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第二章
その男、クルーガー-04
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さて、ここで問題。
俺のレクルート・ファハンは全壊のまま。新しい騎体となる筈の”ギーヴル”は未だ組み上がらぬままで、俺の身体も全快とは言い難い状態。しかし、時間は待っちゃくれない。このなんとももどかしいストラテジー・ゲームは、俺の意思に反してどんどんと不利な方向へと突き進んでいく。
果たして、打開策は?
クルーガーは言う。今回の戦いに、正確には全般的に、俺の出番は全くないのだと。俺にできることと言えば、簡単な指示を出すだけで、ただおとなしく事の成り行きを眺めているだけで良いのだと。
果たして、そんな上手い話があるか?
クルーガーは言う。アリなのだと。
この得体の知れない髭モジャの小男が、敵でない可能性は否定できない。だが俺は敢えてこの男の策に乗ろうと思う。何故かって? 上手く言えないけれど、野生の勘ってヤツ。この勘が外れていたならば、俺達は一環のお終いだ。どうしようもない。だが、この男にはなんとかしてくれそうな何かがあった。
「…そういう訳だ。アジ・ダハーカは静隊・ロータ・メティオ隊を含むエッセン副長と共に、ダス・ヴェスタへ向かう。そして、アジ・ダハーカ及び各隊の指揮をヴァータス=クルーガーに氏に一任する」
勿論、万が一のことを考えてのエッセン副長なのだ。
「つまり、我が喉元にナイフを突きつけている訳だな」
クルーガーは表情ひとつ変えることなく、ひょうひょうと言ってのけた。
「そうじゃなくて、ブルフント=ヴィジッター公の好意と思ってほしいな」
俺が言うと、クルーガーはニヤリと不敵な表情を浮かべた。
「ガッハッハ! 全く、底が知れん。貴方の大事な部隊、確かに預かった。安心していい」
なんとも上機嫌なクルーガーを横目に、俺は続けた。
「残りの各ドラグナー隊はラウレスランドへ向かうことになる。帝国兵に蹂躙されているファントメシアの部族を開放しに行くぞ」
「ライヴ君はどうやって行くの?」
シェスターが当然の疑問を投げかけてきた。
「ヴィジッター公から陸上輸送艇:ダウティナを借り受けた。俺はそこで指揮を取る。アジ・ダハーカより武装は少ないけれど、積み込める人員やドラグナーの数はアジ・ダハーカの比じゃない。それに、コイツには目玉商品を積み込んである。勿論、公にはあまり知られていない船だ。隠密行動には適していると思うけど、どうだろう?」
「そっかー。じゃ、ライヴ君と一緒に行けるんだね?」
「そうだよ、シェスター」
「きゃ♪」
なんとも嬉しそうなシェスターの横から、フラウが間を割ってきた。
「それで、どうやって私達が援軍だと先方に知らせるの?」
「良い質問だね、フラウ。ラウレスランドに入ったら、三色の信号弾を打ち上げると連絡してある」
「三色の信号弾?」
「ああ、俺のレクルートの配色… 白と赤と青の信号弾だよ、シェスター。そしたら、クルーガー氏の同胞が出迎えてくれるそうだ」
「んで、敵さんの数や配置は分かってるんだろうな?」
ブリーフィングルームの戸口から声がした。
「わかってるよ。心配しなくていい、アギル。その為のスカイアウフ隊だ」
「ボク達?」
「ああ、シェスター。ただし、今後の演習も兼ねて、獲物はスピアからランスに変えてもらう」
「ランス!? スカイアウフには向いてないんじゃないかな? 少なくとも、ボクは使ったこと無いよ!」
「何故?」
「だって、ランスってば、いわば大型のパイルバンカーだよ? ランダーならともかく、ボク達のスカイアウ
フじゃ、バンカーの勢いに負けちゃうよ!」
「大丈夫。俺に考えがある。試してもらえるかな?」
俺がニッコリと笑うと、少し引きつった笑みを浮かべるシェスターだった。
◇ ◇ ◇ ◇
「皆さん、こんばんは。クーリッヒ・ウー・ヴァンの世界へようこそ。ブレンドフィア=メンションです。
さて。ナフバシュタートでの戦いにおける、最初の大きな作戦が始まろうとしています。史記”ゲシュヒテ”によると、雨季の終わりに差し掛かった頃の出来事だと言われていますね。ですが、この一帯は雨季乾季に関わらず、平野部は潤沢な水に恵まれた地域でもあります。そして、ファントメシア族の本拠地は山岳部。両面を活かした作戦が必要になってくるでしょう。果たして、この局面をどのように乗り切るのでしょうか?」
『ひとつ ふたつ みっつよっつ いつつ
一番美味しいパジモの実
誰もが取りたいパジモの実
誰が取るのか 取れるのか
一番渋い実取った子一番
甘い甘い実 食べたよ食べた』
ナフバシュタート州に原典があるといわれる童謡である。パジモの実と言うのは二種類あって、甘い実と渋い実があるのは周知の通りだ。通常、丸い実が甘く、そうでないものが渋みが強い。だが、渋い実は皮を剥き天日に干すことで、丸い実よりも遥かにまろやかで甘い実となる。
「実は、このパジモの実の歌は史記”ゲシュヒテ”の、それもライヴ=オフウェイ少年達を歌ったものだと言われています」
そう語るのは、アンスタフト=ヒストリカ教授だ。
「このナフバシュタートでの戦いは、どれも苦戦を強いるものでした。と同時に、交易から得られる豊富な富と潤沢な水を利用して収穫できるレイスの実や水産物とで最も裕福な地域でもあります。その繁栄ぶりはこの地の州都であるオリエンアリエッシュのオベリスクや壁画、発掘された粘土板やパンパスの書簡などから伺い知ることもできます。そう、この地こそ、最も美味しいパジモの実だったのです!」
パジモの実に例えられるほど誰もが、そしてどの国もが欲しがるこのナフバシュタート。それだけに、この地は数々の城塞都市で固められている。
「ライヴたちに立ち塞がったのは、気候を始めとする地域的な条件だけではありませんでした」
と話すのは、ミンダーハイト=ギリアートン教授だ。
「史記”ゲシュヒテ”や演義”ディクローム・クーリッヒ・ウー・ヴァン”でもよく知られた知将が治めていたのです。それがアドマイア=エイヒタッド。階位こそ准将であったものの、攻めるに強く守るに堅いとても稀有な存在でした。この戦いを如何に進めていったのか、語るような野暮なことはいたしますまい。ただ言える事があるとするならば、彼はオベリスクに記されているとおり、”真名”を知る者であった。それだけです」
◇ ◇ ◇ ◇
「それでは、無事に任務を遂行してきます」
エッセンは夕焼けを背に、握りしめた右手の拳を左胸に当て敬礼した。どうやらこの世界での敬礼は、俺の世界で言うところの文民礼に通じるところがあるらしい。
「本当に気をつけて。クルーガー氏が言う通り、副長の任務は陽動です。このハリボテのレクルートも皆が無事に戻るためにあるので、くれぐれもちゃんと帰ってきてくださいね」
「了解です。このレクルートもひっくるめて、無事に帰ってみせますよ」
それ、死亡フラグ立つからやめて。
「とにかく、無理だと思ったら引き返してください。俺の隊は皆がちゃんと生き残って、順調に強くなることを求めてるんですから」
そうなのだ。少なくともこれはリアルなのだ。死んでしまったら、その人的被害は推し量りようがない。
「ご心配には及びませんわ、主様。こちらに私がいるかぎり、必ずや作戦を成功に導いて差し上げましょう」
静の腕が、俺の腕に巻き付いてきた。
「静も。作戦の内容をキチンと踏まえて、無理をするなよ」
静の声のトーンが跳ね上がった。なんとも嬉しそうに、抱きついてくる。
「勿論! 何があっても作戦と我が生命、守ってみせますわ!」
だ~か~ら~。死亡フラグ立ちまくってるからヤメテってば!
「アジ・ダハーカ、前進!」
クルーガーの声が艦の内外に響き渡った。やがてアジ・ダハーカはロータ・メティオ隊と静隊のドラグナーを積んで全力出撃の度に出た。艦内には、最低限動かせるようにされたハリボテのレクルートを連れて。行き先は直線距離で124Giz(約200km)先のダス・ヴェスタ。時速にして約60km/hほどのスピード。ルートの制約上、約4時間ほどで現着するだろう。
「よし。それじゃ、ダウティナも出発しようか!」
ヌッツから調達した商人の衣装を身に着けて、俺達はダウティナに乗り込んだ。あくまで表に出る可能性のある十数人だけの衣装である。他のメンツは、積み荷に偽装したコンテナの中で息を潜めていた。やがてコクピットに到着すると、俺は全隊員に号令をかけた。
「いい夕日だね。今日はきっとツイてるぜ。それじゃ、総員準備。ダウティナ、前進!」
◇ ◇ ◇ ◇
ファルクニューガン城のあるオースティン砦からラウレスランドまで、186Giz(約300km)。巡航で約45km/hで街道を進んでいく。通行手形に記載されているのは、『オースティン砦発→ラウレスランド着』。紛うことなきモノホンの手形である。積荷は主に衣料や食料、その他建材やら何から何まで。俗に言う行商で扱う品全般だった。勿論、そのコンテナの中身には兵士やらドラグナーやらが梱包されて隠れているわけだが。
「いやぁ、ご苦労様なこってす」
黒髪のカツラを被ったアギルが兵士に手形を見せながら、何やら包みを渡している。
「おい、ニー! 一体何を… いてッ!」
言うが早いか、俺の頭にゲンコツが飛んできた。
「いやぁ、コイツはまだ見習いの下男でして。こら、ショウ! 兵隊様に挨拶せんか!」
「あ、…ああ。いつもお世話になっております…」
俺はパーマのかかった金髪のカツラを被ったまま、小さく頷いた。
「…まぁいい。行け」
兵士はニヤリと笑みを浮かべながら、顎で通行を促した。
「ありがとうございます~」
これまたニヤついた笑顔を交わすアギル。こうして、最初の検問は何事もなく無事に通過することができた。
「だから、なんであそこで声を出そうとするかな?」
コクピットに戻ったアギルは、俺の頭を再び小突いてきた。
「だってさ」
「だってもへったくれもない。お前、この作戦自体をダメにする気か?」
「三下にまでいちいち渡してたらキリね~じゃん。もっと効果的な…」
「いいんだよ。これが賄賂というものだ」
「そういうものか」
「そういうもんなの」
そう言って、ニヤリと笑うアギルだった。
「そう言えば」
俺はコクピットの窓から夜空を仰ぎ見た。
「ん? なんだ、ライヴ」
「そろそろダス・ヴェスタに展開している頃かな?」
「ああ、そうだな。あのクルーガーっておっちゃんがちゃんとやってくれていれば、だな」
ならば、コッチもそろそろ動く時かな?
「シェスター、聞こえる?」
俺は格納庫へつながる伝声管の蓋を開けた。
「聞こえる。で、一体何かな?」
「そろそろシェスターの出番だよ」
「了解。じゃ、上部の幌を開けるね」
「灯火管制は守ってね」
「勿論!」
やがて、ダウティナの格納庫の”フタ”が開かれ、俺は格納庫の内外を同時に見渡せるモニターを凝視した。赤いライトでシェスターは暗号を送ってくる。
「…じゅん …び かん…りょう、でる」
「きをつけて、こううんをいのる」
俺は即座に、打ち合わせ通りに艦尾のロゴライトで返信した。
モニター越しにシェスターは指で挨拶すると、ラーヴァナを始めとするスカイアウフ隊が闇夜に飛び立った。
「…さぁて。俺達が相手にするのは、ムーア・ワサフォート・ラーサスの連合軍だ。いっちょ気合い入れてかかりますか!」
◇ ◇ ◇ ◇
そろそろラウレスランドを隔離する関所が近付いてきた。これはこれでなかなか背の高い石垣。おそらく鉄のような金属でできていると思われる、重厚な大門。その手前には、数人が入れそうな兵士の詰め所らしき小さな建物がある。ダウティナはその手前で、二人の兵士に手信号で静止を求められた。
60km/h程のスピードが出るドラグナーなら、大門まで数分で届く距離。ましてや砲弾なら。ああ、これから始まる出来事を思うと、武者震いがしてくる。さぁて、では始めるかい?
「アギル、信号弾を!」
「あいよっと!」
アギルは手元のレバーをグッと弾いた。コクピットのすぐ脇から三発の発射音とともに、信号弾が空高く撃ち出される。その色は、打ち合わせ通りの白・青・赤の三色。兵士たちは驚いたように空を見上げ、詰め所の裏へと走っていった。
「それじゃ、俺は行ってくんぜ!」
アギルがコクピットを離れ、カーゴに格納されているマガン・カドゥガンの元へと向かった。
「アギルがマガン・カドゥガンに乗り込んだら、アギル隊とフラウ隊は出撃。関所から湧いてくるドラグナーを討ち取るように。それから…」
俺は、とっておきの目玉商品のボタンを押した。ダウティナのカーゴ上部が大きく開き、貨物に偽装してあったガイスト・カノンが二門、せり出してくる。
「さぁさぁ。コイツは威力はあるが正真正銘のソードオフ・バージョンだ。当たったら痛いじゃすまないぜぇ! 頼むから動くなよォ、外れるからなァ!!」
俺は側にある伝声管の蓋を開けた。
「砲座! 準備はいいか?」
『-ハイ、いつでもいけますぜ! 発光信号でエモノがよく見えまさぁ!-』
『-こっちも準備はOK!-』
「続けて照明弾も撃つからね、くれぐれも味方に当てないでよ!」
『『-合点承知!-』』
…やたらにノリの良い砲手だね。同じ砲兵でも、艦船の砲座に座るのは初めてだって言ってたけれど、大丈夫かな?
…まぁいい。エッセン副長の人選だ。問題はないだろう。
「照明弾、発射用意!」
俺は、手元のレバーに手をかけた。
『-発射準備完了!-』
「発射!」
号令とともに、俺はレバーを引き上げた。
ポゥ… ポゥポポポゥ… ポゥ…!
照明弾が、遥か上空で炸裂した。そして関所の城壁内外を明々と照らし出した。
「ガイスト・カノン、城門に向けて… 用意!」
『『-装填完了!-』』
「撃てーッ!」
轟砲二発。ダウティナは斉射の勢いで、その巨体を大きく揺らした。そして、着弾。門だけでなく、ラウレスランドを囲む石の防壁に見事な風穴が穿たれた。これだけの至近距離だ、当たらないほうがおかしい。
「総員、派手にやれ! ただし、当方に怪我人が出ないようにな!」
我が方のドラグナーの後を追うように、ダウティナから我が隊の兵士が塀の中へと雪崩込んだ。それにしても、だ。この状況で『怪我をするな』とは、本心ながら無茶を言う。
…10分。ひとり、ふたりと、住民らしき一般人の姿が大穴を穿たれた城壁や吹き飛ばされた門から逃げ出してきた。その人の流れは次第に大きくなり、壁の外には一つの街全員と思しき住民が集まっていた。
『-ライヴ、お前も壁の中に入ってきてみろよ!-』
アギルからの通信だった。
『-騎乗戦車が、ここまでできるなんて…-』
フラウも感嘆の声を漏らす。
俺は兵士に命じて住民たちを安全な場所に誘導するよう指示すると、ダウティナを微速前進、壁の中へと侵入した。そこで見たモノは…。
もがき苦しむ敵ドラグナー、それを一騎づつ狙い撃ちするアギル・フラウの両隊。俺はもっと詳細を知るべく、再度照明弾を撃ち上げた。
それは、一種の地獄絵図だった。ドラグナーの足元をチョロチョロと走り回る騎乗戦車からは、ロープが張られ、敵ドラグナーの足元を完全に絡め取っていた。やがてロープが途切れると、そこにはかえしの付いた錨が結び付けられている。では、その逆方向…、にも錨が取り付けられ、ドラグナーの足に引っかかり、足を絡め取っていた。
『-これなら、鴨撃ちよりも簡単だぜ!-』
アギル隊のシャッハ=シューターのはしゃぎ声が聞こえる。
これはもう、戦争ではない。一方的な虐殺だ。
『-んで、どうする? ライヴ-』
アギルが冷静に対応を求めてきた。
「総員、攻撃やめ!」
俺は即時に叫んでいた。
「ラウレスランドの敵兵士諸君に告げる。もうこれは戦闘ではない。騎体を捨て、降伏して欲しい。繰り返す。騎体を捨て、降伏して欲しい!」
『-やっぱりライヴ君だね! 君ならそう言うと思ったよ!-』
上空からシェスターの騎乗するラーヴァナが降りてきた。それに続いて、シェスター隊の面々も降りてくる。彼女たちも正直、この状況に戸惑っていたらしい。
『-了解だ、敵将よ-』
数分もせずして、敵の責任者らしき人物からの通信が届いた。
『-私はラウレスランド方面駐留連合軍司令代理、クルーグ=ゾルーダス中尉だ。死したシェフ=シェルヒト大尉に代わり申し上げる!-』
一騎のドラグナーがヨロヨロと立ち上がった。その腕も足もロープで絡め取られ、その騎体には何本もの槍まで突き立っていた。
「発言を許可する、ゾルーダス中尉」
俺は敵のその姿に威厳さえ感じていた。やはり、責任を負う者とはかくあるべきだと思う。
『-私の身はどうなってもいい。だが、同胞や部下たちの命だけは助けてやってほしい。それとも、私の命だけでは足らないか?-』
ゾルーダス中尉はキャノピーから降りて、大音声で叫び始めた。
「例え足らずとしても、どうかこの身だけで容赦して欲しい! どうか彼らだけは、条約に基づき、その身柄の安全を約束して欲しい! 以上だ!」
「ま、待て…!?」
制止の声も届かなかった。ゾルーダス中尉はポケットの拳銃を取り出すと、その口に咥え、引き金を引いた。
「な、なんてこった…」
俺は、心から後悔した。何故もっと早く声をかけられなかったか!
「この場にいる全員に告げる。降伏した兵士たちの身柄は、この俺が保証する。だから、これ以上命を粗末にするな! ラウレスランド駐留軍の兵士たちよ、君たちは捕虜として、その身を扱うこととする。以上だ!」
俺のレクルート・ファハンは全壊のまま。新しい騎体となる筈の”ギーヴル”は未だ組み上がらぬままで、俺の身体も全快とは言い難い状態。しかし、時間は待っちゃくれない。このなんとももどかしいストラテジー・ゲームは、俺の意思に反してどんどんと不利な方向へと突き進んでいく。
果たして、打開策は?
クルーガーは言う。今回の戦いに、正確には全般的に、俺の出番は全くないのだと。俺にできることと言えば、簡単な指示を出すだけで、ただおとなしく事の成り行きを眺めているだけで良いのだと。
果たして、そんな上手い話があるか?
クルーガーは言う。アリなのだと。
この得体の知れない髭モジャの小男が、敵でない可能性は否定できない。だが俺は敢えてこの男の策に乗ろうと思う。何故かって? 上手く言えないけれど、野生の勘ってヤツ。この勘が外れていたならば、俺達は一環のお終いだ。どうしようもない。だが、この男にはなんとかしてくれそうな何かがあった。
「…そういう訳だ。アジ・ダハーカは静隊・ロータ・メティオ隊を含むエッセン副長と共に、ダス・ヴェスタへ向かう。そして、アジ・ダハーカ及び各隊の指揮をヴァータス=クルーガーに氏に一任する」
勿論、万が一のことを考えてのエッセン副長なのだ。
「つまり、我が喉元にナイフを突きつけている訳だな」
クルーガーは表情ひとつ変えることなく、ひょうひょうと言ってのけた。
「そうじゃなくて、ブルフント=ヴィジッター公の好意と思ってほしいな」
俺が言うと、クルーガーはニヤリと不敵な表情を浮かべた。
「ガッハッハ! 全く、底が知れん。貴方の大事な部隊、確かに預かった。安心していい」
なんとも上機嫌なクルーガーを横目に、俺は続けた。
「残りの各ドラグナー隊はラウレスランドへ向かうことになる。帝国兵に蹂躙されているファントメシアの部族を開放しに行くぞ」
「ライヴ君はどうやって行くの?」
シェスターが当然の疑問を投げかけてきた。
「ヴィジッター公から陸上輸送艇:ダウティナを借り受けた。俺はそこで指揮を取る。アジ・ダハーカより武装は少ないけれど、積み込める人員やドラグナーの数はアジ・ダハーカの比じゃない。それに、コイツには目玉商品を積み込んである。勿論、公にはあまり知られていない船だ。隠密行動には適していると思うけど、どうだろう?」
「そっかー。じゃ、ライヴ君と一緒に行けるんだね?」
「そうだよ、シェスター」
「きゃ♪」
なんとも嬉しそうなシェスターの横から、フラウが間を割ってきた。
「それで、どうやって私達が援軍だと先方に知らせるの?」
「良い質問だね、フラウ。ラウレスランドに入ったら、三色の信号弾を打ち上げると連絡してある」
「三色の信号弾?」
「ああ、俺のレクルートの配色… 白と赤と青の信号弾だよ、シェスター。そしたら、クルーガー氏の同胞が出迎えてくれるそうだ」
「んで、敵さんの数や配置は分かってるんだろうな?」
ブリーフィングルームの戸口から声がした。
「わかってるよ。心配しなくていい、アギル。その為のスカイアウフ隊だ」
「ボク達?」
「ああ、シェスター。ただし、今後の演習も兼ねて、獲物はスピアからランスに変えてもらう」
「ランス!? スカイアウフには向いてないんじゃないかな? 少なくとも、ボクは使ったこと無いよ!」
「何故?」
「だって、ランスってば、いわば大型のパイルバンカーだよ? ランダーならともかく、ボク達のスカイアウ
フじゃ、バンカーの勢いに負けちゃうよ!」
「大丈夫。俺に考えがある。試してもらえるかな?」
俺がニッコリと笑うと、少し引きつった笑みを浮かべるシェスターだった。
◇ ◇ ◇ ◇
「皆さん、こんばんは。クーリッヒ・ウー・ヴァンの世界へようこそ。ブレンドフィア=メンションです。
さて。ナフバシュタートでの戦いにおける、最初の大きな作戦が始まろうとしています。史記”ゲシュヒテ”によると、雨季の終わりに差し掛かった頃の出来事だと言われていますね。ですが、この一帯は雨季乾季に関わらず、平野部は潤沢な水に恵まれた地域でもあります。そして、ファントメシア族の本拠地は山岳部。両面を活かした作戦が必要になってくるでしょう。果たして、この局面をどのように乗り切るのでしょうか?」
『ひとつ ふたつ みっつよっつ いつつ
一番美味しいパジモの実
誰もが取りたいパジモの実
誰が取るのか 取れるのか
一番渋い実取った子一番
甘い甘い実 食べたよ食べた』
ナフバシュタート州に原典があるといわれる童謡である。パジモの実と言うのは二種類あって、甘い実と渋い実があるのは周知の通りだ。通常、丸い実が甘く、そうでないものが渋みが強い。だが、渋い実は皮を剥き天日に干すことで、丸い実よりも遥かにまろやかで甘い実となる。
「実は、このパジモの実の歌は史記”ゲシュヒテ”の、それもライヴ=オフウェイ少年達を歌ったものだと言われています」
そう語るのは、アンスタフト=ヒストリカ教授だ。
「このナフバシュタートでの戦いは、どれも苦戦を強いるものでした。と同時に、交易から得られる豊富な富と潤沢な水を利用して収穫できるレイスの実や水産物とで最も裕福な地域でもあります。その繁栄ぶりはこの地の州都であるオリエンアリエッシュのオベリスクや壁画、発掘された粘土板やパンパスの書簡などから伺い知ることもできます。そう、この地こそ、最も美味しいパジモの実だったのです!」
パジモの実に例えられるほど誰もが、そしてどの国もが欲しがるこのナフバシュタート。それだけに、この地は数々の城塞都市で固められている。
「ライヴたちに立ち塞がったのは、気候を始めとする地域的な条件だけではありませんでした」
と話すのは、ミンダーハイト=ギリアートン教授だ。
「史記”ゲシュヒテ”や演義”ディクローム・クーリッヒ・ウー・ヴァン”でもよく知られた知将が治めていたのです。それがアドマイア=エイヒタッド。階位こそ准将であったものの、攻めるに強く守るに堅いとても稀有な存在でした。この戦いを如何に進めていったのか、語るような野暮なことはいたしますまい。ただ言える事があるとするならば、彼はオベリスクに記されているとおり、”真名”を知る者であった。それだけです」
◇ ◇ ◇ ◇
「それでは、無事に任務を遂行してきます」
エッセンは夕焼けを背に、握りしめた右手の拳を左胸に当て敬礼した。どうやらこの世界での敬礼は、俺の世界で言うところの文民礼に通じるところがあるらしい。
「本当に気をつけて。クルーガー氏が言う通り、副長の任務は陽動です。このハリボテのレクルートも皆が無事に戻るためにあるので、くれぐれもちゃんと帰ってきてくださいね」
「了解です。このレクルートもひっくるめて、無事に帰ってみせますよ」
それ、死亡フラグ立つからやめて。
「とにかく、無理だと思ったら引き返してください。俺の隊は皆がちゃんと生き残って、順調に強くなることを求めてるんですから」
そうなのだ。少なくともこれはリアルなのだ。死んでしまったら、その人的被害は推し量りようがない。
「ご心配には及びませんわ、主様。こちらに私がいるかぎり、必ずや作戦を成功に導いて差し上げましょう」
静の腕が、俺の腕に巻き付いてきた。
「静も。作戦の内容をキチンと踏まえて、無理をするなよ」
静の声のトーンが跳ね上がった。なんとも嬉しそうに、抱きついてくる。
「勿論! 何があっても作戦と我が生命、守ってみせますわ!」
だ~か~ら~。死亡フラグ立ちまくってるからヤメテってば!
「アジ・ダハーカ、前進!」
クルーガーの声が艦の内外に響き渡った。やがてアジ・ダハーカはロータ・メティオ隊と静隊のドラグナーを積んで全力出撃の度に出た。艦内には、最低限動かせるようにされたハリボテのレクルートを連れて。行き先は直線距離で124Giz(約200km)先のダス・ヴェスタ。時速にして約60km/hほどのスピード。ルートの制約上、約4時間ほどで現着するだろう。
「よし。それじゃ、ダウティナも出発しようか!」
ヌッツから調達した商人の衣装を身に着けて、俺達はダウティナに乗り込んだ。あくまで表に出る可能性のある十数人だけの衣装である。他のメンツは、積み荷に偽装したコンテナの中で息を潜めていた。やがてコクピットに到着すると、俺は全隊員に号令をかけた。
「いい夕日だね。今日はきっとツイてるぜ。それじゃ、総員準備。ダウティナ、前進!」
◇ ◇ ◇ ◇
ファルクニューガン城のあるオースティン砦からラウレスランドまで、186Giz(約300km)。巡航で約45km/hで街道を進んでいく。通行手形に記載されているのは、『オースティン砦発→ラウレスランド着』。紛うことなきモノホンの手形である。積荷は主に衣料や食料、その他建材やら何から何まで。俗に言う行商で扱う品全般だった。勿論、そのコンテナの中身には兵士やらドラグナーやらが梱包されて隠れているわけだが。
「いやぁ、ご苦労様なこってす」
黒髪のカツラを被ったアギルが兵士に手形を見せながら、何やら包みを渡している。
「おい、ニー! 一体何を… いてッ!」
言うが早いか、俺の頭にゲンコツが飛んできた。
「いやぁ、コイツはまだ見習いの下男でして。こら、ショウ! 兵隊様に挨拶せんか!」
「あ、…ああ。いつもお世話になっております…」
俺はパーマのかかった金髪のカツラを被ったまま、小さく頷いた。
「…まぁいい。行け」
兵士はニヤリと笑みを浮かべながら、顎で通行を促した。
「ありがとうございます~」
これまたニヤついた笑顔を交わすアギル。こうして、最初の検問は何事もなく無事に通過することができた。
「だから、なんであそこで声を出そうとするかな?」
コクピットに戻ったアギルは、俺の頭を再び小突いてきた。
「だってさ」
「だってもへったくれもない。お前、この作戦自体をダメにする気か?」
「三下にまでいちいち渡してたらキリね~じゃん。もっと効果的な…」
「いいんだよ。これが賄賂というものだ」
「そういうものか」
「そういうもんなの」
そう言って、ニヤリと笑うアギルだった。
「そう言えば」
俺はコクピットの窓から夜空を仰ぎ見た。
「ん? なんだ、ライヴ」
「そろそろダス・ヴェスタに展開している頃かな?」
「ああ、そうだな。あのクルーガーっておっちゃんがちゃんとやってくれていれば、だな」
ならば、コッチもそろそろ動く時かな?
「シェスター、聞こえる?」
俺は格納庫へつながる伝声管の蓋を開けた。
「聞こえる。で、一体何かな?」
「そろそろシェスターの出番だよ」
「了解。じゃ、上部の幌を開けるね」
「灯火管制は守ってね」
「勿論!」
やがて、ダウティナの格納庫の”フタ”が開かれ、俺は格納庫の内外を同時に見渡せるモニターを凝視した。赤いライトでシェスターは暗号を送ってくる。
「…じゅん …び かん…りょう、でる」
「きをつけて、こううんをいのる」
俺は即座に、打ち合わせ通りに艦尾のロゴライトで返信した。
モニター越しにシェスターは指で挨拶すると、ラーヴァナを始めとするスカイアウフ隊が闇夜に飛び立った。
「…さぁて。俺達が相手にするのは、ムーア・ワサフォート・ラーサスの連合軍だ。いっちょ気合い入れてかかりますか!」
◇ ◇ ◇ ◇
そろそろラウレスランドを隔離する関所が近付いてきた。これはこれでなかなか背の高い石垣。おそらく鉄のような金属でできていると思われる、重厚な大門。その手前には、数人が入れそうな兵士の詰め所らしき小さな建物がある。ダウティナはその手前で、二人の兵士に手信号で静止を求められた。
60km/h程のスピードが出るドラグナーなら、大門まで数分で届く距離。ましてや砲弾なら。ああ、これから始まる出来事を思うと、武者震いがしてくる。さぁて、では始めるかい?
「アギル、信号弾を!」
「あいよっと!」
アギルは手元のレバーをグッと弾いた。コクピットのすぐ脇から三発の発射音とともに、信号弾が空高く撃ち出される。その色は、打ち合わせ通りの白・青・赤の三色。兵士たちは驚いたように空を見上げ、詰め所の裏へと走っていった。
「それじゃ、俺は行ってくんぜ!」
アギルがコクピットを離れ、カーゴに格納されているマガン・カドゥガンの元へと向かった。
「アギルがマガン・カドゥガンに乗り込んだら、アギル隊とフラウ隊は出撃。関所から湧いてくるドラグナーを討ち取るように。それから…」
俺は、とっておきの目玉商品のボタンを押した。ダウティナのカーゴ上部が大きく開き、貨物に偽装してあったガイスト・カノンが二門、せり出してくる。
「さぁさぁ。コイツは威力はあるが正真正銘のソードオフ・バージョンだ。当たったら痛いじゃすまないぜぇ! 頼むから動くなよォ、外れるからなァ!!」
俺は側にある伝声管の蓋を開けた。
「砲座! 準備はいいか?」
『-ハイ、いつでもいけますぜ! 発光信号でエモノがよく見えまさぁ!-』
『-こっちも準備はOK!-』
「続けて照明弾も撃つからね、くれぐれも味方に当てないでよ!」
『『-合点承知!-』』
…やたらにノリの良い砲手だね。同じ砲兵でも、艦船の砲座に座るのは初めてだって言ってたけれど、大丈夫かな?
…まぁいい。エッセン副長の人選だ。問題はないだろう。
「照明弾、発射用意!」
俺は、手元のレバーに手をかけた。
『-発射準備完了!-』
「発射!」
号令とともに、俺はレバーを引き上げた。
ポゥ… ポゥポポポゥ… ポゥ…!
照明弾が、遥か上空で炸裂した。そして関所の城壁内外を明々と照らし出した。
「ガイスト・カノン、城門に向けて… 用意!」
『『-装填完了!-』』
「撃てーッ!」
轟砲二発。ダウティナは斉射の勢いで、その巨体を大きく揺らした。そして、着弾。門だけでなく、ラウレスランドを囲む石の防壁に見事な風穴が穿たれた。これだけの至近距離だ、当たらないほうがおかしい。
「総員、派手にやれ! ただし、当方に怪我人が出ないようにな!」
我が方のドラグナーの後を追うように、ダウティナから我が隊の兵士が塀の中へと雪崩込んだ。それにしても、だ。この状況で『怪我をするな』とは、本心ながら無茶を言う。
…10分。ひとり、ふたりと、住民らしき一般人の姿が大穴を穿たれた城壁や吹き飛ばされた門から逃げ出してきた。その人の流れは次第に大きくなり、壁の外には一つの街全員と思しき住民が集まっていた。
『-ライヴ、お前も壁の中に入ってきてみろよ!-』
アギルからの通信だった。
『-騎乗戦車が、ここまでできるなんて…-』
フラウも感嘆の声を漏らす。
俺は兵士に命じて住民たちを安全な場所に誘導するよう指示すると、ダウティナを微速前進、壁の中へと侵入した。そこで見たモノは…。
もがき苦しむ敵ドラグナー、それを一騎づつ狙い撃ちするアギル・フラウの両隊。俺はもっと詳細を知るべく、再度照明弾を撃ち上げた。
それは、一種の地獄絵図だった。ドラグナーの足元をチョロチョロと走り回る騎乗戦車からは、ロープが張られ、敵ドラグナーの足元を完全に絡め取っていた。やがてロープが途切れると、そこにはかえしの付いた錨が結び付けられている。では、その逆方向…、にも錨が取り付けられ、ドラグナーの足に引っかかり、足を絡め取っていた。
『-これなら、鴨撃ちよりも簡単だぜ!-』
アギル隊のシャッハ=シューターのはしゃぎ声が聞こえる。
これはもう、戦争ではない。一方的な虐殺だ。
『-んで、どうする? ライヴ-』
アギルが冷静に対応を求めてきた。
「総員、攻撃やめ!」
俺は即時に叫んでいた。
「ラウレスランドの敵兵士諸君に告げる。もうこれは戦闘ではない。騎体を捨て、降伏して欲しい。繰り返す。騎体を捨て、降伏して欲しい!」
『-やっぱりライヴ君だね! 君ならそう言うと思ったよ!-』
上空からシェスターの騎乗するラーヴァナが降りてきた。それに続いて、シェスター隊の面々も降りてくる。彼女たちも正直、この状況に戸惑っていたらしい。
『-了解だ、敵将よ-』
数分もせずして、敵の責任者らしき人物からの通信が届いた。
『-私はラウレスランド方面駐留連合軍司令代理、クルーグ=ゾルーダス中尉だ。死したシェフ=シェルヒト大尉に代わり申し上げる!-』
一騎のドラグナーがヨロヨロと立ち上がった。その腕も足もロープで絡め取られ、その騎体には何本もの槍まで突き立っていた。
「発言を許可する、ゾルーダス中尉」
俺は敵のその姿に威厳さえ感じていた。やはり、責任を負う者とはかくあるべきだと思う。
『-私の身はどうなってもいい。だが、同胞や部下たちの命だけは助けてやってほしい。それとも、私の命だけでは足らないか?-』
ゾルーダス中尉はキャノピーから降りて、大音声で叫び始めた。
「例え足らずとしても、どうかこの身だけで容赦して欲しい! どうか彼らだけは、条約に基づき、その身柄の安全を約束して欲しい! 以上だ!」
「ま、待て…!?」
制止の声も届かなかった。ゾルーダス中尉はポケットの拳銃を取り出すと、その口に咥え、引き金を引いた。
「な、なんてこった…」
俺は、心から後悔した。何故もっと早く声をかけられなかったか!
「この場にいる全員に告げる。降伏した兵士たちの身柄は、この俺が保証する。だから、これ以上命を粗末にするな! ラウレスランド駐留軍の兵士たちよ、君たちは捕虜として、その身を扱うこととする。以上だ!」
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