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プロローグ
訓練で才能が発動!?
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朝になり目を覚ますと、そこには知らない天井があった。
「知らない天井だ……いや、そういえば昨日俺たちは異世界に来たんだったな。寝ぼけてて間違えたな」
コンコンッとドアをノックする音がした。はーいと返信をすると、失礼しますと言いながらメリィが入って来たようだった。
「おはようございます、サトウさん。朝ごはんの準備が出来たので持ってきたのですが……お召し上がりますか」
「あ、ああ。いただくよ」
「かしこまりました。今すぐ持ってきます」
そう言いメリィは部屋の外へ向かった。
しかし、メリィはすごいな。あの猫耳が本物だとすると、ヒューマンの中に一人獣族で仕事してるんだよな。俺なら確実に無理だな。
少し時間が経ってメリィが朝ごはんを持ってきた。そこにあったのは、日本の食卓に出てきそうな洋風の朝ごはんだった。
「少し遅くなってしまい申し訳ありません」
「いや、全然大丈夫だよ。それじゃあ、早速いただくとするよ。いただきます」
そうして俺は朝ごはんを無事に食べ終えてしまい次の予定を聞くことにした。
「なぁメリィ。この予定とか分かるか」
「はい。分かりますけど……」
「えっと、じゃあ。お、教えてくれないかな」
少し話す時に詰まってしまったのは、まあしょうがないと思いたい。
「そうですね。このあとは昨日伝えてあるように訓練所での皆さんの戦闘訓練だそうですよ」
「そうか、ありがとう」
ということで、俺はその訓練所までメリィに案内してもらった。
訓練所に着くと、クラスメイトたちはすでにほとんど集まっていた。賢一のところまでいき昨日のことを伝えた。
「そうか。それは災難だったな」
「災難か……それだけで済めばいいのだかな」
「なんだよ、まだ何かあると思ってるのか」
「ま、まあな。だが、あまり気にしなくてもいいはずだ。多分だが、お前たちが使えるレベルになってからじゃないと俺を追い出すことができないからな」
「そうなのか?」
「ああ。といっても勘に近いがな」
「そっか……」
二人で話し込んでいると、いつの間にか全員が揃ったようだった。
そして、全員が揃うと同時になんか騎士の格好をした人たちが入ってきた。
「俺の名前は、リアル=ジークスだ。この国の騎士団団長をしている。ランクはAで、職業は騎士だ。これから、お前たちの訓練を仕切っていこうと思っている。よろしくな」
騎士団団長と名乗った人物は、すぐに指示を出した。
「まずは、模擬戦をうちの騎士団のやつらとやってくれ。俺の相手はそこのお前でいいな」
俺を人差し指で指しながら言った。
「え、ええええええええ!」
ほんとに驚くことしかできなかった。
「それではみんな武器は持ったかい。それじゃあ、はじめ!」
団長のかけとともに訓練が始まった。
ちなみに俺は魔術師だけど剣を使っている。なぜなら、初めて剣を見た時から使いやすいと思ってしまったからだ。それがなぜなのかは、俺には分かることができなかった。
訓練が始まり、団長が剣で切りかかってきた。すごく速い攻撃だったが、避けることだけを考えて避け続けた。
「!よくこの攻撃を初見で避けたね。けど、それがいつまで続くかな」
団長の言った通りだったのだ。今までのはすべて偶然避けただけだった。そして、攻撃に追いつかなくなり、もう、ダメだ……と思った瞬間に頭の中に声が響いた。
《適応レベルMAXが剣術レベルMAXに変化します》
その言葉が鳴り響いた瞬間、体が自分のものじゃないと錯覚するくらいに剣が体に馴染み、また、さっきとは桁違いな動きとなった。
あ、あれ。なんかさっきまでと体が違う。剣の使い方が分かる。相手の剣のいなし方も反撃の仕方も全部、全部わかる!
「な、なんだ。さっきまでと動きが違うぞ。こいつ本当に王様が言っていたFランクなのか。そんなやつに負ける訳にはいかないんだ!」
そこからは団長までもが本気を出してきた。そこからの試合は一方的だった。
さすがにいくら才能がレベルMAXあろうとも、ランクの差をひっくり返すことはできずに負けた。だけど、その時の俺は自分が《無能の魔術師》だったとしても才能だけは本物の力なんだと可能性を感じていた。
「Fランクだからといって油断した。君は弱いが強いのだな」
「そんなことないですよ。ただ運がよかっただけですよ」
今の試合は確かに才能という不確定要素があってこそ成り立った試合なのだから、相手がなんて言おうと俺は、弱いのだと実感した。
その後、賢一と集まって話していると、クラスメイトの一人である露切真白さんが話しかけてきた。
「あの、佐藤くん。さっき見てたけど凄いね!団長さんとあそこまで戦えるなんて!」
「い、いや。そんなことないよ。たまたまだよ。たまたま」
いや、別に相手が可愛いからドもったとかないから。ほんとだから。オレウソツカナイ。
露切真白さん、この人はこのクラスの中のマスコットキャラクター的な存在である。なぜなら、人がつい愛しんでしまうような可愛さがあるからである。
そして、天然フラグ建築士として有名で、勘違いしてしまった男どもは数知れない。俺も一年の頃は勘違いしていたが、それは違うことに気づいたからだ。
だって、俺と話す時顔を赤くして目を合わせてくれないんだよなー。なんか嫌われるようなことしたっけなー。
「その、だから。か、かっこよかったよ
」
と今にも消え入りそうな声で言った。ふぅー、大丈夫、大丈夫。俺は、冷静だ、超冷静だ。
「あ、ありがとう」
はい、どこが冷静だったかなー。超キョドりまくりですね。
「そ、それだけだから!じゃ、じゃあね」
「お、おう。じゃあな」
え、なに。この急なラブコメ展開。マジか、俺にもついに春が!なんてことはないはずだ。きっと……だよね?
「知らない天井だ……いや、そういえば昨日俺たちは異世界に来たんだったな。寝ぼけてて間違えたな」
コンコンッとドアをノックする音がした。はーいと返信をすると、失礼しますと言いながらメリィが入って来たようだった。
「おはようございます、サトウさん。朝ごはんの準備が出来たので持ってきたのですが……お召し上がりますか」
「あ、ああ。いただくよ」
「かしこまりました。今すぐ持ってきます」
そう言いメリィは部屋の外へ向かった。
しかし、メリィはすごいな。あの猫耳が本物だとすると、ヒューマンの中に一人獣族で仕事してるんだよな。俺なら確実に無理だな。
少し時間が経ってメリィが朝ごはんを持ってきた。そこにあったのは、日本の食卓に出てきそうな洋風の朝ごはんだった。
「少し遅くなってしまい申し訳ありません」
「いや、全然大丈夫だよ。それじゃあ、早速いただくとするよ。いただきます」
そうして俺は朝ごはんを無事に食べ終えてしまい次の予定を聞くことにした。
「なぁメリィ。この予定とか分かるか」
「はい。分かりますけど……」
「えっと、じゃあ。お、教えてくれないかな」
少し話す時に詰まってしまったのは、まあしょうがないと思いたい。
「そうですね。このあとは昨日伝えてあるように訓練所での皆さんの戦闘訓練だそうですよ」
「そうか、ありがとう」
ということで、俺はその訓練所までメリィに案内してもらった。
訓練所に着くと、クラスメイトたちはすでにほとんど集まっていた。賢一のところまでいき昨日のことを伝えた。
「そうか。それは災難だったな」
「災難か……それだけで済めばいいのだかな」
「なんだよ、まだ何かあると思ってるのか」
「ま、まあな。だが、あまり気にしなくてもいいはずだ。多分だが、お前たちが使えるレベルになってからじゃないと俺を追い出すことができないからな」
「そうなのか?」
「ああ。といっても勘に近いがな」
「そっか……」
二人で話し込んでいると、いつの間にか全員が揃ったようだった。
そして、全員が揃うと同時になんか騎士の格好をした人たちが入ってきた。
「俺の名前は、リアル=ジークスだ。この国の騎士団団長をしている。ランクはAで、職業は騎士だ。これから、お前たちの訓練を仕切っていこうと思っている。よろしくな」
騎士団団長と名乗った人物は、すぐに指示を出した。
「まずは、模擬戦をうちの騎士団のやつらとやってくれ。俺の相手はそこのお前でいいな」
俺を人差し指で指しながら言った。
「え、ええええええええ!」
ほんとに驚くことしかできなかった。
「それではみんな武器は持ったかい。それじゃあ、はじめ!」
団長のかけとともに訓練が始まった。
ちなみに俺は魔術師だけど剣を使っている。なぜなら、初めて剣を見た時から使いやすいと思ってしまったからだ。それがなぜなのかは、俺には分かることができなかった。
訓練が始まり、団長が剣で切りかかってきた。すごく速い攻撃だったが、避けることだけを考えて避け続けた。
「!よくこの攻撃を初見で避けたね。けど、それがいつまで続くかな」
団長の言った通りだったのだ。今までのはすべて偶然避けただけだった。そして、攻撃に追いつかなくなり、もう、ダメだ……と思った瞬間に頭の中に声が響いた。
《適応レベルMAXが剣術レベルMAXに変化します》
その言葉が鳴り響いた瞬間、体が自分のものじゃないと錯覚するくらいに剣が体に馴染み、また、さっきとは桁違いな動きとなった。
あ、あれ。なんかさっきまでと体が違う。剣の使い方が分かる。相手の剣のいなし方も反撃の仕方も全部、全部わかる!
「な、なんだ。さっきまでと動きが違うぞ。こいつ本当に王様が言っていたFランクなのか。そんなやつに負ける訳にはいかないんだ!」
そこからは団長までもが本気を出してきた。そこからの試合は一方的だった。
さすがにいくら才能がレベルMAXあろうとも、ランクの差をひっくり返すことはできずに負けた。だけど、その時の俺は自分が《無能の魔術師》だったとしても才能だけは本物の力なんだと可能性を感じていた。
「Fランクだからといって油断した。君は弱いが強いのだな」
「そんなことないですよ。ただ運がよかっただけですよ」
今の試合は確かに才能という不確定要素があってこそ成り立った試合なのだから、相手がなんて言おうと俺は、弱いのだと実感した。
その後、賢一と集まって話していると、クラスメイトの一人である露切真白さんが話しかけてきた。
「あの、佐藤くん。さっき見てたけど凄いね!団長さんとあそこまで戦えるなんて!」
「い、いや。そんなことないよ。たまたまだよ。たまたま」
いや、別に相手が可愛いからドもったとかないから。ほんとだから。オレウソツカナイ。
露切真白さん、この人はこのクラスの中のマスコットキャラクター的な存在である。なぜなら、人がつい愛しんでしまうような可愛さがあるからである。
そして、天然フラグ建築士として有名で、勘違いしてしまった男どもは数知れない。俺も一年の頃は勘違いしていたが、それは違うことに気づいたからだ。
だって、俺と話す時顔を赤くして目を合わせてくれないんだよなー。なんか嫌われるようなことしたっけなー。
「その、だから。か、かっこよかったよ
」
と今にも消え入りそうな声で言った。ふぅー、大丈夫、大丈夫。俺は、冷静だ、超冷静だ。
「あ、ありがとう」
はい、どこが冷静だったかなー。超キョドりまくりですね。
「そ、それだけだから!じゃ、じゃあね」
「お、おう。じゃあな」
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