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ころちゃん視点 フエルディナントが訪問してくることになったので、本心を探ろうと思いました
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サーヤに見つかって捕まった後、俺はカーラの護衛の騎士達と一緒にサーヤに延々2時間怒られ続けた。そして、その結果、カーラの部屋の周りの警備が強化されて、俺は外に出にくくなったのだ。これでは情報を探れないではないか!
俺はカーラを捕まえて息子の嫁にしようとした宰相のその後の動きがとても気になっていた。そして、その事は国王にも騎士団長にも報告が上つているはずなのに、国王や騎士団長が何もしていないのもおかしいかった。その辺りの情報を俺は調べたかったのだが、これだけ警備が厳しくなるとおいそれと外には出づらくなった。
俺は焦ったのだが、今回失敗したことで状況は厳しくなった。その上、俺は更に酷い目に遭ってしまったのだ。サーヤからは延々2時間怒られるし、それを知ったカーラからも30分怒られて、なおかつ、1週間おやつ抜きになってしまった。
このおやつ抜きは結構俺には堪えた。
王宮のおやつは犬用だったが、それでもとても美味しかったのだ。
その上、カーラもおやつ抜きに付き合ってくれたので、その事について俺は何も文句が言えなかった。
「ころちゃん。おなかが空いたの?」
「わん!」
カーラがおやつの時間に聞いてくれた。
俺は思わず頷いてしまったのだ。カーラが考えを変えてくれたかもしれないと一縷の希望を持って……
「そうよね。食べたいわよね」
「わん」
俺はカーラの言葉に再度頷いた。
「でも、何故ころちゃんは、再び、私の所から逃げだそうとしたの?」
カーラが目を潤ませて俺を見つめた。
「うーーーー」
俺は唸りながら首を振ったのだ。
「首を振っても無駄よ。ころちゃん。サーヤから、また逃げだそうとしていたって聞いたんだから」
「うーー」
俺は必死に首を振ったんだけど、カーラは聞いてくれなかった。
「そんなに私って魅力が無いのかな」
自信無さそうにそう言い出したのだ。
「うーうー」
俺は首を振った。
「でも、ころちゃんは逃げようとしてくれたし……」
「うーーーー」
そう言われると俺は何も言えなかった。逃げようとしたのではなくて、いろんな情報をカーラのために集めに行こうとしたのだと説明したかったが、無理だった。俺は戸惑ってしまった。人間の言葉が使えないとここまで説明するのが難しいということが初めて判った。
「でも、ころちゃん」
「わん!」
俺はカーラが何か良いことを言ってくれるのかと期待した。決しておやつを食べられるようにしたいと思った訳では無い。
「私も我慢するからころちゃんも1週間我慢してね」
「うーーーー」
俺は思わず、うつむいてしまった。
「ごめんね。ころちゃん」
俺はカーラに抱きつかれたのだ。こうされると俺は何も言えなかった。
「サーヤが言うのよ。1週間我慢させたら、ころちゃんもお菓子が如何に美味しいか理解して、二度と逃げ出さなくなるからって」
サーヤも余計な事をしてくれたものだ。俺がカーラの部屋から出たのは逃げる為では無くてカーラの為に情報を集める為なのに!
おやつなんて何も関係無いのだ。
本当に!
俺様はおやつを食べたいから外に出ないなんて事は絶対に無い!
そう心に誓いつつ、俺様はしばらくはカーラの為におとなしくしていようと思った。
愛しい人がおやつも食べられずに残念そうにしている姿を二度とさせないために、俺は外に出るのを諦めたのだ。
そんな時だ。フェルディナントから一度お部屋に訪問したいと連絡が入ったのだ。
「カーラ様。宜しかったですね。フェルディナント様がまた訪問して頂けるなんて、まだまだ、フェルディナント様もカーラ様の事を思われていると言う証拠ですよ」
サーヤは嬉しそうに話してくれたが、
「そうかしら。フエルディナント様は単に、私とアレイダの両方にいい顔をされていらっしゃるだけではないのかしら」
「わんわん」
カーラの言葉に俺も頷いたのだ。
「ほら、ころちゃんも頷いているじゃない」
カーラが喜んでくれた。
「何を言っているのです。それはお会いしてみなければ判らないではないですか」
「それはそうかもしれないけれど、あまりお会いしたくないのだけれど……」
「わんわん」
俺はカーラがフエルディナントに会いたがらないと聞いてほっとした。
カーラはフエルディナントが好きになった訳ではなくて、心の中ではまだ白い騎士の方が好きなのだ。
「何をおっしゃっていらっしゃるのですか、姫様! 陛下はフエルディナント様との間のことをとても気にしていらっしゃいます。何としてもお会いくださらないと私も困ります」
サーヤがそんなことを言ってくれるんだけど。俺はその言葉にむっとした。
まあ、でも、フェルディナントはサウス帝国の皇子なのだ。国王が期待するのも無理はないだろう。
「でも……」
「では、姫様がそこまで気にされるのでしたら、少し待たせましょう。そうすればフェルディナント様も反省されるかも知れません。
4日後の午後はいかがですか? 丁度そこには予定が入っていませんし」
勝手にサーヤが予定を入れてくれるんだけど、俺はカーラに断れと言いたかった。
「うーん、まあ、サーヤが困るのならば会うだけなら良いわよ」
俺はがっかりした。でも、俺は今は何の力もない剣が強いだけの平民に過ぎないのだ。
「はい。姫様。なんでしたらその時に遠回しに、前回お会いされた時のことを聞かれれば良いのです。フェルディナント様もちゃんとお答え頂けるでしょう」
サーヤはそう言うが、あの男のことだ。ちゃんと答えるかどうかは怪しかった。
俺はカーラの為に、なんとかしてこの部屋を抜け出してフェルディナントの本心を調べることにしたのだ。
俺はカーラを捕まえて息子の嫁にしようとした宰相のその後の動きがとても気になっていた。そして、その事は国王にも騎士団長にも報告が上つているはずなのに、国王や騎士団長が何もしていないのもおかしいかった。その辺りの情報を俺は調べたかったのだが、これだけ警備が厳しくなるとおいそれと外には出づらくなった。
俺は焦ったのだが、今回失敗したことで状況は厳しくなった。その上、俺は更に酷い目に遭ってしまったのだ。サーヤからは延々2時間怒られるし、それを知ったカーラからも30分怒られて、なおかつ、1週間おやつ抜きになってしまった。
このおやつ抜きは結構俺には堪えた。
王宮のおやつは犬用だったが、それでもとても美味しかったのだ。
その上、カーラもおやつ抜きに付き合ってくれたので、その事について俺は何も文句が言えなかった。
「ころちゃん。おなかが空いたの?」
「わん!」
カーラがおやつの時間に聞いてくれた。
俺は思わず頷いてしまったのだ。カーラが考えを変えてくれたかもしれないと一縷の希望を持って……
「そうよね。食べたいわよね」
「わん」
俺はカーラの言葉に再度頷いた。
「でも、何故ころちゃんは、再び、私の所から逃げだそうとしたの?」
カーラが目を潤ませて俺を見つめた。
「うーーーー」
俺は唸りながら首を振ったのだ。
「首を振っても無駄よ。ころちゃん。サーヤから、また逃げだそうとしていたって聞いたんだから」
「うーー」
俺は必死に首を振ったんだけど、カーラは聞いてくれなかった。
「そんなに私って魅力が無いのかな」
自信無さそうにそう言い出したのだ。
「うーうー」
俺は首を振った。
「でも、ころちゃんは逃げようとしてくれたし……」
「うーーーー」
そう言われると俺は何も言えなかった。逃げようとしたのではなくて、いろんな情報をカーラのために集めに行こうとしたのだと説明したかったが、無理だった。俺は戸惑ってしまった。人間の言葉が使えないとここまで説明するのが難しいということが初めて判った。
「でも、ころちゃん」
「わん!」
俺はカーラが何か良いことを言ってくれるのかと期待した。決しておやつを食べられるようにしたいと思った訳では無い。
「私も我慢するからころちゃんも1週間我慢してね」
「うーーーー」
俺は思わず、うつむいてしまった。
「ごめんね。ころちゃん」
俺はカーラに抱きつかれたのだ。こうされると俺は何も言えなかった。
「サーヤが言うのよ。1週間我慢させたら、ころちゃんもお菓子が如何に美味しいか理解して、二度と逃げ出さなくなるからって」
サーヤも余計な事をしてくれたものだ。俺がカーラの部屋から出たのは逃げる為では無くてカーラの為に情報を集める為なのに!
おやつなんて何も関係無いのだ。
本当に!
俺様はおやつを食べたいから外に出ないなんて事は絶対に無い!
そう心に誓いつつ、俺様はしばらくはカーラの為におとなしくしていようと思った。
愛しい人がおやつも食べられずに残念そうにしている姿を二度とさせないために、俺は外に出るのを諦めたのだ。
そんな時だ。フェルディナントから一度お部屋に訪問したいと連絡が入ったのだ。
「カーラ様。宜しかったですね。フェルディナント様がまた訪問して頂けるなんて、まだまだ、フェルディナント様もカーラ様の事を思われていると言う証拠ですよ」
サーヤは嬉しそうに話してくれたが、
「そうかしら。フエルディナント様は単に、私とアレイダの両方にいい顔をされていらっしゃるだけではないのかしら」
「わんわん」
カーラの言葉に俺も頷いたのだ。
「ほら、ころちゃんも頷いているじゃない」
カーラが喜んでくれた。
「何を言っているのです。それはお会いしてみなければ判らないではないですか」
「それはそうかもしれないけれど、あまりお会いしたくないのだけれど……」
「わんわん」
俺はカーラがフエルディナントに会いたがらないと聞いてほっとした。
カーラはフエルディナントが好きになった訳ではなくて、心の中ではまだ白い騎士の方が好きなのだ。
「何をおっしゃっていらっしゃるのですか、姫様! 陛下はフエルディナント様との間のことをとても気にしていらっしゃいます。何としてもお会いくださらないと私も困ります」
サーヤがそんなことを言ってくれるんだけど。俺はその言葉にむっとした。
まあ、でも、フェルディナントはサウス帝国の皇子なのだ。国王が期待するのも無理はないだろう。
「でも……」
「では、姫様がそこまで気にされるのでしたら、少し待たせましょう。そうすればフェルディナント様も反省されるかも知れません。
4日後の午後はいかがですか? 丁度そこには予定が入っていませんし」
勝手にサーヤが予定を入れてくれるんだけど、俺はカーラに断れと言いたかった。
「うーん、まあ、サーヤが困るのならば会うだけなら良いわよ」
俺はがっかりした。でも、俺は今は何の力もない剣が強いだけの平民に過ぎないのだ。
「はい。姫様。なんでしたらその時に遠回しに、前回お会いされた時のことを聞かれれば良いのです。フェルディナント様もちゃんとお答え頂けるでしょう」
サーヤはそう言うが、あの男のことだ。ちゃんと答えるかどうかは怪しかった。
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