最強魔法剣士が行く異世界自由冒険譚

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第1章

1-20 Sランク

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ギルド長がSランク昇級試験を受ける冒険者の俺の名を言った。

当然俺の反応はこうである。


「は?」


いや、いやいやいやいや、意味が分からん。
俺は、混乱のあまり間抜けな声をあげしまった。
だが会場のボルテージは最高潮にまで至っていた。

「おいおい、アイツって冒険者になったのいつだっけ?」

「1ヶ月前くらいだっけ?ゲイズが冒険者登録しに来たアイツにぶっ飛ばされさたの」

「は?じゃあ、アイツ約1ヶ月でSランクの昇級試験受けてんのか。マジかよ」

「まぁ、アイツ色々やってたからな」

「やっぱ、銀狼が1番記憶に残ってるな」

「まぁ、これでアイツの強さをこの目で見る事が出来るな」

「まぁどれもこれもアイツがやってきたこと化け物じみていたけどな」

そんな声が観衆の中から聴こえてくる。

いや、きっと勘違いかもしれない。俺の事を話しているぽいっがきっと俺の聞き間違いだと思い座ったままでいるとギルド長が間違いなくこちらを見て

「アルヴィス君!アルヴィス君!キミだよキミ」

どうやら俺の勘違いと言う線は消えた様だ。

「やっぱり、Sランク昇級試験を受けるのはアルヴィスでしたわね」

「何となく分かっていた」

「まぁ、そうですね。ティータさんのあのあからさまな反応は分かりやすかったですね」

合流したクレア、リーナ、ティアルが口々に言う。

え?分かってたの?もしかしてこの中で察していないの俺だけ?もしかして俺って鈍いのかな?とそんな気分になり少し落ち込んでしまった。

「ア、アルヴィスさん大丈夫ですよ!私も分かってませんでしたから!」

落ち込んでしまった俺に天使の様に手を差し伸べてくれたのはアリアンだった。

「本当か!?良かった~俺だけ分かって無いのかと思って少し落ち込んでたんだよ。ホントありがとう!」

「あ、あはは元気だしてください」

実際の所何がありがとうなのか意味が分からないがそれでも言いたいありがとう!。

そんな訳で精神的に落ち着いた所で闘技場の方へ目をやりギルド長が手をこ招いている。

「んじゃみんな、ちょっと行ってくる!」

「「「「頑張って!」」」」

皆の声援を背に観客席から闘技場に飛び降りる。

リング付近にいるギルド長の下へと行き事情を聞くことにした。

「いやー、やっと来てくれた。それにしてもどうしたんだい戸惑った様子だったけど?」

話し方が何時ものギルド長の喋り方に戻っていた、まぁ周りはギルド職員のティータさんとその他数名と俺だけしか居ないからなのかな?。

「いや、こっちは何も聞かされていなかったんでまさか俺だとは思わず」

今朝の事を思い出しながらそう言うと。

「えっ!?でもティータさんには報告しておいてって言っていたんだけど・・・ティータさん!」

ギルド長に呼ばれてリングの整備をしていたティータさんがトコトコとやって来る。

「はい!ギルド長呼ばれましたか?」

「えっと、アルヴィス君今回の試験の事何も聞かされてないって言ってるんだけど、どう言う事だい?」

ニッコリとしながらティータさんに問い質す。そしてニッコリとティータさんが

「その方が面白いかな?っと思いました」

上司を前に私情を堂々と言い張った。余りにも堂々と言うものだからギルド長と俺はポカンとしてしまった。その後、ギルド長は手で顔面を覆い隠し片手でリングの整備に戻る様指示を出す。

諦めたな。

「諦めましたね。ギルド長」

つい本音が出てしまった。

「あぁ、あの子は何時もあんな感じだからね。何かあっても諦めるようにしたんだよ。幸い仕事は出来るから何も言わないけど」

「それで俺がSランク昇級試験ってどう言う事ですか?一応パーティー組んでいるんですけど」

「ああ、そもそもパーティーのランクは個人のランクとはまた違ってね。ソロでやっている冒険者なんかがパーティーを組む場合、個人のランクと仲間のランクの平均ランクがパーティーの1番最初のランクになる訳だよ。まぁ君達に元々伝えていた事もそうなんだけど今回は君個人のランク昇級試験だと思ってくれ」

伝えていた事、多分俺1人の戦力が周りと離れ過ぎている為に今回のパーティー昇級試験に受けられないってやつだな。一応疑問に思った事をギルド長に聞いておく。

「えっと、じゃあ今クレア達の個人ランクってどうなっているんですか?」

「あぁ、その辺聞かされて無いんだね・・・えっと、その場合は最低でもパーティーのランクがその人個人のランクになるよ。パーティーを解散した場合でもその人がいたパーティーの中で最もランクが高い物がその人のランクになる、けれどこれには不正なんかが起こっているからね。一定期間パーティーに所属していなければならない決まりがあるよ」

「不正?」

「例えばDランク冒険者が理由ワケあってAランク冒険者のパーティーに入るとしよう。でもすぐに抜けたとする。その場合はその者はDランクとなる。でないと実力に見合わない依頼を受けられても困るからね。あっ!後、勿論個人の昇級試験を受けて貰うよ。上のランクに行けば行くほど色々あるからね」

「色々ですか?」

「そっ、例えば貴族の護衛やその子息の戦い方の指南なんてものもある。だから礼儀や節度、マナーの試験なんて物もあるよ。護衛が態度悪いと雇った貴族の品格が疑われてしまうからね」

「はぁ...でも俺はその過程をすっとばしているんですが?」

そもそもの話だ、俺は向こうでは友人と呼べる者は1人も居なく、かと言って1人でいると目立ってしまうから紛れ込む為に付かず離れず距離を保っていた普通の高校生だ。
貴族の相手をしろと言われても正直出来る気がしない。

「まぁそうだね、だけど何事にも例外と言われる物はあるよアルヴィス君、そもそもSランク冒険者と呼ばれる人やパーティーと言うのはこの世界でも中々いる物じゃないんだよ。Sランク冒険者と呼ばれる者達に求められるのはたった1つの資質なんだよ。そう、圧倒的な強さだ」

なんか一気に話がぶっ飛んだな、Aランクまでは礼儀やマナーが大切なのに最後は結局強さかよ!まぁだけどちょっとほんの少しだけだけど夢があるな。

まだ見た事もないSランク冒険者。

求められるのは圧倒的な強さ。

祖父が磨いた技、それを受け継いだ自分。それがこの世界で何処まで通じるのか試してみたいそう思う

「だからね。多少の事であれば貴族は何も言わないよ。それだけ強い存在に護られているのだから。むしろ向こうの方から仲良くしてくれと言われるくらいさ」

あっけからんと言うギルド長は俺の表情を見て笑う

「さぁ話をし過ぎたようだね先方を待たせては悪いし、そろそろ始めようか」

ニッと口角を上げたギルド長は挑戦的な目付きで言う

「試合内容は至って簡単、Sランク冒険者に勝ってみせろ。そうすれば君もまた本当の強者達の仲間入りだ」

「ああ!!」

余計な事は考えない、自分の持ちうるすべてを、この世界に来て初めての本気を出して強者を打倒しよう。
そう心に決めてリングに向けて歩む。

すれ違うティータさんが何か言っていたんだけど何を言っていたか分からない。
それ程に今目の前の事に集中する。



「うわぁー、アルヴィスさん物凄く集中してましたね、頑張って下さいねって言ったんですけど気づいてませんでしたね。ギルド長、一体何を言ったんですか?」

整備が終わりギルド長の下へと戻ると先程すれ違った時の事を話す

「さぁね、でもこれで彼の真価を見極められる。彼の実力を見極める為にどれだけ相対する事の出来る冒険者を探したことか…いやーホントに楽しみだね。っとそんな事を言っている場合じゃ無かったほらほら僕達も移動しよう。今回は特別ルールだからね」

「あぁ、なんか言ってましたね。リング外でもありの闘技場全てを使った戦いなんでしたっけ?」

「そうそう、だから巻き込まれると流石に危ないからね。放送室兼観客室に移動しよう」

そう言って足早に移動を開始するのだった






ティータとギルド長は放送室兼観客室に入りマイクの調子を確かめる

「あ、あーあー、マイクテスト、マイクテスト、ん、んん、」

「大丈夫だよちゃんと整備されてるし。さぁ始めよう」

「分かってますよ、一応です一応。あー、それではこれより皆さん待ちに待ったメインイベントSランク昇級試験を始めます!!」

その言葉を発した瞬間会場は震え上がる。


「「「うおおおおぉおおおおおおおおおおおお!!待ってましたぁ!!」」」

冒険者達の興奮や高揚が会場全てを包み込む。先程も凄かったがそれを優に上回るボルテージである

「さぁ、今回Sランク昇級試験を受ける挑戦者はネクサスを率いるパーティーリーダー!アルヴィス!!嵐の様に突如現れ未だ彼が起こす嵐は鳴り止まない!冒険者になり1ヶ月と言う短い期間の間に打ち立てた全ては驚愕の一言。期待の新人スーパールーキーここに現る!!!」

思考は冷静、しかし体のこの高揚感は嘘を付けない。

今、俺は昂っている!

そうして100m程先の大きな扉を見据え
る。

「対するは!最強と言われる一角であるドラゴンの討伐数第2位その数32体。鮮やかな連携。的確な指示。そして何よりそんなドラゴンをものともしない圧倒的な強さを誇るパーティー『喰らうものフェンリル』」

煙幕がもうもうと立ち込め扉が開かれる。

現れたのは5人の冒険者。

1今まで出会ったどの人達よりもハッキリと伝わる強さ、風格が滲み出ていた。

冷静だった筈の思考が熱くなる。

あぁ、早く始まれ。

アルヴィスの目の前まで歩んで来た。

「君か、Sランク昇級試験を受ける期待の新人は、私の名前はライゼ・グリンドノッツ。喰らうものフェンリルのパーティーリーダーをしている者だ。今回は宜しく頼む」

全身鎧フルプレートを身にまとい兜の部分のみを出している。顔にいくつもの傷痕があるが不思議と怖いと言う印象をさせない、どちらかと言えば真面目な印象を受ける人物だ。

その人物を押し退けてズイっと顔を近付けてくる茶髪ショートの女性。

「いやー、噂に違わぬイケメン君だね、キミ~。この街にファンクラブがあるって言うのも頷けるなぁ、ウンウン。それにゴブリンロード、銀狼、四天騎士と模擬戦しこれを勝利してAランク冒険者が逃げ出す程の変異種トロールまで単独で倒す強さ、惚れない人居ないんじゃない?現に有名な関係人物3人がパーティーに入ってるとか、あっ!私の名前はメイ・グリンドノッツ、さっき紹介したライゼの妹で~す。ヨロシクね」

手を無理矢理引っ張られ握手を強制的にさせられた。それにしても初めて会うはずの人の情報をここまで知っているとは、と言うかなんか本人も知らない情報がでてきたんだが・・・・

「すまんな、ウチの妹がコイツは盗賊でな情報収集もその一環なんだ」

「なにさ~、情報は戦う上で重要じゃんかさ~」

「それにしても、限度という物があるだろう。だから彼氏も出来ないんだ」

「うっわ、まじ最低、と言うか勝手に逃げていく男の方が悪んじゃん。」

「別に知られても困る情報はないから別にいい、それよりまだ自己紹介するのか?」

「まぁフェアにやりたいからな、ウチの妹が君の事を調べまくったからそれでは対等ではないだろう」

「そうか、勝手にしてくれ」

「あぁ、そうさせてもらう」

「んじゃ、俺の自己紹介なぁ、俺はワイス・ノーランス。まぁリーダーが守りを得意とする守護騎士パラディンなら俺は攻撃を得意とする戦士ウォリアーって所かな」

若干雰囲気は四天騎士のカイルさんに似ている、装備は所々鉄の様な物で覆っている。恐らく動きやすさを重視した軽装だろう。ちなみにメイと呼ばれる女性の装備は一見普通の服のように見えるが恐らくそれだけではないのだろう

「私は攻撃魔法を得意としている、サージュ・コルミーだよ。よろしく頼む」

「わ、わわ、私は回復魔法をせ、せ、専門にしてます!あ、えっと、名前言ってなかった!カルミア・セルシーで、す。う、うぅぅ、恥ずかしぃぃー!」

この2人はフード付きのコート?の様な物を纏っている。まぁ魔法士に重装備を付けても動きづらいだけだしな

「あっ、ゴメンね~。カルミアって物凄い照れ屋なの。慣れた人ならともかく知らない男性と直視すると固まるのよ。まぁ戦闘になればこれと言って問題ないからさ」

「これで全員の自己紹介は聞いたな」

そう言ってギルド長達のいる部屋に顔を向けて手を振る

「よし、話し合いは終わった様だね。では両者距離をとって!あぁ、そうそう言い忘れていたが今回のアルヴィス君の勝利条件は喰らうものフェンリル全員の撃破だ。なので両者後のことは気にせず本気でやるように、それでは」

「へっ?」

隣に居たティータは初めて聞かされた無謀な勝利条件に間抜けな声を上げた。

フェンリルは各々武器を構える。

俺も月閃刀を抜刀し

俺のいきなりの行動に向こうは狼狽える。

「試合開始!!!」

試合の合図と共に駆け出す。

これに1番最初に反応したのはリーダーであり守りの担当をしているライゼである。
身の丈はあるであろう巨大な盾を俺の眼前に突き出す。
だが俺は突き出された盾の上部に当たる所を掴み飛んで躱す

「ぬっ狙いは後衛か!メイ、ワイス援護しろ!サージュは敵を迎撃したら即座に魔法を放てるよう詠唱の準備!カルミア!支援魔法を2人に飛ばせ!」

「「了解」」

「「分かった!」」

飛び越えて空中にいるアルヴィスに2人は一瞬で反応し左右から長剣と短剣で攻撃を加えようとしてくる

(的確な指示だが。俺の狙いは後衛の魔法士じゃ無くてアンタらだよ!)

先に迫って来る長剣の切っ先を体を捻りながら掴み軌道を逸らす。その先には丁度メイがいた

「ってうわぁ、危ないなぁ!」

それを首を捻って躱すメイ。盗賊らしい身のこなしだ。突然の軌道の変化に驚いて躱す為に動きを止めたメイ。

軌道を変えられて体勢を崩しているワイス。

地面に何とか着地してワイスに掌底を叩き込もうとしたが阻まれた。

「完成しました。レジストシールド!」

カルミアがいつの間にか魔法を完成させていてワイスと俺の間に透明な壁の様な物が出現し掌底の威力を殺された。

「ぐっ、っとと危ねぇ、空中でなんて動きしやがる。サンキューカルミア!」

「えぇ!素手で私の魔法が破られましたよ!」

2人は瞬時に俺から距離をとる。

「サージュ!ってぇぇぇ!」

四属性の散弾エレメントショットガン

火、水、土、雷の4属性の球体が破裂し俺の方向にのみ飛んで来た。

シールド

最近やっと出来るようになった無詠唱の魔法を発動してコレから身を守る。

爆撃の様な魔法が止み、次の一手を考える。

(ちっ、ホントならコレで1人は削っておきたかったんだが。やはり先に司令塔を潰すべきだな)

そう考え狙いをライゼに切り替える。
盾の戦い方は四天騎士ガルクで勉強済みだ。例え防御が高かろうとそれを上回る一撃にて粉砕する。

そして砂煙を飛び出しライゼに向けて駆ける。

「来たか!カルミア!回復の準備をしておけ!ワイス!メイ!俺が相手どるから隙が出来てたら攻撃しろ」

「「「はい!」」」

貰った、ライゼはどうやら俺の攻撃を受ける所存らしい。もちろん一切の手加減抜きで行かせてもらう。

そしてライゼの眼前に迫る。

「我を守り給え、大いなる盾よ、四重をもって受け止めよ」

四重盾の陣シールドカルテット

走った勢いを殺さない様に左足を大きく開きブレーキを掛けならがら半身の構えをとり左手で的に狙いを絞り右肘を頂点にもっていき拳を下に構える

「神谷流無手、白虎の型」

そして拳を捻りながら撃ち抜く感覚で放つ

虎雷抜きこるいぬき

ライゼが持つ盾の前に現れた4つの盾を貫き、ライゼ本人の持つ盾に当たる








「あっ!これヤバイやつだ」

放送室兼観客室で見ていたギルド長、ルイン・ケリアルこの後起こる惨劇を何となく予期する






ライゼが構えた盾にアルヴィスの拳が当たった瞬間、ライゼは余りの拳の重さに驚愕する

(バカな!なんだこの拳の重たさは、俺は、ドラゴンの拳でも耐えられるんだぞ!それを遥かに上回る威力だと!?まるで山に体当たりされた感覚だ!!)

そう思考した瞬間に踏ん張っていた足が地面から離れる

「ぐぬぬぬぉぉぉぉぉ!!!」

「うおぉらあぁぁぁぁ!!」

アルヴィスが腕を振り抜くとライゼは一直線に飛んでいき観客席を守る為に張られていた強固な結界に直撃し粉砕する。そのまま観客席に突っ込んでいった。

「やっば、やり過ぎたか?」

「「「リーーダァーー!!!」」」

「おにぃちゃーーーん!!!」





するとギルド長のアナウンスが入った。

「救護班急げ!でないと手遅れになるぞ!早くしろ!!観客席にいる冒険者の中で回復魔法が使える者は救護班が来るまで掛け続けろ」

中々焦っている様だ。正直内心やり過ぎたと自分でも思っている。まさか、まさかこんなに力が跳ね上がっているとは思っていなかった。本気で力を使うのは流石にやばいもっと力を抑えないと。

「アルヴィス君、こちらは何とかする。戦闘に臨たまえ」


そして残った4人に拳を構える。
警戒度をMAXにまで上げて4人は武器を構える。






「マジかよ!バケモノ、バケモノとは言ってたがとんでもねぇ!バケモノの範疇にすら収まんねぇぞ!!」

「おいおい!あのライゼを結界ぶち破る勢いで殴り飛ばしてたけど流石のSランクでもやべぇぞ。死んで無いよな…」

「この結界ってどんだけ硬かったけ?」

「求道者のゼノ様が本気の魔法を撃ってもやっとヒビが入るくらいだぞ!」

「マジかよ…」





ライゼが飛ばされた丁度反対側にいたクレア達

「・・・・はっ!皆ゴメンなさいですわ。少し寝ていた様で夢を見ていましたわ」

「・・・・落ち着いて、夢ではない」

「流石!アルヴィス様!最早アルヴィス様の攻撃を受け止められる者はこの世にはいませんわ!」

「ちょっ!流石にやばいんじゃないですか!?」

「夢、夢ではないんですの?」

「信じ難いけど現実」

「ですが、流石に心配ですね。まぁ多分大丈夫でしょう」

「「多分、大丈夫!」」

「ちょっ!皆ほのぼのせずに帰ってきてぇぇー!」






リーダーがやられたにも関わらず4人は一切連携を乱すことなくアルヴィスと戦っていた。

「ぐっ、くっ、クッソ!メイ!援護!」

「了解!」

そうしてメイは、細い針を背中に隠してあるベルトから瞬時に抜いてアルヴィスに投射する。

「くっ...!」

アルヴィスは針を躱す為に一旦ワイスから距離をとる。

カルミアが離れたアルヴィスに即座に魔法を放つ。

「縛り、繋ぎ止めよ。鎖の呪縛チェインロック

その隙をのがさんとすかさずサージュが詠唱を開始。

「黒き炎はその身を焼き尽くす、災厄の炎」

地獄の爆炎ヘルフレア

魔法の詠唱中に無理矢理鎖を引きちぎり、回避する。

ドンッッ。

黒い爆発が先程アルヴィスがいた所から半径4m程に発動された。

予想以上の発動範囲にかなりギリギリだったが何とか躱すことが出来た。すぐ様体勢を立て直し次はメイを狙う。

あの針、何か嫌な予感がした。よく漫画なんかで見る暗殺者アサシンが持つ毒針とか多分そんな物だろう。ならメイの優先度を上げて先に倒さないと後々面倒臭いからな。

「ちょっ!私の方に来たしーー!」

そう言いながら針を投射し、短剣で迎え撃つ。

流石、身軽な盗賊、正拳突き、熊手、裏拳掌底をギリギリ回避する。

針を躱す事自体は、そう難しくない、投射する迄のモーションで、ある程度範囲は絞れ、回避する事は出来るが、死角から投射されると厄介なので先に潰しておきたい。

「オラッアッッ!」

背後に援護に来たワイスが長剣を振り下ろそうとしている。前方3mの距離にメイ、いけるか?。

地面に向けてそこそこ本気の拳を振り下ろす。爆散、地面を殴った衝撃で床に亀裂が入り砂煙が立ち込める。

「ぐおっ!」

殴った衝撃のみでワイスは吹っ飛んでいった。3m程前方にいたメイも地響きに足を取られ隙が出来たのですぐ様駆け出す。

「はっ!」

「貰った」

煙幕を張った理由はカルミアに防御魔法の的を絞らせないため、おかげで隙だらけのメイに防御魔法が掛けられず腹部に一撃入れられ意識を刈り取る。

「ぐっ!」

ドサッっとメイが倒れた直後に煙幕が晴れていく。

「メイ!」

「「メイさん!!」」

「残りは3人・・」

ただそう呟いただけなのだが、残った3人がビクッとしていた。
向こうからしたら最早化け物とか多分そんな感じなんだろうなぁと遠い目ををする。
そして意識を戻し、突き刺した月閃刀の所までで走る。
その間何もしてこなかったが、どうしたんだ?。
疑問に思ったので目を向けると3人はキョロキョロと周囲を見ていた。

「いた!武器を回収している。」

「バカな、一瞬であの距離を移動するなんて!」

「あ、あうぅぅぅ、早すぎますぅー」

は?・・・あっ!あぁ、そういう事、そう言えば今回の戦いは様子を見る為に本気で走って無かったな。だから本気の走りを見せた瞬間、姿を見失ったのか…。

まぁいいけど、そして月閃刀を抜いて鞘に納刀する。そして柄に手を添えた状態でワイスに向かって本気で駆ける。

抜刀、ワイスの右側を走り抜ける様に一閃。そして1度は言ってみたかったセリフを言うことにした。

「安心しろ、峰打ちだ」

「ば、バカなっ....!」

ドサッ

おぉ、何か今のは決まったな!そして残った後衛達に目を向けると魔法を詠唱しようとしていたのでコッチも魔法で迎撃する事にした。

「カ、カルミアはワイスに防御魔法を掛けて下さい。私が本気の魔法を打ち込みます!」

「は、はい!」



「大いなる光は今、目の前の敵を討ち滅ぼさんが為に収束し、敵を逃がさぬ為に拡散す、それは多大なる熱量をもって敵を焦がし、焦がし、溶かせ」

「聖なる神々よ、今打ち倒された仲間を護る為の加護を」

「大地は凍る、それは崩れる事の無い堅く、硬い氷なり、それは生物だけでなく大いなる存在さえも凍てつかせる絶対零度なり」









「おいおい、残った3人が魔法の詠唱を始めたぞ!」

「アイツ、あんだけ戦えるくせに魔法まで使えるとか頭のネジはずれてんじゃねぇのか!」

「俺さ、何か不安なんだけど」

「何がだよ?」

「いや、さっき結界が破られただろ、つまり観客席も絶対安全って訳じゃない訳だろ。まさか魔法まで飛んで来たりしてな。はっはっはっ」

「「「「・・・」」」」

先程のライゼが結界をぶち破って飛んで来た事で皆はその答えに返す言葉が見つからなかった。




「まぁ、あれですわね・・」

「これは決まりましたね」

クレアとティアルの2人はこの後起こるであろう展開が読めていた。

「ふんふんっ!やはり魔法の撃ち合いはいつ、誰のを見ても興奮する」

「珍しいね、リーナがこんなにわかり易く興奮してるの」

初めて見る友人の興奮度に驚いていた

「まぁ、リーナですもの」

「リーナさんですから」

「.....そうなの?」



「見つけました」

その存在が不穏な言葉を発したが爆音に掻き消される。









聖乙女の守護ディアセイント・プロテクト」    

淡い光が気絶しているワイスを包む様に膜が張られていく。

準備が整ったので、サージュとアルヴィスは魔法を発動する。

「アルクス・レイ!」

1つの熱線が飛んで来た。それは途中で無数に枝分かれして行き広範囲に拡がっていき完全に逃げ場はない。

氷牢凍土コキュートス

瞬間、パキパキと音をたて、俺を中心に足元から氷が出現し始める。それは全てを凍らせんと拡がっていく。近くにいたワイスは防御魔法ごと氷で覆われる。その氷は俺以外のあらゆる物を凍らせる為の絶対零度の氷。飛んで来た熱線から俺を護るため氷の壁が出来上がる。
無数に拡散した高密度の熱線が絶対零度の氷の壁と激突する。

ジュウウウウウ

氷の壁を貫通せんと熱線が奮闘する。
だが込められた魔力の差が違いすぎる為中々溶けない。凍えていく空間に一条の光が抗う。蒸気が発生し結界内を蒸気が覆う
その間にも氷の凍土は拡がっていきサージュとカルミアの元に辿り着く。

「クッ!」

「きゃあ!」

捕まえたとばかりに氷がサージュとカルミアの足元を氷漬けにして行き、徐々に氷が侵食して来る。

「なんて桁違いのまりょ...く..りょ..う...な.......」

「ひいぃぃぃー!ふえぇぇぇぇーん!!」

そして2人は氷の世界に囚われた。

「ふうぅ、終わったな」





蒸気が晴れて視界が明瞭になって行きギルド長はそれを見る。
その氷の世界を見て美しいと感じた。
その高密度の魔力で生成された氷も然ることながらその光景に生命の儚さを感じる。

「ああ、なんて美しい魔法なんだ!」

その光景にトリップしている横でティータはガチガチと歯を鳴らし自分の体を抱いていた。

「さ、寒い!!!」


ちなみに観客席ではその氷が発する冷気に全員が対処していた。

「おい!俺にも温度上昇の魔法を掛けやがれ!ガチガチ」

「さ、さみぃ!厚着してくれば良かった。」

「いや、こんな状況誰が想像するんだっての!」





「リーナ、魔法を掛けて下さいまし!寒いですわ!」

「はぁ、何とも美しい魔法でしょうか。アルヴィス様が1人ただ立つ氷の世界。なんて素晴らしいテイストなんでしょうか!体が火照って仕方ありません!」

「1人平気そうなのが居るから、ちょっと待ってて」

「うん、出来れば早くしてねリーナ」

こちらもどうやら冒険者組と同じ様な状況になっていた。

そんな中、1人の男が3人の女性を引き連れてその冷気を物ともせずに近付いて来る。

そして興奮しているティアルの肩に手を置く。







「しょ、勝者、アルヴィス!!」

ティータのアナウンスが響き渡る。

「そしてアルヴィスさん!早くこの魔法解いて下さい。めっちゃくちゃ寒いです!」

そう言われて魔法を解くが氷は消失しなかった。

「あれ?氷が消えない、こういうの物質としてのこるのか?」

その代わり冷気は消えた。次の瞬間

「きゃあぁぁぁぁぁ!」

突然悲鳴が上がったのでそちらの方を見やるとティアルが見知らぬ男性に抱き締められていた。














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実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

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