銀河帝国から脅されたので、逆襲することにしました! 跳ねっ返り王女は帝国の大臣だろうが女帝だろうが関係ありません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
54 / 84

敵機動歩兵軍のブラスター攻撃の前になんとかワープしました

しおりを挟む
 帝国の艦隊の搭載した機動歩兵二十に我が方の機動歩兵二一、数は互角だったが能力は大きく違い、敵は全二十機撃墜、こちらは三機が小破しただけだった。

「ふっふっふっふっ、見なさったか姫様。さすが儂の最新鋭機は帝国の精鋭に対しても無敵でしたぞ」
 帰還した私達を自慢げにボニファーツが艦橋で出迎えてくれた。艦橋にはいつもホログラムで現れるのに、わざわざ自慢するためにやってきたらしい。

「さすがボニファーツが作ってくれたことだけはあるわ」
「そうでしょう、そうでしょう」
 私が褒めるとボニファーツは手放しで嬉しそうにうんうん頷いている。
「しかし、ブラスターは少し重いんですけど、もう少しなんとかなりませんか?」
 アーロンが無謀にも注文をつけた。
「何を言う、小僧! 帝国のブラスターよりも威力が高いから帝国のM103の射程外から攻撃できてほとんど損傷なしで勝てたのじゃぞ。小僧が理解できないのならば、その方にだけ帝国と同じブラスターを持たせようかの?」
「いや、それだけは止めてください。すみません。二度と言いませんから」
 ボニファーツには本当にやりかねないので慌ててアーロンが必死に謝りだした。
「まあ、まあ、ボニファーツ、使っている者の意見も大切よ。私も出来たらブラスターは軽くしてほしいもの」
「うーむ。あれでも軽くしているのですぞ。あれは駆逐艦の主砲並みの威力はありますからな。まあ、今後の参考にいたしましょう」
 難しい顔をしつつボニファーツが説明してくれた。
 何でも帝国の駆逐艦と一対一でやり合っても勝てるのだとか……量産型のマーキュリーでもそうなのだ。下手したらビーナスは巡洋艦とも互角にやり合えるのかもしれない。
 マーキュリーの値段が高いわけだ。
 隣国シネッタ王国の王子のトピアスに売ろうとしたら高すぎると言われたので、マーキュリーの改良版というか、型落ち、能力を落としたのを売りつけたのだ。エンジンとブラスターは帝国とほとんど同じものだから能力は大分落ちるが、それで良いと言ったのでトピアスにはそれを渡した。トピアスには帝国と互角に戦える機動歩兵があれば良いそうだ。周辺諸国への牽制にもなるのだとか。まあ、辺境の小国ならば普通はそれで良いはずだ。我が国にもこのジュピターなんて帝国の国家予算の同等規模の艦なんて本来必要ないはずなんだけど……
 帝国のフッセン男爵に仇討ちするために作りましたと面と向かってボニファーツに言われると何も言えなかったのだ。確かにスージーを殺したフッセン男爵を討てたし……
 まあ、そのお陰で帝国から追われる羽目になったけれど……

 我が艦は今も必死に帝国第一艦隊第六戦隊から逃げているのだ。
「しかし、変ですね。そろそろ帝国の次の艦隊がやってくると思ったんですけど」
 アードルフが言いだしてくれた。
 確かにそれは言える。第一艦隊には後7つ戦隊があったはずだ。
 今はまだ、第二第四第六の三つしか来ていない。
「いや、普通一隻相手に三戦隊も投入しないさ」
 ヨーナスがそれに答えてくれた。
「でも、皇帝陛下に無断で出て来たんだろう。そろそろ怒り来るって追いかけてくる頃じゃ無いのか?」
 不吉なことをアードルフが言ってくれた。確かにあの皇帝ならボニファーツにここまで虚仮にされて黙ってはいないような気がする。

「まあ、でも、今追ってこないということはこの三戦隊だけじゃ無いかな」
「とすると次に来るのはあのド悪ちゃんか」
 私はうんざりした。しつこい。
 でも、私はもう、帝国の戦隊とおっ駆けっこするつもりは無いのだ。

 そろそろ帝国の艦隊もワープ出来るはずだ。
「姫様、どうしますか?」
「予定通り、三段階ワープに入るわ」
「20光年、100光年、10光年ですね」
「そうよ。今回は三回ともジャミングかけるから、判らないと思うけれど」
「油断は禁物ですからな」
 工房に戻ったボニファーツがホログラムで顔を出す。
「もしトレースできても二回目の100光年ワープは帝国の艦隊ではすぐにはついて来れないわよね」
「100光年のワープに耐えられるのは巡洋艦クラスじゃ。帝国の駆逐艦クラスだと100光年のワープするにはエネルギーを貯めるのに24時間くらいかかりますぞ」
 ボニファーツが教えてくれた。
「敵が三戦隊だけなら、この三連続ワープで切り抜けられるはずよ」
「でも、姫様三回のワープに一戦隊ずつついてくれば追いつかれるのでは無いですか?」
 アードルフが聞いてくれた。
「だからもう一つがワープしてくるのを待っているのよ。もう一艦隊がワープしてきたらおいていけるでしょう」
「確かに」
 アードルフが頷いてきた。

「姫様、前方にワープアウトしてきます。距離二万」
「皆、じゃあ行くわよ」
 私が号令をかけた。
「総員三連続ワープに入る。総員準備」
 艦長がインカムを取った。
 全員シートベルトをつける。
「敵、戦艦1巡洋艦2駆逐艦7。第四戦隊です」
「えっ、ド悪ちゃんじゃ無いんだ」
 私は少し驚いた。
「座標合わせよし」
「ワープ1分前」
「敵、搭載機動歩兵発進しました」
 画面ではわらわらと帝国の機動歩兵が戦艦と巡洋艦から発艦してくるのが見える。
「全部で25機確認」
「げっ25機だ」
アーロンが声を上げてくれた。
「何が25機よ。そんなの普通でしょ」
私が言うと
「しかし、25の呪いが」
「アーロン黙れ!」
アードルフが黙らせてくれた。
25機搭載なんて別に普通だ。
私はそう思うことにした。
不吉な25なんておさらばよ!
「大丈夫よ。来るまでにワープ出来るわ」
 私は自分も含めて言い聞かせた。

「敵、急速に接近中です」
「ワープ10秒前」
 そろそろ敵機動歩兵の射程に入る。
「ワープ5秒前」
 敵が次々に射撃体勢に入るのが見えた。
「3」
 やばい!
 一瞬間背筋を冷や汗が流れる。
 機動歩兵のブラスターが青く光るのが見えた。
「ワープ」
 同時にジュピターはワープした。
 周りがホワイトアウトする。

 間に合った!
 私はほっとしたのだった。
************************************************
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
間一髪セーフでした。
続きをお楽しみに!
今日はガンガン更新していこうと思います
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」  テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。  この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。  誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。  しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。  その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。  だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。 「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」 「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」  これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語 2月28日HOTランキング9位! 3月1日HOTランキング6位! 本当にありがとうございます!

「雑草係」と追放された俺、スキル『草むしり』でドラゴンも魔王も引っこ抜く~極めた園芸スキルは、世界樹すら苗木扱いする神の力でした~

eringi
ファンタジー
「たかが雑草を抜くだけのスキルなんて、勇者パーティには不要だ!」 王立アカデミーを首席で卒業したものの、発現したスキルが『草むしり』だった少年・ノエル。 彼は幼馴染の勇者に見下され、パーティから追放されてしまう。 失意のノエルは、人里離れた「魔の森」で静かに暮らすことを決意する。 しかし彼は知らなかった。彼のスキル『草むしり』は、対象を「不要な雑草」と認識すれば、たとえドラゴンであろうと古代兵器であろうと、根こそぎ引っこ抜いて消滅させる即死チートだったのだ。 「あれ? この森の雑草、ずいぶん頑丈だな(ドラゴンを引っこ抜きながら)」 ノエルが庭の手入れをするだけで、Sランク魔物が次々と「除草」され、やがて森は伝説の聖域へと生まれ変わっていく。 その実力に惹かれ、森の精霊(美女)や、亡国の女騎士、魔王の娘までもが彼の「庭」に集まり、いつしかハーレム状態に。 一方、ノエルを追放した勇者たちは、ダンジョンの茨や毒草の処理ができずに進行不能となり、さらにはノエルが密かに「除草」していた強力な魔物たちに囲まれ、絶望の淵に立たされていた。 「ノエル! 戻ってきてくれ!」 「いや、いま家庭菜園が忙しいんで」 これは、ただ庭いじりをしているだけの少年が、無自覚に世界最強に至る物語。

別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

まっど↑きみはる
ファンタジー
「我が宿敵!! あなたに、私の夫となる権利をあげるわ!!」 そう、王国騎士『マルクエン・クライス』は、敵対していた魔剣士の女『ラミッタ・ピラ』にプロポーズを受けのだ。

『ゴミ掃除』が役立たずと追放されたが、実は『存在抹消』級のチートだった。勇者一行がゴミで溺れているが、俺は辺境で美少女と温泉宿を経営中なので

eringi
ファンタジー
「悪いが、お前のスキル『ゴミ掃除』は魔王討伐の役には立たない。クビだ」 勇者パーティの雑用係だったアレクは、戦闘の役に立たないという理由で、ダンジョンの最深部手前で追放されてしまう。 しかし、勇者たちは気づいていなかった。 彼らの装備が常に新品同様だったのも、野営地が快適だったのも、襲い来る高レベルモンスターの死体が跡形もなく消えていたのも、すべてアレクが『掃除』していたからだということに。 アレクのスキルは単なる掃除ではない。対象を空間ごと削り取る『存在抹消』レベルの規格外チートだったのだ。 一人になったアレクは、気ままに生こうと辺境の廃村にたどり着く。 そこでボロボロになっていた伝説のフェンリル(美少女化)を『洗浄』して懐かれたり、呪われたエルフの姫君を『シミ抜き』して救ったりしているうちに、いつの間にかそこは世界最高峰の温泉宿になっていて……? 一方、アレクを失った勇者パーティは、武器は錆びつき、悪臭にまみれ、雑魚モンスターの処理すら追いつかず破滅の一途をたどっていた。 「今さら戻ってきてくれと言われても、俺はお客さん(美少女)の背中を流すのに忙しいんで」 これは、掃除屋の少年が無自覚に最強の座に君臨し、幸せなスローライフを送る物語。

『王都の神童』と呼ばれた俺、職業選定でまさかの【遊び人】三連発で追放される。……が、実は「全職業のスキル」を合算して重ねがけできる唯一のバグ

よっしぃ
ファンタジー
王都で「神童」の名をほしいままにしていた少年、ディラン・アークライト(17歳)。   剣を握れば騎士団長を唸らせ、魔法を学べば賢者を凌駕する。誰もが彼を「次代の勇者」と信じて疑わなかった。  しかし、運命の職業選定で彼が得たのは――【遊び人】。   それも、三つの職業スロットすべてが【遊び人】で埋まるという、前代未聞の怪現象だった。 「期待外れだ」 「国の恥晒しめ」   掌を返した周囲によって、ディランは着の身着のままで街を追放される。  だが、かつて神童と呼ばれた彼の「分析力」は死んでいなかった。 『……Lv1なのに、ステータスが異常に高い? それに経験値が分散せず、すべて加算されている……?』  彼だけが気づいた真実。  それは【遊び人】という名に偽装された、この世界の管理者権限(Free-Hander)であり、全職業のスキルを制限なく使用・強化できるバグ技(デバッグモード)への入り口だったのだ。  これは、理不尽に捨てられた元・神童が、その頭脳とバグ能力で世界を「攻略」し、同じく不遇な扱いを受けていた美少女騎士(中身は脳筋)と共に、誰よりも自由に成り上がる物語。 【著者プロフィール】アルファポリスより『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』を出版、オリコンライトノベル部門18位を記録。本作は2月に2巻刊行予定。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

処理中です...