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魔法学園グリモアール編
不穏な気配
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俺はAクラスとCクラスの試合が終わり、休憩の時間に入っている間もさっきのことをずっと考えていた。
あれはやっぱり思い違いか?いや、だがあいつらは霧のことを魔法のせいだと思っていた。しかもSクラスのやつらが、だ。
Sクラスっていうのは、入試の時の成績優秀者が入ることができるクラスである。
つまり、成績がいいというのは、魔法だけではなく知識なんかも絡んでくる。
と言うことはだ。あいつらが霧の発生について知らないのなら、他のクラスの人たちも当然知らない。
これは確定だな。何らかの形でこっちの世界に来ていてその知識を使ってここまで来ているのか。
となると、あっちの世界から来た人物でチートじゃないやつは見たことがないから、そいつもチートなのか。たぶん今の俺以上に。しかも、実力をしっかり隠しているときた。
こりゃあ、随分な実力を持った人物だな。
そんなことを考えている間にも休憩時間も終わり、決勝戦が始まろうとしていた。
まずいな、Cクラスの誰があの知識を持っているのか見当がついていない。
このままじゃ、うちのクラスが負ける可能性も出てきたぞ。
呑気なことにSクラスの人たちは自分たちが負けることはないという傲慢がある。
これでは敵の戦法で躍らされたときにとてもじゃないが立て直しきれなくなる。
「決勝戦はどうするんですか、お兄ちゃん?」
「あ、ああ。そうだな、相手がどう出てくるか分からない以上受け身になるだろうな」
「………それって大丈夫なの?」
グレイは不安な表情で聞いてくる。
「いや、どちらかといえば危険だ。受け身ということは、攻撃が常に後手になるからな」
「じゃあどうするのよ!」
グレイが少し怒ったように言う。
そして、グレイの声に伴い周りにいた人たちに不安を与えてしまった。
「ま、まあ待て。別に策がない訳でもない」
「………それって何ですか?」
「簡単だ。俺の力をフルに使えばいい」
「それで大丈夫なんですか?」
「問題ない。今の俺の力は強すぎるからな」
俺の案が通ったことでみんなには固まって動いてもらうことにした。
理由としては、バラバラで動かれたら守れるものも守れなくなっちゃうからな。
そんなわけで作戦を決めた俺たちSクラスはスタート地点へと向かった。
スタート地点に着くと、当たり前だが先ほどの試合で使ったスタート地点はまた別のところだった。
試合まではまだ時間があるみたいだったので、今のうちに使えそうな才能を発動させていた。
《危険察知レベルMAX発動》
《索敵レベルMAX発動》
《魔力増加レベルMAX発動》
《千里眼レベルMAX発動》
《魔力探知レベルMAX発動》
とまあ、このくらいでいいか。
危険察知の才能があれば、気配遮断の才能は基本的に効かないし、ついでに魔力探知もあるから、魔法による攻撃もほぼ無効。
まあ、残りのやつは敵をなるべく早く倒すための才能だから、保険のようなものだ。
一体なら負ける気がしないしな。
ただ相手が増えると話は変わってくる。
かの英雄たちやかの化け物たちは、一体なら勝てたものの、人間による数の暴力の前には全て敗れている。
つまり、今回の試合も同様にあっちの世界から来た人物だけならば俺一人でもなんとかなる。だが、その相手が数を使った戦法を取ってくるために今回の試合は簡単に勝てないのである。
そんな一抹の不安を抱きながら、魔法学園グリモアールの一年生クラス対抗戦、決勝戦が始まろうとしていた。
あれはやっぱり思い違いか?いや、だがあいつらは霧のことを魔法のせいだと思っていた。しかもSクラスのやつらが、だ。
Sクラスっていうのは、入試の時の成績優秀者が入ることができるクラスである。
つまり、成績がいいというのは、魔法だけではなく知識なんかも絡んでくる。
と言うことはだ。あいつらが霧の発生について知らないのなら、他のクラスの人たちも当然知らない。
これは確定だな。何らかの形でこっちの世界に来ていてその知識を使ってここまで来ているのか。
となると、あっちの世界から来た人物でチートじゃないやつは見たことがないから、そいつもチートなのか。たぶん今の俺以上に。しかも、実力をしっかり隠しているときた。
こりゃあ、随分な実力を持った人物だな。
そんなことを考えている間にも休憩時間も終わり、決勝戦が始まろうとしていた。
まずいな、Cクラスの誰があの知識を持っているのか見当がついていない。
このままじゃ、うちのクラスが負ける可能性も出てきたぞ。
呑気なことにSクラスの人たちは自分たちが負けることはないという傲慢がある。
これでは敵の戦法で躍らされたときにとてもじゃないが立て直しきれなくなる。
「決勝戦はどうするんですか、お兄ちゃん?」
「あ、ああ。そうだな、相手がどう出てくるか分からない以上受け身になるだろうな」
「………それって大丈夫なの?」
グレイは不安な表情で聞いてくる。
「いや、どちらかといえば危険だ。受け身ということは、攻撃が常に後手になるからな」
「じゃあどうするのよ!」
グレイが少し怒ったように言う。
そして、グレイの声に伴い周りにいた人たちに不安を与えてしまった。
「ま、まあ待て。別に策がない訳でもない」
「………それって何ですか?」
「簡単だ。俺の力をフルに使えばいい」
「それで大丈夫なんですか?」
「問題ない。今の俺の力は強すぎるからな」
俺の案が通ったことでみんなには固まって動いてもらうことにした。
理由としては、バラバラで動かれたら守れるものも守れなくなっちゃうからな。
そんなわけで作戦を決めた俺たちSクラスはスタート地点へと向かった。
スタート地点に着くと、当たり前だが先ほどの試合で使ったスタート地点はまた別のところだった。
試合まではまだ時間があるみたいだったので、今のうちに使えそうな才能を発動させていた。
《危険察知レベルMAX発動》
《索敵レベルMAX発動》
《魔力増加レベルMAX発動》
《千里眼レベルMAX発動》
《魔力探知レベルMAX発動》
とまあ、このくらいでいいか。
危険察知の才能があれば、気配遮断の才能は基本的に効かないし、ついでに魔力探知もあるから、魔法による攻撃もほぼ無効。
まあ、残りのやつは敵をなるべく早く倒すための才能だから、保険のようなものだ。
一体なら負ける気がしないしな。
ただ相手が増えると話は変わってくる。
かの英雄たちやかの化け物たちは、一体なら勝てたものの、人間による数の暴力の前には全て敗れている。
つまり、今回の試合も同様にあっちの世界から来た人物だけならば俺一人でもなんとかなる。だが、その相手が数を使った戦法を取ってくるために今回の試合は簡単に勝てないのである。
そんな一抹の不安を抱きながら、魔法学園グリモアールの一年生クラス対抗戦、決勝戦が始まろうとしていた。
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