夢の世界からの転校生

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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来なくてもいいのにもう一人の文武両道の転校生までやってきました

一方の翔太は応接室で端に座って皆を待っていた。

そこに何故か上野がまどかを案内してきたのだ。

「お邪魔します」
そう言うとまどかは何故か翔太の真横に座ってくれた。

その横に当然のごとく上野が座ってくれるんだけど、なんで真横になるんだよと上野を睨みつけたが、上野は全く無視だ。

「へええ」
部屋の中をまどかは見渡した。

「結構古いだろう。母さんが小さい時から住んでいるって言うからもう何十年も建っているんだ」
少し恥ずかしくなって翔太が言うと、

「ううん、何かとても懐かしい感じ。特にこの机とか懐かしい」
まどかが久しぶりにその机を見たように言った。

「懐かしいって朝倉さん、昔,翔太の家に来た事あるみたいやん」
上野が突っ込んだ。

「えっ、あっ違って、以前住んでいた家にあったのとこの机が似ていて」
まどかが言い訳した。

「そうなんだ」
まどかの説明に何か納得できずに翔太は首をかしげた。

「それよりも、朝倉さんはどこが判らへんの?」
上野が聞いていた。

「ああ、あのね、数学のここの問題なんだけど」
まどかは上野を無視して翔太に問題集を広げて見せてきた。

「ああ、ここは難しいよね」
翔太の前に勝手に座った莉子も頷く。

「ああ、その問題な。確かに難しいよな」
上野が判ったように頷いた。

「上野君には聞いていないから。どのみちわからないんでしょ」
莉子はにべもない。

「何言ってんねん。俺もこの答えは判ったぞ」
「じゃあ、何故、こうなるの?」
「いや、それはだな……」
上野が適当にごまかそうとするので

「接点がいくつあるかで判別式で分けて条件付けるんだよ」
横から翔太が言った。
「そうそう」
「上野君全然判っていないでしょ」
莉子が突っ込んだ。
「ちょっとややこしいところだから黙っていて」
莉子にきつく言われて流石に上野も黙った。

莉子は翔太のその後の説明で大分判ったみたいだが、まどかは前の高校ではこの単元はなかったみたいで、翔太は一からまどかに教えだした。

「翔太君、これがわかるって凄いじゃない」
翔太がきっちりと説明したらまどかが感動していった。

そう言うまどかはパーソナルスペースが近いのか、もうほとんど翔太にくっついていて、さすがの翔太も赤くなっていた。
「そうかな?」
少しにやけて翔太が応じる。

「だって、皆はほとんど判らないんだよ。そんな中でこの問題が私に説明出来るなんてすごいよ」
まどかは両手を上げて翔太を褒め称える。
翔太の方は、そこまで褒められた事などほとんど無かったので、悪い気はしなかった。
斜め向かいで一人で問題を解いている結衣は何故か機嫌が悪かったが……

何故数学を教えてもらうのに翔太にそんなにくっつく必要があるのよ!
結衣の頭の中は完全にプッツンモードだった。

結衣はノートに書いている振りをして全然進んでいなかった。

「そうか、俺も少しはわかるぞ」
珍しく標準語になりかけている上野も、機嫌が悪い。
まどかの隣に座って、何とか、翔太との間を邪魔しようとしたが、さすがのずうずうしい上野もまどかには全く相手にされていなかった。

「あの二人、いい感じね」
莉子が横で怒っている結衣にボソリと言う。

「何よ。少し褒められたからってでれでれしちゃって」
結衣の声はとげとげしい。

「あら、結衣、妹でも、妬いてるの?」
莉子の声に
「何言ってるのよ。私は姉」
きっとして結衣が言う。

「はいはい」
有紀がいなす。

「私も翔太君にもっと教えてもらおうかな」
「どうぞどうぞ、御自由に」
「冗談だって、結衣」
慌てて有紀は引っ込める。
これ以上結衣を切れさすのも考え物だ。


と、そこへまたも、チャイムの音がした。

今度は誰だろう?
母の話す声がして、母が連れてきたのは想像もしない人物だった。

「堀田君!」
女性陣の全員が、少なくともまどか以外の女性陣は色めきたったのだった。
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