銀河帝国から脅されたので、逆襲することにしました! 跳ねっ返り王女は帝国の大臣だろうが女帝だろうが関係ありません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
4 / 84

遠国の姫君に告白されて私は貞操の危険を感じて逃げ出しました

しおりを挟む
 爆発する宇宙船から乗客達を助け出すのは大変だった。

「セラフィ様! 怖かったです!」
 私に抱きつくピンクの髪の女を助け出すのも大変だった。
 後で聞いたら彼女はバミューダ王国の第25王女のヴェルネリ王女だった。25王女って何よ!国王はどれだけ絶倫なのよ!
私は開いた口が塞がらなかった。何しろバミューダ国王は公式の愛人だけで10人はいるそうだ。非公式もいれたら三桁に乗るかもしれないとアンネも呆れていた。と言うかまた25なんだけど、私はヴェルネリに不吉なものを感じていた。
 そんな半狂乱の彼女を私から引き剥がすのもまた大変だった。
 海賊に襲われて、相当な恐怖心をもったみたいで、
「怖いです!」
 甲高い声で訴えてくるのだ。まあ、私が男だったら嬉しかったかもしれないが、私は女だ。いい加減鬱陶しくなって飛んで来た私の専用巡洋艦ジュピターに下ろしてアンネに強引に預けてきたのだった。

 すぐ傍で待機していたジュピターはあっという間に現れて乗客達を次々に救助してくれた。
 乗客達は緊急時の脱出ボットや救命艇、最後は修復ペイントを纏って飛び出してきた。
 修復ペイントは戦いなどで船に穴が開いたところを応急処置で空気の流出を押える泡状の液体で、濃度を濃くすれば真空の宇宙でも人間の体を保護してくれる球体になるのだ。
 1時間くらいは人間はその中で生き延びられる。
 宇宙船に最初に乗るときに非常用脱出講習でみんな練習させられるので、大半の人間がなれていた。
 なんとか大半の人を救助し終えた。
 ほっとしたところで、そう言えば海賊船はどうしたんだろうと私が思い出した時だ。

 アステロイドベルトで大爆発が起こったのだ。
 海賊船が爆発したのだ。

「どうなっているのよ?」
 私が報告に来たアーロンを問いただすと、それまで静かにしていた海賊船が突然逃亡しようとしたので仕方なく撃沈したとのことだった。

「でも、何もアステロイドベルトの中で爆破する必要は無いじゃない!」
 私が注意すると
「しかし、姫様。それならさっさと増援を寄越して下さいよ。そうすればもっと早く制圧できましたけれど、もうあの場では破壊するしか手段がありませんでした」
「エンジンを壊すだけとか出来なかったの?」
 私はアーロンの言いたいことも判ったが、どうしても言わざるを得なかった。

「噴射口だけ潰そうとしたんですけど、エンジンも一緒に暴発してしまったんですよ」
「そんな……でも、」
 私は納得いかなかった。
「まあ、姫様。アーロンらをそれ以上責めるのは酷ですよ」
 艦長のミカエルがアーロンを庇ってくれた。
「それは、判るんだけど、あれ見てもそう言えるの?」
 私が今の実況している画像を見せた。

 画面上では爆発で吹き飛ばされたアステロイドベルトの隕石群が大挙して惑星サーリアに落ちていたのだ。

「ああ、あれは地面まで到達しますね」
 艦長が諦めたように肩をすくめてくれたが……あなたはそれで済むかもしれないけれど、また厄災女の黒歴史が増えるじゃない!
 私はもう泣きたかった。
 後で聞いたらアーロンが破壊した船が吹き飛ばしたのが、アステロイドベルトの長手も25番目に大きいアステロイドベトだったとか。それが次々に周りの石の塊を弾き飛ばしてサーリアに落としたそうだ……
誰がそんなの数えるのよ! 私は切れそうになっていた。また、25だって文句言われそうじゃない!

「まあ、詳しくは後ほど陛下から叱って頂きます」
 能面でアンネが断罪予告をしてくれた。
 私は頭が痛くなった。このままどこか遠くに逃げていきたい気分だった。

「それよりもヴェルネリ王女殿下が助けて頂いたお礼を申し上げたいとおっしゃっておられますが」
 ミカエル艦長が確認してきた。

「そうよね。良いわ。入ってもらって。ここで会うわ」
 私から離れずに泣きわめいていた王女にはあまり会いたくはなかったが、私も王女だ。一国の王女から会いたいと言われれば会わない訳にはいかないだろう。
 まだ、指示することは山のようにあるのだ。
 私はこの場から動く訳には行かなかった。
 私はコクピットの艦長席の隣の自分の席から頷いた。
 艦長が後ろに立っていた衛兵に合図する。

 衛兵が王女を連れてきた。王女は美しいピンクの髪をたなびかせてやってきた。

「セラフィ殿下。この度は私の危ういところを助けて頂いて有り難うございました」
 私の前まで来るとそう言うとヴェルネリ王女は頭を下げた。
「いや、少し遅くなってしまって申し訳なかった。海賊が暗躍しているのは聞いていたので、待ち伏せしていたのだが思った以上に海賊の行動が早くて、殿下には怖い目に遭わせしまいすまなかった」
 立ち上った私も頭を下げて謝った。

「いえ、殿下には本当に良くして頂きました。
 でも、殿下があと少しいらっしゃるのが遅かったと思ったら本当に怖くなって。殿下!」
 涙を目に貯めた状態で上目遣いに私を見るヴェルネリ王女は女の私が見ても色っぽかった。
 私が思わずドギマギしてしまった時だ。
 私の前にずいっとアードルフがいきなり出て来たんだけど……ええええ! 堅物のアードルフがヴェルネリ王女の色気にやられたの?
 私が唖然としたときだ。

「あっ、思い出した。あの女、姫様に婚約を申し込んで来た遠国の王女だ!」
 後ろでアーロンが素っ頓狂な声を上げてくれた。

「ああああ!」
 私も思いだしていた。
 こいつか! こいつが勘違いしてくれたお陰で私はアーロン等に笑いものにされたのだ。
 私がむっとしてヴェルネリを見ても、私をキラキラした視線で見てくるヴェルネリは変わらないんだけど……
 いい加減に私が女であると気付けよ!
 私とヴェルネリの間にアードルフが入ってヴェルネリの視線を邪魔するが、それを必死に避けて私の顔を見ようとヴェルネリとアードルフがお互いにやり合っているんだけど……
 私はいい加減に馬鹿らしくなってしまった。
 本当のことをカミングアウトすれば誤解は解けるだろう。

「ヴェルネリ王女殿下。大変申し上げにくいことだが、私は女だぞ」
 私は言いにくそうに言った。
 アーロンが後ろから吹き出していた。
 後で叩いてやる! 
 私が心に決めたときだ。

「えっ、そんなの知っておりますわ。私はセラフィ様の凜々しいお姿に恋してしまったのです。それも、今回私を命がけで助けて頂けて更に恋してしまいました」
 その答えに私は唖然としてしまった。

「えっ、いやだから、私は女で」
「それがどうしたのですの。女だろうが男だろうが関係ありませんわ。私はセラフィ様の物になりセラフィ様は私の物なのです」
 目をギラギラ輝かしてヴェルネリが私を見つめてくれて私は背筋がぞわっとした。

「おい、聞いたかヘイモ!」
「ああ、うちの姫様は男勝りすぎて、王子殿下ではなくて王女殿下から言い寄られるようになったんだな」
 外野が何か叫んでいた。あいつらは後で百叩きの刑だ。

「ちょっとそこのでくの坊。いい加減に退きなさいよ」
「何を言うか。うちの姫様に痴女など近寄らせられるか!」

「何を言うのよ!、私とセラフィ様は運命の赤い糸で結ばれているのよ! 邪魔なあなたは退きなさい!」
「はああああ! 姫様に変態を近付ける訳には行かないだろう」
「変態ですって失礼な。高々護衛騎士風情がバミューダ王家の王女になんて事を言うの!」
「ふんっ、そんな事言っても無駄だ。姫様が守れとおっしゃる限りお前を姫様に近付ける訳にはいかない!姫様ここは任せてお逃げください」
「お待ちになって、セラフィ様!」
 私は言い寄ってくるヴェルネリから逃げ出したのだ。

 何で艦の主の私が逃げないといけないのかとも思ったが、貞操の危険を感じて私は逃げ出した。

「ギャーーーー」
 後ろでアードルフの悲鳴が聞こえた。何か痴女にされたらしい。
 私は逃げながら心の底で被害に遭ったアードルフに謝っていた。
************************************************
ここまで読んで頂いて有り難うございました。
セラフィは女の子の間で大人気です!
続きはユバス本星の予定です。
お楽しみに
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」  テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。  この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。  誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。  しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。  その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。  だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。 「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」 「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」  これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語 2月28日HOTランキング9位! 3月1日HOTランキング6位! 本当にありがとうございます!

「雑草係」と追放された俺、スキル『草むしり』でドラゴンも魔王も引っこ抜く~極めた園芸スキルは、世界樹すら苗木扱いする神の力でした~

eringi
ファンタジー
「たかが雑草を抜くだけのスキルなんて、勇者パーティには不要だ!」 王立アカデミーを首席で卒業したものの、発現したスキルが『草むしり』だった少年・ノエル。 彼は幼馴染の勇者に見下され、パーティから追放されてしまう。 失意のノエルは、人里離れた「魔の森」で静かに暮らすことを決意する。 しかし彼は知らなかった。彼のスキル『草むしり』は、対象を「不要な雑草」と認識すれば、たとえドラゴンであろうと古代兵器であろうと、根こそぎ引っこ抜いて消滅させる即死チートだったのだ。 「あれ? この森の雑草、ずいぶん頑丈だな(ドラゴンを引っこ抜きながら)」 ノエルが庭の手入れをするだけで、Sランク魔物が次々と「除草」され、やがて森は伝説の聖域へと生まれ変わっていく。 その実力に惹かれ、森の精霊(美女)や、亡国の女騎士、魔王の娘までもが彼の「庭」に集まり、いつしかハーレム状態に。 一方、ノエルを追放した勇者たちは、ダンジョンの茨や毒草の処理ができずに進行不能となり、さらにはノエルが密かに「除草」していた強力な魔物たちに囲まれ、絶望の淵に立たされていた。 「ノエル! 戻ってきてくれ!」 「いや、いま家庭菜園が忙しいんで」 これは、ただ庭いじりをしているだけの少年が、無自覚に世界最強に至る物語。

別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

まっど↑きみはる
ファンタジー
「我が宿敵!! あなたに、私の夫となる権利をあげるわ!!」 そう、王国騎士『マルクエン・クライス』は、敵対していた魔剣士の女『ラミッタ・ピラ』にプロポーズを受けのだ。

『ゴミ掃除』が役立たずと追放されたが、実は『存在抹消』級のチートだった。勇者一行がゴミで溺れているが、俺は辺境で美少女と温泉宿を経営中なので

eringi
ファンタジー
「悪いが、お前のスキル『ゴミ掃除』は魔王討伐の役には立たない。クビだ」 勇者パーティの雑用係だったアレクは、戦闘の役に立たないという理由で、ダンジョンの最深部手前で追放されてしまう。 しかし、勇者たちは気づいていなかった。 彼らの装備が常に新品同様だったのも、野営地が快適だったのも、襲い来る高レベルモンスターの死体が跡形もなく消えていたのも、すべてアレクが『掃除』していたからだということに。 アレクのスキルは単なる掃除ではない。対象を空間ごと削り取る『存在抹消』レベルの規格外チートだったのだ。 一人になったアレクは、気ままに生こうと辺境の廃村にたどり着く。 そこでボロボロになっていた伝説のフェンリル(美少女化)を『洗浄』して懐かれたり、呪われたエルフの姫君を『シミ抜き』して救ったりしているうちに、いつの間にかそこは世界最高峰の温泉宿になっていて……? 一方、アレクを失った勇者パーティは、武器は錆びつき、悪臭にまみれ、雑魚モンスターの処理すら追いつかず破滅の一途をたどっていた。 「今さら戻ってきてくれと言われても、俺はお客さん(美少女)の背中を流すのに忙しいんで」 これは、掃除屋の少年が無自覚に最強の座に君臨し、幸せなスローライフを送る物語。

『王都の神童』と呼ばれた俺、職業選定でまさかの【遊び人】三連発で追放される。……が、実は「全職業のスキル」を合算して重ねがけできる唯一のバグ

よっしぃ
ファンタジー
王都で「神童」の名をほしいままにしていた少年、ディラン・アークライト(17歳)。   剣を握れば騎士団長を唸らせ、魔法を学べば賢者を凌駕する。誰もが彼を「次代の勇者」と信じて疑わなかった。  しかし、運命の職業選定で彼が得たのは――【遊び人】。   それも、三つの職業スロットすべてが【遊び人】で埋まるという、前代未聞の怪現象だった。 「期待外れだ」 「国の恥晒しめ」   掌を返した周囲によって、ディランは着の身着のままで街を追放される。  だが、かつて神童と呼ばれた彼の「分析力」は死んでいなかった。 『……Lv1なのに、ステータスが異常に高い? それに経験値が分散せず、すべて加算されている……?』  彼だけが気づいた真実。  それは【遊び人】という名に偽装された、この世界の管理者権限(Free-Hander)であり、全職業のスキルを制限なく使用・強化できるバグ技(デバッグモード)への入り口だったのだ。  これは、理不尽に捨てられた元・神童が、その頭脳とバグ能力で世界を「攻略」し、同じく不遇な扱いを受けていた美少女騎士(中身は脳筋)と共に、誰よりも自由に成り上がる物語。 【著者プロフィール】アルファポリスより『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』を出版、オリコンライトノベル部門18位を記録。本作は2月に2巻刊行予定。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

処理中です...