銀河帝国から脅されたので、逆襲することにしました! 跳ねっ返り王女は帝国の大臣だろうが女帝だろうが関係ありません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
42 / 84

専用艦の建造費の値段を皇帝の補佐官から聞いて気絶しました

しおりを挟む
「セラフィーナ・ユバス殿下に改めてご挨拶申し上げます。私は銀河帝国皇帝陛下の補佐官を務めておりますアンドレイ・コンドボガと申します」
 丁寧にアンドレイは挨拶をしてくれた。

 私は直ちに帝国の戦艦ビスマルクに招かれたのだ。
 そこにはボニファーツやヨーナス達もいた。私の後ろにはアードルフの隊の護衛騎士が並んでいた。
 その前に勝手に1人で飛び込んではいけないと散々怒られたが……

「ご丁寧な挨拶有り難うございます。私がセラフィーナです」
 私も挨拶を返す。

「姫様。こやつは帝国の伯爵家の出でしてな。何でも100年前に皇女様が降嫁されたそうで、それだけがこやつの唯一の自慢でして」
 なるほどと私は頷いた。
「ボニファーツ、余計な事は言うな」
 アンドレイは気分を害したみたいで、隣のボニファーツを睨んでいた。
「まあ、殿下、ボニファーツとは帝国の大学時代の悪友でして」
「さよう、アンドレイは色々といたずら好きでの。いろんな悪事に加担させられましたぞ」
「嘘をつけ。貴様がやらかしたいたずらのせいでどれだけ苦労させられたか……」
 アンドレイが学生時代の話を始めそうになった。暇なときならその話を聞いても良かったが、今はそれどころでは無かった。

「それで、アンドレイ様。早速ですが、先程おっしゃった意味がわからないのですが。ジュピターの建造費の件をどうして帝国にお話ししないといけないのですか?」
 私は帝国に詳しい話をするつもりなんてなかった。
 というか、資金調達はヨーナスとボニファーツ達に任していたのだ。

「さようでございましたな」
 そう言うと改めてアンドレイは咳払いをして表情を取り繕った。
「殿下、本来ですとユバス王国の巡洋艦の建造費の事など他国の帝国にお話し頂く必要はございますません」
 アンドレイの言葉に私達は大きく頷いた。
「ボニファーツ、貴様、何を頷いておるのだ」
 私の横で大きく頷いたボニファーツをアンドレイは怒鳴りつけていた。
「事実ではないか」
「何が事実じゃ。貴様じゃろう。余計な事をしおって」
 何かボニファーツが色々やってくれたらしいことを私は悟った。
 でも、何をしてくれたんだろう?

「ボニファーツがマッドサイエンティストでいろいろなことを考え出す天才なのはご存じでしょう」
「ええ」
 私はアンドレイの言葉に大きく頷いた。
 横でボニファーツも頷いている。

「ただし、こやつの考えることはとてつもなく金のかかることが多いのです」
 確かにそうだろう。ボニファーツの考える兵器は金がかかるのだ。いつも工面するのに四苦八苦している私も大きく頷いた。

「ふん。偉大な物を作るのには金がかかるのは当然じゃ」
 ボニフアーツ1人平然としていた。
「こやつが帝国を去る前に計画した『最終兵器』なる物の予算を聞いて私は目が飛び出ました。何と銀河帝国の国家予算の半分を使うというのです」
「えっ?」
 さすがの私も目を剥いた。
 この巨大な帝国の国家予算の半分ってどんな金額だ。
 私には想像もつかなかった。
 ちょっと待てよ。その兵器ってジュピターに搭載したような気がするんだけど……
 いやいや、待て待て、まだ同じ物と決まった訳ではないし……

「私は『そんな物は作れるか!』と拒否したのです。そうしたらこやつは帝国を出奔してユバス王国に行ってしまいました。陛下はボニファーツの能力は愛しておられましたが、金がかかりすぎるのが難点だと常々申しておられてその当時はボニファーツを遠ざけておられました」
 そこに現れたのが私だったという訳だ。
「そこにユバスに移住したいという申し出があり、陛下も一度は慰留をされましたが、ボニファーツの意志が堅くて仕方なしに認められたのです」
 えっ、ボニファーツって皇帝の寵臣だったんだ……知らなかった。
 私は新事実を知り唖然とした。

「私はあんな金のない国でボニファーツがやっていけるのかととても危惧したのです。でも、人づてに聞くと王女殿下と仲良くやっていると聞いてほっとしていたのです。それが間違いでした」
 アンドレイはぎろりとボニファーツを睨み付けた。

「最終兵器はとてつもなく金食い虫です」
「威力が強大な兵器は仕方があるまい」
「貴様がそれを言うな!」
「偉大な兵器は金を食うのだ」
「食い過ぎだ!」
「その費用を捻出するのが施政者の仕事じゃろうが」
「何を言う。費用対効果が全くペイしないだろうが」
 2人が凄まじい言い合いを始めた。

「ヨーナス、それで費用はどこから捻出したのですか?」
 私は言い合いを始めた2人を無視して青くなっているヨーナスに聞いた。
「それは……」
 ヨーナスが言葉を濁した。
「費用を捻出しようとボニファーツ達はフッセン男爵に目をつけたのです」
 横から喧嘩を止めたアンドレイが教えてくれた。

「そうですね。フッセン男爵は我が領地に銀河法で禁止されている麻薬を蔓延させて、奴隷に落としてそれを帝国貴族に売ったと聞いております。その費用を返してもらったと聞いていますが」
 私はボニファーツ達に言われた通り返事した。

「確かにフッセン男爵はあくどいことに手を出していたのは認めます。我が皇帝陛下も激怒していらっしゃいましたから」
「そうじゃ。悪徳領主から金を巻き上げるのがどこが悪い?」
「はああああ! 巻き上げた金額がでかすぎるだろうが。それも人の名前を使っていろんなところから借金しおってからに」
「大した金額ではあるまい」
「どこが大した金では無いのだ!」
 大声でアンドレイが叫んでいた。

「そのう、どれくらいの額なのですか?」
 私は恐る恐る尋ねた。

「一京帝国ドルです」
「一京ですって!」
 私はアンドレイの言葉に一瞬で気が遠くなったのだった。
 一京は一兆の1万倍だ。

 私は生まれて初めて気絶してしまった。
********************************************
ここまで読んで頂いて有り難うございました。
気絶したセラフィーナ
続きをお楽しみに
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」  テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。  この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。  誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。  しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。  その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。  だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。 「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」 「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」  これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語 2月28日HOTランキング9位! 3月1日HOTランキング6位! 本当にありがとうございます!

「雑草係」と追放された俺、スキル『草むしり』でドラゴンも魔王も引っこ抜く~極めた園芸スキルは、世界樹すら苗木扱いする神の力でした~

eringi
ファンタジー
「たかが雑草を抜くだけのスキルなんて、勇者パーティには不要だ!」 王立アカデミーを首席で卒業したものの、発現したスキルが『草むしり』だった少年・ノエル。 彼は幼馴染の勇者に見下され、パーティから追放されてしまう。 失意のノエルは、人里離れた「魔の森」で静かに暮らすことを決意する。 しかし彼は知らなかった。彼のスキル『草むしり』は、対象を「不要な雑草」と認識すれば、たとえドラゴンであろうと古代兵器であろうと、根こそぎ引っこ抜いて消滅させる即死チートだったのだ。 「あれ? この森の雑草、ずいぶん頑丈だな(ドラゴンを引っこ抜きながら)」 ノエルが庭の手入れをするだけで、Sランク魔物が次々と「除草」され、やがて森は伝説の聖域へと生まれ変わっていく。 その実力に惹かれ、森の精霊(美女)や、亡国の女騎士、魔王の娘までもが彼の「庭」に集まり、いつしかハーレム状態に。 一方、ノエルを追放した勇者たちは、ダンジョンの茨や毒草の処理ができずに進行不能となり、さらにはノエルが密かに「除草」していた強力な魔物たちに囲まれ、絶望の淵に立たされていた。 「ノエル! 戻ってきてくれ!」 「いや、いま家庭菜園が忙しいんで」 これは、ただ庭いじりをしているだけの少年が、無自覚に世界最強に至る物語。

別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

まっど↑きみはる
ファンタジー
「我が宿敵!! あなたに、私の夫となる権利をあげるわ!!」 そう、王国騎士『マルクエン・クライス』は、敵対していた魔剣士の女『ラミッタ・ピラ』にプロポーズを受けのだ。

『ゴミ掃除』が役立たずと追放されたが、実は『存在抹消』級のチートだった。勇者一行がゴミで溺れているが、俺は辺境で美少女と温泉宿を経営中なので

eringi
ファンタジー
「悪いが、お前のスキル『ゴミ掃除』は魔王討伐の役には立たない。クビだ」 勇者パーティの雑用係だったアレクは、戦闘の役に立たないという理由で、ダンジョンの最深部手前で追放されてしまう。 しかし、勇者たちは気づいていなかった。 彼らの装備が常に新品同様だったのも、野営地が快適だったのも、襲い来る高レベルモンスターの死体が跡形もなく消えていたのも、すべてアレクが『掃除』していたからだということに。 アレクのスキルは単なる掃除ではない。対象を空間ごと削り取る『存在抹消』レベルの規格外チートだったのだ。 一人になったアレクは、気ままに生こうと辺境の廃村にたどり着く。 そこでボロボロになっていた伝説のフェンリル(美少女化)を『洗浄』して懐かれたり、呪われたエルフの姫君を『シミ抜き』して救ったりしているうちに、いつの間にかそこは世界最高峰の温泉宿になっていて……? 一方、アレクを失った勇者パーティは、武器は錆びつき、悪臭にまみれ、雑魚モンスターの処理すら追いつかず破滅の一途をたどっていた。 「今さら戻ってきてくれと言われても、俺はお客さん(美少女)の背中を流すのに忙しいんで」 これは、掃除屋の少年が無自覚に最強の座に君臨し、幸せなスローライフを送る物語。

『王都の神童』と呼ばれた俺、職業選定でまさかの【遊び人】三連発で追放される。……が、実は「全職業のスキル」を合算して重ねがけできる唯一のバグ

よっしぃ
ファンタジー
王都で「神童」の名をほしいままにしていた少年、ディラン・アークライト(17歳)。   剣を握れば騎士団長を唸らせ、魔法を学べば賢者を凌駕する。誰もが彼を「次代の勇者」と信じて疑わなかった。  しかし、運命の職業選定で彼が得たのは――【遊び人】。   それも、三つの職業スロットすべてが【遊び人】で埋まるという、前代未聞の怪現象だった。 「期待外れだ」 「国の恥晒しめ」   掌を返した周囲によって、ディランは着の身着のままで街を追放される。  だが、かつて神童と呼ばれた彼の「分析力」は死んでいなかった。 『……Lv1なのに、ステータスが異常に高い? それに経験値が分散せず、すべて加算されている……?』  彼だけが気づいた真実。  それは【遊び人】という名に偽装された、この世界の管理者権限(Free-Hander)であり、全職業のスキルを制限なく使用・強化できるバグ技(デバッグモード)への入り口だったのだ。  これは、理不尽に捨てられた元・神童が、その頭脳とバグ能力で世界を「攻略」し、同じく不遇な扱いを受けていた美少女騎士(中身は脳筋)と共に、誰よりも自由に成り上がる物語。 【著者プロフィール】アルファポリスより『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』を出版、オリコンライトノベル部門18位を記録。本作は2月に2巻刊行予定。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

処理中です...