聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラ物語

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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皇子が公爵令嬢と抱き合っているのを見て部屋に走って帰りました

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叔母様方は私をからかうだけからかって、その後に実際に、夜会場へクリフ殿下を見に行きましょうということになったんだけど……

「えっ、いえ、それはちょっと」
私は断ろうとしたのだ。だってそんなの無茶苦茶恥ずかしい……

「何を言っているの? アオイさん。実際に殿下の気持ちを確かめたいんでしょう?」
「そうよ。私達の言うのが正しいかどう確認すればいいのよ」
叔母様達は結構酔っているみたいだった。私は飲まなかったけれど、皆さん私の話で盛り上がってお酒も進んだのだ。

「そうよ。アオイ。確認すればいいじゃない」
「そうじゃな。夜会も久し振りじゃ」
クララ様を先頭に皇太后様と私達は夜会場に殴り込み、いや違う、見学に行ったのだ。

夜会場の中は昼間にいた当主ばかりではなくて、多くの奥様方や令嬢たちがいた。

流石に私の学年の一年生は少ないかと思いきや、結構皆いる。

「げっ、お祖母様」
真っ先にクララ様の孫娘のコーデリアがクララ様を見つけて逃げ出したんだけど。

「な、何なの! あの子。私の孫なのに、私を見た途端に逃げ出すなんて、アオイちゃんを少しは見習いなさいよ」
クララ様はいきなり機嫌が悪くなったのだ。

「あっ、聖女様ではありませんか」
そこにまた、いつもの空気を読まない令息が現れた。確かウインスロー伯爵令息だ。

「聖女様。どうかこの伯爵令息の私とお付き合い下さい」
いつもの如く言い寄ってくるんだけど……

「あなた、ちょっと飲みすぎよ」
機嫌の悪いクララ様がそう注意すると

「何だと。聖女様が引きつれた姥桜の婆さん風情が偉そうに」
伯爵令息は爆弾発言をしてくれた。

なんてことをクララ様に言うんだ!
それも後ろには同年代の帝国の高位貴族の奥様方の最高峰が揃っているのに!

「本当だ。姥桜がいっぱいだ」
そのあたりにいた、酔っている若手の貴族連中が皆騒ぎ出すんだけど。

それにあれはクリフの近衛のジミーさんでは
「聖女様と姥桜方って……えっ?」
こちらを見た、ジミーさんが一瞬で顔を引きつらせた。
そして、次の瞬間、真横にダイブしたんだけど、何で?

「誰が姥桜よ!」
次の瞬間、クララ様の雷撃が男どもに直撃したのだ。

「「「ギャーーーーー」」」
ふざけていた5、6人がまとめて直撃を受ける。

「クララ、これはちょっと酷いんじゃない」
ダーリントン夫人が呆れて言うんだけど、

「何言っているのよ。あんたも姥桜って言われたのよ」
「なんですって、こいつら燃やしても良い?」
ダーリントン夫人も大分酔っているみたいだ。

近衛騎士が飛んでこようとして、このメンツを見て躊躇する。

「ジミー、良かったな。運動神経が良くて」
地面に伏せているジミーさんを上から見下ろして皇太后様が嫌味を言われた。
「まあ、皇太后様。うちの孫が失礼おば。この子達はあなたのお仲間なの?」
私達と一緒に食べていたジミーさんのおばあさまが慌てて詰問していた。
「違いますよ。おばあ様。俺は殿下の近くに待機していただけで」
ジミーさんが必死に言い訳している。

「クリフがこの近くにいるのか?」
皇太后様が聞かれた。

私も周りを見る。
なんか皆、お酒が入っていて、結構乱れた感じになっている。
私の前でも女の子に抱きつかれている男がいるし……

「殿下、好きです。ずっと好きだったんです」
その抱きついている女がアマンダだった。

「えっ」
私は固まってしまった。

私の方を勝ち誇った目で見てくるんだけど。
殿下ってこの抱きつかれている人は……

「うーん、これは修羅場のようですね」
ダーリントン夫人が愛想笑いをしてくれたんだけど私は聞いていなかった。

クリフがアマンダに抱きつかれていた……

ガーーーーン
私は思いっきりハンマーで頭を殴られたような気分だった。

恋愛には百戦錬磨の叔母様方がクリフが私を好きだと言ってくれたから、私もそうかなと少し勘違いしかけていたのだ。

でも、勘違いだと判って良かった。

そう私が思った時だ。

クリフがこちらを振り向いたのだ。

「あ、アオイ」
クリフは慌ててこちらを向こうとして更にアマンダに抱きしめられていた。

もう良い。私の勘違いなのだ。

私は後ろを向くと一目散に駆け出したのだ。

「「アオイさん」」
ダーリントン夫人とクララ様が私を止めようとしてくれたが、私は止まりたくなかった。
「アオイ!」
後ろからクリフの声が聞こえたような気がしたが、私は無視した。

私はそのまま一気に宮殿の中に入ったのだ。

私は何故か涙を流していた。

そうだ。クリフはこの帝国の皇子様なのだ。聖女と言えどもどこの馬の骨とも判らない私なんかを好きになってくれるわけないのだ。

「アオイ様」
入口で出迎えてくれた侍女の横を通り過ぎてそのまま部屋に入ると私はベッドに飛び込んだのだ。

「アオイ様?」
私を追いかけて来たエイミーが来たが、私はベッドからは出なかったのだ。

エイミー達は何か私に言おうとしたが、私が布団から出ないのを見て諦めたみたいで、私を一人にして部屋を出ていってくれたのだ。
いつの間にか泣き疲れて私は寝てしまったのだ。
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