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お母様の病は不治の病だと確信したので最果てのダンジョンの事をまず調べることにしました
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お母様が不治の病?
確かにお母様は私にとって怖いというか、口煩い存在だったけれど……私をここまで育ててくれたのはお母様だ。
私が小さい時にはちゃんとご本を読んでくれたし、遊んでもくれた。
そもそも私はお母様のお腹の中から生まれたから、お母様が存在しないと私自身が生まれてこなかったのよ。
最近は細かいことを愚痴愚痴注意してくれていたし、うっとうしいと思っていた……いや、お母様に知られたら怖いから絶対に言えないけれど、私が泣こうが喚こうが私の言うことを聞いてくれないラスボスがお母様で、私にとって恐怖の対象だった。
そのお母様が不治の病なんて信じられなかった。
でも、待てよ。
イリーナには酷い事したから、案外イリーナに意地悪されてそう言われただけかもしれない。
時間が経つにつれてそう思えてきた。
そうだ。イリーナに騙されてはいけないわ!
でも、本当にそうだったら取り返しがつかなくなる。
私はイリーナの言葉が本当かどうかを確かめるために、お母様の信頼も厚いミアにお母様の容態を聞いてみた。
「えっ、クリス様は少し体調がお悪いだけで何も問題はありませんよ」
ミアは平然とそう返してくれた。
そうなんだ、やっぱりイリーナの言うことは嘘だったんだ。
私は一瞬とても喜んだ。
これでこの前お母様がデザートを1週間くれなかったことを一人で愚痴れる!
鬼ばばあ!
と。
いくらアリスちゃんが可愛いっからって何も嫉妬して取り上げなくても良いじゃ無い!
今までは不治の病だったら言ったら悪いからと遠慮していたけれど、病気でも何でもないなら好きに言えるはずだ。
私はそう心の中で叫んで清々した。
口に出してなんて言えない。どこにお母様のスパイがいるかわからないもの。と言うか私の周りはビアンカにしてもミアにしてもお母様のスパイだ。お兄様ですら信用は出来ない。いつ何時お母様に言いつけるかわかった者では無かったし……
うーん、でも待てよ!
考えたらミアはお母様が重病の時でも、私を誤魔化すために私に平気で嘘をつきそうだった……
ミアの言うことは当てに出来ない。
私は思い直したのよ。
もっと単純で私に嘘をつけない者は……いた! ビアンカだ!
ビアンカは頭の回転も鈍そうだし私には嘘もつけないと思う。
そう本人が知ったらとても失礼な事を考えつつ、ビアンカを直撃した。
「ねえ、ビアンカ。お母様の病気ってあまり良くないの?」
私はど真ん中の直球で聞いてみた。
「クリスティーナ様のご病気ですか?」
ビアンカは一瞬キョトンとしてくれた。
「誤魔化しても無駄よ。お母様は昨日も吐きそうになっていたじゃない!」
私がたたみかけると、
「ああ、あのことですね。アリス様が大人しくしておられたら、すぐによくなられますよ。でも、昨日みたいにクリステイーネ様を心配ばかりさせているとどうなるか判りませんよ。心労はクリステイーナ様のお体に良くありませんからね」
ビアンカは少し笑って話してくれた。
でも、私はビアンカに笑い返せなかった。
重病人のお母さんが「あなたがよい子にしていたら私は良くなるから」と子供にそう言っているのを小さい頃にお母様に読んでもらった絵本で見た事があった。
でも、その子は必死によい子になろうとしていたのに、その子のお母さんは亡くなってしまうお話だった。
私はそのお話しをお母様が読み終えた時に号泣していた。
「おかあしゃま、おかあしゃまは大丈夫よね?」
その後涙ながらにお母様に聞いたら、お母様は少し考えていた後に、
「アリスが良い子にしていたらね」
そうお母様に言われたので、翌日は良い子にしていた記憶があった。
1日しかもたなかったけれど……
その子と状況が同じじゃない!
よい子にしていたらお母様が治るっていうところが……
血を吐いていたのも同じだ。
そうだ。口から血を吐いていたのに、何でもない訳はないわ。
肺病とかでも、確か口から血を吐くはずだ。
ミアも、あのビアンカですら私を誤魔化そうとしてくれたもの。これは絶対にお母様は重病に違いないと私は確信した。
そうか、私がお母様に心配ばかり掛けたからお母様は重い病気にかかってしまったのかも……
私はとてもショックを受けた。
どうしよう?
私は途方に暮れた。
こうなったら、北の果てにあるっていう何でも治してくれる薬を手に入れるしかないわ。そして、お母様が亡くなる前に飲んでもらうのよ。
「ジャルカ、北の果てのダンジョンについて知っている?」
私は授業の後で私の先生の大魔導師のジャルカに聞いたのよ。
「ああ、あの最果てにあると言う北の果てのダンジョンですな?」
ジャルカは何かを思い出すように考え込んでいた。
「そのような遠くのダンジョンより近くにも沢山興味深いダンジョンはありますぞ」
「でも、そのダンジョンには何でも治してくれるお薬があるんでしょう?」
「ああ、万能薬ですか? あくまでも言い伝えに過ぎませんぞ」
ジャルカがそう言ってくれたが、否定しなかった。
違っていればはっきりと否定してくれるはずなのに、口を濁してくれたということは絶対に何かあるはずよ。
「確か大図書館に北の果てのダンジョンについて書かれた文献があったはずです。気になるのならば調べられたら良いのでは?」
「えっ?」
ジャルカの言葉に私は一瞬目が点になった。
ボフミエ魔導国の大図書館には世界最大の蔵書があるんだけど、迷路だといわれても頷けるほど入り組んだ作りで必要な本探すのも大変なのよ。
「有り難う、ジャルカ」
「どういたしまして」
私はジャルカにお礼を言って訓練場を後にした。
大迷路と呼ばれている大図書館に入って資料探しか!
それは私に取って難題だった。
あそこは本当に大変なのだ……
どうしよう?
私は悩んだ。
そうだ!
私は良いことを思いついたわ!
************************
アリスの良いことに碌な事はありません。
果たして何をするのか?
続きをお楽しみに!
確かにお母様は私にとって怖いというか、口煩い存在だったけれど……私をここまで育ててくれたのはお母様だ。
私が小さい時にはちゃんとご本を読んでくれたし、遊んでもくれた。
そもそも私はお母様のお腹の中から生まれたから、お母様が存在しないと私自身が生まれてこなかったのよ。
最近は細かいことを愚痴愚痴注意してくれていたし、うっとうしいと思っていた……いや、お母様に知られたら怖いから絶対に言えないけれど、私が泣こうが喚こうが私の言うことを聞いてくれないラスボスがお母様で、私にとって恐怖の対象だった。
そのお母様が不治の病なんて信じられなかった。
でも、待てよ。
イリーナには酷い事したから、案外イリーナに意地悪されてそう言われただけかもしれない。
時間が経つにつれてそう思えてきた。
そうだ。イリーナに騙されてはいけないわ!
でも、本当にそうだったら取り返しがつかなくなる。
私はイリーナの言葉が本当かどうかを確かめるために、お母様の信頼も厚いミアにお母様の容態を聞いてみた。
「えっ、クリス様は少し体調がお悪いだけで何も問題はありませんよ」
ミアは平然とそう返してくれた。
そうなんだ、やっぱりイリーナの言うことは嘘だったんだ。
私は一瞬とても喜んだ。
これでこの前お母様がデザートを1週間くれなかったことを一人で愚痴れる!
鬼ばばあ!
と。
いくらアリスちゃんが可愛いっからって何も嫉妬して取り上げなくても良いじゃ無い!
今までは不治の病だったら言ったら悪いからと遠慮していたけれど、病気でも何でもないなら好きに言えるはずだ。
私はそう心の中で叫んで清々した。
口に出してなんて言えない。どこにお母様のスパイがいるかわからないもの。と言うか私の周りはビアンカにしてもミアにしてもお母様のスパイだ。お兄様ですら信用は出来ない。いつ何時お母様に言いつけるかわかった者では無かったし……
うーん、でも待てよ!
考えたらミアはお母様が重病の時でも、私を誤魔化すために私に平気で嘘をつきそうだった……
ミアの言うことは当てに出来ない。
私は思い直したのよ。
もっと単純で私に嘘をつけない者は……いた! ビアンカだ!
ビアンカは頭の回転も鈍そうだし私には嘘もつけないと思う。
そう本人が知ったらとても失礼な事を考えつつ、ビアンカを直撃した。
「ねえ、ビアンカ。お母様の病気ってあまり良くないの?」
私はど真ん中の直球で聞いてみた。
「クリスティーナ様のご病気ですか?」
ビアンカは一瞬キョトンとしてくれた。
「誤魔化しても無駄よ。お母様は昨日も吐きそうになっていたじゃない!」
私がたたみかけると、
「ああ、あのことですね。アリス様が大人しくしておられたら、すぐによくなられますよ。でも、昨日みたいにクリステイーネ様を心配ばかりさせているとどうなるか判りませんよ。心労はクリステイーナ様のお体に良くありませんからね」
ビアンカは少し笑って話してくれた。
でも、私はビアンカに笑い返せなかった。
重病人のお母さんが「あなたがよい子にしていたら私は良くなるから」と子供にそう言っているのを小さい頃にお母様に読んでもらった絵本で見た事があった。
でも、その子は必死によい子になろうとしていたのに、その子のお母さんは亡くなってしまうお話だった。
私はそのお話しをお母様が読み終えた時に号泣していた。
「おかあしゃま、おかあしゃまは大丈夫よね?」
その後涙ながらにお母様に聞いたら、お母様は少し考えていた後に、
「アリスが良い子にしていたらね」
そうお母様に言われたので、翌日は良い子にしていた記憶があった。
1日しかもたなかったけれど……
その子と状況が同じじゃない!
よい子にしていたらお母様が治るっていうところが……
血を吐いていたのも同じだ。
そうだ。口から血を吐いていたのに、何でもない訳はないわ。
肺病とかでも、確か口から血を吐くはずだ。
ミアも、あのビアンカですら私を誤魔化そうとしてくれたもの。これは絶対にお母様は重病に違いないと私は確信した。
そうか、私がお母様に心配ばかり掛けたからお母様は重い病気にかかってしまったのかも……
私はとてもショックを受けた。
どうしよう?
私は途方に暮れた。
こうなったら、北の果てにあるっていう何でも治してくれる薬を手に入れるしかないわ。そして、お母様が亡くなる前に飲んでもらうのよ。
「ジャルカ、北の果てのダンジョンについて知っている?」
私は授業の後で私の先生の大魔導師のジャルカに聞いたのよ。
「ああ、あの最果てにあると言う北の果てのダンジョンですな?」
ジャルカは何かを思い出すように考え込んでいた。
「そのような遠くのダンジョンより近くにも沢山興味深いダンジョンはありますぞ」
「でも、そのダンジョンには何でも治してくれるお薬があるんでしょう?」
「ああ、万能薬ですか? あくまでも言い伝えに過ぎませんぞ」
ジャルカがそう言ってくれたが、否定しなかった。
違っていればはっきりと否定してくれるはずなのに、口を濁してくれたということは絶対に何かあるはずよ。
「確か大図書館に北の果てのダンジョンについて書かれた文献があったはずです。気になるのならば調べられたら良いのでは?」
「えっ?」
ジャルカの言葉に私は一瞬目が点になった。
ボフミエ魔導国の大図書館には世界最大の蔵書があるんだけど、迷路だといわれても頷けるほど入り組んだ作りで必要な本探すのも大変なのよ。
「有り難う、ジャルカ」
「どういたしまして」
私はジャルカにお礼を言って訓練場を後にした。
大迷路と呼ばれている大図書館に入って資料探しか!
それは私に取って難題だった。
あそこは本当に大変なのだ……
どうしよう?
私は悩んだ。
そうだ!
私は良いことを思いついたわ!
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アリスの良いことに碌な事はありません。
果たして何をするのか?
続きをお楽しみに!
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