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第三章 健斗と美咲と新たな出会い
眷属進化
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人間側が危なそうなら強行突破してでも助けるつもりでオーク戦を見ていた。
「おっちゃん、野球場の方から援軍登場やで~」
「オークが8体歩いてるなぁ」
その会話は下で戦ってる戦士たちにも聞こえていた。
「なぁおい、まだオークが増えるらしいけど、どうする?」
「援軍の奴、あの人ら倒してくれへんかな~?」
ちらっと上空の二人の方を見た。
「でへへへ、いいよ~頼まれたるよ~」
「おっちゃん、あっちの援軍オーク倒しちゃうね?」
頼られた事がかなり嬉しいようだ。
「レベル10が1体おるぞー」
「多分大丈夫、リトルも爪伸ばしとるしw」
「???」
何かの冗談かもしれないが、健斗には意味が分からなかった。
爪を伸ばしてやる気を見せているって事かな?
健斗は理解出来ない事を深く考えようとは思わなかった。
「援軍倒す前に回復しとくね~」
健斗はおせっかいにも程があるが、戦ってるメンバー5人に回復魔法を掛けて回った。
お礼を言う子も居れば、不思議な顔で見つめるだけの子もいる。
深くお礼を言ってきた風使いの子に好感が持てた。
最前線で戦う風使いの子を後ろに呼び、風刃を見せて覚えるように諭す。
さすがにずっと風の剣を使っていただけあって、見よう見まねですぐに風刃を覚えた。
これで最前線で戦わなくても、少し安全マージンが取れるようになっただろう。
こんな世界に変わって普通にパーティーを組めば、全員が前衛になるのは仕方のない事だ。
魔法を覚えられれば戦闘も楽になるだろう。
野球場の姉に目を向けると、オークの数が4体に減っていた。
先ほど鑑定で見たときの、レベルが7だった4体を先に倒したようだ。
(凄いなぁ・・・)
熊の子のリトルも素早さを生かして左右に回り込み、オークにその剛腕力と切れ味の良い爪で大ダメージを負わせていく。
姉は剣を2本持っているが、1本は腰に刺したままだ。
だが、その剣術は危なげなくオークを仕留めていく。
最後にレベル10のオークが残ったが、リトルが後ろから、姉は前からにらみを効かせて立ちはだかる。
リトルが先制攻撃。
後頭部に爪を炸裂させた。
オークの頭部から大量の血が流れ飛ぶ。
首を後ろに向けたその瞬間を見逃さず、姉は上段からの袈裟切りで大きな傷を負わせる。
またこちらを向くと、リトルの爪攻撃が炸裂。
もうオークにはどうすることも出来なかった。
そのまま一度も攻撃が出来ないまま、レベル10にもなっていたオークは息絶えた。
「ふぅ~ リトル強いなぁ~♪」
ウゴゥッ!
小さく吠える。
殲滅したその場に健斗がふわりと降りて来た。
「やるなぁ~ 途中で手伝う事になるやろうと思っとったけど、あっと言う間やったな」
「リトルとの連携が上手くいったからな~」
「レベルも16まで上がったわ」
「咲空超えたな(笑)」
「全然恐怖も感じんかった」
「そりゃ恐怖耐性ついとるからなぁ(笑)」
いつの間にか姉のステータスパネルには恐怖耐性と物理耐性が付いていた。
「それより、この子が種族変化ってか、進化出来るようになってん」
「ほぉ~ レベル16、32、64で進化ってなってるな」
「何に進化するん?」
「選択肢が2個ある」
「1個はサーシィベア、もう1個はブリーズベア」
「そこは俺が触れなくて見れないから、鑑定で見てみて?」
サーシィベア:腕力と体力に長けた近接戦闘型大型魔獣 最大身長3m 初期スキル-咆哮、剛腕力
ブリーズベア:半人半獣(人化率25%) 風属性 腕力、体力、素早さに長けており、全体的なステータスはかなり高めである 最大身長2.5m 初期スキル-風盾、微風
こんな感じかな?
「どっちを選ぶん?」
「戦闘考えたら迷わずにブリーズベアやろ」
「ただ、人化がどんな感じになるんかちょっとドキドキする」
「熊のモフモフが無くなるかも知れんしな(笑)」
「あっ、微風って治癒スキルやわ」
「おっ?それは欲しいスキルだよね~」
「まぁ治癒スキル覚えるのは難しくないけど」
「風熊に決めた~」
「イケメンになれよ~」
ブリーズベアを選択し決定する。
ウゴォォォォォォォォォ
グギャァァァァァァァァ
グホッ ゴホッ ゲボッ
進化の変態が始まった。
これはきついんだよなぁと優しい目で見守る。
サーシィベアを選択したなら、ここまでの激しい進化はしなかったんだろうが。
もう選んだものは仕方ない。
数分したら変態も終わり、そこには熊男が立っていた。
背はさほど大きくはなっていないが、美咲くらいはあるのではないだろうか?
180㎝弱くらいか。
この眷属にしたチーキーベアは、ブリーズベアに進化した事で身体的特徴が大きく変わる。
熊の手では無くて人間のように長い指があって関節も3つある。
普通に人間と同じ機能を持つ。箸も使えるだろう。
足の指も同じだ。
これは2足歩行を確定する要素だろう。
そして熊と言うには足が長すぎる。
正面から見ると、かなりの違和感がある。
熊の足って、短いものだと刷り込まれているからだろうか。
熊人に近い感じがする。
かなり人化したって事なんだろうな。
半獣半人なんだからこんな感じなのかな?
顔は、熊の顔7、人の顔3くらいの感じ。
身体は逆に人の身体6、熊の身体4くらいの感じに仕上がっている。
ま~魔獣の身体を誹謗するのもどうかと思うから受け入れるしかないか。
「おちんちん丸出し(笑)」
「デカッ」
「まぁ本人は恥ずかしがって無いけど、野生だもんな」
姉は自分が羽織っていたカーディガンを脱いでリトルの腰に巻いた。
「どっかでこの子の服を調達したいなぁ」
「咲空ちゃんとポーアイ行くときにウミエかモザイクにでも寄るか」
「うちのイメージやと、ダボダボズボンに裸ベストな感じが良い」
「あはは、とび職や鉄筋屋って感じにする訳か~」
「ハダカ ノホウが ウゴきヤスイ ケド」
「「おおおおおおおおおっ!」」
「「しゃべったああああああああああ」」
ステータスプレートを見ると、言語理解と言語操作と言うスキルを持っている。
「おおお!喋れる眷属ってなんかいいなぁ~」
「リトル~~~~」
姉はもう子熊とは言えない見てくれのリトルに飛びつき、頬刷りをしまくる。
リトルは姉を優しく抱き上げる。
雑木林の方を見ると、もう戦闘は終わっていた。
5人共へたり込んでハァハァと息を荒らげていた。
ステを見てみると、全員が仲良くレベル11になっていた。
風使いの子が立ち上がりこちらに向かって頭を下げて礼を言っている。
健斗も姉も手を軽く上げ、そして振る。
5人共立ち上がりこちらに近づいてきた。
「ありがとうでしたー」
「頑張って生き抜いてな~」
「またね~」
「ガンバっテ」
「「「「「おおおおおおおおおっ!」」」」」
「「「「「熊がしゃべった~」」」」」
「あはははははははは~」
健斗は大笑いしながら空に浮き上がり、楠公さんを目指す。
姉とリトルも健斗について飛んでいく。
リトルは指が伸びた事により、逆に爪が短くなった。
スキルで熊爪と言うのがあるので、爪攻撃は健在だろう。
そのおかげで剣が握れるような手になっているので、姉は腰の刀を1本手渡した。
リトルは空中で手にして軽く振り抜く。
「ヨイ カンじ」
神社に戻ると3人と1頭はそこに居なかった。
上空に上がって探してみると、真南の神戸駅の前のロータリーの所で、他所のパーティーと共闘しているみたいだ。
まぁ大人しく待ってるとは思っていなかったが・・・
近くに行くと、大きなゴブリンと普通のゴブリンが混ざった大グループと戦っていた。
『なんや?その熊みたいな人みたいなん?』
母が真っ先に目ざとくリトルの変わった姿を見つけた。
『お姉ちゃん、その子ってリトルちゃん?』
「せやで~ 進化したんよ」
「レベル16で進化の枝が出るよ」
「えぇ~~~もうレベル8つも上がったん?」
「うちの子まだ2つ上がって10になったとこやのに~」
剣女も頑張って眷属のレベルを上げているようだ。
「どうする~?三ノ宮戻ろうと思うけど、麗里の進化まで上げる?」
「みんなが良かったら上げたい」
「じゃぁ獲物探してくるねー」
「うちとリトルはここで狩ってていい?」
「いいよ~がんばれ」
そういって健斗は上空に上がって行った。
「おっちゃん、野球場の方から援軍登場やで~」
「オークが8体歩いてるなぁ」
その会話は下で戦ってる戦士たちにも聞こえていた。
「なぁおい、まだオークが増えるらしいけど、どうする?」
「援軍の奴、あの人ら倒してくれへんかな~?」
ちらっと上空の二人の方を見た。
「でへへへ、いいよ~頼まれたるよ~」
「おっちゃん、あっちの援軍オーク倒しちゃうね?」
頼られた事がかなり嬉しいようだ。
「レベル10が1体おるぞー」
「多分大丈夫、リトルも爪伸ばしとるしw」
「???」
何かの冗談かもしれないが、健斗には意味が分からなかった。
爪を伸ばしてやる気を見せているって事かな?
健斗は理解出来ない事を深く考えようとは思わなかった。
「援軍倒す前に回復しとくね~」
健斗はおせっかいにも程があるが、戦ってるメンバー5人に回復魔法を掛けて回った。
お礼を言う子も居れば、不思議な顔で見つめるだけの子もいる。
深くお礼を言ってきた風使いの子に好感が持てた。
最前線で戦う風使いの子を後ろに呼び、風刃を見せて覚えるように諭す。
さすがにずっと風の剣を使っていただけあって、見よう見まねですぐに風刃を覚えた。
これで最前線で戦わなくても、少し安全マージンが取れるようになっただろう。
こんな世界に変わって普通にパーティーを組めば、全員が前衛になるのは仕方のない事だ。
魔法を覚えられれば戦闘も楽になるだろう。
野球場の姉に目を向けると、オークの数が4体に減っていた。
先ほど鑑定で見たときの、レベルが7だった4体を先に倒したようだ。
(凄いなぁ・・・)
熊の子のリトルも素早さを生かして左右に回り込み、オークにその剛腕力と切れ味の良い爪で大ダメージを負わせていく。
姉は剣を2本持っているが、1本は腰に刺したままだ。
だが、その剣術は危なげなくオークを仕留めていく。
最後にレベル10のオークが残ったが、リトルが後ろから、姉は前からにらみを効かせて立ちはだかる。
リトルが先制攻撃。
後頭部に爪を炸裂させた。
オークの頭部から大量の血が流れ飛ぶ。
首を後ろに向けたその瞬間を見逃さず、姉は上段からの袈裟切りで大きな傷を負わせる。
またこちらを向くと、リトルの爪攻撃が炸裂。
もうオークにはどうすることも出来なかった。
そのまま一度も攻撃が出来ないまま、レベル10にもなっていたオークは息絶えた。
「ふぅ~ リトル強いなぁ~♪」
ウゴゥッ!
小さく吠える。
殲滅したその場に健斗がふわりと降りて来た。
「やるなぁ~ 途中で手伝う事になるやろうと思っとったけど、あっと言う間やったな」
「リトルとの連携が上手くいったからな~」
「レベルも16まで上がったわ」
「咲空超えたな(笑)」
「全然恐怖も感じんかった」
「そりゃ恐怖耐性ついとるからなぁ(笑)」
いつの間にか姉のステータスパネルには恐怖耐性と物理耐性が付いていた。
「それより、この子が種族変化ってか、進化出来るようになってん」
「ほぉ~ レベル16、32、64で進化ってなってるな」
「何に進化するん?」
「選択肢が2個ある」
「1個はサーシィベア、もう1個はブリーズベア」
「そこは俺が触れなくて見れないから、鑑定で見てみて?」
サーシィベア:腕力と体力に長けた近接戦闘型大型魔獣 最大身長3m 初期スキル-咆哮、剛腕力
ブリーズベア:半人半獣(人化率25%) 風属性 腕力、体力、素早さに長けており、全体的なステータスはかなり高めである 最大身長2.5m 初期スキル-風盾、微風
こんな感じかな?
「どっちを選ぶん?」
「戦闘考えたら迷わずにブリーズベアやろ」
「ただ、人化がどんな感じになるんかちょっとドキドキする」
「熊のモフモフが無くなるかも知れんしな(笑)」
「あっ、微風って治癒スキルやわ」
「おっ?それは欲しいスキルだよね~」
「まぁ治癒スキル覚えるのは難しくないけど」
「風熊に決めた~」
「イケメンになれよ~」
ブリーズベアを選択し決定する。
ウゴォォォォォォォォォ
グギャァァァァァァァァ
グホッ ゴホッ ゲボッ
進化の変態が始まった。
これはきついんだよなぁと優しい目で見守る。
サーシィベアを選択したなら、ここまでの激しい進化はしなかったんだろうが。
もう選んだものは仕方ない。
数分したら変態も終わり、そこには熊男が立っていた。
背はさほど大きくはなっていないが、美咲くらいはあるのではないだろうか?
180㎝弱くらいか。
この眷属にしたチーキーベアは、ブリーズベアに進化した事で身体的特徴が大きく変わる。
熊の手では無くて人間のように長い指があって関節も3つある。
普通に人間と同じ機能を持つ。箸も使えるだろう。
足の指も同じだ。
これは2足歩行を確定する要素だろう。
そして熊と言うには足が長すぎる。
正面から見ると、かなりの違和感がある。
熊の足って、短いものだと刷り込まれているからだろうか。
熊人に近い感じがする。
かなり人化したって事なんだろうな。
半獣半人なんだからこんな感じなのかな?
顔は、熊の顔7、人の顔3くらいの感じ。
身体は逆に人の身体6、熊の身体4くらいの感じに仕上がっている。
ま~魔獣の身体を誹謗するのもどうかと思うから受け入れるしかないか。
「おちんちん丸出し(笑)」
「デカッ」
「まぁ本人は恥ずかしがって無いけど、野生だもんな」
姉は自分が羽織っていたカーディガンを脱いでリトルの腰に巻いた。
「どっかでこの子の服を調達したいなぁ」
「咲空ちゃんとポーアイ行くときにウミエかモザイクにでも寄るか」
「うちのイメージやと、ダボダボズボンに裸ベストな感じが良い」
「あはは、とび職や鉄筋屋って感じにする訳か~」
「ハダカ ノホウが ウゴきヤスイ ケド」
「「おおおおおおおおおっ!」」
「「しゃべったああああああああああ」」
ステータスプレートを見ると、言語理解と言語操作と言うスキルを持っている。
「おおお!喋れる眷属ってなんかいいなぁ~」
「リトル~~~~」
姉はもう子熊とは言えない見てくれのリトルに飛びつき、頬刷りをしまくる。
リトルは姉を優しく抱き上げる。
雑木林の方を見ると、もう戦闘は終わっていた。
5人共へたり込んでハァハァと息を荒らげていた。
ステを見てみると、全員が仲良くレベル11になっていた。
風使いの子が立ち上がりこちらに向かって頭を下げて礼を言っている。
健斗も姉も手を軽く上げ、そして振る。
5人共立ち上がりこちらに近づいてきた。
「ありがとうでしたー」
「頑張って生き抜いてな~」
「またね~」
「ガンバっテ」
「「「「「おおおおおおおおおっ!」」」」」
「「「「「熊がしゃべった~」」」」」
「あはははははははは~」
健斗は大笑いしながら空に浮き上がり、楠公さんを目指す。
姉とリトルも健斗について飛んでいく。
リトルは指が伸びた事により、逆に爪が短くなった。
スキルで熊爪と言うのがあるので、爪攻撃は健在だろう。
そのおかげで剣が握れるような手になっているので、姉は腰の刀を1本手渡した。
リトルは空中で手にして軽く振り抜く。
「ヨイ カンじ」
神社に戻ると3人と1頭はそこに居なかった。
上空に上がって探してみると、真南の神戸駅の前のロータリーの所で、他所のパーティーと共闘しているみたいだ。
まぁ大人しく待ってるとは思っていなかったが・・・
近くに行くと、大きなゴブリンと普通のゴブリンが混ざった大グループと戦っていた。
『なんや?その熊みたいな人みたいなん?』
母が真っ先に目ざとくリトルの変わった姿を見つけた。
『お姉ちゃん、その子ってリトルちゃん?』
「せやで~ 進化したんよ」
「レベル16で進化の枝が出るよ」
「えぇ~~~もうレベル8つも上がったん?」
「うちの子まだ2つ上がって10になったとこやのに~」
剣女も頑張って眷属のレベルを上げているようだ。
「どうする~?三ノ宮戻ろうと思うけど、麗里の進化まで上げる?」
「みんなが良かったら上げたい」
「じゃぁ獲物探してくるねー」
「うちとリトルはここで狩ってていい?」
「いいよ~がんばれ」
そういって健斗は上空に上がって行った。
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