力を見せてやれ!!」
そう言って、ゴブリンの精鋭達が切り掛かって来た。それに対して俺はただ無造作に剣を振るう
「「「「ぐぉぉーーーーー?」」」」
「これがお前の用意した精鋭か?今までの奴と対して変わらんな」
そう言った時にはその精鋭達は地に血の池溜まりを作り伏せていた。
「何だと!!貴様ニンゲン何をした」
「五月蝿い、御託はいいと言ったはずだ、さっさとかかって来い」
ゴブリンロードは人の背丈程のアックスを背負い襲いかかって来た。
「うおおおぉぉぉーーー」
ゴブリンロードのアックスは俺を斬ることをせずに俺の後方へゴブリンロードの手ごと飛んで行った、奴の腕を斬りとばした結果だった。遅い!
「待て、やめてくれ、俺を殺さないでくれニンゲン!お前のゆう事は何でも聞くだから、なっ!」
腕を斬りとばされ、攻撃手段を無くした敵はあっさりと命乞いをして来た。だが俺は迷い無く剣を横一閃し、首を斬り飛ばした。
「お前に、命乞いをする権利はないよ」
「「アルヴィス!」」
クレアとリーナか。自身を纏っていた魔法を解き振り返る。
すると2人は跳びながら抱きついて来た。
うぉ!どうした?
「無茶はしないって約束したじゃない!!」
「アルヴィス、私達心配した、貴方が無事かどうか、こんなに心配をかけないで!」
「ふふっ、美しきかな仲間愛」
それにしても誰だこの人?
「ああ、無茶はしてないさ、それでこの人は?」
二人の頭を撫でながら尋ねる。
「この方は、四天騎士の一人、レイナさんだよ」
「初めまして、私はアレスト王国四天騎士、神速のレイナだ、よろしく頼む」
へぇー、この人がそうなんだ。
「それにしてもまさか、この短時間で敵の壊滅をしてしまうとは中々いい腕だ、機会があれば一手しあってみたいものだ」
「ええ機会があれば是非」
「時に君のランクは?」
「ええ、まぁ、しがないただのFランク冒険者ですよ」
そんな感じで俺達の初クエストは終わったのだ。
ゴブリンに捕まっていた、女性達からは感謝の言葉を貰い、行き場を無くした彼女達は王都にて国王の計らいで職場などを与えられて、そのまま王都に在住すると聞いた。
次の日
俺がギルドへ着くと、クレアとリーナは立っていた。
知った顔なので近づくと2人はこちらに来てこう言った。
「ねぇ、アルヴィス、私達強くなりたい、あの時貴方の隣で戦えなかったことが悔しかった。貴方は強くてあれだけの数の敵と戦っても苦労して無かった様に見えた、だから貴方の近くで貴方を見て習う事にしたの」
「あの時は、臨時パーティーの様な物だったけれど貴方の指導、身に沁みた」
「「だから私達とパーティーを組んでくれませんか?」」
そんな誘いに俺の答えは決まってる。
「もちろん!俺なんかで良ければ」
こうして俺達のパーティーの物語が始まる。
所代わり
「ふふっ、良い兆候だわ、少しずつだけど色付き始めた、貴方の魂は一体何色になるのか楽しみだわ、それにしてもそんな色の中に、んー?何だろこれ?みたこと ある様な色も出て来てるわね、何かしら?まっ、いっか!頑張ってね、私の愛しい神谷 奏士!」
そうして天界で趣味になりつつあるアルヴィスの観察をしているミリアであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キャラ紹介
いつでも活発少女
クレア・ハヴェルカ 17歳
武器 大剣
特技 キャンプ 子供の面倒を見ること
趣味 もっぱらリーナを外に連れ出すこ
と
嫌いな事 休日をグダグダ過ごす事
冷静沈着なクール女子
リーナ・レイアロード 17歳
武器 杖
特技 魔法詠唱文の文章構成を考える事
趣味 休日に本を読む事
嫌いな事 試したい事が出来るのに出来
ない環境
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