銀河帝国から脅されたので、逆襲することにしました! 跳ねっ返り王女は帝国の大臣だろうが女帝だろうが関係ありません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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初代ユバス王国国王視点 暗黒流の中を惑星ユバス目指しました

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「くっそう! あいつらこんなぼろ船に乗せやがって!
 こんなエンジンの出力もろくに出ない船じゃあ、ユバスなんて星にたどり着けるつける訳は無いだろう! その手前の暗黒流に巻き込まれて死ぬのが落ちだろうが!」
 俺は暗黒流に巻き込まれた船の操縦桿を握って叫んでいた。
「そう言うなアレクシス! 必ずユバスに着くさ」
 俺達のグループのリーダーのトーマスが自信ありげに言ってくれたけれど、俺はこいつがどうしたらそんなに自信満々なのか理解できなかった。
「あああ、なんでクリスマスイブなんかにこんな所に来なければいけないんだか」
 機関士のボブが呟いてくれたが、本当にそうだ。

 俺の名前はアレクシス。しがないパイロットだ。
 我が家の祖父は人類がワープ機関を開発して太陽系外の宇宙に進出したときに、一攫千金を狙って宇宙に飛び出した。しかし、世の中そんな上手く行く訳はない。
 一部の大金持ちが、大金をかけて調査団を組織して宇宙に探索に乗り出して人類の居住可能惑星を見つけて、自ら開発してそこの所有者となって居住者を大々的に募集して成功していた。
 しかし、個人の冒険者はそこまで行くまでに、多くの場合は途中で挫折するか、宇宙空間の事故に巻き込まれて死んでいくかどちらかだった。

 祖父も途中で挫折して雇われのしがない船員になっていた。
 俺の父は最初から雇われパイロットだった。

 俺はそれが嫌で、必死に働いて自分の船を持つと宇宙の冒険に乗り出したのだ。
 しかし、宇宙には危険は多々あり、船が故障して、その修理代がかさみ、あっという間に貯めていた金が尽きた。
 俺は止めれば良いのに金策に帝国のカジノに手を出して、自分では到底返せない借金まみれになったのだ。本当に馬鹿なことをしたものだ。

 カジノの強面の男達がやってきて、一生涯鉱山で炭鉱夫として働くか、暗黒雲の中にあると言われている惑星ユバスの探検船の船員となって探索に行くか好きな方を選べと言われて、俺は当然探検船の船員になったのだ。

 惑星ユバスの事は俺も噂に聞いたことがあった。暗黒雲に中に、太陽系があって、その中の惑星ユバスが人が居住可能なんだそうだ。
 もっとも、初期の大進出時代に探検家ユバスが暗黒雲の中に入いり、そこに人類の住める惑星があると発表したのだが、もう一度確認のために暗黒雲の中に引き返したユバス一行は二度と戻って来なかったそうだ。
 以来、その幻の惑星は行方不明になった探検家ユバスの名前を取って惑星ユバスと名付けられていたが、その惑星を探すために暗黒流渦巻く暗黒雲の中に入って無事に帰ってきた探検者は誰独り居なかった。

 帝国も幾度となく、探検隊を結成して送り込んでいるのだが、未だに中に入れた者は無く、最近では探検隊に応募する者もほとんどいなくなっており、窮余の策としてこのたびは犯罪者を集めて行かすことにしたのだ。
 まあ、犯罪者といつても大半は俺のような借金まみれの船員や政府や企業の金を横領した軽犯罪者だったが……さすがに殺人などの凶悪犯罪者はいなかった。

 そんな犯罪者の中で隊長のトーマスだけはやけに見目麗しく着ている服装も立派で経歴もまともな男だった。このユバス探索に生涯をかけていて、かつて一度暗黒雲の中には入れそうになって逆流に飲み込まれて戻された事があったそうだ。

 死ななかったのがめっけものだったが、もう一度挑戦しようとする精神が異常だと思った。
 何でも、大半の暗黒流は暗黒雲に沿って流れているだけなのだが、その中で一部暗黒雲内に引き込まれる流れがあってそれに乗れれば中に入れるとのことだった。

 しかし、その流れに乗ろうにもこの船のエンジンの出力は弱すぎたし、船の外壁も柔すぎた。
 まあ、俺達はこの暗黒雲の中に入れない限り、解放されることはないのだ。

 ただし、ここでおだぶつになるよりは鉱山で一生涯働かされる方が良かったかもしれないと俺は後悔していた。
 宇宙船が木の葉のように暗黒流の流れに振り回される。
 俺は宇宙船の姿勢を維持するのに精一杯だった。

「見えたぞ、アレクシス、あの流れだ」
 トーマスが指さした先に回転する流れに反して中心部に吸い込まれるように動いている流れが見えた。
「しかし、トーマス、あそこまでどうやって行くんだ?」
 俺はそこまでこの船を制御できる自信がなかった。
 何しろ船は今にも空中分解されそうなのだ。流れに翻弄されてギシギシ船の外壁がきしんでいた。

「もう少し右に寄せろ!」
「右にか」
 俺は仕方なしに、バーニアをふかした。

 ビシ!
 大きな音がした。
 俺はひやりとした。
 外壁はなんとかもっていた。
 でも、このままでは空中分解するのが時間の問題だ。

「おい、離脱しろ。このままじゃやばいぞ」
 他の乗組員達が叫んだできたが、
「アレクシス、あと少しだ。行くんだ」
 俺は悩んだ。戻ってもこの探検船でもう一度やらされるだろう。
 そうすればここまで来れるかどうかも判らなかった。
 ここまでは入れただけで奇跡なのだ。
 折角だ、ここまで来れたのならば一か八か行くしかない。
 俺は思いっきりバーニアを噴かせた。

 すると、どうしたことか、船は急激に回転して中に吸い込まれるように動き出したのだ。
「いけたぞ」
俺が喜んで叫ぶと
「おい、空中分解するぞ」
「皆、どこかにつかまっていろ」
 グアーーーーン
 大音響と共に船の構造体が悲鳴を上げた。
「ギャーーーー」
 次の瞬間船は空中分解していたのだ。
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