厄災の街 神戸

第三章 健斗と美咲と新たな出会い

モンスター考察

三章も間延びしすぎたので、一旦ここで終わらせてもらいます。
四章はガラッと登場人物が変わります。





厄災も数日が過ぎると、ゴブリン以外の種族もチラホラ見かけるようになってきた。

特に多いのがオーク系の奴ら。

豚顔の多肉中背のオーク。

その上位種で頭髪やひげがあり身体も大きなハイオーク。

全身長めの毛に覆われ、イノシシのような顔をしたボアオーク。


基本的にハイオークはオスしか存在しない。
普通のオークはメスが生まれるがその割合は1割未満だ。

一方、イノシシ顔のボアオークはほぼ雌雄半々だが、メスの割合が少し多めに生まれてくる。

オークとハイオークは種族保存のためにボアオークのメスを拐さらい繁殖に用いる。
そのため、ボアオークはオーク種と敵対関係である。

そして混沌の時代が来るとハイオークの中からメスの個体が産まれる。
オーククイーンと呼ばれ、能力も高く周りのオーク種には魅了チャームの魔法が掛かる。
クイーンはオークキングやオークジェネラルといったハイオークのさらに上位種を産み出す。

ゴブリンも女が産まれる確率は低い。平均しても1割～2割前後だろう。
ただ、ゴブリン種は小動物を除き、ほとんどの動物で繁殖が可能だ。牛や馬や羊や豚でさえ繁殖に使う。

ゴブリンは種族進化でしか上位種は現れない。
進化ツリーは比較的単純で、1次進化はホブゴブリンかノーマル。
ホブは身長も160㎝前後になり、通常130㎝～140㎝前後しかないゴブリンと比較して"大人ゴブリン"とも呼ばれる。

2次進化は職業ゴブリンだ。
職業は弓使い、剣士、槍使い、魔法、鈍器使い、無手、斧使い、等々、そして無職。その時のステータス状況で臨機応変に多種多様な職業ゴブリンになる。

ホブからの無職は全てのゴブリン中最大種(230㎝前後)のジャイアントゴブリンになるツリーである。
無職となったホブは、レベルアップと共に体躯も大きくなっていき、腕力体力に特化していき、3次進化で99.9％ジャイアントゴブリンになる。0.1％はいきなりロードになり4次進化でキングになる。
職業ゴブリンからは、その職業を持続したままジャイアントになる個体も居るが、その確率は1％以下であろう。
ノーマルからの無職は単なる下働き兵(ニート）


さらに上位種はどの職業からでも成る事は可能であるが、唯一ゴブリンの王であるゴブリンキングと、混沌の時代にしか存在しないゴブリンエンペラーはジャイアントゴブリンのツリーからしか成る事は出来ない。

キングとエンペラーを除いたゴブリンの最上位種はゴブリンロード、ジャイアントロード、上位種でゴブリンマスター、中位種でゴブリンウォーリア、ゴブリンメイジ、ゴブリンソルジャー等と言われている。

そして、ゴブリン種に限り、ある条件を満たすと　闘鬼、龍鬼、戦鬼、魔鬼、髪鬼、等の鬼族になる事がある。
人化もするので、より人間に近しい存在になる。

その分、ステータスはバランスが良くなり、結果戦闘力も高くなる。

通常真ん中に1本しかない角が左右頭頂部分に2本になる。
バイキング帽のように。

ある条件を満たすと。　
それは人間に深く関わらないと出来ない事だった。


さらに、ゴブリンには種類がある。

薄黄緑色キミドリのゴブリンは森林フォレストゴブリンと呼ばれ、森林や草原を生活拠点にしている。
ノルゴブリンと言う。

薄紫色ウスムラサキのゴブリンは海シーゴブリンと呼ばれ、唯一泳げて水に潜り狩りも出来る。生活領域は海辺や湖沼の近辺に暮らす。
マレゴブリンと言う。

薄茶色ウスチャイロのゴブリンは岩窟ロックゴブリンと呼ばれ、洞窟や洞穴ほらあなに暮らし投擲や弓を扱うのが上手い。
イディゴブリンと言う。

そして、100万体に1体産まれるくらいの超低確立出生のゴブリンが居る。
レッドゴブリン(レッドキャップ）
体力知力腕力素早さ賢さ器用さ成長率進化率等、すべてのステータスが他のゴブリンとは比べ物にならない程高い能力を持つ。
そして生まれながらにしてネームドモンスターである。

ネームドモンスター：素で名前を持つモンスターを指す。
同じ種の他個体よりも高い能力を持つ。

モンスターを使役し名前を付ける事でもモンスターの能力を底上げする事が出来るが、ネームドよりも高くなることは無い。
ネームドに別の名を命名しても能力は変わらない。

ネームドの強さは、覚醒にある。
覚醒は、レベルであったり、戦闘中だったり、強力な主を得たりと、きっかけは様々だが、覚醒すると、元々高かったステータスがさらに大幅に上昇する。

レッドゴブリンの覚醒前はレッドキャップと呼ばれる。
覚醒前でも、普通のゴブリンより遥かにステータスが高い。

そして、神戸の厄災では、初期の転送で約550万体のゴブリンが転生や召喚された。
その中に7体のレッドゴブリン(レッドキャップ)が混じっている。

人間に一番寄り添う事が多いのが、オオカミ系の魔獣である。

その種類は多く、毛色が強さの証明になる事が多いウルフ種。
金狼、銀狼はカラー種の中では上位の位置取りだ。
他の上位種はブルーウルフ、ブラックウルフや飛行能力を持つイエローウルフなど多岐に渡る。
神の使いと言われるホワイトファングなど。

魔法を纏うマギブローク（マガブローク/マギウルフ）。
この中にも、色付きのオオカミ種は多い。
ほとんどが属性に応じた毛色をしているが、必ずしもその類に入る物でも無い。

クーリルウルフ
走るのが早いオオカミ型進化系中型魔獣　ライディングゴブリンの騎獣になる魔獣。
ペットとして飼われていた犬からの進化系が多い。
繁殖率が高く成長も早い事から、大群で行動する事が多い。

各犬種からの進化は様々で、クーリルウルフに進化しなかった少数は大型化したりする。
小型犬の場合は、進化してもほとんどが他の魔獣や魔物の餌になってしまう。
進化種の2次進化や3次進化で人化(コボルト化)する個体も存在する。

コボルト（進化種、転移種共、同種）
犬人と呼ばれる事もある人化種。知能が高く、他の魔獣を使役する事も多い。
お伽話や幻想物語の中ではビーグルやチワワ等の小型種が主だが、人間種よりも一回り大きく、数種の犬種が居るらしい。

イヌ科の狐、イタチや狸、ハクビシン、アライグマ等、在来外来の現存種は魔獣化してもその大きさ故、他の魔獣の食料にされることも多い。
中には初期進化で大型化する物もあるが、ほとんどは2次進化や3次進化で大型化する。
ただ中には、白色化や有色化する個体も存在し、その能力は高く生存率も高くなる。
赤いキツネや緑のタヌキもその類たぐいでは無いだろうか。


ネコ科は、魔獣の中でも素早さ特化で戦闘力が高めの種類が多く、人類種には被害が甚大である。
虎人フーレン、獅子人、豹人など、人化種が一番多いのもこの種族の特徴であろう。


飛行種では、翼竜ワイバーンや魔鳥、飛膜魔獣、魔蟲、等の元飛種と飛行能力技能フライングスキルを持つ魔獣が居る。

ドラゴン種も存在は確認されているようだ。


山や森が多い神戸の街では、やはり進化系魔獣、魔蟲も多く発生している。

現存では小動物でも、魔獣になるとその体躯も力も凶暴性も格段に上昇する事もある。
元々の大型獣はさらに大型になり肉食度も上がり、凶暴性も現在の比では無くなる事が多い。



食用種では猪系がもっとも有用だが、熊や鹿などの有害指定種も食用になる。

シルバーボア
シルバーと言うよりグレーの毛並みのイノシシ型の進化系中型魔獣である。
神戸の六甲山には数多くの猪が生息している。
その進化系であろう。

ワイルドボア
地元進化系では無く、他の魔獣と共に現世に召喚されたモノであろう。
人のサイズよりもかなり大きなイノシシの大型魔獣。

ファーボア
ボア種の中でも最恐に気の荒い超大型魔獣。
大きなものでは、体高が2～2.5m体長が6～7m体重2トンを軽く超えるモノも存在する。
だが、肉の味は最上級。1体倒せば50人程のクランで3食肉でも2か月位は食える。

ストライプボア
食肉としては上位
その肉は柔らかくかなり美味しい



チーキーベア
熊種の食用としてはあまりランクの高い肉では無いけれど、食える。

ワイルドベア
熊の魔獣の代表的な種。
食用としてはさほど価値の高い物では無い。
干し肉、燻製肉用。

レッドベア
体毛が赤っぽく、他の熊種よりも大型で腕力がとても強い。
肉は甘みの強い脂肪が多く、味は格別な美味しさである。

サーシィベア
チーキーベアからの進化種で、戦闘力は高めである。
肉は上質で、独特の味があるものの、一度食すと病みつきになる。

デモンズベア
熊種では最大最強の魔獣。3mを超える巨体も存在する。
肉は食べられた人がほぼ居ない為知られていないが、最上級だと言う鑑定結果がある。



ワイルドディア
代表的な鹿の魔獣。オスはツノが強力な武器になる。
肉は多少臭みがあるものの、とても美味である。

ブラッディディア
血の様に赤い長角を持つ大型のトナカイ種。雌雄共にツノを持つ。
肉は歯応えがあるが、味は美味である。

チートフォーン
小鹿のような見た目で、実は凶暴な鹿の小型種。
肉は柔らかくとても美味しいが、なかなか捕まえられない希少種。
名前のチートはチート能力の事ではない。


他にもたくさんの食用種は居るが、基本的に人間種が食すのは4足歩行の生き物が嫌悪感や忌避感が無くて良いだろう。

エアーエイプ
跳躍力の強い猿型の進化系小型魔獣　経験値が高めで群れで行動する事からレベリングに最適種。
エイプ　と名に着く猿の進化系や派生系の魔物は種類が多い。
またエイプが名に乗らない大型猿系(ゴリラやオラウータン)からの進化魔猿も多い。


爬虫類系の魔物や蟲系の魔物は、魔獣系の餌になる事も多いが、捕食側になる物も多い。

リザードマン
トカゲの魔獣。
爬虫類系の魔物の中では有名人である。

リザードナイト
リザードマンの上位種
ガビアルナイトと並ぶ剣術の達人である。初期より双剣術のスキルを持つ。
基本双剣で戦うが、素早さもガビアルナイトよりも高く、勝負をすればこちらに軍配が上がるかも知れない。

ガビアルナイト
2足歩行のワニ種で、高い剣力を持ち、体力と防御も高い厄介な魔獣。
初期より剣術や剣撃のスキルを持ち、剣技力はかなり高く、レベルやステータスでは計れない強さを持つ。

ディザートカイマン
素早さ特化の2足歩行格闘系中型ワニ種。
ワニ種の中でも食用としてとても美味しい白身の肉。

クロコダイルウォーリア
ワニ種最強の2足歩行半人化戦士系魔獣。大剣を持つことが多い。
パワーと体力がダントツで高い。人語を操る個体も多い。

ダブルテールアリゲーター
2本の尻尾が強力な武器のワニ種。
正面からの戦いはそれほど強力では無いが、腕力体力は高い方である。
2足で戦う事もあるが基本4足歩行。

ホーンアリゲーター
ツノが特徴的なワニ種で、肉は美味しいので見つけたら狩られる希少種。
戦闘力はレベル依存。


死霊系はまだ見る事は無いが、そのうち現れるだろう。



蟲系は、捕食の性質上、早くからレベルが付き、進化種が現れる。
完全草食性の蟲系は進化しないため、魔蟲化した現存蟲はすべて肉食だという事で、大型化した後は人類種もその捕食対象に含まれる。
マンティス、ビー、アント、スパイダー等、そして飛翔能力を捨てたオサムシ種は凶暴である。

バッタ系コオロギ系の召喚転移魔蟲は雑食の為、肉の柔らかい人種は捕食対象になる。

ワーム種や甲虫の幼虫は高たんぱくな食用になるが、基本日本人は食虫文化が薄いため、率先して食材としては捕獲しようとはしない。
だが、生きるための力(生活力)が強いクランなどは、比較的手に入りやすい幼虫系は一番の食材である。

味も良くとても美味しいので、一度食用にすれば違和感なく食べられる。
日本でも食虫文化が広がりつつは有る。







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