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第二章 愛娘との幸せな生活を邪魔することは許しません
マーマ王国元第二王子は悲しみを抱えて地上に帰っていました
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一方オードリーが天国にいると思っていたアルヴィンはシャラの作った村にいた。
温厚な父王の元、二男の彼も温厚で、戦には全く関与もしていなかった。その彼が何故無限地獄に居てシャラの脱獄について地上に出てきたのか。
その無限地獄に落とされた理由を聞いてシャラは開いた口が塞がら無かった。
国のために侵攻してきたノルディン族を1万人に対して自爆攻撃をかけて殺したシャラが地獄に落とされたのですらシャラは憤っていた。
国の無辜の民を守るために自爆したのに、無限地獄に叩き落されたことは未だに許せないと思っているシャラだ。天国で贅沢三昧と言わずとも、せめてもう少し待遇がマジテも良いではないか、と思っているシャラだ。
そのアルブィンの無限地獄に落とされた理由が、戦争に将来的に使われて何万人も殺されることになる爆薬を開発したことだと聞いたのだ。
彼本人はトンネルの爆破とか道を切り開くための爆破のために開発したのに、それを将来的に戦争で使われるものを開発したから無限地獄に落とすなんて、閻魔は舐めているのかと。
刑を諦めて受けようとしていたアルヴィンを強引に仲間に引き入れたシャラだった。
そんな理不尽なことは許さんとアルヴィンの身柄引き渡しを求めてきた鬼どもを蹂躙しつつシャラは笑って言ったのだ。
今回の脱獄にも地獄の火の山を研究していたアルヴィンを強引に連れ出したシャラだった。
「しかし、ひどい目にあったな。アルヴィン。平和利用のために開発した発明品を戦争利用されて、人が殺されるからとかいう閻魔トンデモ理論に巻き込まれて」
チェレンチーが同情していった。
「まあ、なんでも、他世界では原子力爆弾なんて大量破壊兵器の理論を考えただけで無限地獄に送られた人もいるくらいだから」
「それは兵器を作ったから仕方がないだろう」
「でも、科学の発展のために考えただけかもしれないよ」
「まあな、それの使用を命令した国のトップが無限地獄に落とされるのは当然だと思うが、理論を考えただけのものが落とされるのもどうかとは思うよな」
科学者も大変だなとチェレンチーも思った。
「それよりも、アルヴィン良いのか。奥さんのことは。姉御に頼めば即座に取り返せるぞ」
チェレンチーがアルヴィンに言った。
「そうだ、アルヴィン。貴様が望めば王位に返り咲く事も簡単に出来るぞ」
横でステバンも言う。何しろシャラは地上最強の魔導戦士なのだ。マーマ王国軍などいくらいきり立った所で、一撃だろう。親や自分の仇もシャラなら即座にうってくれるはずだ。
「二人共ありがとう。でも、姉御のお力に頼るのは良くないと思うんだ。それに、もう、簒奪から10年も経っているし、今更僕が蘇ったって言っても民にもオードリーには迷惑なだけだよ」
アルヴィンは首を振った。
「そうか。貴様の父王は温厚な名君だったんだろう。民にとっては侵略大王は迷惑なだけだと思うがな」
「侵略国家のノルディン族の王子が言うなよ」
チェレンチーが呆れていった。
「今は違う。姉御の忠実な下僕だ」
ステバンが言った。
「お前のことを待つているかもしれないぞ」
ステバンの言葉を無視してチェレンチーは言った。
「それはないよ。もう、残虐王の子供も生んでいるし、僕が生きて帰ってきたなんて迷惑なだけさ」
諦めてアルヴィンは言った。
「でも、残虐王は、今回も何をトチ狂ったか姉御に降伏勧告なんて送ってくるくらいの馬鹿だぜ。絶対に姉御の怒りをかって下手したら王都もろとも消滅させられるぞ。その前に助けるなら助けたほうが良いんじゃないか」
「ありがとう。チェレンチー。でもそれは難しいと思う」
寂しそうにアルヴィンは首を振った。
「そうか。気が変わったら即座に言ってくれよ。俺らも手を貸すから」
立ち去ろうとするアルヴィンの後ろ姿にチェレンターは言葉を投げかけた。
しかし、アルヴィンはそれに対して答えなかった。
オードリーは美しい、伯爵令嬢だった。アルヴィンは学園で初めて彼女を見た時に、一目惚れした。しかし、アルヴィンがいくら王族だろうと、地味で話すのが下手な彼では到底手が届かないと思っていた。
当時アルヴィンは学園の研究生で化学薬品の研究をしていた。そして、教授の命令で1学年の化学の先生に任命されたのだ。そこで知り合ったのが、彼女だった。
彼女は熱心な生徒でもあり、授業ではよく質問してきた。
でもそれは熱心な先生と生徒の関係でしか無かった。
それが王宮のパーティーで偶然会って、それから親密になって結婚するに至ったのだった。
二人は幸せだった。
キャメロンが反逆するまでは・・・・・
アルヴィンの時はその時から止まっていた。
「殿下大変です。王弟殿下が反逆されました」
学園の研究室にこもっていたアルヴィンのもとに騎士が飛び込んで来たのだ。
「何だと」
アルヴィンには信じられなかった。あの父従順なおじが反逆するなど信じられなかった。
「陛下はキャメロンに殺されました。直ちにお逃げください」
騎士が慌てて言う。
「妃は、オードリーはどうした」
「王宮は制圧されました。おそらく捕まったかと。殿下は取り急ぎお逃げください」
騎士に急かされて、オードリーの事は気になっていたが、取り急ぎ学園外の王都に潜伏しようとした。
しかし、翌日、そのオードリーが磔にされようとしたのだ。第二王子が現れないならその妻を処刑すると。
その掲示をみたアルヴインは、何も考えられずに出頭した。
そして、捕らえられたアルヴィンは牢に入れられた。
そして、その夜、オードリーはキャメロンに引っ立てられるようにして、面会につれてこられた。
その顔は蒼白だった。
キャメロンに何か言われてオードリーは
「それだけはおやめください」
と必至に頼んでいた。しかし・・・
「止めろーーーーー」
自分の大声でアルヴインは飛び起きた。
凄まじい寝汗をかいていた。息が荒い。
アルヴィンは頭を抱えた。
その時何が起こったかはアルヴィンには記憶から欠落していた。
しかし、アルヴィンの目からは涙が止めどもなく流れていた。
頭を抱えたまま、アルヴィンは起床時間まで固まっていた。
******************************************************
キャメロン・マーマは鬼畜です。
アルヴィンの一家はオードリー以外は女子供も惨殺されました。
いくら地上に帰還したと言ってもアルヴインには仕返しする力も悪巧みする力もありません。
しかし、今回は後ろには曲がったことの大嫌いな史上最強のシャラが控えています。
続編 乞うご期待 本日は後2話更新予定です。
温厚な父王の元、二男の彼も温厚で、戦には全く関与もしていなかった。その彼が何故無限地獄に居てシャラの脱獄について地上に出てきたのか。
その無限地獄に落とされた理由を聞いてシャラは開いた口が塞がら無かった。
国のために侵攻してきたノルディン族を1万人に対して自爆攻撃をかけて殺したシャラが地獄に落とされたのですらシャラは憤っていた。
国の無辜の民を守るために自爆したのに、無限地獄に叩き落されたことは未だに許せないと思っているシャラだ。天国で贅沢三昧と言わずとも、せめてもう少し待遇がマジテも良いではないか、と思っているシャラだ。
そのアルブィンの無限地獄に落とされた理由が、戦争に将来的に使われて何万人も殺されることになる爆薬を開発したことだと聞いたのだ。
彼本人はトンネルの爆破とか道を切り開くための爆破のために開発したのに、それを将来的に戦争で使われるものを開発したから無限地獄に落とすなんて、閻魔は舐めているのかと。
刑を諦めて受けようとしていたアルヴィンを強引に仲間に引き入れたシャラだった。
そんな理不尽なことは許さんとアルヴィンの身柄引き渡しを求めてきた鬼どもを蹂躙しつつシャラは笑って言ったのだ。
今回の脱獄にも地獄の火の山を研究していたアルヴィンを強引に連れ出したシャラだった。
「しかし、ひどい目にあったな。アルヴィン。平和利用のために開発した発明品を戦争利用されて、人が殺されるからとかいう閻魔トンデモ理論に巻き込まれて」
チェレンチーが同情していった。
「まあ、なんでも、他世界では原子力爆弾なんて大量破壊兵器の理論を考えただけで無限地獄に送られた人もいるくらいだから」
「それは兵器を作ったから仕方がないだろう」
「でも、科学の発展のために考えただけかもしれないよ」
「まあな、それの使用を命令した国のトップが無限地獄に落とされるのは当然だと思うが、理論を考えただけのものが落とされるのもどうかとは思うよな」
科学者も大変だなとチェレンチーも思った。
「それよりも、アルヴィン良いのか。奥さんのことは。姉御に頼めば即座に取り返せるぞ」
チェレンチーがアルヴィンに言った。
「そうだ、アルヴィン。貴様が望めば王位に返り咲く事も簡単に出来るぞ」
横でステバンも言う。何しろシャラは地上最強の魔導戦士なのだ。マーマ王国軍などいくらいきり立った所で、一撃だろう。親や自分の仇もシャラなら即座にうってくれるはずだ。
「二人共ありがとう。でも、姉御のお力に頼るのは良くないと思うんだ。それに、もう、簒奪から10年も経っているし、今更僕が蘇ったって言っても民にもオードリーには迷惑なだけだよ」
アルヴィンは首を振った。
「そうか。貴様の父王は温厚な名君だったんだろう。民にとっては侵略大王は迷惑なだけだと思うがな」
「侵略国家のノルディン族の王子が言うなよ」
チェレンチーが呆れていった。
「今は違う。姉御の忠実な下僕だ」
ステバンが言った。
「お前のことを待つているかもしれないぞ」
ステバンの言葉を無視してチェレンチーは言った。
「それはないよ。もう、残虐王の子供も生んでいるし、僕が生きて帰ってきたなんて迷惑なだけさ」
諦めてアルヴィンは言った。
「でも、残虐王は、今回も何をトチ狂ったか姉御に降伏勧告なんて送ってくるくらいの馬鹿だぜ。絶対に姉御の怒りをかって下手したら王都もろとも消滅させられるぞ。その前に助けるなら助けたほうが良いんじゃないか」
「ありがとう。チェレンチー。でもそれは難しいと思う」
寂しそうにアルヴィンは首を振った。
「そうか。気が変わったら即座に言ってくれよ。俺らも手を貸すから」
立ち去ろうとするアルヴィンの後ろ姿にチェレンターは言葉を投げかけた。
しかし、アルヴィンはそれに対して答えなかった。
オードリーは美しい、伯爵令嬢だった。アルヴィンは学園で初めて彼女を見た時に、一目惚れした。しかし、アルヴィンがいくら王族だろうと、地味で話すのが下手な彼では到底手が届かないと思っていた。
当時アルヴィンは学園の研究生で化学薬品の研究をしていた。そして、教授の命令で1学年の化学の先生に任命されたのだ。そこで知り合ったのが、彼女だった。
彼女は熱心な生徒でもあり、授業ではよく質問してきた。
でもそれは熱心な先生と生徒の関係でしか無かった。
それが王宮のパーティーで偶然会って、それから親密になって結婚するに至ったのだった。
二人は幸せだった。
キャメロンが反逆するまでは・・・・・
アルヴィンの時はその時から止まっていた。
「殿下大変です。王弟殿下が反逆されました」
学園の研究室にこもっていたアルヴィンのもとに騎士が飛び込んで来たのだ。
「何だと」
アルヴィンには信じられなかった。あの父従順なおじが反逆するなど信じられなかった。
「陛下はキャメロンに殺されました。直ちにお逃げください」
騎士が慌てて言う。
「妃は、オードリーはどうした」
「王宮は制圧されました。おそらく捕まったかと。殿下は取り急ぎお逃げください」
騎士に急かされて、オードリーの事は気になっていたが、取り急ぎ学園外の王都に潜伏しようとした。
しかし、翌日、そのオードリーが磔にされようとしたのだ。第二王子が現れないならその妻を処刑すると。
その掲示をみたアルヴインは、何も考えられずに出頭した。
そして、捕らえられたアルヴィンは牢に入れられた。
そして、その夜、オードリーはキャメロンに引っ立てられるようにして、面会につれてこられた。
その顔は蒼白だった。
キャメロンに何か言われてオードリーは
「それだけはおやめください」
と必至に頼んでいた。しかし・・・
「止めろーーーーー」
自分の大声でアルヴインは飛び起きた。
凄まじい寝汗をかいていた。息が荒い。
アルヴィンは頭を抱えた。
その時何が起こったかはアルヴィンには記憶から欠落していた。
しかし、アルヴィンの目からは涙が止めどもなく流れていた。
頭を抱えたまま、アルヴィンは起床時間まで固まっていた。
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キャメロン・マーマは鬼畜です。
アルヴィンの一家はオードリー以外は女子供も惨殺されました。
いくら地上に帰還したと言ってもアルヴインには仕返しする力も悪巧みする力もありません。
しかし、今回は後ろには曲がったことの大嫌いな史上最強のシャラが控えています。
続編 乞うご期待 本日は後2話更新予定です。
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