蒼き炎の神鋼機兵(ドラグナー)

しかのこうへい

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第三章

フィスクランド攻防戦Side-C

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「クーリッヒ=ウー=ヴァンの物語を知るものは幸せである。心豊かであろうから。さて皆さん、こんばんは。今夜も皆さんとクーリッヒ=ウー=ヴァンの物語を旅することになります、ブレンドフィア=メンションです。ご機嫌はいかがですか?

前回の番組と同じく、今回もフィスクランド攻防戦の際に行われたもう一つの歴史を皆さんにお伝えしましょう。今から遡ること二十数年前、史跡:フェアンレギオン砦跡の発掘現場から発見された、フラウ=シュルヌが書いたと思われる記録の写本がここにあります。これもトリスモス島での一件を記した写本と同じく、バンバスの幹を薄く切り紐で繋いだ書簡として発見されました。この写本にも当時のブラウ=レジスタルスの面々を始めとする数々の英雄たちの名前が見て取れますね…。」

古代史の中でも特に大きかった筈の第二次フェアンレギオン砦の攻防戦について、専門家の間では大きくふたつの意見に分かれている。これも当時の英雄の一人、ライヴ=オフウェイによって指揮されたものであるとする説と、あくまで騎士フラウ=シュルヌの指揮のもとで行われたとする説だ。前者の根拠として、頭の硬かったと評されるシュルヌにこのような用兵が可能だっただろうか? とするものである。後年のシュルヌの指揮により行ったとする戦いにおいては非常に手堅く、基本に忠実な戦いを好んでいたとされている。で、あるならば。この戦いでのシュルヌの用兵は違和感があるというのである。

「そうなんです。フラウ=シュルヌは手堅い用兵を得意とし、また同時に優秀な騎士でもありました。その一方で、融通の効かない一面も持ち合わせていたと描かれています」
そう語るのは、ミンダーハイト=ギリアートン教授だ。
「自由に物を考え、その場その場に合わせた自在な戦術を得意としたライヴ=オフウェイとは異なり、フラウ=シュルヌの用兵は『硬いが蟻のひと穴で一気に崩れる』という一面をも持ち合わせていたようです。それはこの戦いのはるか以前に行われた作戦で露呈しています。で、あるならば。今回の用兵は非常に臨機応変に行われておりフラウ=シュルヌらしくない戦い方であったと思われます。つまり、その影には先に加わったライヴ=オフウェイ少年の影が見え隠れしているのです」

「確かに、彼女は手堅い一方で、あっさりと敵に裏をかかれてしまう一面を持ち合わせていました」
そう語るのは、アンスタフト=ヒストリカ教授である。
「しかし、ライヴ=オフウェイ少年が指揮したというのは早計です。彼は非常に用意周到な一面も持ち合わせていました。ですから、何らかのアドバイスを残していたとは考えることが可能です。ですが、結局この戦いにおいての主導権はフラウのものであり、その後の彼女の戦い方によく見られる戦術的なコツを取得したのでは? と私は思うのです」

◇     ◇     ◇     ◇

「つまりですね、フラウ」
ライヴが事細かに解説してくれる。し、しかしだな。顔が近い。私は胸も張り裂けんばかりに叫び出したかった。
「黒色火薬というものがあります。これは肥料や男性用の厠から採取できる硝酸ナトリウムと、炭、火山で多く取れる硫黄をこの図面のように配合することで完成します。俺の世界ではもっとも古い火薬で、数千年前から使われてたと… どうしたの、フラウ?」
「いいいいいやいやいや、何でもない。少し、緊張しているだけだ。心配ない」
「珍しいこともあるもんですね。それに、顔も赤い。本当は何処か、調子が悪いんじゃないか?」

ひやぁぁぁぁあぁ!

ライヴの手が私の額に触れる。冷たくて気持ちいい …じゃなくて、止まってしまえ、私の心臓! これでは普通の恋する娘と同じではないか。コイツがそばにいるだけで、こんなにも嬉しく、心躍るだなんて。私は騎士だ。しかもこのライヴ直々にこのフェアンレギオン砦の指揮を任されている。このような浮ついた気持ちでどうする。
「いやいやいやいや、何でもないぞ。決して、本当に、何でもないのだ」
「でもフラウ、君の体温、なんだか少し高いよ?」
額をピタッと付けられる。

…ぴやぁぁぁぁぁ!!!

私は後付去って額に両手をおいた。ライヴの手の感触がまだ残っている。本当になんてことをしてくれるんだ! コイツは天然の女たらしか? そうなんだな。いや、そうに違いない!
「…うん、やっぱりちょっと体温が高いようだね。少し休憩しよう」

私は風にあたりに外へでた。今宵の風は少し涼しくて、なんだか気持ちいい。
そもそも何故このようなことになったかというと、大砲ガイスト・カノンの数が圧倒的に足りなくなったのだ。そこでなにか良い知恵はないかと相談したところ、作戦まではまだ時間があるだろうから、と案を出してくれていたのである。でもまさか、だ。私がこんなにときめいてしまうとは、全くもって不覚である。

我々ドラグナー乗りはそれ自体が武器のようなものだからいいが、一般兵や騎士にとって敵ドラグナーは非常な脅威である。ドラグナーによって城門を壊されたりでもしたら、敵の兵士が一気に押し込んでくる。そうなった時のためのドラグナー乗りであり、適応者でなくとも使うことの出来る発掘砲台:ガイスト・カノンなのである。が、このガイスト・カノンには欠点がある。使用者の精神力を使うため、何発か使うと交代要員が必要になるのだ。

そこで、ライヴからの回答である。投石機と火薬爆弾の組み合わせで、敵を駆逐しようというのだ。確かに古くから投石機は存在し、大昔の戦いでも活躍してきている。が今現代において投石機のようなものを使用するとは思わなかった。しかも、火薬? 私にとっては初めて聞く言葉だった。この火薬を使い、炸裂弾を作ろうというのである。それを投石機で放ち、敵兵士に直接のダメージを与えようというのだ。私にとって投石機のイメージは、あくまでも熱く焼いた石を放り込むものである。

それを提案した時、ライヴは言った。それでもいい、と。
だが炸裂弾には敵への恐怖心を植え付ける効果が段違いだというのだ。

私は頬の火照りを冷ますと、再び説明を受けにライヴのいる部屋へと向かった。ライヴは事細かにいろいろ書き込んでいてくれた。自分がいなくても傭兵できるように、との配慮である。この男、どこまで気が利くのやら…。私は日記をつける習慣はない、だが今日彼から教わったことは後々有効に使えるだろう。大切に書簡に書き写し、後々の民のために残しておこう。

◇     ◇     ◇     ◇

その日から4日後、ヌッツの使いだという男が来た。手渡された書簡にはローン様の印璽がある。早速私は封を切り、その書状の中身に目を通した。

いよいよ今晩決行、という内容だった。

おそらくこちらにも何らかのアクションが起きるはずだ。
あの日から部下に命じて、グローゼ・ベァガ山脈の火山帯から採取した硫黄をはじめ、ライヴが書き込んでくれた内容に沿って炸裂弾を作っていた。作られた炸裂弾は16発。それでも十分な方だろう、とライヴは言っていた。果たして今夜の夜襲はあるのか? 私は厳重警戒を全員に言い渡すと、軽い仮眠を取った。作戦開始は今夜0時。それまで5分でも休んで置かなければ…。

◇     ◇     ◇     ◇

「…敵襲ー!!」
敵の到来を告げるサイレンがけたたましく鳴り響く。私は戦闘服に身を包み、我がラウェルナに飛び乗った。
ドラグナー体は既に出撃準備を終えていた。10騎のスカイアウフ・クワットと3騎のヘイムダルと6騎のファハンがずらりと並び、私の言葉を待っている。
「さて、諸君。正念場だ。我々は本来袂を分かちあった仲である。だがここに至り、敵国ウィクサーの野蛮人共からこの国を守らねばならぬ。互いに協力し、これを排除すべし!」
「おおお…!!!」
ドラグナー乗りたちの士気は高い。これなら十分に持ちこたえられるだろう。

私は外に出ると、城門上の観測班を通じて状況を聞き取った。本来ならば弓矢隊が詰めているのだが、今回に至ってはそれがない。一部のガイスト・カノン班と城門下の投石機の班が今や遅しと待機している。
「敵軍を観測! 距離約545Yag(500メートル)!」
「あと少し、引きつけ!」
「敵ランダー、前面に展開! 上空にスカイアウフの姿なし!」
「スカイアウフに備え、ガイスト・カノンは対空措置! 敵の距離は!?」
「約300Yag(274メートル)!」
「よし、炸裂弾、ランダー後方の兵士に向けて… 撃て…!」

炸裂弾は放物線を描いて、はるか遠くの闇の中に消えていく。そして…
パァァ… ン! パァァ… ン! パパァァァ… ン!
その名の通り、閃光と共に炸裂弾が爆発する。敵ランダーは進行を止め、後ろを振り向いた。兵士の一軍に穴が空き、重症患者の山が出来ている。
「ランダー隊、スカイアウフ隊、騎士隊に告ぐ。今だ! 城門開け…!」
「うおおおおおおお!!!」

◇     ◇     ◇     ◇

それは一方的な戦いだった。
人により構成された兵士たちは、既に炸裂弾の効果を受けて戦意を喪失していた。怪我人多数。それも、相当な深手である。私は彼:ライヴ=オフウェイという人物の底の知れなさに改めて感服した。彼が味方であって本当に良かったなと、心から神に祈った。ドラグナーに乗れない騎士たちに被害はなく、敵兵は逃げ戸惑うのみ。

敵ドラグナーもまた、見知らぬ炸裂弾の威力に気を取られ、先頭に集中できない様子。

「風はこちらに吹いている。私に続け!」
私は威勢を上げて、敵ドラグナーへと踊りかかった。イェンリッシュとも呼ばれる敵のランダーは一本の角と大きな方が特徴的なドラグナーである。勿論、こちらで言うところのヘイムダルクラスの士官用であり、乗り手も含めなかなか厄介なドラグナーだ。私はその一騎をとらえると、肩からのアタックでまず相手の体を崩した。
ドウ… と倒れ込むイェンリッシュ。私は剣と盾を構え直すと、続けざまに剣で胴体を突きにかかる。しかし敵もさるもの、騎体を転がし、私の連撃を避けながら体勢を整えた。私は休む間もなく盾での体当たりを敢行、敵イェンリッシュは見事に吹き飛び、岩肌に叩きつけられる。その隙を見逃すことなく、私はその胴体に剣を突き立てた。…これで一騎。次は…。

…いた! ノーマークの騎体がひとつ。

私はライヴからの書簡を思い出していた。
『今から書いてあることを実践してください。敵ドラグナー1に対し、こちらは必ず3騎以上でかかること。1対1では押される可能性があります。現場で戦闘を長引かせるのはマズい。ですから、確実に一騎一騎を落としていきましょう。最初は戦力差があっても、確実に落としていけば最後には勝利しています。それに、炸裂弾による動揺を加えれば、作戦はかなりの確率で上手くいくはず。そのためには、フラウさんは撹乱を担ってもらいます。勿論、戦っても構いません。ですが、あまり時間をかけないでください。時間がかかるようなら、次へ回ってください。いいですね。あなたは撹乱が主任務です。そこのところを間違えないよう。

また、同胞となった・また同法として扱っている騎士やドラグナー乗りに花を持たせるよう振る舞ってください。あくまでここは本来の彼らの主戦場です。もし約上のとおりに原隊へ戻る歳、何も手柄がないと帰り辛い状況が発生します。それだけは避けてください。

くれぐれも気をつけて。
フラウさんに神の御心が通じますように。ライヴ=オフウェイ』

「そうだったな、ライヴ!」
私は周囲に味方がいないことを確認すると、その一騎にアタックをかけた。フェイントをかけた盾の一撃。そして、下からのボディアタック。敵イェンリッシュは軽く吹き飛び、大地に転がった。私はジャンプし、盾を構えながら剣を思い切り突き出す!

ヒット!

剣を抜き間合いを取り直すと、哀れイェンリッシュは火花とともに弾け飛んだ。これで、2騎!
私は周囲を見渡した。味方のヘイムダルとファハンは割とうまくやっている。よろしい、マークされてない騎体はもういない。

『もし全てに味方のマークが入ったならば、フラウさんは陽動から援護に回ってください。あくまでここは同胞の主戦場です』
「…わかってるよ、ライヴ」
私は呟くと、手近で戦っている敵イェンリッシュの背後を薙いでは走り回った。ダッシュローラーの音は軽くて調子がいい。

パアァ…ン!

頭上で敵のスカイアウフが弾ける音がした。味方のクアットがやってくれたようだ。
『-隊長、あんまり地面ばかりをみないでください! 敵スカイアウフ:ギーブルが隊長を指向してましたよ!-』
「感謝する!」
危ない危ない、確かに地面の敵にしか頭になかった。私は空を見上げると、残りのギーブルの数を読んでいった。

…うん、大体ちゃんと味方がマークしている。1対多数でこちらが有利に進めている。

敵の後方支援にあたっている大砲隊が見えてきた。私は幾つもの岩場を足場に大きくジャンプ! 一気に間合いを詰めた。
「…この戦い方も、ライヴ的なやり方だな…」
私は剣を収め、腕に装着したガイスト・カノンを敵陣営に向ける。そして、発砲!
敵ガイスト・カノンは沈黙した。

「どきなさい、轢かれたら痛いではすまない!」
私はウィクサーの言葉で端的に声を発した。敵兵がふたつに割れ、敵陣の、敵首領までの道が開かれる!

『-この…、グロウサーのいやらしい、堕落した非民どもが-』
敵将が何やらそんなことを叫んでいる。敵将のイェンリッシュは独特の民族的なカラーリングが施されていた。私はそれをも意に介さず、盾を使って全身の力を込めてアタック! 敵将はあっけなく吹き飛び、岩壁に打ち付けられる。私は腕のガイスト・カノンを外すと、そのまま腕に装備されている”爪”を撃ち出した!

ヒット!

敵イェンリッシュの胴体に大きな穴が穿たれる。そして、沈黙。
敵の大勢はこうしてもろくも崩れ去ったのだった。

「深追いをするな! あくまで我々の主任務はここの死守だ。敵の殲滅ではない!」

結論を言おう。苦戦を想像していたにも関わらず、結果は意外にもあっけなかった。炸裂弾はその効果を十二分に発揮し、敵兵士の士気を大きく下る結果を残した。前進を止めた敵ランダーも次々と我が陣のドラグナー隊によって駆逐、敗走していったのである。

まさに圧勝だった。

今までこんなにあっさりと勝利した経験がなかった私は半ば呆気にとられていた。それほどまでに、ライヴの残したものは大きかったのである…。

◇     ◇     ◇     ◇

ライヴ達がフェアんレギオン砦に帰還した。私は彼を軽くねぎらって出迎えると、ライヴは私の勝利を我がごとのように嬉しそうに喜んでくれた。その笑顔が本当に眩しい。
「そういうことがあったんだよ! ほんとうに大変だったんだから!」
シェスターがライヴにまとわりついている。コイツも、か。私はシェスターの心の中に私と同じものを感じていた。
これはライバルが多すぎる。だが、正々堂々と我が婿に奪ってみせよう。

愛とは待つものではない。自ら動いて、その手で勝ち取るものなのだ。
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