銀河帝国から脅されたので、逆襲することにしました! 跳ねっ返り王女は帝国の大臣だろうが女帝だろうが関係ありません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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帝国戦隊長視点 ワープ出来ないので自分のプライドを抑えて味方に助けを求めました

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本日3話目です
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「くそう! あの小娘め、俺様の目の前から逃げ出しおるとは絶対に許さん!」
 俺様は血まみれの手を振って地団駄踏んでいると、
「戦隊長。他の戦隊に応援を頼めば良いのではありませんか!」
 副官がふざけた事を言ってくれた。
「貴様! 第一艦隊最強の第二戦隊を率いる俺様が他の戦隊に助けを求めろというのか?」
 俺は血まみれの右手で副官の胸ぐらを掴んで持ち上げた。
「戦隊長、苦しい!」
 喉を押えて副官が叫ぶが、そんなことは構ったことではない。他の戦隊長に助けを求めるなど屈辱以外の何物でもなかった。
「ドワルスキー様!」
 艦長が俺に注意してきた。
 こいつは俺がこの艦の艦長の時の副官で俺とも付き合いが長い。
 こいつに言われたら従うしか無かった。
 仕方なしに、副官を掴んでいた手を離す。
「ギャッ」
 副官が地面に落ちて悲鳴を上げた。

「ドワルスキー様。ここは陛下の要求をはねつけた小国の王女を逃すかどうかの瀬戸際です。プライド云々を言っている場合ではないのではございませんか?」
 艦長に言われて俺は考えた。

 確かに艦長の言う通りだ。
 ここで敵を逃せば陛下の威信に傷がつく。俺個人のプライド云々をいって取り逃がして良い相手では無かった。
 今、この領域で活動している戦隊は第四と第六だ。
「よし、第四戦隊のコンドラートに頼もう」
 奴は俺の士官学校の同期だ。
 丁度近い星域にいたはずだ。

「よう、ドワルスキー、貴様からの連絡など珍しいな。どうしたのだ?」
 久々に見るコンドラートは夜中の連絡にもかかわらず、気さくに通信に出てくれた。
「実はな、コンドラート、陛下の元に召還されたユバスの船が逃げ出したのだ。至急追いかけるのを手伝ってほしいのだが」
「ユバスの船? 帝国の銀行から詐欺で大金をせしめてボニファーツが作り上げた船か?」
「なんだと、あの船はボニファーツの野郎の作った船なのか!」
 俺は今の今まで知らなかった。
 かのボニファーツの奴は俺がアプローチしていたキャロルを横から出て来てかっ攫っていった憎き恋敵だ。あの男が乗っていたのなら、絶対に逃すのでは無かった。

「そんなのも知らんのか? でどうすれば良い?」
「座標を送るからすぐにワープして拿捕してほしい」
「判った。すぐに送ってくれ」
「ああ、頼む。俺もワープ可能になり次第移動する」
 俺は血まみれの右手を握りしめて宣言した。
「じゃあ、行くぞ」
 コンドラードはそう言うとワープして追ってくれた。

 これであのユバスの船も捕まえられるだろう。
 俺は自らの獲物を渡したことが少し悔しかった。出来れば自分で捕まえたかったのだが……特にあのボニファーツの野郎には恨み辛みは色々ある。出来れば殴り飛ばしてやりたかった。まあ、あのユバスの小娘も生意気だし、何がバイバイだ!
 主従揃って生意気な奴らだった。

「閣下、あのユバスの船ですが、もう一度ワープする可能性もございませんか?」
 そんなことを考えているときに艦長が言い出してくれた。
「まさか、常識外れで二回もワープしてくれたのだぞ。三回も出来るわけはなかろう」
「しかし、あのボニファーツ様の船です。常識は通用しないのでは」
 艦長に言われて俺様は考えた。確かにあのボニファーツが金に糸目をつけずに造った船だ。常識外れの能力を持っている可能性もある。
「そうだな。万が一という可能性もある。航行中の全宇宙船にユバスの船を指名手配させろ。第一級手配だ。見つけ次第帝国軍に連絡するようにさせろよ」
「了解しました」
 艦長らが手分けして連絡に入るのを見ながら、これでどこにワープしようが見つけられると俺は安堵した。これが周辺の辺境の地ならいざ知らず、帝国の本星の周りは航行する船も圧倒的に多いのだ。
 例えどこにワープしようが何らかの艦船の近くにワープアウトする可能性は十分にある。
 これで問題は無いだろう。
 俺は安心した。

 そこにコンドラートから亜空間通信が入った。
「どうしたコンドラート?」
 しけた顔のコンドラートに聞くと
「すまん、逃げられた。それも油断していてジャミングされて追い切れなかったのだ」
「貴様らしくもない。なんたることだ」
 俺はそう言いつつも、コンドラートに獲物を捕られずにほっとした。こちらから依頼して、ほっとするのはどうかと思ったが……
「まあ、気にするな。周りを航行する船には緊急手配をかけた。じきに場所は判るだろう」
 俺が余裕を持って答えてやると、
「そうか、貴様らしくなく気が利くではないか」
「俺は気遣いの男なのだよ」
 コンドラートに笑って自慢したが、こちらを微妙な目で見る副官の視線が気になって持っているインカムを投げつけていた。
「ギャッ」
 悲鳴が聞こえたが無視だ。
 俺の侍従が慌てて別のインカムを渡してくれた。

「何か変な音が聞こえたが」
「なあにちょっとインカムをぶつけただけだ」
 頭を押さえてこちらを睨み付ける副官を睨むと慌てて椅子の影に隠れてくれた。
「通報を待つ間に第六戦隊にも声をかけておくぞ。こちらも次のワープまで少し時間がかかるからな」
 そう言われた俺は頷くしか出来なかった。
 第六戦隊のルキヤノヴィチとはあまり親しくなかったが、仕方がなかった。何しろ俺様はすぐにはワープできないのだから。

 貨物船クォーター号から通報があって第六戦隊が向かったと聞いて俺様は獲物が捕られた気分だった。
 いくらユバスの船が金をかけた船でも一個戦隊に勝てるわけはないと思っていたのだ。
 まさか、第六戦隊の機動歩兵が壊滅させられてユバスの船が逃げ切れるとは思ってもいなかったのだ。
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ここまで読んで頂いて有り難うございます。
衝突までいきませんでした。
すみません。
次こそ激突です

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