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第一部 学園始動編 モブでなく悪役令嬢だと判りました
保健室で騒いだら、礼儀作法の先生に怒られてしまいました
ブルーノの襲撃は未遂で終わったみたいだった。
私はあのまま気を失っていたので顛末は知らないが。
「アン、しっかりしろ!」
私はフィル様にゆり動かされて気付いた。
「フィル様!」
私は薄っすらと目を開けた。なんか病室みたいだ。
いつの間にか、私は保健室に運び込まれていたのだ。
「皆は?」
「皆は無事だ。ブルーノの行方は今必死に探させている」
フィル様は答えてくれた。
「ごめん、ヒールをかけさせるのが遅くなって。聖女の奴がなかなかアンにヒールをかけてくれなくて、教会は王家に逆らうのかと脅したんだが、大司教もなかなかうんと言わなかったんだ。クリスティーンが強引に聖女を連れてきてヒールをかけさせたんだ」
「すみません。色々ご迷惑をおかけしたみたいで。クリスティーン様にもご迷惑をおかけしましたね」
「いや、あいつは良い。それより無事で良かった。君を危険にさらして本当にごめん」
そう言うフィル様はとても近いんだけど。それに手も握っているし、私はそれに気付いて真っ赤になってしまった。
「どうした? アン。真っ赤になって、熱が上がってきたのか?」
フィル様が驚いて私のおでこに自分のおでこを当てるんだけど・・・・
ちょっと待って、だめ! だめだから!
私はもう沸騰しそうになっていた。
「ゴホンッ、ゴホンッ」
フィル様の後ろから咳払いが聞こえた。
「えっ?」
私はフィル様の後ろを見ると
「ルンド先生」
そこにはルンド先生が寝ていらっしゃったのだ。
「殿下。お二人の仲の宜しいのは喜ばしい限りですが、そう言うことは二人きりの時にやって頂けませんか」
ルンド先生が釘を刺す。
「ああ、ルンド先生もいらっしゃったんですか」
フィル様は今まで気づかなかった風を装っているが、そんなの絶対に嘘だ。
「せ、先生。先程は私を守っていただいてありがとうございました」
私は慌てて言った。
「いえ、アンネローゼ様。私はアンネ様をお守りすることは敵いませんでした。今もブルーノ相手にアンネローゼ様の盾となることも出来ずに、本当に申し訳ありませんでした」
「いえ、私が、力不足だったのです。もっと、力をつけなくては」
「いえ、アンネローゼ様はあのブルーノを弾き飛ばしたのです。それもあやつの障壁をぶち破って。あやつは障壁は誰にも破られたことがないのが自慢でしたから。その障壁をぶち破ったのはアンネローゼ様だけです。そこは自慢されても宜しいのでは」
「いえいえ、まだあんなのでは到底ブルーノに勝てたとはいえません。ガーブリエル様のご指導の元、もっともっと精進せねば」
「そうじゃ。まだまだじゃぞ」
そこにガーブリエル様がヴィルマル師団長を引き連れて現れた。
「ガーブリエル様!」
「まあ、ガーブリエル様。アンネローゼ様はあのブルーノの障壁を破ったのですから、そこは褒められても良いのではないですか。師ですら破れなかったのですから」
ヴィルマル様が私を褒めてくれた。
「な、何を申す。儂が少し、手加減して攻撃しただけでじゃな、儂が本気を出せば・・・・」
「言い訳はよろしくないのでは」
必死に言い訳しようとしたガーブリエル様をヴィルマル様は白い目で見られた。
「うーむ。まあ、アン、貴様は全てが規格外じゃ。魔術の反応が遅いのが玉に瑕じゃが、あのブルーノを退けたのじゃ。そこは少しは自慢して良いぞ」
ええええ! ガーブリエル様に褒められた。
私は嬉しくなった。
「アン!」
「気付いたの!」
そこにイングリッドとクリスティーンが駆け込んできた。
少し遠ざけられていたフィル様はもとより、ガーブリエル様もヴィルマル様も二人に横に弾き飛ばされていた。
「ええ、エルダ。助けてくれてありがとう」
「何言っているのよ。私なんか、全く、全然足止めできなかったけわ。アンの方が凄いじゃない。私もルンド先生も全く相手にされなかったのに、ミニアンちゃんのキックであのブルーノを弾き飛ばすなんて」
エルダが言ってくれた。
「私もウィンドストームでは全く相手にならなかったもの。ミニアンちゃんの姿にブルーノは油断したのよ」
「それでも凄いぞ。あの、ガーブリエル様の最強の弟子ブルーノを吹っ飛ばしたんだから」
後ろから現れたクリスティーン様が言われた。
「たまたまですよ。次はあんなのでは許されないと思うので、もっと頑張ろうと思うんです。ガーブリエル様、よろしくお願いします」
私が弾き飛ばされたガーブリエル様に頭を下げる。
「そうじゃの。儂ももっと厳しく鍛えるかの」
そう言うとガーブリエル様は笑われた。
「で、そこのピンク頭、アンとルンド先生にヒールをかけろ」
「はい」
クリスティーン様の一言に後ろにいたピンク頭が素直に頷いた。
私はびっくりした。あのピンク頭が文句も言わずに、やるなんて。
でも、それは、やっぱり、そんな訳はなかった。
「ヒル」
ピンク頭は私に、向けて魔術をかけた。
でも、なんかめちゃくちゃ嫌な感じで、ムワーーーーとするんだけど。
胸まで苦しくなってきた。
「ちょっと、あなた、なんかアンが変よ」
エルダが言う。
バシン
クリスティーン様がピンク頭の頭を思いっきり叩いていた。
それで苦しみが無くなった。私はホッとした。
「痛い」
「ピンク頭、あなたアンに何をかけているのよ」
「凄いの。これは闇魔術ではないか。聖女が闇魔術まで使うのか」
ガーブリエル様が感心されて言われた。
「ガーブリエル様。感心しないで、アンをなんとかしてくださいよ」
フィル様が慌てて私に駆け寄ってくれていた。
皆の前で抱きしめて・・・・いや、やめて! 抱きしめるなんて死ぬ!
私は恥ずかしさで真っ赤になった。
「ふん、何を申す、貴様が離れればアンは普通に戻るわ」
ガーブリエル様の至極当たり前の言葉にフィル様はむっとする。
「でも、見てみい。アンの顔の赤いのが治ったわ」
ガーブリエル様の指摘通り、フィル様が離れてくれたので、私はホッとしていたのだ。
「ちょっとアン、それはひどいんじゃない」
フィル様が私に迫って来るし、いや、近すぎますフィル様!
「ギャーーー、クリスティー様。私が悪かったです」
一方で泣き叫ぶ聖女のお尻をクリスティー様は叩き出した。
もうめちゃくちゃだ。
「静かにしなさい!」
その時、ルンド先生の怒声が保健室に響き渡った。
一瞬でシーンとする。
「皆さん。ここは保健室です。静かにするのが当然なのに、何なのですか。これは・・・・・」
ルンド先生は自分が怪我人なのに、しかりだしたのだ。こうなったら長い。
な、何で怪我人なのに、怒られなければならないのだろう。
でも、こうなったらこの国の王太子も大魔術師も魔術師団長も公爵令嬢も聖女も関係なかった。
ひょっとしたらルンド先生が最強なのかも・・・・
私達はそれから延々小一時間説教されてしまったのだ。
私はあのまま気を失っていたので顛末は知らないが。
「アン、しっかりしろ!」
私はフィル様にゆり動かされて気付いた。
「フィル様!」
私は薄っすらと目を開けた。なんか病室みたいだ。
いつの間にか、私は保健室に運び込まれていたのだ。
「皆は?」
「皆は無事だ。ブルーノの行方は今必死に探させている」
フィル様は答えてくれた。
「ごめん、ヒールをかけさせるのが遅くなって。聖女の奴がなかなかアンにヒールをかけてくれなくて、教会は王家に逆らうのかと脅したんだが、大司教もなかなかうんと言わなかったんだ。クリスティーンが強引に聖女を連れてきてヒールをかけさせたんだ」
「すみません。色々ご迷惑をおかけしたみたいで。クリスティーン様にもご迷惑をおかけしましたね」
「いや、あいつは良い。それより無事で良かった。君を危険にさらして本当にごめん」
そう言うフィル様はとても近いんだけど。それに手も握っているし、私はそれに気付いて真っ赤になってしまった。
「どうした? アン。真っ赤になって、熱が上がってきたのか?」
フィル様が驚いて私のおでこに自分のおでこを当てるんだけど・・・・
ちょっと待って、だめ! だめだから!
私はもう沸騰しそうになっていた。
「ゴホンッ、ゴホンッ」
フィル様の後ろから咳払いが聞こえた。
「えっ?」
私はフィル様の後ろを見ると
「ルンド先生」
そこにはルンド先生が寝ていらっしゃったのだ。
「殿下。お二人の仲の宜しいのは喜ばしい限りですが、そう言うことは二人きりの時にやって頂けませんか」
ルンド先生が釘を刺す。
「ああ、ルンド先生もいらっしゃったんですか」
フィル様は今まで気づかなかった風を装っているが、そんなの絶対に嘘だ。
「せ、先生。先程は私を守っていただいてありがとうございました」
私は慌てて言った。
「いえ、アンネローゼ様。私はアンネ様をお守りすることは敵いませんでした。今もブルーノ相手にアンネローゼ様の盾となることも出来ずに、本当に申し訳ありませんでした」
「いえ、私が、力不足だったのです。もっと、力をつけなくては」
「いえ、アンネローゼ様はあのブルーノを弾き飛ばしたのです。それもあやつの障壁をぶち破って。あやつは障壁は誰にも破られたことがないのが自慢でしたから。その障壁をぶち破ったのはアンネローゼ様だけです。そこは自慢されても宜しいのでは」
「いえいえ、まだあんなのでは到底ブルーノに勝てたとはいえません。ガーブリエル様のご指導の元、もっともっと精進せねば」
「そうじゃ。まだまだじゃぞ」
そこにガーブリエル様がヴィルマル師団長を引き連れて現れた。
「ガーブリエル様!」
「まあ、ガーブリエル様。アンネローゼ様はあのブルーノの障壁を破ったのですから、そこは褒められても良いのではないですか。師ですら破れなかったのですから」
ヴィルマル様が私を褒めてくれた。
「な、何を申す。儂が少し、手加減して攻撃しただけでじゃな、儂が本気を出せば・・・・」
「言い訳はよろしくないのでは」
必死に言い訳しようとしたガーブリエル様をヴィルマル様は白い目で見られた。
「うーむ。まあ、アン、貴様は全てが規格外じゃ。魔術の反応が遅いのが玉に瑕じゃが、あのブルーノを退けたのじゃ。そこは少しは自慢して良いぞ」
ええええ! ガーブリエル様に褒められた。
私は嬉しくなった。
「アン!」
「気付いたの!」
そこにイングリッドとクリスティーンが駆け込んできた。
少し遠ざけられていたフィル様はもとより、ガーブリエル様もヴィルマル様も二人に横に弾き飛ばされていた。
「ええ、エルダ。助けてくれてありがとう」
「何言っているのよ。私なんか、全く、全然足止めできなかったけわ。アンの方が凄いじゃない。私もルンド先生も全く相手にされなかったのに、ミニアンちゃんのキックであのブルーノを弾き飛ばすなんて」
エルダが言ってくれた。
「私もウィンドストームでは全く相手にならなかったもの。ミニアンちゃんの姿にブルーノは油断したのよ」
「それでも凄いぞ。あの、ガーブリエル様の最強の弟子ブルーノを吹っ飛ばしたんだから」
後ろから現れたクリスティーン様が言われた。
「たまたまですよ。次はあんなのでは許されないと思うので、もっと頑張ろうと思うんです。ガーブリエル様、よろしくお願いします」
私が弾き飛ばされたガーブリエル様に頭を下げる。
「そうじゃの。儂ももっと厳しく鍛えるかの」
そう言うとガーブリエル様は笑われた。
「で、そこのピンク頭、アンとルンド先生にヒールをかけろ」
「はい」
クリスティーン様の一言に後ろにいたピンク頭が素直に頷いた。
私はびっくりした。あのピンク頭が文句も言わずに、やるなんて。
でも、それは、やっぱり、そんな訳はなかった。
「ヒル」
ピンク頭は私に、向けて魔術をかけた。
でも、なんかめちゃくちゃ嫌な感じで、ムワーーーーとするんだけど。
胸まで苦しくなってきた。
「ちょっと、あなた、なんかアンが変よ」
エルダが言う。
バシン
クリスティーン様がピンク頭の頭を思いっきり叩いていた。
それで苦しみが無くなった。私はホッとした。
「痛い」
「ピンク頭、あなたアンに何をかけているのよ」
「凄いの。これは闇魔術ではないか。聖女が闇魔術まで使うのか」
ガーブリエル様が感心されて言われた。
「ガーブリエル様。感心しないで、アンをなんとかしてくださいよ」
フィル様が慌てて私に駆け寄ってくれていた。
皆の前で抱きしめて・・・・いや、やめて! 抱きしめるなんて死ぬ!
私は恥ずかしさで真っ赤になった。
「ふん、何を申す、貴様が離れればアンは普通に戻るわ」
ガーブリエル様の至極当たり前の言葉にフィル様はむっとする。
「でも、見てみい。アンの顔の赤いのが治ったわ」
ガーブリエル様の指摘通り、フィル様が離れてくれたので、私はホッとしていたのだ。
「ちょっとアン、それはひどいんじゃない」
フィル様が私に迫って来るし、いや、近すぎますフィル様!
「ギャーーー、クリスティー様。私が悪かったです」
一方で泣き叫ぶ聖女のお尻をクリスティー様は叩き出した。
もうめちゃくちゃだ。
「静かにしなさい!」
その時、ルンド先生の怒声が保健室に響き渡った。
一瞬でシーンとする。
「皆さん。ここは保健室です。静かにするのが当然なのに、何なのですか。これは・・・・・」
ルンド先生は自分が怪我人なのに、しかりだしたのだ。こうなったら長い。
な、何で怪我人なのに、怒られなければならないのだろう。
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