銀河帝国から脅されたので、逆襲することにしました! 跳ねっ返り王女は帝国の大臣だろうが女帝だろうが関係ありません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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決戦前に今にも沈みそうな最新鋭艦が今回の作戦の肝だと教えられてとても不安に感じました

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「姫様、帝国第一艦隊が本星キエフを出撃したとの報告が入ってきました」
 ヨーナズか私の所に来て報告してくれた。
 私は珍しく自分の執務室にいて、立体テレビを見ていた。
「それは今もテレビでやっているわよ」
 銀河帝国ネットワークがその映像を全銀河に流していたのだ。
 私はイヤホンを外した。
 テレビから音が流れてきた。

「帝国の皆さん、こんにちわ。こちらは銀河帝国ネットワークです。今帝国第一艦隊がゆっくりと宇宙港を出撃しました」
 帝国の旗艦マーズが真っ赤な船体を恒星の光にきらめかせながらゆっくりと飛び上がる。
「皇帝陛下万歳!」
「「「皇帝陛下万歳!」」」
「万歳!」
「「「万歳!」」」
「万歳!」
「「「万歳!」」」
 さすが、帝国、群臣を集めて派手にやってくれていた。動員された群衆も大変だろうなと他人事宜しく見ていた。

「今回の遠征は銀河帝国の精鋭、百戦百勝中の帝国第一艦隊です。今映っている皇帝陛下が座乗されている旗艦戦艦ネプチューンを中心に戦艦9空母1巡洋艦21駆逐艦84隻、輸送艦10隻もの大艦隊です」
 私はそれを聞いて頭が痛くなった。
「搭載機動歩兵は公表されてはいませんが、推定325機だと推定されます」
 更にそれを聞いて私は頭を抱えしまった。

 我が軍は基本は私のジュピター1隻と国王座乗船の巡洋艦1隻。駆逐艦2隻だ。
 機動歩兵に至っては旧式も全て集めても100機に満たなかった。
 なんとか増産してマーキュリーが25機になったが、後は私のビーナスを除くと大半は銀河大戦の時の旧式だ。到底勝てそうになかった。何故25なのか聞いたら、姫様の奇跡を祈願して25にしたのだとか……
25は呪いではなかったのか?
「皇帝に対する呪いですな」
ボニファーツは訳のわからないことを言ってくれたけど……
まあ、元々勝ち目の薄い戦いだ。縁起を担いで勝てれば良いだろう!
でも25が縁起なのか?
とても疑問が残るところだったけれど。
まあ、第六戦隊の25機には勝てたので、縁起ものと言えないことはなかった。

「さて久しぶりの皇帝陛下の親征ですが、今回の敵は遙か1000光年離れた辺境の小国ユバス王国だそうです」
「また遠いですね」
「そうなんですよ。解説のカネヤマさん。何でもそこの世間知らずの王女が皇帝陛下の御不興を買ったそうです。陛下は激怒されてその王女に礼儀作法を一から教えてやると親征を決断なされたとか」
「なるほど、人騒がせな王女ですな。それに鉄槌を下される皇帝陛下も大変ですな」
「本当に」
「でも、そのような辺境の小国に無敵の第一艦隊に対抗できる戦力があるのですか?」
解説のカネヤマが聞いていた。
「何でもちっぽけな巡洋艦が1隻あるだけだそうですよ」
「ちっぽけな巡洋艦って言うな!」
私はアナウンサーに怒ったが、当然向こうには伝わらない。
「そんな戦力で無敵の第一艦隊に対抗できるんですか?」
「どうでしょう。中々難しいのではないでしょうか?」
「そうでしょうね。まあ、世間知らずの王女も我が帝国が無敵の第一艦隊を出撃されるとは予想だにしていなかったんではないですか?」
「そうみたいですよ。何でも部屋に籠もって震えているとの情報が入ってきましたから」
「覆水盆に戻らず、後悔先に立たずですな」
 解説の親父とアナウンサーが好きに言って笑ってくれたんだけど……
「誰が部屋で一人で震えているのよ!」
ガチャ
 私はむかついたので、立体テレビを切っていた。

「ヨーナス、私が震えているなんてデマ流したのもあなたでしょう! どういうつもりよ!」
 私がむっとしてヨーナスを睨み付けた。私は敵戦力の多さに嫌になっていたが、別に震えてなんかいないんだけど……

「まあまあ、姫様、敵を侮らすのは兵法の基本です。ここは勝つために我慢してください」
 何でもないことのようにヨーナスは言ってくれたが、私は何か納得いかなかった。

「我慢するにも限界があるわよ、ヨーナス! でどうやって帝国に勝つというの? そろそろ作戦を教えてくれても良いんじゃない?」
 私がいい加減に堪忍袋が切れてきた。
「判りました。では姫様をこれから今回の作戦の肝の最新鋭艦『セラフィーナ丸』にご案内いたしますね」
 ヨーナスがそう言うや、キザっぽく私に手を差し出してくれた。
「ちょっと待ってよ。何よその『セラフィーナ丸』って。勝手に私の名前を使わないでよね」
 私が文句を言うと、
「それは現物を見てから言って下さい。姫様が驚かれるのは確実ですから」
 自信満々にヨーナスが言ってくれるんだけど……我が国には新規で船を作る余裕もないはずだし、ましな中古艦でも格安でどこから手に入れたんだろうか?

 私はヨーナスの顔と手を見比べて、仕方なしに取りあえずその手を取った。

 ヨーナスは私をエスコートして車に乗せるとポルヴィ工業の第25番ドッグに連れて行ってしてくれた。まあ、このドッグが25というのもあれだけど、それは昔からだから仕方がない。これもボニファーツによると縁起物だそうだ。
 ポルヴィ工業の第25番ドッグは宇宙船の建造ドッグで我が国では一番大きいドックだ。ここでジュピターが造られたので、私も懐かしい所だった。昔はワクワクしてここに通ったことを思い出していた。
 このドッグにあると言うことは最新鋭艦なんだろうか? でも、新鋭艦を造るなんて話は聞いたこともなかった。それに、そんな金なんてなかったと思っていたのだが……

 私は訝しげにヨーナスを見た。
「さっ、姫様どうぞ」
 私は言われるままに25番ドッグに入った。

「えっ」
 でも、私は中に入って唖然とした。
 そこにはどこにもきれいな新鋭艦なんてなかった。

 中には真っ黒の所々傷ついた古ぼけた宇宙船が横たわっていた。
 300メートルクラスの貨物船だ。
 長い間現役にあったのかボロボロで所々すす汚れていた。

「ヨーナス。最新鋭艦なんてどこにあるのよ!」
「姫様の目の前にある船が最新鋭艦『セラフィーナ丸』です」
私のとげのある文句にヨーナスが真面目な顔で紹介してくれたのだ。
このボロボロの宇宙船が最新鋭艦な訳はなかった。
ふざけるな! と私は叫びそうになった。

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ここまで読んで頂いて有り難うございました。
お待ちかね
次回から決戦です
もう一話更新予定です
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