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12 ジュリエッタ視点
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ローレンス様がウィリアム様の領地へお仕事に向かって二か月が経った。使いの者が行き来をして手紙のやりとりはしているけど、かなり大変なお仕事みたい。私にできることと言えば手紙でローレンス様を労るくらいしかない。
「リリアン。ローレンス様は大丈夫かしら? 元気に過ごしていらっしゃるかしら?」
リリアンはすでにローレンス様に、あの日私が見た別人の”ローレンス様”の話をしてしまった。私はリリアンにその事実を聞いて以来、不安が収まらない。
手紙のやりとりはしてもらっているけど、ローレンス様が帰ってきたら、私は離縁されるのではないか。嫌な想像ばかりしてしまう。実際、ローレンス様は仕事が忙しいのだとは思う。でも、もし私のもとへ帰ってきたくなくて、仕事を引き延ばしているとしたら? 人違いで恋をしていた馬鹿な私に呆れてしまっていたら?
「お嬢様。大丈夫ですよ。ウィリアム様との交易の話が長引いているとのことです。異国も絡んでいるので、調整事項がたくさんあるのでしょう」
「私が別人の”ローレンス様”を気にしていたこと、不快に思っていらっしゃるのではなくて?」
「そればかりは申し訳ございません。私がローレンス様に説明してしまったばかりに……。でもローレンス様は、お嬢様のことを大切に思っていらっしゃいます。その点は保証します」
結婚生活を始めて、ローレンス様の初めての出張だった。私は妻として屋敷を守りながらも、いつもローレンス様の顔を思い浮かべる。出立する日、「何かお土産で買ってきてほしいものはあるかい?」ときかれたとき、もっとお話しておけばよかった。いや、もっと前から、もっとローレンス様のことを知っておけばよかった。
「ごめんねリリアン。あなたは悪くないわよ。責めるように言ってしまったわ」
リリアンはうつむき加減で立っていたけど、笑顔を見せてこう言った。
「お嬢様は……変わりましたね! いつの間にか、あの日見かけた”ローレンス様”ではなく、お嬢様の夫であるローレンス様のことばかり考えるようになっています」
言われてみれば、そうだと思った。もう私はあの日見た”ローレンス様”を想像することがなくなった。ローレンス様と離れ離れになっている今、ローレンス様のことばかり考えてしまう。
「そうなの。もっとローレンス様と話しておけばよかったなって。私はまだまだローレンス様のことを知らないし……」
「ローレンス様もきっと、お嬢様をもっと知りたいって思っていらっしゃいますよ! 帰ってくるのが楽しみですね!」
しかしそれからさらに月日が流れ、出立から半年が経っても、ローレンス様は帰ってこなかった。
「リリアン。ローレンス様は大丈夫かしら? 元気に過ごしていらっしゃるかしら?」
リリアンはすでにローレンス様に、あの日私が見た別人の”ローレンス様”の話をしてしまった。私はリリアンにその事実を聞いて以来、不安が収まらない。
手紙のやりとりはしてもらっているけど、ローレンス様が帰ってきたら、私は離縁されるのではないか。嫌な想像ばかりしてしまう。実際、ローレンス様は仕事が忙しいのだとは思う。でも、もし私のもとへ帰ってきたくなくて、仕事を引き延ばしているとしたら? 人違いで恋をしていた馬鹿な私に呆れてしまっていたら?
「お嬢様。大丈夫ですよ。ウィリアム様との交易の話が長引いているとのことです。異国も絡んでいるので、調整事項がたくさんあるのでしょう」
「私が別人の”ローレンス様”を気にしていたこと、不快に思っていらっしゃるのではなくて?」
「そればかりは申し訳ございません。私がローレンス様に説明してしまったばかりに……。でもローレンス様は、お嬢様のことを大切に思っていらっしゃいます。その点は保証します」
結婚生活を始めて、ローレンス様の初めての出張だった。私は妻として屋敷を守りながらも、いつもローレンス様の顔を思い浮かべる。出立する日、「何かお土産で買ってきてほしいものはあるかい?」ときかれたとき、もっとお話しておけばよかった。いや、もっと前から、もっとローレンス様のことを知っておけばよかった。
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リリアンはうつむき加減で立っていたけど、笑顔を見せてこう言った。
「お嬢様は……変わりましたね! いつの間にか、あの日見かけた”ローレンス様”ではなく、お嬢様の夫であるローレンス様のことばかり考えるようになっています」
言われてみれば、そうだと思った。もう私はあの日見た”ローレンス様”を想像することがなくなった。ローレンス様と離れ離れになっている今、ローレンス様のことばかり考えてしまう。
「そうなの。もっとローレンス様と話しておけばよかったなって。私はまだまだローレンス様のことを知らないし……」
「ローレンス様もきっと、お嬢様をもっと知りたいって思っていらっしゃいますよ! 帰ってくるのが楽しみですね!」
しかしそれからさらに月日が流れ、出立から半年が経っても、ローレンス様は帰ってこなかった。
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