悪役令嬢に転生したみたいだけど、皇子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、皇帝が邪魔してくるんですけど……

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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帝国四天王の黒い死神にボコボコにされてしまいました

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 お昼休みが終わって、私は久しぶりに剣術の授業に出ようとした。

 更衣室で着替えて、お守りを全てはずす。

 そして、訓練場に行ったら、そこには、見たこともない、黒髪の巨体の大男がいた。
 おそらく、前私が弾き飛ばした教師の代わりなんだと思う。 
 でも、顔はどこかで見たことがある。
 どこでだろう?
 私は考え込んだ。

 そうだ、この前の皇子に決闘を申し込まれた時だ。皇子の代わりに決闘したボブに似ている。

 ええええ!
 ボブを私が弾き飛ばしたら、その親が出てきたとか……そんな、まさかね。幾ら帝国でもそんな卑怯なことはしないだろう!

「貴様が、ユリアーナか?」
 大男が、大音声で誰何してきた。
「はい、私がユリアーナです」
 私は頷いていた。
「息子と殿下が世話になったな」
「えっ、そんな、息子の喧嘩に親が出て来たの?」
 私は唖然とした。
「な、なんだと、貴様、もう一度言って見ろ!」
 大男はむっとした。
「えっ、いえ、別に、なんでもありません」
 私は慌てて首を振ったが、

「ボブさんは尊敬できる人だと思ってたんだけど、自分じゃユリアに勝てないと判って、親を出してきたんだ」
「でも、四天王の親を出してくるなんて、酷くないか?」
「本当だよな。ボブさんには失望したよ」
 外野がざわざわする。

「えっ、この男、帝国の四天王なの?」
 私はまじまじと男を見た。
「私はクレーメンス・ビアホフ、このたび皇帝陛下からこの王立学園の剣術指南役を拝命した」
 男がやっと自己紹介した。確か黒髪黒目で黒い死神と言われていたはずだ。前々皇帝派の重鎮、帝国のビアホフ伯爵を反逆罪で殺して、その妻を奪った冷酷非情な死神と呼ばれていた。
 私の一番嫌いなタイプだ。

 しかし、相手は帝国の四天王だ。その一人赤い悪魔はお兄様でも相手にならなかった。私がこの黒い死神に勝てるかというと難しいとしか言えなかった。

「ふんっ、貴様は少し強いといい気になっていると息子から聞いたぞ」

 ええええ!
 本当に息子が私に負けたから出てきたんだ。
 信じられない。帝国の四天王も地に落ちた。

「ふん、その高くなった鼻柱をたたき折ってやる」
 黒い死神は傲慢に言ってくれるんだけど、
「何かな。子供の喧嘩に親が出てくるっておかしくない?」
 私はブツブツ呟いた。

「おい、どうやら本当みたいだぞ」
「ボブ先輩、ユリアーナに勝てないからって親を出してきたぞ」
「男として最低だな」
 クラスの男達が騒ぎ出した。

「そこ、煩いぞ」
 黒い死神が注意する。

 だったら、私も負けたらお父様を呼び出してもいいんだろうか? お父様ならおそらく勝てると思う。私がボコボコにされたと聞いたらすっ飛んできて、私の仇を取ってくれるはずだ。
 でも、それ以前にお兄様がキレて死神に突撃してくれそうだけど、それだけは止めないと……また、四天王に斬られたら、しゃれにもならない。

「来い、ユリアーナ!」
 黒い死神が模擬剣を構えてくれた。
 うーん、これは絶対に勝てない奴だとこいつの構えを見て判った。

 まあ、胸を借りるつもりでやろう。私がボロボロになったら最悪ピンク頭が治してくんれるはずだ。
 緑頭だと能力的に不安だけど、ピンク頭ならやってくれるはずだ。
 まあ、私にやってくれるかどうかは今までのいきさつ上不安だけど、最悪お兄様とクラウス辺りがなんとかしてくれるだろう。

「ウォーーーー」
私は雄叫びを上げると死神に斬りかかった。
でも必死に打ち込むが死神は軽く受けてくれた。
全く歯が立たない。
「えい、や、取りゃーーーー」
私が必死に打ち込むが打ち込んだ気がしない。
「ユリアーナ、そんなんで終わりか、オラオラオラオラ」
死神がたまに鋭い切り込みをして、私の手や足に打ち込んでくる。
そのたびに私に激痛が走り、剣を取り落としそうになった。
でも、その瞬間だ。私は黒い死神の右足の運びが少しおかしいのを見つけたのだ。
右膝だ。
もうこうなったらそこを一点突破するしかない!

「やーーーー!」
私は身体強化を更に強くすると剣を持った手を一気に突き出したのだ。
黒い死神の剣が迫るが、そのまま一気に突いたのだ。

「グッ!」
「ギャッ!」
死神が顔をしかめるのと私が死神の剣で弾き飛ばされるのが同時だった。
私は地面に叩きつけられたのだ。

私は地面に這いつくばりながら黒い死神を見遣ると、黒い死神は平然としているのが見えた。
ほとんど効果は無かったか。弱点を突いたはずなのに……

仕方が無い。
私は首を振って立ち上った。

「ふんっ、少しはやるかと思ったが、全然だな」
黒い死神は笑ってくれた。

これはまずい奴だ。私の背をたらりと冷や汗が流れた。
でも、やるしかない。

「ウォーーーー」
私は叫ぶと黒い死神に打ちかかっていった。
でも、そこからは一方的だった。
私の剣がまったく黒い死神に当たらなくなった。
私は立ったまま、黒い死神にボコボコにされたのだ。

「ギャーーーー」
最後は黒い死神の剣で顔を張られて吹っ飛ばされて、地面に叩きつけられて意識が無くなった。
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