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第一部 学園始動編 モブでなく悪役令嬢だと判りました
なくなった教科書はビリビリに引き裂かれて出てきました
「あれっ、無いわ!」
お昼休みが終わって、帰ってきて鞄の中を見て私は慌てた。
昨日は寝る前に、確かに歴史の教科書はカバンの中に入れたのだ。
私が机の中とか一生懸命探していると
「どうしたの?」
エルダが声をかけてきてくれた。
「歴史の教科書がないの」
「えっ、入れるの忘れたの?」
「うーん、入れたはずなんだけど」
私は戸惑った。たしかに私の性格上忘れる可能性は無きにしもあらずなのだが、前の晩にノートで確認するようになってからはそれはないはずなのだ。
「どこかに紛れ込んでいるとか?」
「机の中は?」
アルフとかフィル様とか周りのみんなが心配して一緒に見てくれた。
しかし、無い。
そこへ歴史の先生が入ってきたのだ。メガネを掛けた年配の先生だ。
「では皆さん。教科書の20ページを開いて」
先生の言葉に皆は開く。
私は仕方がないので、教科書なしで挑もうとした。
「先生。シャーリーさんの教科書がないみたいなので、私が見せてもいいですか」
フィル様が言ってくれた。
いや、でも、そんなの無理。フィル様と一緒の教科書を見て勉強なんて出来ない。
「えっ、シャーリー君は、いつも外ばかり見ているから忘れ物をするんじゃないのか?」
先生は厳しいことを言ってくれたが、フィル様に対しては頷かれた。
ウッソーーーー。無理無理無理!
私は焦った。
でも、私は学校にあんまり行かなかったから経験がなかったが、好きな子と机が隣り合わせになって、一緒の教科書を見る事が出来る日が来るなんて、夢にも思ってもいなかった。
「もう少し机を近づけて」
フィル様が強引に私の机を自分の方に引かれる。
私は畏れ多くて、近づけないんだけど。
フィル様が真ん中に教科書を開いてくれる。
やっぱり、そんなの無理、と思った時だ。
私はフィル様の教科書がなにか変なのに気づいた。
な、なんとフィル様の教科書には始祖の顔にひげが書かれていたのだ。
うそっ!
これって不敬では?
私はフィル様の横顔を思わずまじまじと見てしまった。
よく見るとフィル様の教科書にはいろんな落書きがしてあった。ゲームでは判らなかったけれど、現実のフィル様は結構絵もうまい。
フィル様は私の視線に気づいたのか、ページを捲ってくれた。
そこにはこの前のベッティル様の口の中にイングリッドが辛子まみれのブロッコリー突っ込んでいる
様子が書かれていたのだ。そんなの見せるものだから、思わず私は少し笑ってしまった。
「シャーリーさん。なにかおかしいですか」
不機嫌そうな歴史の先生の声が聞こえた。
「いえ、すいません」
私は謝った。
その後でフィル様を睨みつけた。もう、変な絵を見せないでほしい。
結局、フィル様の隣で気になったのもあるけれど、フィル様の楽しい絵とかで、全然授業が頭に入らなかった。
でも、教科書はどこに行ったのだろう?
その後エルダとイングリッドらにも手伝ってもらって探したのだけど、見つからなかった。部屋に帰ってもなかったのだ。
「うーん、どこいったんだろう?」
大して広くもない私の部屋の探索なんて3人でやれば一瞬で終わってしまった。
「まあ、アンはクラスの女の子らに妬まれているから、誰かに隠されたんじゃない?」
イングリッドが言ってくれたけど、
「誰のせいでそうなったと思っているのよ」
私はイングリッドに文句を言っていた。でも、地雷原のイングリッドはそんな嫌味が効くわけもなく、
「それは最初の食事の時に、皆、フィルの隣は遠慮して避けているのに、そこに図々しくも座ったアンのせいじゃない?」
と黒歴史をわざわざ出してきてくれたのだ。
「いや、だからフィル様は見えなかったんだって」
私が必死に言い訳したが、
「ふーん、授業の時も隣りに座っているアンが?」
イングリッドには通用しなかったんだけど。
でも、そのときは本当に周りが見えていなかったんだって!
私は女の妬みがいかに恐ろしいかまだ知らなかったのだ。
でも翌日、必死に探しても無かった、失くなった教科書は出てきたのだ。
私の机の上に、無惨にもビリビリに引き裂かれた状態で!
お昼休みが終わって、帰ってきて鞄の中を見て私は慌てた。
昨日は寝る前に、確かに歴史の教科書はカバンの中に入れたのだ。
私が机の中とか一生懸命探していると
「どうしたの?」
エルダが声をかけてきてくれた。
「歴史の教科書がないの」
「えっ、入れるの忘れたの?」
「うーん、入れたはずなんだけど」
私は戸惑った。たしかに私の性格上忘れる可能性は無きにしもあらずなのだが、前の晩にノートで確認するようになってからはそれはないはずなのだ。
「どこかに紛れ込んでいるとか?」
「机の中は?」
アルフとかフィル様とか周りのみんなが心配して一緒に見てくれた。
しかし、無い。
そこへ歴史の先生が入ってきたのだ。メガネを掛けた年配の先生だ。
「では皆さん。教科書の20ページを開いて」
先生の言葉に皆は開く。
私は仕方がないので、教科書なしで挑もうとした。
「先生。シャーリーさんの教科書がないみたいなので、私が見せてもいいですか」
フィル様が言ってくれた。
いや、でも、そんなの無理。フィル様と一緒の教科書を見て勉強なんて出来ない。
「えっ、シャーリー君は、いつも外ばかり見ているから忘れ物をするんじゃないのか?」
先生は厳しいことを言ってくれたが、フィル様に対しては頷かれた。
ウッソーーーー。無理無理無理!
私は焦った。
でも、私は学校にあんまり行かなかったから経験がなかったが、好きな子と机が隣り合わせになって、一緒の教科書を見る事が出来る日が来るなんて、夢にも思ってもいなかった。
「もう少し机を近づけて」
フィル様が強引に私の机を自分の方に引かれる。
私は畏れ多くて、近づけないんだけど。
フィル様が真ん中に教科書を開いてくれる。
やっぱり、そんなの無理、と思った時だ。
私はフィル様の教科書がなにか変なのに気づいた。
な、なんとフィル様の教科書には始祖の顔にひげが書かれていたのだ。
うそっ!
これって不敬では?
私はフィル様の横顔を思わずまじまじと見てしまった。
よく見るとフィル様の教科書にはいろんな落書きがしてあった。ゲームでは判らなかったけれど、現実のフィル様は結構絵もうまい。
フィル様は私の視線に気づいたのか、ページを捲ってくれた。
そこにはこの前のベッティル様の口の中にイングリッドが辛子まみれのブロッコリー突っ込んでいる
様子が書かれていたのだ。そんなの見せるものだから、思わず私は少し笑ってしまった。
「シャーリーさん。なにかおかしいですか」
不機嫌そうな歴史の先生の声が聞こえた。
「いえ、すいません」
私は謝った。
その後でフィル様を睨みつけた。もう、変な絵を見せないでほしい。
結局、フィル様の隣で気になったのもあるけれど、フィル様の楽しい絵とかで、全然授業が頭に入らなかった。
でも、教科書はどこに行ったのだろう?
その後エルダとイングリッドらにも手伝ってもらって探したのだけど、見つからなかった。部屋に帰ってもなかったのだ。
「うーん、どこいったんだろう?」
大して広くもない私の部屋の探索なんて3人でやれば一瞬で終わってしまった。
「まあ、アンはクラスの女の子らに妬まれているから、誰かに隠されたんじゃない?」
イングリッドが言ってくれたけど、
「誰のせいでそうなったと思っているのよ」
私はイングリッドに文句を言っていた。でも、地雷原のイングリッドはそんな嫌味が効くわけもなく、
「それは最初の食事の時に、皆、フィルの隣は遠慮して避けているのに、そこに図々しくも座ったアンのせいじゃない?」
と黒歴史をわざわざ出してきてくれたのだ。
「いや、だからフィル様は見えなかったんだって」
私が必死に言い訳したが、
「ふーん、授業の時も隣りに座っているアンが?」
イングリッドには通用しなかったんだけど。
でも、そのときは本当に周りが見えていなかったんだって!
私は女の妬みがいかに恐ろしいかまだ知らなかったのだ。
でも翌日、必死に探しても無かった、失くなった教科書は出てきたのだ。
私の机の上に、無惨にもビリビリに引き裂かれた状態で!
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