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烏になって飛んでいけ
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殺したいほど憎い相手がいた。
父親だ。彼は悲しいことに僕の家族であり、僕の家族の敵だ。彼はリストラされてから定職に就けず、昼から酒を飲み、母さんを殴り、妹を罵倒している。母さんも妹も、そして僕も、怒鳴り散らす彼に恐怖を抱き、彼を止めることができずにいた。僕は唯一の男でありながら、何もできない自分が情けなかった。
殺したいほど憎いのに、僕は彼を殺すことすらできない。法律で裁かれるのも、この後の人生で親殺しだと白い目を向けられるのも、想像するだけで耐えられなかった。母さんと妹が喜んでくれるとも限らない。家族を守るために敵を倒したのに、その家族から遠ざけられるのでは意味がない。だから、僕は自分の無力さを嘆くことしかできない。
何もできないのだ。高校生の僕には何の力もない。警察に通報したとしても、奴はその場を巧みに切り抜け、警察官がいなくなった後に僕たちを殺すほどの勢いで詰るだろう。外から見えない位置の傷が増えるかもしれない。いずれにせよ状況が悪化するだけだ。
殺したい。殺せない。殺したい。殺してはいけない。殺したい。殺したい。僕は抑圧された自分の心が歪んでいくのを感じていた。
だから見えたのだろう。彼女が。
僕が自分の部屋に逃げ込んだとき、彼女は僕の部屋にいた。彼女は僕のベッドの上で膝を抱えて座り、ぼんやりと空を眺めていた。白いノースリーブのワンピースから伸びる剥き出しの柔肌が眩しかった。
彼女が人間でないことは明らかだった。僕の部屋に入れるわけがないし、ベッドに流れる長い髪は真っ黒なのに瞳は夕焼けのように赤いし、何よりも背中に黒漆のように艶やかな羽が生えていた。白い肌と黒い翼のコントラストが余計に彼女を美しく見せた。
僕は声を出すことなく部屋の扉を閉めた。無意識のうちに、彼女を他の誰にも見せないために動いたのかもしれない。それほどまで彼女は美しく、ぼくの心を鷲掴みにした。
彼女の赤い瞳が僕を捉える。それだけで僕の心臓は大きく跳ねた。
「見えるのね、私が」
静かな波音のように心地よい声だった。彼女は微笑み、ふわりと立ち上がり宙に浮く。羽ばたいているのではなく、彼女は重力すら跳ね除けているのだと思った。
「きみは……何なの」
僕の声は緊張で掠れていた。目の前の高貴な存在にどのような態度で接すればよいのかわからなかった。無礼な態度と受け取られればこの場で処罰されるのではないか。そんな荒唐無稽な妄想さえ浮かんだ。
彼女は空を漂い、僕の頬にそっと触れる。その手は冷たかった。
「貴方を求めて、いいえ、貴方に呼ばれてここに来た」
「僕に?」
「そう。殺したいのでしょう、父親を」
間近に迫る深紅の瞳が僕の思考を捕らえて離さない。僕が肯定する間もなく、彼女は慈悲深い微笑を見せた。ああ。救われるのだ。彼女は僕を救うつもりなのだ。僕は根拠もなく確信した。
どうして彼女が僕の殺意を知っているのか。そんなことはもうどうだってよかった。救ってもらえるのなら、僕の唯一の望みを叶えてくれるのなら、彼女が神でも悪魔でも構わない。僕はとにかくこの無限の苦しみから解放されたかった。
「殺したい。殺せない。貴方の心は二人で言い争っているみたい」
彼女は僕の葛藤を理解しているようだった。二人で言い争うというのは適切な表現だ。僕ともう一人の僕が主張をぶつけて戦っているのだ。どちらが本当の僕なのか、僕にさえわからない。僕が断言できるのは、どちらが本当の僕だろうとこの殺意に従うことはできないということだけ。
「……殺せないよ。赦されない罪だ。僕にはそんな勇気もない」
「罪? では、母と妹を見殺しにするのは罪ではないの? 虐げられる弱者を救わないのは罪ではないの?」
「僕に……そんな力はない」
「力が有れば、貴方は敵を殺せるの?」
彼女の問いは反語だ。どんな強大な力を持っていたとしても殺せるはずがない。それは誰よりも僕自身が痛いほど理解している。だからこれまで苦しんできたのだ。結局、僕は自分が可愛いだけなのだ。僕は、父親を殺すことで純白に黒を垂らすことを嫌悪しているだけだ。
僕には彼女の問いに答えられる言葉が見つからなかった。俯く僕に、彼女は優しく囁く。彼女の長い髪から香る匂いが僕を酔わせる。
「取引をしましょう」
それは甘い果実だ。或いは、無垢な弱者を騙すために出された毒林檎。
「私が貴方を、貴方の家族を救うわ。最も相応しい方法で」
それは神の救いだ。或いは、狡猾な悪魔が騙すために使った甘言。
「貴方はただ空から見ているだけ。罪に苦しむことも、今後の人生を嘆くことも、家族に責められることもない」
「空から?」
訊き返したのは僕の理性の最後の抵抗だったのだろう。毒林檎か甘言かと疑う、正常な思考。それは蝋燭の火のように弱々しく、今にも消えてしまいそうだった。
彼女は端正な顔を歪ませ、笑う。畏怖が僕の中の蝋燭の火を揺るがす。
「そう、空から。悪い話ではないでしょう? その研ぎ澄まされた殺意で自分を汚さなくていいの。母も、妹も、救うことができるの。法律も、他人の目も、気にしなくていいの。貴方が恐れていたものは何もなくなる」
「僕の望みだけが、叶う?」
「貴方の望みは叶う。父親は死に、母と妹は救われ、貴方の人生が汚されることはない」
氷のような手が僕の手を握る。深紅の双眸が僕を真っ直ぐに見つめる。
彼女の甘い吐息が、蝋燭の火を吹き消す。
「望むなら、私の手を取って。その綺麗な殺意を私に教えて」
抗うことなどできなかった。心の中で暴れ回っていた殺意が漸く出口を見つけた瞬間だった。これ以上、この猛獣を僕の心の中に閉じ込めることはできなかった。たとえ、彼女の言葉が毒林檎か甘言だと察していたとしても、僕は彼女の手に縋っただろう。
僕は無言で彼女の手を握り返した。小さな柔らかい手だった。僕が彼女を受け入れても、彼女はその人間離れした美しい表情を変えなかった。最初から予見できていたかのように。
彼女は続けた。満足そうに、甘美な声で。
「さあ、始めましょう。貴方の復讐を」
父親の短い叫び声が聞こえた。それに続いて、陶器か硝子が割れる音。彼は左胸を抉るように掴み、床に崩れ落ち、声にならない声を上げる。激痛にのたうち回り、助けを請うように母さんを見る。母さんは何が起きたのか理解できず、目の前の悲劇に戸惑うことしかできない。父親はやがて動かなくなり、部屋にはテレビから発せられる笑い声が虚しく響く。
暫く茫然としていた母さんは我に返り、慌てて電話機を取る。救急車を呼ぼうとしたのだろうが、それを妹が制する。その冷めた瞳がすべてを物語っていた。妹は震える母さんを連れ、部屋を後にする。蝶番が悲しく鳴いて扉が閉まり、微動だにしなくなった父親だけがその場に残される。
呆気ないものだ。これまで僕たちを苦しめてきたというのに、終わるのは一瞬なのだ。あれだけで彼が今までの報いを受けたとは到底思えない。
僕が抗議するように傍らの彼女を見ると、彼女は首を横に振った。
「彼が辛いのはこれから。天使が迎えに来ない死者ほど辛いものはないわ」
なぜ。尋ねる僕に、彼女は笑いかける。
「そうね。地獄に落ちる、と言えば貴方にもわかるでしょう」
僕は肯いた。地獄がどれほど辛い場所か知らないが、彼がこの先も苦しむのであればそれで満足だ。僕たち以上に苦しめばいい。彼はそれだけのことをしてきたのだから。
「さあ、もう良いでしょう。近くに立ち寄ったらまた見せてあげる」
彼女は身を翻して夜空へ飛び立つ。漆黒の闇を黒漆の翼が裂く。
僕は一声啼き、母さんと妹に別れを告げて彼女の後を追う。失った幸せを取り戻してくれることを願って、僕は大空に羽ばたいた。黒い烏の羽が舞い、名残惜しい気持ちを代弁するように僕の家に落ちていった。
†
父親だ。彼は悲しいことに僕の家族であり、僕の家族の敵だ。彼はリストラされてから定職に就けず、昼から酒を飲み、母さんを殴り、妹を罵倒している。母さんも妹も、そして僕も、怒鳴り散らす彼に恐怖を抱き、彼を止めることができずにいた。僕は唯一の男でありながら、何もできない自分が情けなかった。
殺したいほど憎いのに、僕は彼を殺すことすらできない。法律で裁かれるのも、この後の人生で親殺しだと白い目を向けられるのも、想像するだけで耐えられなかった。母さんと妹が喜んでくれるとも限らない。家族を守るために敵を倒したのに、その家族から遠ざけられるのでは意味がない。だから、僕は自分の無力さを嘆くことしかできない。
何もできないのだ。高校生の僕には何の力もない。警察に通報したとしても、奴はその場を巧みに切り抜け、警察官がいなくなった後に僕たちを殺すほどの勢いで詰るだろう。外から見えない位置の傷が増えるかもしれない。いずれにせよ状況が悪化するだけだ。
殺したい。殺せない。殺したい。殺してはいけない。殺したい。殺したい。僕は抑圧された自分の心が歪んでいくのを感じていた。
だから見えたのだろう。彼女が。
僕が自分の部屋に逃げ込んだとき、彼女は僕の部屋にいた。彼女は僕のベッドの上で膝を抱えて座り、ぼんやりと空を眺めていた。白いノースリーブのワンピースから伸びる剥き出しの柔肌が眩しかった。
彼女が人間でないことは明らかだった。僕の部屋に入れるわけがないし、ベッドに流れる長い髪は真っ黒なのに瞳は夕焼けのように赤いし、何よりも背中に黒漆のように艶やかな羽が生えていた。白い肌と黒い翼のコントラストが余計に彼女を美しく見せた。
僕は声を出すことなく部屋の扉を閉めた。無意識のうちに、彼女を他の誰にも見せないために動いたのかもしれない。それほどまで彼女は美しく、ぼくの心を鷲掴みにした。
彼女の赤い瞳が僕を捉える。それだけで僕の心臓は大きく跳ねた。
「見えるのね、私が」
静かな波音のように心地よい声だった。彼女は微笑み、ふわりと立ち上がり宙に浮く。羽ばたいているのではなく、彼女は重力すら跳ね除けているのだと思った。
「きみは……何なの」
僕の声は緊張で掠れていた。目の前の高貴な存在にどのような態度で接すればよいのかわからなかった。無礼な態度と受け取られればこの場で処罰されるのではないか。そんな荒唐無稽な妄想さえ浮かんだ。
彼女は空を漂い、僕の頬にそっと触れる。その手は冷たかった。
「貴方を求めて、いいえ、貴方に呼ばれてここに来た」
「僕に?」
「そう。殺したいのでしょう、父親を」
間近に迫る深紅の瞳が僕の思考を捕らえて離さない。僕が肯定する間もなく、彼女は慈悲深い微笑を見せた。ああ。救われるのだ。彼女は僕を救うつもりなのだ。僕は根拠もなく確信した。
どうして彼女が僕の殺意を知っているのか。そんなことはもうどうだってよかった。救ってもらえるのなら、僕の唯一の望みを叶えてくれるのなら、彼女が神でも悪魔でも構わない。僕はとにかくこの無限の苦しみから解放されたかった。
「殺したい。殺せない。貴方の心は二人で言い争っているみたい」
彼女は僕の葛藤を理解しているようだった。二人で言い争うというのは適切な表現だ。僕ともう一人の僕が主張をぶつけて戦っているのだ。どちらが本当の僕なのか、僕にさえわからない。僕が断言できるのは、どちらが本当の僕だろうとこの殺意に従うことはできないということだけ。
「……殺せないよ。赦されない罪だ。僕にはそんな勇気もない」
「罪? では、母と妹を見殺しにするのは罪ではないの? 虐げられる弱者を救わないのは罪ではないの?」
「僕に……そんな力はない」
「力が有れば、貴方は敵を殺せるの?」
彼女の問いは反語だ。どんな強大な力を持っていたとしても殺せるはずがない。それは誰よりも僕自身が痛いほど理解している。だからこれまで苦しんできたのだ。結局、僕は自分が可愛いだけなのだ。僕は、父親を殺すことで純白に黒を垂らすことを嫌悪しているだけだ。
僕には彼女の問いに答えられる言葉が見つからなかった。俯く僕に、彼女は優しく囁く。彼女の長い髪から香る匂いが僕を酔わせる。
「取引をしましょう」
それは甘い果実だ。或いは、無垢な弱者を騙すために出された毒林檎。
「私が貴方を、貴方の家族を救うわ。最も相応しい方法で」
それは神の救いだ。或いは、狡猾な悪魔が騙すために使った甘言。
「貴方はただ空から見ているだけ。罪に苦しむことも、今後の人生を嘆くことも、家族に責められることもない」
「空から?」
訊き返したのは僕の理性の最後の抵抗だったのだろう。毒林檎か甘言かと疑う、正常な思考。それは蝋燭の火のように弱々しく、今にも消えてしまいそうだった。
彼女は端正な顔を歪ませ、笑う。畏怖が僕の中の蝋燭の火を揺るがす。
「そう、空から。悪い話ではないでしょう? その研ぎ澄まされた殺意で自分を汚さなくていいの。母も、妹も、救うことができるの。法律も、他人の目も、気にしなくていいの。貴方が恐れていたものは何もなくなる」
「僕の望みだけが、叶う?」
「貴方の望みは叶う。父親は死に、母と妹は救われ、貴方の人生が汚されることはない」
氷のような手が僕の手を握る。深紅の双眸が僕を真っ直ぐに見つめる。
彼女の甘い吐息が、蝋燭の火を吹き消す。
「望むなら、私の手を取って。その綺麗な殺意を私に教えて」
抗うことなどできなかった。心の中で暴れ回っていた殺意が漸く出口を見つけた瞬間だった。これ以上、この猛獣を僕の心の中に閉じ込めることはできなかった。たとえ、彼女の言葉が毒林檎か甘言だと察していたとしても、僕は彼女の手に縋っただろう。
僕は無言で彼女の手を握り返した。小さな柔らかい手だった。僕が彼女を受け入れても、彼女はその人間離れした美しい表情を変えなかった。最初から予見できていたかのように。
彼女は続けた。満足そうに、甘美な声で。
「さあ、始めましょう。貴方の復讐を」
父親の短い叫び声が聞こえた。それに続いて、陶器か硝子が割れる音。彼は左胸を抉るように掴み、床に崩れ落ち、声にならない声を上げる。激痛にのたうち回り、助けを請うように母さんを見る。母さんは何が起きたのか理解できず、目の前の悲劇に戸惑うことしかできない。父親はやがて動かなくなり、部屋にはテレビから発せられる笑い声が虚しく響く。
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呆気ないものだ。これまで僕たちを苦しめてきたというのに、終わるのは一瞬なのだ。あれだけで彼が今までの報いを受けたとは到底思えない。
僕が抗議するように傍らの彼女を見ると、彼女は首を横に振った。
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なぜ。尋ねる僕に、彼女は笑いかける。
「そうね。地獄に落ちる、と言えば貴方にもわかるでしょう」
僕は肯いた。地獄がどれほど辛い場所か知らないが、彼がこの先も苦しむのであればそれで満足だ。僕たち以上に苦しめばいい。彼はそれだけのことをしてきたのだから。
「さあ、もう良いでしょう。近くに立ち寄ったらまた見せてあげる」
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僕は一声啼き、母さんと妹に別れを告げて彼女の後を追う。失った幸せを取り戻してくれることを願って、僕は大空に羽ばたいた。黒い烏の羽が舞い、名残惜しい気持ちを代弁するように僕の家に落ちていった。
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