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転校生がいきなり休みました
その日は珍しく、翔太と結衣は自転車で一緒に高校に行く事にした。
そんな事は今までになかった。
「あれっ、自転車の鍵が開かない?」
結衣が自分の自転車の鍵をガチャガチャ触りながら言ってきた。
「えっ! 見てやろうか?」
驚いて翔太が聞くが、
「大丈夫よ。下手に翔太が触ると壊れるから」
「でも、どうするんだよ」
結衣の言葉に少しムッとして翔太が聞いたら、
「歩いていくわ」
結衣が笑って答えた。
「でも、歩いていたら間に合わないだろう?」
そう言いながら、翔太は逡巡した。
「取り敢えず乗れよ」
自分の自転車の後ろを指す。
「えっ、良いの?」
驚いて結衣が聞いた。
「いいも、悪いも時間がないだろう?」
「有難う」
結衣が翔太の自転車の後ろに横座りすると、
「時間がないから、全力で漕ぐからな」
翔太は振り返ってそう言うと、結衣を後ろに乗せて勢いよく走り出した。
「きゃっ」
落ちそうになって慌てて結衣がぐっと後ろから翔太に抱きつく。
背中に柔らかいものがあたって、結衣も大人になりつつあるのが翔太にも判った。
「しかし、重いよな」
翔太が何気なく言うと、
「なに言ってるのよ。私は体重は50キロも無いんだから軽いわよ」
向きになって結衣が言う。
「いや、そう言う意味でなくて、坂だから、2人分は重いんだよ」
城の山高校は名の通り山の上にあったのだ。
往路は翔太らの家からは大半が登りなのだ。
一人でも大変なのに結衣も乗せて登るのは本当に大変だった。
「ああ、そう言うこと? まあ、ここの坂はきついわよね。翔太、大丈夫?」
「ああ、なんとか頑張るよ」
翔太は山岳部なのだ。必死に漕いで、坂を登っていく。
「翔太、頑張ってね!」
後ろから結衣に言われて、翔太は必死に頑張った。
なんとか学校に着いた時は、もう汗だくだった。
「翔太、有り難う」
そう言う結衣に翔太は自転車の鍵を差し出した。
「えっ?」
「帰りは足がないだろう。俺のを使って帰れよ」
「翔太はどうするのよ?」
「男はトレーニングだと思って歩いて帰れば良いんだよ」
「えっ、でも」
「構わないから」
キンコンカーンコン
予鈴がなり始めた。
結衣は翔太と自転車を交互に眺めたが、
「判った。翔太、有り難う」
翔太の自転車の鍵を借りて、結衣が教室に向かう。
翔太も慌てて自分の教室に向かった。
少し、早めに家を出たつもりが結構ギリギリになっていた。
教室に滑り込むと、
「遅いぞ」
後ろの上野が声を駆けてきた。
「悪い。ちょっと自転車の調子が悪くって」
そう言いながら、まどかの席を見るとまどかはまだ来ていなかった。
あれ、おかしいな。いつもはもっと早いのに。
翔太は少し戸惑った。
「あっ、翔太君、昨日、朝倉さんと二人乗りしていたんだって」
その翔太の視線上にいた、席が傍の莉子が話してきた。
「な、何だと、翔太。それは本当か!」
上野が驚いて後ろから身を乗り出して聞いていた。
「はい、皆さん。ホームルームの時間ですよ。席について」
そこへ担任が入ってきたのだ。
「後でちゃんと話してもらうからな」
上野はむっとして翔太に言ってきた。
なんで、まどかはいないんだろう?
翔太は気になったが、電話番号とかLINEを交換していないのに気づいた。
番号を知らないと連絡のしようもない。
ホームルームの時間にまどかはやってこなかった。
昨日は元気だったのに、どうしたんだろう?
多少の遅刻はよくあることだと翔太は思おうとした。
授業が始まってもまどかはやってこなかったのだ。
次の英語の授業で翔太はまどかのことが気になって集中できず、英語の嫌味にまた散々虐められた。
また、その翔太の後を継いで堀田が褒められるのか?
翔太がそう思ったが、いつもは虐められた翔太の後に当てられる堀田までいないことに翔太は初めて気付いた。
あの二人が揃っていなくなるなんておかしい。
だんだん翔太は不安になってきた。
お昼休みになっても二人は学校に現れなかったのだ。
そんな事は今までになかった。
「あれっ、自転車の鍵が開かない?」
結衣が自分の自転車の鍵をガチャガチャ触りながら言ってきた。
「えっ! 見てやろうか?」
驚いて翔太が聞くが、
「大丈夫よ。下手に翔太が触ると壊れるから」
「でも、どうするんだよ」
結衣の言葉に少しムッとして翔太が聞いたら、
「歩いていくわ」
結衣が笑って答えた。
「でも、歩いていたら間に合わないだろう?」
そう言いながら、翔太は逡巡した。
「取り敢えず乗れよ」
自分の自転車の後ろを指す。
「えっ、良いの?」
驚いて結衣が聞いた。
「いいも、悪いも時間がないだろう?」
「有難う」
結衣が翔太の自転車の後ろに横座りすると、
「時間がないから、全力で漕ぐからな」
翔太は振り返ってそう言うと、結衣を後ろに乗せて勢いよく走り出した。
「きゃっ」
落ちそうになって慌てて結衣がぐっと後ろから翔太に抱きつく。
背中に柔らかいものがあたって、結衣も大人になりつつあるのが翔太にも判った。
「しかし、重いよな」
翔太が何気なく言うと、
「なに言ってるのよ。私は体重は50キロも無いんだから軽いわよ」
向きになって結衣が言う。
「いや、そう言う意味でなくて、坂だから、2人分は重いんだよ」
城の山高校は名の通り山の上にあったのだ。
往路は翔太らの家からは大半が登りなのだ。
一人でも大変なのに結衣も乗せて登るのは本当に大変だった。
「ああ、そう言うこと? まあ、ここの坂はきついわよね。翔太、大丈夫?」
「ああ、なんとか頑張るよ」
翔太は山岳部なのだ。必死に漕いで、坂を登っていく。
「翔太、頑張ってね!」
後ろから結衣に言われて、翔太は必死に頑張った。
なんとか学校に着いた時は、もう汗だくだった。
「翔太、有り難う」
そう言う結衣に翔太は自転車の鍵を差し出した。
「えっ?」
「帰りは足がないだろう。俺のを使って帰れよ」
「翔太はどうするのよ?」
「男はトレーニングだと思って歩いて帰れば良いんだよ」
「えっ、でも」
「構わないから」
キンコンカーンコン
予鈴がなり始めた。
結衣は翔太と自転車を交互に眺めたが、
「判った。翔太、有り難う」
翔太の自転車の鍵を借りて、結衣が教室に向かう。
翔太も慌てて自分の教室に向かった。
少し、早めに家を出たつもりが結構ギリギリになっていた。
教室に滑り込むと、
「遅いぞ」
後ろの上野が声を駆けてきた。
「悪い。ちょっと自転車の調子が悪くって」
そう言いながら、まどかの席を見るとまどかはまだ来ていなかった。
あれ、おかしいな。いつもはもっと早いのに。
翔太は少し戸惑った。
「あっ、翔太君、昨日、朝倉さんと二人乗りしていたんだって」
その翔太の視線上にいた、席が傍の莉子が話してきた。
「な、何だと、翔太。それは本当か!」
上野が驚いて後ろから身を乗り出して聞いていた。
「はい、皆さん。ホームルームの時間ですよ。席について」
そこへ担任が入ってきたのだ。
「後でちゃんと話してもらうからな」
上野はむっとして翔太に言ってきた。
なんで、まどかはいないんだろう?
翔太は気になったが、電話番号とかLINEを交換していないのに気づいた。
番号を知らないと連絡のしようもない。
ホームルームの時間にまどかはやってこなかった。
昨日は元気だったのに、どうしたんだろう?
多少の遅刻はよくあることだと翔太は思おうとした。
授業が始まってもまどかはやってこなかったのだ。
次の英語の授業で翔太はまどかのことが気になって集中できず、英語の嫌味にまた散々虐められた。
また、その翔太の後を継いで堀田が褒められるのか?
翔太がそう思ったが、いつもは虐められた翔太の後に当てられる堀田までいないことに翔太は初めて気付いた。
あの二人が揃っていなくなるなんておかしい。
だんだん翔太は不安になってきた。
お昼休みになっても二人は学校に現れなかったのだ。
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