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第二章
強襲!フェアンレギオン砦-01
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「へぇ… これが…」
俺は6階建てのビルに相当するそれを見上げた。おおよその見積もりだが、全高は10mぐらい、全幅が10m、全長が40mといったところか。それだけのものが地上から僅か数mほど浮いている。材質は明らかに鋼鉄などの類ではなく甲殻生物特有の光沢を放ち、全体的にも有機的なデザインになっている。後背部のエンジンと思しき箇所には、これまた大きなスリットがいくつも入れられており、心なしかボォ… っと蒼く輝いている。一言で言ってしまうならば、まるで牛乳パックで造れそうな箱型の空母。その腹部中央に大きな神鋼機兵用の射出口があり、この射出口が時々に応じて左右に展開・ドラグナーが射出されるようになっている。全体を見渡せるデッキは更に上… 底部から15mほど上まで屹立しており、レーダーらしきレドームがいくつか見受けられる。兵装は110mm三連砲塔が左右に3基づつ、応戦用のカノン砲が側面と上部に数基ずつ配置されており、屋上に当たる箇所も発着場として使用可能とのことだった。
…果たして。
俺の言いたいことがちゃんと伝わっただろうか。この仰々しい代物が、件の陸上空母だというのである。俺は”陸上空母”という響きを聞いて、てっきり海上自衛隊の”ひゅうが”のような空母にキャタピラが付いたような代物を想像していた。いやはや、一見は百聞にしかずとはまさにこの事である。
前回の戦いで加勢してくれたブラウ=レジスタルスのリーダー、ローン・リアリズレン卿は言った。
「…そうだ、ライヴ君。これが我々の居城となる陸上空母、アジ=ダハーカだ。我々ブラウ=レジスタルスは君とダーフ・バリエーラの戦士たちを心から歓迎する!」
◇ ◇ ◇ ◇
「クーリッヒ・ウー・ヴァンの物語を覚えているものは幸せである。心豊かであろうから。歴史家達は言う。この時代がもっとも激しく、劇場的なエピソードに彩られた世界であったと。…さて皆さん、ご機嫌いかがですか? ブレンドフィア=メンションです。
現代においてもなお発掘されていないドラグナーを駆り、数多くの英雄が活躍したこのクーリッヒ・ウー・ヴァンの世界。人によっては想像の産物であると思える記述ですら、私はその存在を信じています。あなたも… そう、あなたもそうでしょう?
それ程までに人の心を引きつけてやまないクーリッヒ・ウー・ヴァンの物語を、一緒に紐解いていきましょう。
ところで。この物語には数多くの信じられないようなスーパー兵器が登場します。そのうちのひとつが、陸上空母ではないでしょうか? 数多くの英雄たちを乗せてあちらこちらを転戦してきたフルッツファグ・リッター。我らが英雄、ライヴ=オフウェイもまた、アジ=ダハーカと呼ばれるフルッツファグ・リッターに搭乗していました。その大きさは、…このテレビの画面でおわかりでしょうか? このように私がこれほど小さく見えるほど巨大なものでした。全高約6Yag(5.5m)といわれるドラグナーを何騎も搭載し移動していたこのフルッツファグ・リッター。本当にこの様な巨大な乗り物が世界中を自由に行き来し存在していたというのでしょうか…?」
「シンボルとしての船だったと私は考えています」
そう話すのは、アンスタフト=ヒストリカ教授だ。
「確かに、ドラグナーを実在したロボットであると仮定しましょう。それらをまとめて移動するということはとても困難なことです。第一、重量がとてつもないほどになってしまう。とは言え、ドラグナーは一種の力の象徴でもありました。故に、いかにしてそれらを誇示するかを考えてみれば、フルッツファグ・リッターはとても都合のいい乗り物だったんです。おそらくですが… 実際には行軍時のベースキャンプとしての一名称だったと考えるのが最も自然だと、私は考えるのです」
つまり、ヒストリカ教授の考えはこうだ。
一隻のフルッツファグ・リッターの搭乗員数は約120名。これは今で言うところの一個中隊に当たる。そしてドラグナーには一騎につき約30名が充てがわれていたと言われ、これは今で言う小隊の単位だ。これは非常に興味深いデータではある。そのことが何を意味しているかは、もうおわかりだろう? ひとつの中隊のシンボルとして、フルッツファグ・リッターと呼称していたというのが、ヒストリカ教授の説なのだ。
「確かに、小隊単位でのシンボルという説が主流であることは重々承知しています」
そう語るのは、ミンダーハイト=ギリアートン教授だ。
「しかし、考えてもみてください。高度33Yag(30m)もの高さにまでジャンプし、時速37Giz(60km)ものスピードで戦場を駆け回る兵士など見たことがありますか? …少なくとも、私は知りませんね。最速を誇る龍馬でも、何も乗ってないという条件下で時速30Giz(48km)です。それに、数ある文献を見ても、オプタルとドラグナーは完璧に区分されているのです。で、あるならば。フルッツファグ・リッターという巨大な乗り物も実在していたと考えるのが普通ではないでしょうか?」
非常にわかりやすい説ではある。だが、致命的なことに物的な証拠が出土していないのだ。
「ですから、知的オーパーツである数々の文献やオベリスクに刻まれたレリーフをより細かく調査することこそが、フルッツファグ・リッターの存在を確かなものにするのだと確信しているのです」
◇ ◇ ◇ ◇
ここ、経済の要所であるダーフや軍事的要所であるブラガルーンなどの交流を堰き止め、砦を中心として発展してきた街”バリエーラ”。そこから19Giz(約30km強)ほど東へ向かうと、国境を警護する”フェアンレギオン砦”がある。高峰、グローゼ・ベァガ山脈を背に聳え立つ幾つもの難所を極めた峠の上に、その砦は築かれていた。他国から国境を守るということもあって、もっとも手堅く警護が為されている。もちろん、これまで戦ってきた兵士やドラグナーもこの砦から派遣されたものであって、首都警備隊本隊のものではない。しかしその重要度からも屈強の戦士たちがこの砦に常駐しているということになる。当然ではあるが、山岳地帯であるこの砦には空戦用のドラグナーも配置されており、難攻不落を誇っていた。その砦の麓にある街が前述の”ブラガルーン”であり、俺達はそのブラガルーンへの同行に誘われていた。
「…そういう訳だ。どうだ、ここはひとつ参加しては貰えないだろうか」
ローンはサングラスの奥で厳しい視線を送ってきた。
「確かに、ここを落とせばひとつの拠点として使うことができます。でも…」
「…味方の損害が心配、か?」
「ええ。これだけの砦です。決して簡単には落ちてはくれないでしょう。それに、聞いた話では陸戦用よりも空戦用の配備が進んでいると聞いています。こちらにはシェスターの乗るドラグナー・ラーヴァナともう一騎しかスカイアウフはない。これでは圧倒的に不利かと思います」
俺の言葉を受けて、ローンはその長い黒髪をかきあげながら上目遣いに言った。その額のバッテン傷がやけに大きく目だって見える。
「しかし、我々としてもここを先に落としておきたいという事情がある。そこで、だ。ライヴ君はなかなか機転が利く男だとシェスターから報告を受けている。何かいいアイデアを提供してはもらえないか?」
…あのお転婆娘め、無責任にも余計なことを言いやがって…。俺は今この場にいないオレンジ頭のサイドテール娘を呪った。
「あの… ですね。一つ聞きたいのですが、この陸上空母は地上から浮いてますよね?」
「ああ、このアジ=ダハーカは地上より約3Yag(ヤグ:約2.7m)浮いている計算になるが… 何か?」
「最大俯角を取ってマックスパワーで上昇した場合、どれくらい浮上が可能ですか?」
「…ほう、面白いことを言う少年だね、君は。私もそれをやったことはないが、ある程度なら上昇は効くだろう。それで?」
「あの砦よりも高く、上昇することは可能ですか?」
俺はバリエーラからも見えるその砦を指差した。
「さて…。失速の危険はあるが、あの砦の近くからなら、十分にジャンプは可能だ。それで、どうするね?」
「俺なら、ランダーを飛ばします…」
◇ ◇ ◇ ◇
「ほう…。そのような手段で急襲をかける、と?」
「はい。このブラウ=レジスタルスの戦士たちはいずれも一騎当千の猛者ぞろいと聞いています。砦の中に入ってさえしまえば、後は余裕でこちらのものかと…」
「ハ… ハハ…、これは実に面白い! そのような作戦があったとは、この私も想像だにしなかった!」
「いかがでしょう。これが先日の加勢に対する最大限の謝意になるかと」
「面白い案だ。早速作戦会議にかけてみよう。当然、君も参加してもらえるだろう?」
え~…。正直言って俺はご遠慮させていただくつもりだった。しかし、周囲の雰囲気がそれを許して貰えそうにはなかった。
ダメだ。これは逃げられない。俺はただ黙って頷くしかなかった。
「困った顔をしてもダメだ。それに、ライヴ君にはどうしても参加する義務があるのだよ。ここを落とさない限り、反旗を翻したダーフやバリエーラは絶えず帝国からの攻撃にさらされることになる。君にとって、それは望ましいことではあるまい?」
ハイ、全くもってその通りです。仰るとおりですよ。これは仕方ない…。
「…わかりました。でも、この作戦を決行するには、多くの準備が必要です。その時間を稼いでいただきたい」
◇ ◇ ◇ ◇
「いいですか? 今から実験を行います。準備はいいですね?」
俺はブラウ=レジスタルスの乗員だけでなくダーフ・バリエーラの住民にも協力してもらって、できるだけ丈夫な布を準備してもらった。その布を一定間隔で揚力を生むように加工してもらい、長く繋げてもらう。ハンググライダーやパラグライダーは全くの素人ではあるのだが、中学時代に行ったハワイでのパラグライダー体験を元に話を勧めてみた。なんに一番手間取ったかって、揚力の説明に一番の時間を取られてしまった。なにせ、遊ぶための凧もない世界である。空の世界は一部のドラグナー乗りか、或いは空中空母の乗員ぐらいのものなのだ。
俺は総面積500㎡の布を縫い上げてもらい、それぞれを記憶を頼りに紐でつなげていく。それを俺のレクルート・ファハンに取り付け、バリエーラの西にある湖の畔での実験に臨もうとしていた。その間、帝国軍の斥候に見つからないよう、ブラウ=レジスタルスの面々には偵察任務をお願いしてある。
「いいですか! 今からブースターをふかします。この布が風を一杯にはらむまで、しっかりと持ち上げててください!」
フォォォォォ…! ファハンのブースターが小気味よく気流を排出していく。それとともに、少しずつ布も大きく膨らんでいくのが俺にもわかった。もっと、もっとだ…。俺は少しずつ出力を上げていく。
「ライヴさん! こちらはOKです!」
後方で、協力してくれている村の人からの声。よし、では始めるとするか…!
「総員、離れてください!」
俺は後方を確認すると、ダッシュローラーの出力をMAXパワーで回転させた。前進の途中から後方にかかる強いストレスを感じる。…これはいい兆候だ。俺はブースター出力をMAXまで引き上げた。
キュィ… ン!
ファハンはパラグライダーを背後に取り付けたまま、走り出した! これで地上から浮いてくれれば御の字だ!
…もっと …もっとスピードを …スラスターの出力も…!
…ダメか…。そう思いかけた時だった。フワ…っと浮いた。総重量が600kgはあろうかというこのファハンが、風をはらんだパラグライダーで浮いたのである。ようし、このまま浮上するぞ…! 俺は更に勢いをつけた。
…飛んだ! ジャンプではない、このファハンが大空を舞ったのである。高度は最大ジャンプの時のそれを超え、更に上昇していく。既にブースターは推進力のためだけの装置となり、布は立派な羽として機能していた。成功だ! 成功した! 俺は飛び上がって喜びたい気持ちでいっぱいだった。眼下では喜びはしゃぐ村人たち。まさか一枚の布を複雑に加工するだけで、これだけのことができようとは思っていなかった筈である。俺は操作用の紐を引っ張り、大きく旋回、更に逆方向に旋回して八の字に飛んでみせる。村人たちの興奮が最高潮に達した! これは使える…。最初はフルックツァグ・リッターを使用してラペリングしようかとも思っていたが、これは各個強襲も可能だという選択肢が増えたことを意味していた。うん。これは一発目から、非常に満足のいく成果が得られたぜ…。
果たして。帰投してきたブラウ=レジスタルスの面々と再会した。俺も、協力した村人たちも無言である。シュンとした様子で彼らを出迎えた。ローンが俺の肩を叩きながら、言った。
「…ダメだったか。まぁいい、まだ時間はある。別の策でも考えるさ…」
突然、俺達は笑い始めた。爆笑した! その様子に、ローンは驚きを隠せない様子だった。
「成功だよ、団長さん。俺のファハンは見事に宙を舞った。飛んだんだよ! 成功だ!!!」
◇ ◇ ◇ ◇
それから俺達は貫徹して必要枚数のパラグライダーを制作した。地上の陽動隊を差し引くと、俺の試作機と合わせ合計で3枚。奇襲を仕掛けるには十分な数だ。俺達はブラウ=レジスタルスの面々と相談の上、俺を含む3人とそれを護衛する1騎を選出した。
まず一人目は俺、ライヴ=オフウェイ。全体の指揮を取ることになった。
二人目はシェスター=ネッテ。敵の攻撃にはこのパラグライダーはどうしても弱くなる。で、彼女の登場と相成った。シェスターには俺達強襲部隊の警護にあたってもらうことになっている。もちろん、快く承諾してくれた。
三人目はアギル=イエーガー。スマートな体躯に整った顔立ち。豊かなウエーブのかかった金髪をオールバックにまとめた、青い瞳の青年である。実際に試してみて分かったのだが、彼はかなり器用にパラグライダーを操作していた。ランダーのマガン・ガドゥンガンを駆り、主に間接攻撃を特異とする。なかなか頼りになりそうな男だ。
四人目はフラウ=シュルヌ。俺より一つ上の女性だ。赤い髪を昔で言うところのウルフカットにまとめている。要は、少しクセのある髪をなでつけたような大雑把な髪と言うべきだろうか。その瞳も赤く、彼女の性質とも言える情熱的な感じが見て取れる。ランダー・ラウェルナに搭乗し、片手剣と盾を使う騎士なのだそうだ。
この四人が遙か高空からの奇襲に参加することになる。他のメンバーは全て、もう一騎のスカイアウフやアジ=ダハーカも含めて、地上で敵の軍勢を引きつけてもらうことになる。
「…だそうだ。どうだ? 面白い作戦だろう?」
ブリーフィングルームで、このブラウ=レジスタルスのリーダー、ローンはやたら俺を立てまくる。作戦がよっぽど起きに召したようだ。そして、このローン自身もまたランダー・ダイティーヤの乗員として参加するそうだ。実にフレキシブルなリーダーである。
「そうでもないのよ。ローン様、よっぽど大変な作戦か興味を持った作戦にしか参加しないんだから。普段は指揮専門なんだけど、今回は… そうね。きっと後者かな?」
シェスターは愛らしい笑みを浮かべながら、そう教えてくれた。
◇ ◇ ◇ ◇
「おまたせ、リーヴァ。ほんっとうに疲れた~!」
俺は自分にあてがわれた部屋に入ると、そこで待っていたリーヴァに話しかけた。
「…まったく。どうしようもないわね。でもまさかこんな事になるなんて、思ってもみなかったわ。ライヴが一端の軍師様みたいなことするだなんてね。以前からは考えられないわよ。それだけ期待されてるってこと、かな?」
「期待されるのはいいんだけどさ、ちゃんと結果が出せるとは限らないんだよ? 俺、いっつもヒヤヒヤしながらあの連中の話を聞いてるんだから。本当なら、俺はとうにお役御免になってて当然のはずなんだけどな~」
そう言いながら、俺はソファに飛び込んでいく。フカフカのソファの感触が心地よい。でも、リーヴァの膝枕ならどんなにか心地よいだろう? 俺は期待を込めて、リーヴァの目をジッと見つめた。
「な、何よ。何を期待してるの?」
「頑張ってる俺に、何かひとつでいいからご褒美がほしい…」
「なッ」
リーヴァの顔がポッと赤くなった。これは期待してもいいのかな?
「ななななななななななななな…」
呂律が回っていないリーヴァ。あれ、一体何を想像したんだろう?
「ね、リーヴァ。一体何を…」
俺が手をのばすと、その手をパチンと叩かれた。
「何よ何よ、このH! ドスケベ、変態!」
何故かえらく怒られてしまった。
「ち、ちょっとまってよ。俺はただ…」
「ただ、何?」
「膝枕を…」
「え…、ひ、…膝枕… だったの?」
「お前、一体何想像した? もしかして、やらしいことでも…」
「わ~~~~~! バカバカバカバカ! ライヴのバカ! もう知らないんだから!」
リーヴァはそう言って俺をポカポカ叩きながら、それでも側に座ってくれた。
「ちょ、ちょっとだけ、なんだからね」
「…いいの?」
「だから、ちょっとだけだって言ってるでしょ? 嫌なら、あたし、帰るわよ!?」
「ありがとう、リーヴァ! 俺、めっちゃ嬉しいよ!」
こうして俺の貴重な人生初の膝枕は、ちょっぴり恥ずかしげな表情を浮かべる美少女・リーヴァ=リバーヴァによってもたらされたのであった。うん、これは実に心地良い…。
俺は6階建てのビルに相当するそれを見上げた。おおよその見積もりだが、全高は10mぐらい、全幅が10m、全長が40mといったところか。それだけのものが地上から僅か数mほど浮いている。材質は明らかに鋼鉄などの類ではなく甲殻生物特有の光沢を放ち、全体的にも有機的なデザインになっている。後背部のエンジンと思しき箇所には、これまた大きなスリットがいくつも入れられており、心なしかボォ… っと蒼く輝いている。一言で言ってしまうならば、まるで牛乳パックで造れそうな箱型の空母。その腹部中央に大きな神鋼機兵用の射出口があり、この射出口が時々に応じて左右に展開・ドラグナーが射出されるようになっている。全体を見渡せるデッキは更に上… 底部から15mほど上まで屹立しており、レーダーらしきレドームがいくつか見受けられる。兵装は110mm三連砲塔が左右に3基づつ、応戦用のカノン砲が側面と上部に数基ずつ配置されており、屋上に当たる箇所も発着場として使用可能とのことだった。
…果たして。
俺の言いたいことがちゃんと伝わっただろうか。この仰々しい代物が、件の陸上空母だというのである。俺は”陸上空母”という響きを聞いて、てっきり海上自衛隊の”ひゅうが”のような空母にキャタピラが付いたような代物を想像していた。いやはや、一見は百聞にしかずとはまさにこの事である。
前回の戦いで加勢してくれたブラウ=レジスタルスのリーダー、ローン・リアリズレン卿は言った。
「…そうだ、ライヴ君。これが我々の居城となる陸上空母、アジ=ダハーカだ。我々ブラウ=レジスタルスは君とダーフ・バリエーラの戦士たちを心から歓迎する!」
◇ ◇ ◇ ◇
「クーリッヒ・ウー・ヴァンの物語を覚えているものは幸せである。心豊かであろうから。歴史家達は言う。この時代がもっとも激しく、劇場的なエピソードに彩られた世界であったと。…さて皆さん、ご機嫌いかがですか? ブレンドフィア=メンションです。
現代においてもなお発掘されていないドラグナーを駆り、数多くの英雄が活躍したこのクーリッヒ・ウー・ヴァンの世界。人によっては想像の産物であると思える記述ですら、私はその存在を信じています。あなたも… そう、あなたもそうでしょう?
それ程までに人の心を引きつけてやまないクーリッヒ・ウー・ヴァンの物語を、一緒に紐解いていきましょう。
ところで。この物語には数多くの信じられないようなスーパー兵器が登場します。そのうちのひとつが、陸上空母ではないでしょうか? 数多くの英雄たちを乗せてあちらこちらを転戦してきたフルッツファグ・リッター。我らが英雄、ライヴ=オフウェイもまた、アジ=ダハーカと呼ばれるフルッツファグ・リッターに搭乗していました。その大きさは、…このテレビの画面でおわかりでしょうか? このように私がこれほど小さく見えるほど巨大なものでした。全高約6Yag(5.5m)といわれるドラグナーを何騎も搭載し移動していたこのフルッツファグ・リッター。本当にこの様な巨大な乗り物が世界中を自由に行き来し存在していたというのでしょうか…?」
「シンボルとしての船だったと私は考えています」
そう話すのは、アンスタフト=ヒストリカ教授だ。
「確かに、ドラグナーを実在したロボットであると仮定しましょう。それらをまとめて移動するということはとても困難なことです。第一、重量がとてつもないほどになってしまう。とは言え、ドラグナーは一種の力の象徴でもありました。故に、いかにしてそれらを誇示するかを考えてみれば、フルッツファグ・リッターはとても都合のいい乗り物だったんです。おそらくですが… 実際には行軍時のベースキャンプとしての一名称だったと考えるのが最も自然だと、私は考えるのです」
つまり、ヒストリカ教授の考えはこうだ。
一隻のフルッツファグ・リッターの搭乗員数は約120名。これは今で言うところの一個中隊に当たる。そしてドラグナーには一騎につき約30名が充てがわれていたと言われ、これは今で言う小隊の単位だ。これは非常に興味深いデータではある。そのことが何を意味しているかは、もうおわかりだろう? ひとつの中隊のシンボルとして、フルッツファグ・リッターと呼称していたというのが、ヒストリカ教授の説なのだ。
「確かに、小隊単位でのシンボルという説が主流であることは重々承知しています」
そう語るのは、ミンダーハイト=ギリアートン教授だ。
「しかし、考えてもみてください。高度33Yag(30m)もの高さにまでジャンプし、時速37Giz(60km)ものスピードで戦場を駆け回る兵士など見たことがありますか? …少なくとも、私は知りませんね。最速を誇る龍馬でも、何も乗ってないという条件下で時速30Giz(48km)です。それに、数ある文献を見ても、オプタルとドラグナーは完璧に区分されているのです。で、あるならば。フルッツファグ・リッターという巨大な乗り物も実在していたと考えるのが普通ではないでしょうか?」
非常にわかりやすい説ではある。だが、致命的なことに物的な証拠が出土していないのだ。
「ですから、知的オーパーツである数々の文献やオベリスクに刻まれたレリーフをより細かく調査することこそが、フルッツファグ・リッターの存在を確かなものにするのだと確信しているのです」
◇ ◇ ◇ ◇
ここ、経済の要所であるダーフや軍事的要所であるブラガルーンなどの交流を堰き止め、砦を中心として発展してきた街”バリエーラ”。そこから19Giz(約30km強)ほど東へ向かうと、国境を警護する”フェアンレギオン砦”がある。高峰、グローゼ・ベァガ山脈を背に聳え立つ幾つもの難所を極めた峠の上に、その砦は築かれていた。他国から国境を守るということもあって、もっとも手堅く警護が為されている。もちろん、これまで戦ってきた兵士やドラグナーもこの砦から派遣されたものであって、首都警備隊本隊のものではない。しかしその重要度からも屈強の戦士たちがこの砦に常駐しているということになる。当然ではあるが、山岳地帯であるこの砦には空戦用のドラグナーも配置されており、難攻不落を誇っていた。その砦の麓にある街が前述の”ブラガルーン”であり、俺達はそのブラガルーンへの同行に誘われていた。
「…そういう訳だ。どうだ、ここはひとつ参加しては貰えないだろうか」
ローンはサングラスの奥で厳しい視線を送ってきた。
「確かに、ここを落とせばひとつの拠点として使うことができます。でも…」
「…味方の損害が心配、か?」
「ええ。これだけの砦です。決して簡単には落ちてはくれないでしょう。それに、聞いた話では陸戦用よりも空戦用の配備が進んでいると聞いています。こちらにはシェスターの乗るドラグナー・ラーヴァナともう一騎しかスカイアウフはない。これでは圧倒的に不利かと思います」
俺の言葉を受けて、ローンはその長い黒髪をかきあげながら上目遣いに言った。その額のバッテン傷がやけに大きく目だって見える。
「しかし、我々としてもここを先に落としておきたいという事情がある。そこで、だ。ライヴ君はなかなか機転が利く男だとシェスターから報告を受けている。何かいいアイデアを提供してはもらえないか?」
…あのお転婆娘め、無責任にも余計なことを言いやがって…。俺は今この場にいないオレンジ頭のサイドテール娘を呪った。
「あの… ですね。一つ聞きたいのですが、この陸上空母は地上から浮いてますよね?」
「ああ、このアジ=ダハーカは地上より約3Yag(ヤグ:約2.7m)浮いている計算になるが… 何か?」
「最大俯角を取ってマックスパワーで上昇した場合、どれくらい浮上が可能ですか?」
「…ほう、面白いことを言う少年だね、君は。私もそれをやったことはないが、ある程度なら上昇は効くだろう。それで?」
「あの砦よりも高く、上昇することは可能ですか?」
俺はバリエーラからも見えるその砦を指差した。
「さて…。失速の危険はあるが、あの砦の近くからなら、十分にジャンプは可能だ。それで、どうするね?」
「俺なら、ランダーを飛ばします…」
◇ ◇ ◇ ◇
「ほう…。そのような手段で急襲をかける、と?」
「はい。このブラウ=レジスタルスの戦士たちはいずれも一騎当千の猛者ぞろいと聞いています。砦の中に入ってさえしまえば、後は余裕でこちらのものかと…」
「ハ… ハハ…、これは実に面白い! そのような作戦があったとは、この私も想像だにしなかった!」
「いかがでしょう。これが先日の加勢に対する最大限の謝意になるかと」
「面白い案だ。早速作戦会議にかけてみよう。当然、君も参加してもらえるだろう?」
え~…。正直言って俺はご遠慮させていただくつもりだった。しかし、周囲の雰囲気がそれを許して貰えそうにはなかった。
ダメだ。これは逃げられない。俺はただ黙って頷くしかなかった。
「困った顔をしてもダメだ。それに、ライヴ君にはどうしても参加する義務があるのだよ。ここを落とさない限り、反旗を翻したダーフやバリエーラは絶えず帝国からの攻撃にさらされることになる。君にとって、それは望ましいことではあるまい?」
ハイ、全くもってその通りです。仰るとおりですよ。これは仕方ない…。
「…わかりました。でも、この作戦を決行するには、多くの準備が必要です。その時間を稼いでいただきたい」
◇ ◇ ◇ ◇
「いいですか? 今から実験を行います。準備はいいですね?」
俺はブラウ=レジスタルスの乗員だけでなくダーフ・バリエーラの住民にも協力してもらって、できるだけ丈夫な布を準備してもらった。その布を一定間隔で揚力を生むように加工してもらい、長く繋げてもらう。ハンググライダーやパラグライダーは全くの素人ではあるのだが、中学時代に行ったハワイでのパラグライダー体験を元に話を勧めてみた。なんに一番手間取ったかって、揚力の説明に一番の時間を取られてしまった。なにせ、遊ぶための凧もない世界である。空の世界は一部のドラグナー乗りか、或いは空中空母の乗員ぐらいのものなのだ。
俺は総面積500㎡の布を縫い上げてもらい、それぞれを記憶を頼りに紐でつなげていく。それを俺のレクルート・ファハンに取り付け、バリエーラの西にある湖の畔での実験に臨もうとしていた。その間、帝国軍の斥候に見つからないよう、ブラウ=レジスタルスの面々には偵察任務をお願いしてある。
「いいですか! 今からブースターをふかします。この布が風を一杯にはらむまで、しっかりと持ち上げててください!」
フォォォォォ…! ファハンのブースターが小気味よく気流を排出していく。それとともに、少しずつ布も大きく膨らんでいくのが俺にもわかった。もっと、もっとだ…。俺は少しずつ出力を上げていく。
「ライヴさん! こちらはOKです!」
後方で、協力してくれている村の人からの声。よし、では始めるとするか…!
「総員、離れてください!」
俺は後方を確認すると、ダッシュローラーの出力をMAXパワーで回転させた。前進の途中から後方にかかる強いストレスを感じる。…これはいい兆候だ。俺はブースター出力をMAXまで引き上げた。
キュィ… ン!
ファハンはパラグライダーを背後に取り付けたまま、走り出した! これで地上から浮いてくれれば御の字だ!
…もっと …もっとスピードを …スラスターの出力も…!
…ダメか…。そう思いかけた時だった。フワ…っと浮いた。総重量が600kgはあろうかというこのファハンが、風をはらんだパラグライダーで浮いたのである。ようし、このまま浮上するぞ…! 俺は更に勢いをつけた。
…飛んだ! ジャンプではない、このファハンが大空を舞ったのである。高度は最大ジャンプの時のそれを超え、更に上昇していく。既にブースターは推進力のためだけの装置となり、布は立派な羽として機能していた。成功だ! 成功した! 俺は飛び上がって喜びたい気持ちでいっぱいだった。眼下では喜びはしゃぐ村人たち。まさか一枚の布を複雑に加工するだけで、これだけのことができようとは思っていなかった筈である。俺は操作用の紐を引っ張り、大きく旋回、更に逆方向に旋回して八の字に飛んでみせる。村人たちの興奮が最高潮に達した! これは使える…。最初はフルックツァグ・リッターを使用してラペリングしようかとも思っていたが、これは各個強襲も可能だという選択肢が増えたことを意味していた。うん。これは一発目から、非常に満足のいく成果が得られたぜ…。
果たして。帰投してきたブラウ=レジスタルスの面々と再会した。俺も、協力した村人たちも無言である。シュンとした様子で彼らを出迎えた。ローンが俺の肩を叩きながら、言った。
「…ダメだったか。まぁいい、まだ時間はある。別の策でも考えるさ…」
突然、俺達は笑い始めた。爆笑した! その様子に、ローンは驚きを隠せない様子だった。
「成功だよ、団長さん。俺のファハンは見事に宙を舞った。飛んだんだよ! 成功だ!!!」
◇ ◇ ◇ ◇
それから俺達は貫徹して必要枚数のパラグライダーを制作した。地上の陽動隊を差し引くと、俺の試作機と合わせ合計で3枚。奇襲を仕掛けるには十分な数だ。俺達はブラウ=レジスタルスの面々と相談の上、俺を含む3人とそれを護衛する1騎を選出した。
まず一人目は俺、ライヴ=オフウェイ。全体の指揮を取ることになった。
二人目はシェスター=ネッテ。敵の攻撃にはこのパラグライダーはどうしても弱くなる。で、彼女の登場と相成った。シェスターには俺達強襲部隊の警護にあたってもらうことになっている。もちろん、快く承諾してくれた。
三人目はアギル=イエーガー。スマートな体躯に整った顔立ち。豊かなウエーブのかかった金髪をオールバックにまとめた、青い瞳の青年である。実際に試してみて分かったのだが、彼はかなり器用にパラグライダーを操作していた。ランダーのマガン・ガドゥンガンを駆り、主に間接攻撃を特異とする。なかなか頼りになりそうな男だ。
四人目はフラウ=シュルヌ。俺より一つ上の女性だ。赤い髪を昔で言うところのウルフカットにまとめている。要は、少しクセのある髪をなでつけたような大雑把な髪と言うべきだろうか。その瞳も赤く、彼女の性質とも言える情熱的な感じが見て取れる。ランダー・ラウェルナに搭乗し、片手剣と盾を使う騎士なのだそうだ。
この四人が遙か高空からの奇襲に参加することになる。他のメンバーは全て、もう一騎のスカイアウフやアジ=ダハーカも含めて、地上で敵の軍勢を引きつけてもらうことになる。
「…だそうだ。どうだ? 面白い作戦だろう?」
ブリーフィングルームで、このブラウ=レジスタルスのリーダー、ローンはやたら俺を立てまくる。作戦がよっぽど起きに召したようだ。そして、このローン自身もまたランダー・ダイティーヤの乗員として参加するそうだ。実にフレキシブルなリーダーである。
「そうでもないのよ。ローン様、よっぽど大変な作戦か興味を持った作戦にしか参加しないんだから。普段は指揮専門なんだけど、今回は… そうね。きっと後者かな?」
シェスターは愛らしい笑みを浮かべながら、そう教えてくれた。
◇ ◇ ◇ ◇
「おまたせ、リーヴァ。ほんっとうに疲れた~!」
俺は自分にあてがわれた部屋に入ると、そこで待っていたリーヴァに話しかけた。
「…まったく。どうしようもないわね。でもまさかこんな事になるなんて、思ってもみなかったわ。ライヴが一端の軍師様みたいなことするだなんてね。以前からは考えられないわよ。それだけ期待されてるってこと、かな?」
「期待されるのはいいんだけどさ、ちゃんと結果が出せるとは限らないんだよ? 俺、いっつもヒヤヒヤしながらあの連中の話を聞いてるんだから。本当なら、俺はとうにお役御免になってて当然のはずなんだけどな~」
そう言いながら、俺はソファに飛び込んでいく。フカフカのソファの感触が心地よい。でも、リーヴァの膝枕ならどんなにか心地よいだろう? 俺は期待を込めて、リーヴァの目をジッと見つめた。
「な、何よ。何を期待してるの?」
「頑張ってる俺に、何かひとつでいいからご褒美がほしい…」
「なッ」
リーヴァの顔がポッと赤くなった。これは期待してもいいのかな?
「ななななななななななななな…」
呂律が回っていないリーヴァ。あれ、一体何を想像したんだろう?
「ね、リーヴァ。一体何を…」
俺が手をのばすと、その手をパチンと叩かれた。
「何よ何よ、このH! ドスケベ、変態!」
何故かえらく怒られてしまった。
「ち、ちょっとまってよ。俺はただ…」
「ただ、何?」
「膝枕を…」
「え…、ひ、…膝枕… だったの?」
「お前、一体何想像した? もしかして、やらしいことでも…」
「わ~~~~~! バカバカバカバカ! ライヴのバカ! もう知らないんだから!」
リーヴァはそう言って俺をポカポカ叩きながら、それでも側に座ってくれた。
「ちょ、ちょっとだけ、なんだからね」
「…いいの?」
「だから、ちょっとだけだって言ってるでしょ? 嫌なら、あたし、帰るわよ!?」
「ありがとう、リーヴァ! 俺、めっちゃ嬉しいよ!」
こうして俺の貴重な人生初の膝枕は、ちょっぴり恥ずかしげな表情を浮かべる美少女・リーヴァ=リバーヴァによってもたらされたのであった。うん、これは実に心地良い…。
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