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鬼の教育係
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「お前、こんな提案書で相手先落とせると思ってるのか?」
低く冷静な声で一蹴される…。
後ろ姿からも怒りが滲み出ている…。僕の教育係である里見真司先輩は、冷静沈着な人だが口調からして怒っているのがわかる…。
「あの、えっと…。どこが悪いんでしょう…?」
緊張を誤魔化すために、笑いながら聞くも…。
「来海とおる…。後で会議室に来なさい。」
トボトボと席にもどると
「あーあ、またあの鬼の里見先輩か…。絞られるな…。ご愁傷さま。」
「うう、加藤…。」
隣の席で同期入社の加藤には、哀れんだ目で見られる。
「そんな顔すんな(笑)また飲みに行こうぜ!」
肩をポンポンと叩かれるも、全然気が晴れない…。
僕はまだ入って5ヶ月の新入社員。
勿論仕事は一生懸命やってるつもりだけど、営業トップの里見先輩からしたら足りないとこばかりのようでいつも静かに怒られている…。
はぁ…。また会議室でみっちり提案書の添削されて書き直させられるんだろうな…。
足取り重く会議室へ向かう…。
「…ですよ?」
「…です。」
(ん?会議室に先約?)
僕は聞き耳を立てる…。
「里見先輩っ!僕の教育係になってください…!」
「部長が決めたんだ、お前は別な教育係がいるだろ?」
「納得できません。トップ入社して里見先輩から教えて貰えると思ったのに…。」
(え…。あいつ同期の丸山?確か入社式で代表挨拶してたよな…。)
「俺は今は来海のことで手一杯だし、文句をいうなら成果を上げてから言え。」
「っ!分かりました!諦めませんから。仕事もプライベートもっ!」
(プライベート…?やべっ…!)
僕は柱の影に隠れて会議室から出てきた丸山をやり過ごす。
(素知らぬ振り、素知らぬ振り…。)
「里見先輩、遅くなりました…。」
「来海っ…。いや、遅くなったのはいい。早速提案書のやつやるぞ。」
「はい。」
「まずは、前回指摘していたところは大分改善してきたな…。だが、ここのところは…。」
それからみっちり1時間添削…。
(明日訪問だから、今日のうちに仕上げないと…。)
終業後、僕は提案書の直しにかかるが…。
(あー!誰もいないから、集中出来ると思ったのになんかやる気出ない…。)
パソコンと向き合うのをやめて、ぼーっとしてしまう…。
(あーあ…。こういう自分に甘いとこ治さないとなぁ…。)
「よし!やってやるっ…!」
2時間後にどうにかやり終えた…。
「ふぅ…。明日の朝一に里見先輩に見せて、また改善してギリギリかなぁ…。」
誰もいないところで、一人つぶやくと…。
「お疲れ様…。」
コトッ…。
(コーヒー…?)
「え?里見先輩?まだいらっしゃったんですか?」
「まぁな…。で、出来たのか?」
いつもより心なしか声色が柔らかい…。
(もしかして出来るの待っててくれた…?)
「僕なりですけど、直してみたので見てもらってもいいですか?」
「ああ…。」
里見先輩に見てもらうの、毎回緊張する…。
トントン…。
「いいんじゃないか。」
「え?」
「提案書はこれでいい。あとはどう伝えるかだな…。」
「え、ほんとですか?提案書、いつも3・4回書き直ししてるのに…。」
「それだけ成長したってことだろ?
ほら、明日も早いんだし早く帰れ。」
口調はいつも通りなのに、なんか優しい…。
「有難うございます!明日もよろしくお願いします!」
僕は嬉しくて、明日の商談に向けて家でも練習してしまったのだ。
低く冷静な声で一蹴される…。
後ろ姿からも怒りが滲み出ている…。僕の教育係である里見真司先輩は、冷静沈着な人だが口調からして怒っているのがわかる…。
「あの、えっと…。どこが悪いんでしょう…?」
緊張を誤魔化すために、笑いながら聞くも…。
「来海とおる…。後で会議室に来なさい。」
トボトボと席にもどると
「あーあ、またあの鬼の里見先輩か…。絞られるな…。ご愁傷さま。」
「うう、加藤…。」
隣の席で同期入社の加藤には、哀れんだ目で見られる。
「そんな顔すんな(笑)また飲みに行こうぜ!」
肩をポンポンと叩かれるも、全然気が晴れない…。
僕はまだ入って5ヶ月の新入社員。
勿論仕事は一生懸命やってるつもりだけど、営業トップの里見先輩からしたら足りないとこばかりのようでいつも静かに怒られている…。
はぁ…。また会議室でみっちり提案書の添削されて書き直させられるんだろうな…。
足取り重く会議室へ向かう…。
「…ですよ?」
「…です。」
(ん?会議室に先約?)
僕は聞き耳を立てる…。
「里見先輩っ!僕の教育係になってください…!」
「部長が決めたんだ、お前は別な教育係がいるだろ?」
「納得できません。トップ入社して里見先輩から教えて貰えると思ったのに…。」
(え…。あいつ同期の丸山?確か入社式で代表挨拶してたよな…。)
「俺は今は来海のことで手一杯だし、文句をいうなら成果を上げてから言え。」
「っ!分かりました!諦めませんから。仕事もプライベートもっ!」
(プライベート…?やべっ…!)
僕は柱の影に隠れて会議室から出てきた丸山をやり過ごす。
(素知らぬ振り、素知らぬ振り…。)
「里見先輩、遅くなりました…。」
「来海っ…。いや、遅くなったのはいい。早速提案書のやつやるぞ。」
「はい。」
「まずは、前回指摘していたところは大分改善してきたな…。だが、ここのところは…。」
それからみっちり1時間添削…。
(明日訪問だから、今日のうちに仕上げないと…。)
終業後、僕は提案書の直しにかかるが…。
(あー!誰もいないから、集中出来ると思ったのになんかやる気出ない…。)
パソコンと向き合うのをやめて、ぼーっとしてしまう…。
(あーあ…。こういう自分に甘いとこ治さないとなぁ…。)
「よし!やってやるっ…!」
2時間後にどうにかやり終えた…。
「ふぅ…。明日の朝一に里見先輩に見せて、また改善してギリギリかなぁ…。」
誰もいないところで、一人つぶやくと…。
「お疲れ様…。」
コトッ…。
(コーヒー…?)
「え?里見先輩?まだいらっしゃったんですか?」
「まぁな…。で、出来たのか?」
いつもより心なしか声色が柔らかい…。
(もしかして出来るの待っててくれた…?)
「僕なりですけど、直してみたので見てもらってもいいですか?」
「ああ…。」
里見先輩に見てもらうの、毎回緊張する…。
トントン…。
「いいんじゃないか。」
「え?」
「提案書はこれでいい。あとはどう伝えるかだな…。」
「え、ほんとですか?提案書、いつも3・4回書き直ししてるのに…。」
「それだけ成長したってことだろ?
ほら、明日も早いんだし早く帰れ。」
口調はいつも通りなのに、なんか優しい…。
「有難うございます!明日もよろしくお願いします!」
僕は嬉しくて、明日の商談に向けて家でも練習してしまったのだ。
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