もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
32 / 85

白い騎士のことを考えていたらフェメルディナントとデートすることになって青くなりました

しおりを挟む
「カーラ様。あなた、また、フェルディナント様につきまとっていらつシャイますの?」
 ぎろりとアレイダは私を睨み付けてきた。

「まあ、アレイダ嬢。何をおっしゃいますの。フェルディナント様は襲われた私を心配して頂けたのですわ」
 私が何でも無い事のように振る舞おうとした。
 そう、私は別にフエルディナントに興味は無いのだ。私の心は今は助けてくれた白い騎士様だけなのだ。

「ああ、カーラ様お伺いしましたわ。大変でしたのね。あなた、下町で破落戸達に襲われて、危うく貞操の危機に陥ったんですって。あんなこともこんなこともされて大変だったと今貴族令嬢の間で噂になっておりますわ」
 面白おかしくアレイダは言ってくれたが、何ですって! 貴族の令嬢の間でそんな話になっているの?
 ひょっとしてフェルディナントもそう聞いているのだろうか? 
 私はとても恥ずかしくなった。

「な、何をおっしゃるのです。アレイダ様。姫様は別に貞操の危機など陥っておられません」
 横から怒ったサーヤが口を出してきた。

「まあ、あなた、侍女の分際で私とカーラ様が話している間に割り込んでくるなんてどういうことなの」
 カーラが怒り出したが、

「まあまあ、アレイダ嬢。女性の貞操の問題はとても微妙な問題だよ。今のは少しアレイダ嬢の言い方が悪かったんじゃないかな」
 フェルディナントが私とサーヤの肩をもってくれた。

「まあ、フェルディナント様はカーラ様の味方をされますの?」
 むっとしてアレイダがフエルディナントを見た。
 ちょっと、フエルディナントももう少しアレイダに優しくしてよ。絶対に又こちらが文句を言われるんだから。と私は思った。

「いや、そういう訳ではないが、言い方が少し意地悪すぎるんじゃないかな。私は別にカーラ様がそのような危険な目に合ったとは聞いていないよ。そんな風に何も事を荒立てる必要は無いんじゃないかな」
 フェルディナントは今日は随分と私たちの肩を持つてくれた。

「まあ、それは失礼いたしました。最近フェルディナント様は私に少し冷たいんじゃないですか?」
 ますますアレイダの怒りが大きくなっているような気がした。時たま私を睨み付けるんだけど。

「そういう訳はないと思うけれど」
「よろしいですわ。今日はもう帰ります」
「ちょっと、アレイダ嬢」
「ふんっ」
 アレイダは顎を突き出して、ぷんすかしてさっさと帰っていったのだ。

「ちょっとフェルディナント様。アレイダ嬢を追いかけなくて良いのですか?」
 私が慌てて言うが、
「別に良いんだよ。怒らせておけば。たまには良い薬だよ」
 冷たくフエルディナントが言うんだけど。本当にそれで良いのか?

「それに私は別にアレイダ嬢と婚約しているわけでもないしね」
 フエルディナントが言うんだが、でも、アレイダは完全にそのつもりなんだと思うんだけど。絶対にフェルディナントと婚約したいはずだ。そもそもアレイダの母はノース帝国の皇女で、アレイダの相手がサウス帝国の皇子となると宰相はノース帝国とサウス帝国と縁続きになるのだ。宰相もそれを望んでいないわけはなかった。

 でも、そうなれば、宰相の力はますます強くなるだろう。
 それは我が王家にとってはあまり良くはないかもしれない。ますます王家の力は弱まるだろう。
 そう、こんな時にあの強い白い騎士様がいてくれたら、私も安心なのに……
 白い騎士様はどこに行かれたのだろう?
 私は白い騎士様のことを考えていた。

「アレイダ嬢よりも俺はもう少しカーラ様と仲良くなりたいのだけれど、どうだろう。そういう意味でも今度是非ともこの素晴らしい王都を案内してもらいたいのですが、どうでしょうか?」
 私は白い騎士様の事を考えていて良くフェルディナントの言うことを良く聞いていなかったのだ。

「まあ、そうですわね」
 私は適当に相槌をうってしまったのだ。

「そうか、ありがとう。カーラ様。では早急に日付を決めて、又連絡させていただきます」
 フェルディナントは喜色を浮かべて慌てて去って行った。

「およろしかったのですか。姫様。フエルディナント様と王都を案内する約束をされてしいらっしゃいましたけれど」
 サーヤの言葉に私は慌てた。
「えっ、誰が?」
「姫様です。フエルディナント様が王都を案内してほしいとおっしゃつられたのに頷いていらっしゃいましたけれど」
「嘘! そんなの知らないわ」
 私は慌てた。

「知らないと言われましてもはっきりと頷かれていましたよ。フェルディナント様は絶対にそのつもりだと思います」
「そんな、こんな事が知れたら又宰相から文句を言われるわ。どうしましょう?」
 私は慌てた。

「どうしましょうと申されましても姫様ははっきりと頷かれたではありませんか」
「ちょっと他のことを考えていたのよ。どうしましょう? サーヤ」
「どうしましょうと言われましても、あそこで頷かれてはもうどうしようもございません」
 サーヤにはっきりと言い切られてしまった。

 どうしよう?
 私は今白い騎士様の事しか考えられないのだ。フエルディナントなんかに構っている暇はない。
 それにもしこのことを知られたらアレイダは絶対に黙っていないだろう。お父様に宰相を通じて文句を言って来るはずだ。お父様にこのことを知られたら又叱られるに違いないわ。
 私は青くなったのだ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

捨てられ聖女は、王太子殿下の契約花嫁。彼の呪いを解けるのは、わたしだけでした。

鷹凪きら
恋愛
「力を失いかけた聖女を、いつまでも生かしておくと思ったか?」 聖女の力を使い果たしたヴェータ国の王女シェラは、王となった兄から廃棄宣告を受ける。 死を覚悟したが、一人の男によって強引に連れ去られたことにより、命を繋ぎとめた。 シェラをさらったのは、敵国であるアレストリアの王太子ルディオ。 「君が生きたいと願うなら、ひとつだけ方法がある」 それは彼と結婚し、敵国アレストリアの王太子妃となること。 生き延びるために、シェラは提案を受け入れる。 これは互いの利益のための契約結婚。 初めから分かっていたはずなのに、彼の優しさに惹かれていってしまう。 しかしある事件をきっかけに、ルディオはシェラと距離をとり始めて……? ……分かりました。 この際ですから、いっそあたって砕けてみましょう。 夫を好きになったっていいですよね? シェラはひっそりと決意を固める。 彼が恐ろしい呪いを抱えているとも知らずに…… ※『ネコ科王子の手なずけ方』シリーズの三作目、王太子編となります。 主人公が変わっているので、単体で読めます。

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです

MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。 しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。 フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。 クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。 ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。 番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。 ご感想ありがとうございます!! 誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。 小説家になろう様に掲載済みです。

わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
※完結しました。 離婚約――それは離婚を約束した結婚のこと。 王太子アルバートの婚約披露パーティーで目にあまる行動をした、社交界でも噂の毒女クラリスは、辺境伯ユージーンと結婚するようにと国王から命じられる。 アルバートの側にいたかったクラリスであるが、国王からの命令である以上、この結婚は断れない。 断れないのはユージーンも同じだったようで、二人は二年後の離婚を前提として結婚を受け入れた――はずなのだが。 毒女令嬢クラリスと女に縁のない辺境伯ユージーンの、離婚前提の結婚による空回り恋愛物語。 ※以前、短編で書いたものを長編にしたものです。 ※蛇が出てきますので、苦手な方はお気をつけください。

お見合いに代理出席したら花嫁になっちゃいました

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
綾美は平日派遣の事務仕事をしているが、暇な土日に便利屋のバイトをしている。ある日、お見合いの代理出席をする為にホテルへ向かったのだが、そこにいたのは!?

え?わたくしは通りすがりの元病弱令嬢ですので修羅場に巻き込まないでくたさい。

ネコフク
恋愛
わたくしリィナ=ユグノアは小さな頃から病弱でしたが今は健康になり学園に通えるほどになりました。しかし殆ど屋敷で過ごしていたわたくしには学園は迷路のような場所。入学して半年、未だに迷子になってしまいます。今日も侍従のハルにニヤニヤされながら遠回り(迷子)して出た場所では何やら不穏な集団が・・・ 強制的に修羅場に巻き込まれたリィナがちょっとだけざまぁするお話です。そして修羅場とは関係ないトコで婚約者に溺愛されています。

婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました

天宮有
恋愛
「貴様のような醜い者とは婚約を破棄する!」  婚約者バハムスにそんなことを言われて、侯爵令嬢の私ルーミエは唖然としていた。  婚約が決まった際に、バハムスは「お前の見た目は弱々しい。なんとかしろ」と私に言っていた。  私は独自に作成した魔法により太ることで解決したのに、その後バハムスは婚約破棄を言い渡してくる。  もう太る魔法を使い続ける必要はないと考えた私は――魔法を解くことにしていた。

【完結】身を引いたつもりが逆効果でした

風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。 一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。 平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません! というか、婚約者にされそうです!

契約結婚の相手が優しすぎて困ります

みみぢあん
恋愛
ペルサル伯爵の婚外子リアンナは、学園に通い淑女の教育を受けているが、帰宅すれば使用人のような生活をおくっていた。 学園の卒業が近くなったある日、リアンナは父親と変わらない年齢の男爵との婚約が決まる。 そんなリアンナにフラッドリー公爵家の後継者アルベールと契約結婚をしないかと持ちかけられた。

処理中です...