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第一部 学園始動編 モブでなく悪役令嬢だと判りました
人形でゴールする方法をなんとか見つけました。
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それから私は必死に人形で色々練習したけれど、やはり人形は大きくはならなかった。
うーん、私の魔術の中ではまだ大きいんだけど、それでも高さは10センチくらいだ。ボールよりも小さい。
これでどうやってボールを持つんだ?
「な、何その人形?」
聖女が見つけてバカにしてきた。
「人形にバニーガールさせるつもりか?」
「バニーガールさせるにも小さ過ぎて見えないぜ」
B組の他の面々が馬鹿にしてくる。
私は少しムッとした。
「フィールドに出たら早速踏み潰されそうだな」
「おいおい踏み潰したらファールになるんじゃないか」
「そうかファール狙いか」
皆本当に馬鹿にしてくれる。
でも、その手があるか。ゴール下にいて踏み潰されてフリースロー得るという手もある!
私は良いことを教えてもらった。
「アン、パス」
そこへアルフの人形がボールを投げ込んできた。
「痛て!」
男の一人の頭にあたって男が悲鳴をあげた。
「何してくれやがる」
他の男が文句を言う。
「すまんすまん、ジャガイモかと思ったよ」
アルフが笑って言う。
「ふんっ、本番覚えていろよ」
ぶつけられた嫌な奴が文句を言った。
「まあ、その人形は踏み潰してあげるわ。あんたとおんなじで」
聖女がいやらしい笑みを浮かべて私に言って去って行った。
「本当に嫌な奴らだな」
「あれで聖女なんだから、信じられないわね」
アルフとエルダがその後姿を見て言ってくれる。
本当だ! もう聖女は完全に悪役令嬢のキャラになっているんだけど・・・・
「それより、アン、その人形ボールは持てるのか」
「多分」
「じゃあ、ほら」
アルフがボールを投げてくれた。
人形に手をあげさせて受け取らせる。
これは出来るのだ。でも、ボールが歩いている感じで、ドリブルはさすがに出来ない。
パスはそのままアルフに投げ返したことで出来た。結構強いボールで、受け取るのはアルフでも大変みたいだったが、この投げる強さがなかなか調整できないのだ。
「うーん、パス要員かな」
「でも、小さすぎてパスしづらいんじゃない」
「それは確かに」
「スピードも遅いから。ドリブルも出来ないし」
「ゴールはどうだ?」
「ボールを直線には投げられるんだけど、その強さの調整が出来ないのよ」
私はゴールめがけて投げさせてみた。
ゴールの後ろのボードには当たるのだが、ボールはそのまま上に大きく反射するのだ。
「じゃあ、ジャンプしてシュートすれば」
イングリッドの言葉にやってみる。
「ジャンプ」
ミニアンちゃんはそこから無反動で飛んでゴールまでまっしぐらに飛んでくれた。そして、ゴールにボールを叩きつけるが、本体は止まるわけもなく、ゴールのボードに激突した。
バキン
ボードが割れてしまった。
「嘘ーーー!」
私は思わず大声を出していた。
これはまたトイレ掃除が2ヶ月に伸びる?
私は青くなった。
「まあ、アン、ちょっと待ってて」
フィル様ら男性陣が4人ほど集まって、割れたボードをなんとか繋ぎ合わせてくれた。
私はホッとした。
でも、なんとか修復してくれたが、ゴールの度に壊していたら意味がない。
そんなに強く飛ばしたつもりはないのに、いつものごとく壊してしまった。
「しかし、アンはいつも凄いな。ゴールまで壊すなんて」
バートが言ってくれた。
「うーん、壊すつもり無いのに」
私はブスッとして言った。
「まあ、でも、これ試合の最後で使えるね。秘密兵器として」
フィル様が言ってくれた。
まあ、最後ならゴールを壊しても良い・・・・訳はない!
そんな事したらルンド先生叱られコース行きは確実、トイレ掃除が2ヶ月になるのも確実だ。
「一緒にトイレ掃除くらいしてあげるよ」
とフィル様は言うが、そもそも、B組とトイレ掃除をかけてやっているのだ。勝ってトイレ掃除だと本当に意味がないんですけど・・・・。
私はガーブリエル様に相談することにした。
「ホッホッホッ。トイレ掃除か。若い頃の定番じゃな。儂は学園におった頃は年がら年中トイレ掃除をさせられておったぞ」
「えっ、そうなんですか」
私は驚いてガーブリエル様を見た。まあ、どう見ても若い時は羽目を外していろいろやっていたと思われる。
「最初の国王陛下の肖像画にちょび髭を描いた時など、王宮に呼ばれて先代の陛下と一緒に先々代に延々怒られて大変じゃった」
なるほど、ガーブリエル様は先代の国王陛下と学園時代の悪友で、二人でいたずらの限りをしでかしたらしい。そらあ、父親の悪友相手に今の国王陛下も強いことは言えないはずだ。
でも、私はそう言うつてもないわけで、ここはなんとしても聖女に勝ちたいのだ。
一回ゴールを壊して退場なら、ほとんど役に立たないじゃない。
そう、言ってガーブリエル様に頼み込む。
「儂の弟子は皆、学園でトイレ掃除をさせられているのだが」
それでもしつこくガーブリエル様が言ってくる。
「えっ、国王陛下もですか?」
「そうじゃ。あいつなんぞ・・・・」
「ゴホンゴホン」
そこに何故か咳払いがして、後ろに、 ええええ! 陛下がいらっしゃった。
「ガーブリエル様。余計な事は言わないでください」
「そうか。ま、トイレ掃除の回数は儂と先代が一番じゃがな」
「そう言うことを未来明るい生徒に言わないでいただきたいのですが・・・・」
陛下が困った顔で言っておられた。
「で、シュートの時にゴールを壊さないようにするにはどうすればよいかだが、前に障壁を張れば良いのではないか」
陛下からアドヴァイスを頂けた。
「でも、魔術の使用は良いのですか」
「どのみち、人形自体が魔術だろう。攻撃魔術ではないし、壊さないようにするためなのだから問題なかろう」
私の疑問にガーブリエル様が答えてくれた。
「早速、やってみい」
「はい」
私は魔術塔の横につけられた即席のゴールめがけてやってみた。
ミニアンちゃんを出して、ボールを持たせる。
そして、10メートル離れたところからジャンプさせた。
ゴールに、近いところでボールをゴールに向けて放って、ゴールに障壁を張り付ける。
障壁に跳ね返ってミニアンちゃんは地上へ跳ね返された。
私は何度も練習した。
その間、陛下はガーブリエル様と何か話しておられた。
なんか、スカンディーナ王国の動きが怪しいとか、所々聞こえた。
なんか大変なことが迫っているんだなあ、と私は完全に他人事だった。
私はそれが自分に関係することだとは全然思っていなかったのだ。
うーん、私の魔術の中ではまだ大きいんだけど、それでも高さは10センチくらいだ。ボールよりも小さい。
これでどうやってボールを持つんだ?
「な、何その人形?」
聖女が見つけてバカにしてきた。
「人形にバニーガールさせるつもりか?」
「バニーガールさせるにも小さ過ぎて見えないぜ」
B組の他の面々が馬鹿にしてくる。
私は少しムッとした。
「フィールドに出たら早速踏み潰されそうだな」
「おいおい踏み潰したらファールになるんじゃないか」
「そうかファール狙いか」
皆本当に馬鹿にしてくれる。
でも、その手があるか。ゴール下にいて踏み潰されてフリースロー得るという手もある!
私は良いことを教えてもらった。
「アン、パス」
そこへアルフの人形がボールを投げ込んできた。
「痛て!」
男の一人の頭にあたって男が悲鳴をあげた。
「何してくれやがる」
他の男が文句を言う。
「すまんすまん、ジャガイモかと思ったよ」
アルフが笑って言う。
「ふんっ、本番覚えていろよ」
ぶつけられた嫌な奴が文句を言った。
「まあ、その人形は踏み潰してあげるわ。あんたとおんなじで」
聖女がいやらしい笑みを浮かべて私に言って去って行った。
「本当に嫌な奴らだな」
「あれで聖女なんだから、信じられないわね」
アルフとエルダがその後姿を見て言ってくれる。
本当だ! もう聖女は完全に悪役令嬢のキャラになっているんだけど・・・・
「それより、アン、その人形ボールは持てるのか」
「多分」
「じゃあ、ほら」
アルフがボールを投げてくれた。
人形に手をあげさせて受け取らせる。
これは出来るのだ。でも、ボールが歩いている感じで、ドリブルはさすがに出来ない。
パスはそのままアルフに投げ返したことで出来た。結構強いボールで、受け取るのはアルフでも大変みたいだったが、この投げる強さがなかなか調整できないのだ。
「うーん、パス要員かな」
「でも、小さすぎてパスしづらいんじゃない」
「それは確かに」
「スピードも遅いから。ドリブルも出来ないし」
「ゴールはどうだ?」
「ボールを直線には投げられるんだけど、その強さの調整が出来ないのよ」
私はゴールめがけて投げさせてみた。
ゴールの後ろのボードには当たるのだが、ボールはそのまま上に大きく反射するのだ。
「じゃあ、ジャンプしてシュートすれば」
イングリッドの言葉にやってみる。
「ジャンプ」
ミニアンちゃんはそこから無反動で飛んでゴールまでまっしぐらに飛んでくれた。そして、ゴールにボールを叩きつけるが、本体は止まるわけもなく、ゴールのボードに激突した。
バキン
ボードが割れてしまった。
「嘘ーーー!」
私は思わず大声を出していた。
これはまたトイレ掃除が2ヶ月に伸びる?
私は青くなった。
「まあ、アン、ちょっと待ってて」
フィル様ら男性陣が4人ほど集まって、割れたボードをなんとか繋ぎ合わせてくれた。
私はホッとした。
でも、なんとか修復してくれたが、ゴールの度に壊していたら意味がない。
そんなに強く飛ばしたつもりはないのに、いつものごとく壊してしまった。
「しかし、アンはいつも凄いな。ゴールまで壊すなんて」
バートが言ってくれた。
「うーん、壊すつもり無いのに」
私はブスッとして言った。
「まあ、でも、これ試合の最後で使えるね。秘密兵器として」
フィル様が言ってくれた。
まあ、最後ならゴールを壊しても良い・・・・訳はない!
そんな事したらルンド先生叱られコース行きは確実、トイレ掃除が2ヶ月になるのも確実だ。
「一緒にトイレ掃除くらいしてあげるよ」
とフィル様は言うが、そもそも、B組とトイレ掃除をかけてやっているのだ。勝ってトイレ掃除だと本当に意味がないんですけど・・・・。
私はガーブリエル様に相談することにした。
「ホッホッホッ。トイレ掃除か。若い頃の定番じゃな。儂は学園におった頃は年がら年中トイレ掃除をさせられておったぞ」
「えっ、そうなんですか」
私は驚いてガーブリエル様を見た。まあ、どう見ても若い時は羽目を外していろいろやっていたと思われる。
「最初の国王陛下の肖像画にちょび髭を描いた時など、王宮に呼ばれて先代の陛下と一緒に先々代に延々怒られて大変じゃった」
なるほど、ガーブリエル様は先代の国王陛下と学園時代の悪友で、二人でいたずらの限りをしでかしたらしい。そらあ、父親の悪友相手に今の国王陛下も強いことは言えないはずだ。
でも、私はそう言うつてもないわけで、ここはなんとしても聖女に勝ちたいのだ。
一回ゴールを壊して退場なら、ほとんど役に立たないじゃない。
そう、言ってガーブリエル様に頼み込む。
「儂の弟子は皆、学園でトイレ掃除をさせられているのだが」
それでもしつこくガーブリエル様が言ってくる。
「えっ、国王陛下もですか?」
「そうじゃ。あいつなんぞ・・・・」
「ゴホンゴホン」
そこに何故か咳払いがして、後ろに、 ええええ! 陛下がいらっしゃった。
「ガーブリエル様。余計な事は言わないでください」
「そうか。ま、トイレ掃除の回数は儂と先代が一番じゃがな」
「そう言うことを未来明るい生徒に言わないでいただきたいのですが・・・・」
陛下が困った顔で言っておられた。
「で、シュートの時にゴールを壊さないようにするにはどうすればよいかだが、前に障壁を張れば良いのではないか」
陛下からアドヴァイスを頂けた。
「でも、魔術の使用は良いのですか」
「どのみち、人形自体が魔術だろう。攻撃魔術ではないし、壊さないようにするためなのだから問題なかろう」
私の疑問にガーブリエル様が答えてくれた。
「早速、やってみい」
「はい」
私は魔術塔の横につけられた即席のゴールめがけてやってみた。
ミニアンちゃんを出して、ボールを持たせる。
そして、10メートル離れたところからジャンプさせた。
ゴールに、近いところでボールをゴールに向けて放って、ゴールに障壁を張り付ける。
障壁に跳ね返ってミニアンちゃんは地上へ跳ね返された。
私は何度も練習した。
その間、陛下はガーブリエル様と何か話しておられた。
なんか、スカンディーナ王国の動きが怪しいとか、所々聞こえた。
なんか大変なことが迫っているんだなあ、と私は完全に他人事だった。
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