悪役令嬢に転生したみたいだけど、皇子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、皇帝が邪魔してくるんですけど……

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
101 / 103

皆で協力して魔王を倒しました

しおりを挟む
 巨体な魔王は復活できてご満悦みたいだった。

 復活した魔王は、今までの憑依の状態ではそこまで感じなかったが、周りに対する威圧感が凄かった。ここにいても私でさえ恐ろしさを感じるほどだ。これだけ存在感が上がるとその力はどれほど強くなったんだろう? 考えたくもなかった。
 このまま戦わずに済むのならそうしたかった。でもそういう訳にもいかない。 

 魔王はぎろりと周りを睥睨してくれた。


「ギャオーーーーー!」
 でも、それがピーちゃんの癇に障ったみたいだ。

 ピーちゃんは魔王を睨み付けた。

「何じゃ、貴様その視線は。爬虫類風情がこの魔王様に喧嘩を売るのか?」
 魔王は不機嫌そうにピーちゃんを睨み返してくれた。

「ギャオーーーー」
 ピーちゃんは羽を広げて魔王を威嚇した。
 そう、大きさならピーちゃんも負けていなかった。
 絶対にピーちゃんの方がデカイ。
 威圧感でも!
 公爵家の試練の間の時よりも威圧感はあった。
 金色に輝くその姿は周りを照らしていた。
 神々しいくらいに!
 黄金竜は神の使いだという言い伝えもあった。
 魔王にも勝てるかもしれない。
 これならいける!

「ピーちゃん、頑張って」
 私はピーちゃんにエールを送った。
「ギャオーーーー!」
 ピーちゃんは私のエールに応えてくれた。
 そして、魔王を再度睨み付ける。

 ピーちゃんは鳴き叫ぶと一気に魔王に襲いかかった。

 嘴で突こうとして、
「ふんっ、洒落臭い」
 バシン
「ギャオーー」
 なんと魔王はそのピーちゃんの顔を殴り倒してくれたのだ。

 ドカーーーーン!
 山肌にピーちゃんが叩きつけられていた。

 古代竜を叩きつけるなんて、本体を取り返した魔王は更に強くなっていた。
 これはまずいかもしれない。
 私は唖然とした。

 でも、倒すしかない。

 その時だ。お兄様が金の剣を掴んだ。

「おのれ魔王、良くも俺の体を乗っ取ってくれたな」
 お兄様が立ち上って剣を抜いた。
 ピンク頭のヒールで傷は完全に治っていた。
 見た目は完璧で最強のお兄様だった。金の剣も持っているしお兄様なら勝てるかもしれない。

「ふんっ、単細胞な貴様は簡単に闇堕ちしてくれて、乗っ取るのはとても楽だったぞ」
 魔王は笑ってくれた。
「あと少しで貴様の妹をその手で殺させてやったのにな。とても惜しかったな」
「おのれ、許さん!」
 お兄様は怒り狂うとあっという間に加速して魔王に斬りかかった。
 私の目にも追い切れないほどの凄まじいスピードだった。

 バシーーーーン!
 しかし、魔王はそんなお兄様を右手で一撃の下、地面に叩きつけていたのだ。

 ここまで強かったか?
 私は唖然とした。

「残りは小娘だけか?」
 魔王は残った私を見下してくれた。

 ここはこちらから攻撃するしかない!

「喰らえ!」
 私はありったけの力を金の杖に込めると雷撃した。

「ふんっ」
 しかし魔王は余裕で片手で弾いてくれた。

 駄目だ。これでは全然勝てない。
 私が絶望に襲われた時だ。

「次はこちらからいくぞ! 死ね!」
 魔王が手を私の方につきだしてくれた。

 魔王の手から真っ黒なおどろおどろしい奔流が私に向かってきた。

 私は間一髪それを避けた。

 ドカーーーーーン!
 しかし、凄まじい爆発が起こって私はその爆発に飲み込まれて吹っ飛ばされてしまった。
 もう、地面に激突する?

 私が目をつぶった時だ。
 私はお兄様に抱き留められていたのだ。

「大丈夫か?」
「うん」
 私はお兄様に頷いた。
 さすが私のお兄様だ。お兄様が戻ってきて私は嬉しかった。


「はっはっはっは! その方等は弱いの!」
 でも、そんな私達を見て魔王が馬鹿にしてくれた。

「ギャオーーーー!」
 ピーちゃんが襲いかかるが、また一撃で張り倒されていた。

「おのれ!」
 お兄様が突っかかるがこれも魔王が右手一閃で地面に叩きつけてくれた。

 私の渾身の雷撃はまた防がれてしまった。

 そのまま反撃されて地面に叩きつけられる。

 これでは全然勝ち目がなかった。

「何をしているのだ。バラバラに攻撃して、その方等は馬鹿か! やるなら何故一斉に攻撃せん!」
 私達の前に立った長が注意してくれた。
 確かにそうかもしれない。


「裏切り者のヘルカか」
 魔王は長を睨み付けた。

「貴様等が幾ら力を合わせても俺様には勝てんよ」
 魔王は余裕の表情で答えてくれた。

「そんな物はやってミンと判らぬ」
 長はそう言うと
「束縛」
 杖から光が発して障壁が魔王の周りに出来る。

「ふん、このような物」
 魔王がバリンとその障壁を割ってくれた。

「今じゃ!」
 私達は長の声に一斉に魔王に飛びかかった。

「ギャオーーーー」
「死ね!」
「喰らえ!」
 魔王が障壁を張るが、それを三方向から突っ込む。
 ピーちゃんは嘴を、お兄様は剣を私は杖を突き刺したのだ。

 パリン!
 魔王の障壁が割れた。
「な、何を!」
 魔王が慌てた。

 そこに私達3人が飛び込んだ。

「ギャーーーーー」
 ピーちゃんは嘴を魔王の胸に突き刺し、お兄様は背中に黄金の剣を突き刺し、私も金の杖を脇腹に突き刺したのだ。

「おのれ!」
 魔王は暗黒の攻撃を目の前のピーちゃんに浴びせていた。

 ピーちゃんが弾き飛ばされた。

ドシーーーーン
 地面に叩きつけられる。

「おのれ、貴様等」
 魔王が体を振り回して残った私達を振り払おうとした。
 私は振り飛ばされないように必死に杖を魔王に差し込んでいた。

「魔王、よくも私にやってくれたわね」
 そんな私達の前に銀の杖を持ったピンク頭が現れた。
 魔王にどんな目に合わされたか知らないが、その目は怒り狂っていた。
「地獄に帰れ!」
 そして、ピーちゃんの開けた穴目がけて銀の杖を投げつけたのだ。
 銀の杖はドラキュラに対しての銀の杭のように魔王の心臓に突き刺さっていた。

「ギャーーーーーーーーー」
 魔王の断末魔の声が響いた。

 銀の杖が光ると魔王はそこから崩れるように粉塵とかして瓦解したのだった。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』

鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」 公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。 だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。 ――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの? 何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。 しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。 それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。 そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。 温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。 そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。 「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」 「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」 離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。 そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。

幼い頃、義母に酸で顔を焼かれた公爵令嬢は、それでも愛してくれた王太子が冤罪で追放されたので、ついていくことにしました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 設定はゆるくなっています、気になる方は最初から読まないでください。 ウィンターレン公爵家令嬢ジェミーは、幼い頃に義母のアイラに酸で顔を焼かれてしまった。何とか命は助かったものの、とても社交界にデビューできるような顔ではなかった。だが不屈の精神力と仮面をつける事で、社交界にデビューを果たした。そんなジェミーを、心優しく人の本質を見抜ける王太子レオナルドが見初めた。王太子はジェミーを婚約者に選び、幸せな家庭を築くかに思われたが、王位を狙う邪悪な弟に冤罪を着せられ追放刑にされてしまった。

侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています

猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。 しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。 本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。 盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。

完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています

オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。 ◇◇◇◇◇◇◇ 「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。 14回恋愛大賞奨励賞受賞しました! これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。 ありがとうございました! ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。 この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)

公爵家の秘密の愛娘 

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。 過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。 そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。 「パパ……私はあなたの娘です」 名乗り出るアンジェラ。 ◇ アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。 この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。 初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。 母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞  🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞 🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇‍♀️

婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される

さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。 慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。 だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。 「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」 そう言って真剣な瞳で求婚してきて!? 王妃も兄王子たちも立ちはだかる。 「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。

身代わりで嫁いだ偽物の私が本物になるまで

・めぐめぐ・
恋愛
幼い頃、母を亡くしたテレシアは、弟とともに、ベーレンズ伯爵家に仕えていた。 しかしテレシアが仕えているベーレンズ伯爵家の一人娘シャルロッテに突然、魔術師であるトルライン侯爵家ヴェッセルに嫁げという王命が下るが、魔術師との結婚を嫌がったシャルロッテは家を飛び出し行方不明になってしまう。 仕えていた主が失踪し責任を負わされたテレシアは、シャルロッテと偽ってヴェッセルの元に嫁ぐように命令されてしまう。 何とかバレずに、ヴェッセルと婚姻を結ぶことに成功したテレシアだったが、彼の弟を名乗る青年チェスに、シャルロッテではないことを見抜かれてしまい―― 秘密がテーマのコンテストに応募した作品です。 他サイトにも転記しています。 ※2万字ぐらいなので展開は早いです。 ※設定はゆるゆるです。頭空っぽでお願いします。

《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。

ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」 その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。

処理中です...