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しおりを挟む「え~、これは親戚が送ってきたパウンドケーキで、それはもう栗がゴロッゴロ入ってて、もうほんとに超巨大な栗にかぶりついてる感がハンパない!という激ウマな代物です。続きまして~こっちはうちの母親がPTAのバスハイクに行った時にお土産で買ってきてくれたワラビ餅。これをそんじょそこらの野生のワラビ餅だと思うな!なんとこのワラビ餅には高級苺が練りこんであるっ!心して食べなさい!え~、続きましてぇ~…。」
「…旭…、何?どしたの?」
俺の机の上に、旭は次々とお菓子を置きながら延々と講釈を垂れていた。
「え~、こちらは明太子を練りこんだおせんべいで~…。」
「だから、旭ちゃん、どした?」
俺はなだめるように言った。
「…、じーちゃん死んで、乃海が落ち込んでると思ったんだよ!」
「慰める為におまえの大事な大事な、ほんとは独り占めしたい宝物のお菓子を持ってきてくれたのかっ?」
旭は目を瞑って、苦虫を噛み潰したような顔で頷いた。
ほんとはきっと独り占め食べたかったのだろう…。
俺は旭の優しさに感動してうち震えた。
あの食意地の張った旭が俺にお気に入りのお菓子を差し出すなんてっ!
「おっ!ウマそうじゃん!」
類が横から手を伸ばして、広げてあったお菓子をパクパクッと食べた。
「おまえに持ってきたんじゃないー!」
旭が類に怒鳴り上げた。
「あぁ~?こんだけあるんだからいーじゃん、ちょっとくらい。おまえそんなんだからモテねーんだぞ!」
「はぁ~?モテますぅ~!モテまくりだっつーの!つかおまえの方が全くモテねーだろ!」
「あぁぁぁ~?」
まったくこの二人は仲がいいんだか悪いんだか。
「みんなで仲良く食べよ!」
俺が諭すと、二人はしょうがなく言い争いを止めた。
旭の持ってきたお菓子は本当に美味しかった。あっという間にたいらげてしまった。
じーちゃんがあの街の介護施設に入居してからこの何ヶ月間で、本当にいろんな事が起こった。辛い事や嬉しい事が、怒涛の如く押し寄せてきた。たった数ヶ月なのに、何年も経ったような気がする。アインシュタインの言うように、時間の流れって、相対的なんだなって実感した。そんな荒波のような時間も過ぎて、これからはまた普段の暮らしが戻ってくるのだろう。今日みたいに類と旭とバカ話をしながら笑いあったり、テスト勉強で苦しんだり。そして俺にはノエルもいる。この先また辛い事があるだろうが、仲間がいれば乗り切れると思う。
この平和で自由な世界を大事にしよう。
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