××男と異常女共

シイタ

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ゴミ女の深夜バイト

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 電車に乗って着いたそこは、人が行き交う駅前。
 スーツを着て歩く仕事人、私服で遊び歩く学生、何処かに向かい歩く一般人、場違い服の観光人、どこをどう見ても普通の駅前。
 どこをどう見ても普通の町。いや、これはこの町のただの一端だ。
 私はこの町の出入り口に、少し足を踏み入れただけである。まだ、この町が普通だと決まったわけではない。しかし、この町が普通ではないかを調べるのは今回の仕事ではない。
 私の今回の仕事は、この町で起きる『神残し』について調べることだ。それ以外についてを調べることは、私の趣味の一環である。

 とりあえず私は予約したホテルに荷物置いて、早速と神残しについての取材に繰り出して行った。まず初めに向かった先は、一番初めに発見された『血の現場』である。
 そこは、左右が白い壁に挟まれた路地裏。白い壁は雨や風、雪による影響で所々に黒い汚れが付いており、その色は綺麗な白色ではなく薄汚れた白色になっている。そして、黒以外にもその白い壁には色が付いていた。
 その色は赤とは言えず、しかし黒とも言えない。あえて言うならその中間、赤黒いような色が白い壁には付いていた。その赤黒いようなものが、『神残し』最初の犠牲者の血が乾いたものであることを私は容易に理解できた。

 いつもならもっと興奮することなのだが、ここに着いた時から私は少しの失望を感じていて、そこまで気持ちが上がらない。なぜなら、SNSに貼られていた『血の現場』を写したあの写真では白い壁のそこら中に赤い血が付着していたのに、今私の前にある白い壁にはほとんどの赤い血の跡が消されていたから。
 赤い血が付着したのであろう場所は、他のところより少し綺麗な白になっており、誰かに掃除されたのであろうことが分かる。当たり前だ、いつまでも惨たらしい血の跡を残しておけば周りの住人からの苦情も来るし、近くの店の評判も落ちてしまうだろう。
 私はふぅーと息を吐いて気持ちを切り替え、仕事を始めることにする。周辺の住民に聞き込み開始だ。

 私は『血の現場』の周辺の住民達に『血に現場』について、『神残し』についての話を聞いて行った。
 道端で会話を楽しんでいる奥さん方、近くにある飲食店や電気店、道歩く学生やサラリーマン、などなど目に入った人に片っ端から聞き込みをする。
 そして、一段楽した後は次に見つかった『血の現場』に向かい、そこでも同じように周辺住民に話を聞きに行く。それを繰り返して、私はこれまで発見されている『血の現場』を回っていった。
 建設が中止になった工事現場、河川敷にある橋の下、公園トイレの横、人通りが少ない道端、ビルの下にある地下駐車場など。発見された『血の現場』は、どこも人通りがほとんどないマイナーな場所だった。
 聞き込みでも『血の現場』があった場所に行くような人はほとんどいないらしく、特に夜中となれば尚更行く人は皆無だと言う。

 現在発見されている『血の現場』の全てを回り、聞き込みを終えた私は、ホテルに戻って『神残し』についての今日の聞き込み結果と『血の現場』で撮った写真をパソコンにまとめていた。
 『神残し』についての聞き込みの結果は、芳しいとは言えない。私はこれといった情報を手に入れることができなかったことに、肩を落として今日のことを振り返る。
 
 まず周囲の住民の奥様方や年配の方達は、そもそも『神残し』や『血の現場』というものを知っていなかった。自分達の住む家の近くで誰かが殺されたという事実を知っていただけで、それを知ったのも人づてやテレビのニュースなどでらしい。そのため、初めに『神隠し』や『血の現場』という名前を出しても近くで起こった事件のことだと理解されず、掻い摘んで説明し聞いてみても詳しいことは知っていなかった。
 
 逆に『神残し』や『血の現場』のことを知っていたのは、学生や二〇~三〇代のぐらいの若者達だった。彼らはネットやSNSなどでそれらのことを知ったらしく、学校や職場でも結構噂になっているらしい。
 確かに『神残し』や『血の現場』と初めに名付けられたのは写真が投稿されたSNSと同じ場所なので、スマホをよく使う人達がその名前を知っていて、スマホをよく使わない人達が知らないのは当然なのかもしれない。
 私が『神隠し』について知ったのも、ネットでの書き込みがきっかけである.。
 けれど、そんな『神隠し』のことについて認知している彼らでも、ネットやSNSで知られている以上の詳しい情報は全くと言っていいほど持っておらず、一応話は聞いてみたものの、私もこの町に来る前からネットやSNSで『神隠し』についての情報を集めれるだけ集めていたために既に知っていることばかりや噂話などでよくある真実かどうかも分からない眉唾物の情報だけで参考にならなかった。

 それの代わりと言ってはなんだが、私の趣味の一環としていつも最後の方に聞く質問は芳しかった。
 聞いた質問はこうだ。

「何か変わったことや不思議な出来事、都市伝説みたいな話とかありませんか?」

 私のこの質問にほとんどの相手は何故そのような質問をするのか?というような疑問を持つことなく答えてくれた。私はいつも初めに自分がオカルトや超常現象を記事にしている雑誌記者であることを伝えてから話を進めるため、その質問をするのも自然であると相手も思ってくれたからだろう。
 正直、この質問で返ってくる答えに私はあまり期待していなかったのだが――予想外だった。
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