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家に帰って父に報告した後、私は部屋でほっとしたと同時に、虚しさを感じました。
(結局のところ、最後まで私は彼を愛せなかったし、彼に愛されもしなかった。歩み寄ろうと努力はした。できるだけのことはやったのに……バカみたいな時間だったわ。得たものは一つもなくて、あるのは徒労感だけ……)
ふと泣きそうになった私は一度顔を洗って、ひたすら読書しました。空虚な気持ちになった時は、とにかく余計なことは考えずに好きなことをするに限ります。つまらない男、関係の終わった男に悩む時間は作りたくありませんでした。ずっと読みたかったのに読めていなかった本があったので、それらを無心で読み進めました。
一週間後、無事に婚約は解消されました。
一年以上婚約していましたが、思い返してみても、彼との楽しい思い出は一つもありません。彼に出会う前は、私も父から「運命の伴侶」だと聞いていたので、そういうものも世の中にはあるかもしれないと前向きに考えた時期もあります。
しかし彼と出会ってからは、ただただ辛い日々があっただけです。人格を否定する言葉を投げつけられ、私の心は壊れていきました。愛情の無くなった心に追い打ちをかけるように彼は女遊びを加速させ、私は自分を保つことができず、振り回されました――。
***
エマニュエルとの婚約という鎖から解放された私は、徐々に社交的になりました。婚約していた頃はエマニュエルが各地で無礼な振る舞いをするものですから、エマニュエルに代わって様々な人に謝ってきました。恥ずかしい思いばかりをして神経をすり減らしてきたのですが、そのような心配がなくなりました。
婚約破棄の後、私は社交界でどんなことを言われるのだろうと緊張していました。お茶会に出かける日の朝は頭痛がして、起き上がるのも一苦労でした。馬鹿にされるのも嫌だったし、陰口を言われるのも嫌でした。
でも、周りの反応は思ったよりも温かく、同情の声ばかりだったのです。「やっとあいつと婚約解消したのか! よかったね」「これからはみんなに謝ったりせずに済むよ!」「いっぱい遊ぼうね!」など、たくさんの励ましの言葉をいただきました。
思いやりのある言葉を聞くたびに、涙が出てきました。心のどこかで、非難されるのではないかとおびえていました。「侯爵家との良縁を台無しにした女」というレッテルを貼られ、(社交界で生きていけないのでは?)とまで考えていました。
しかし、嫌な妄想はあっという間に消えてなくなります。自分が思っているよりもずっと、周りの人たちは優しかった。婚約中の私のがんばりを認めてくれていたのです。知らないうちに私は多くの人たちに支えられていたのだと気づきました。
(結局のところ、最後まで私は彼を愛せなかったし、彼に愛されもしなかった。歩み寄ろうと努力はした。できるだけのことはやったのに……バカみたいな時間だったわ。得たものは一つもなくて、あるのは徒労感だけ……)
ふと泣きそうになった私は一度顔を洗って、ひたすら読書しました。空虚な気持ちになった時は、とにかく余計なことは考えずに好きなことをするに限ります。つまらない男、関係の終わった男に悩む時間は作りたくありませんでした。ずっと読みたかったのに読めていなかった本があったので、それらを無心で読み進めました。
一週間後、無事に婚約は解消されました。
一年以上婚約していましたが、思い返してみても、彼との楽しい思い出は一つもありません。彼に出会う前は、私も父から「運命の伴侶」だと聞いていたので、そういうものも世の中にはあるかもしれないと前向きに考えた時期もあります。
しかし彼と出会ってからは、ただただ辛い日々があっただけです。人格を否定する言葉を投げつけられ、私の心は壊れていきました。愛情の無くなった心に追い打ちをかけるように彼は女遊びを加速させ、私は自分を保つことができず、振り回されました――。
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エマニュエルとの婚約という鎖から解放された私は、徐々に社交的になりました。婚約していた頃はエマニュエルが各地で無礼な振る舞いをするものですから、エマニュエルに代わって様々な人に謝ってきました。恥ずかしい思いばかりをして神経をすり減らしてきたのですが、そのような心配がなくなりました。
婚約破棄の後、私は社交界でどんなことを言われるのだろうと緊張していました。お茶会に出かける日の朝は頭痛がして、起き上がるのも一苦労でした。馬鹿にされるのも嫌だったし、陰口を言われるのも嫌でした。
でも、周りの反応は思ったよりも温かく、同情の声ばかりだったのです。「やっとあいつと婚約解消したのか! よかったね」「これからはみんなに謝ったりせずに済むよ!」「いっぱい遊ぼうね!」など、たくさんの励ましの言葉をいただきました。
思いやりのある言葉を聞くたびに、涙が出てきました。心のどこかで、非難されるのではないかとおびえていました。「侯爵家との良縁を台無しにした女」というレッテルを貼られ、(社交界で生きていけないのでは?)とまで考えていました。
しかし、嫌な妄想はあっという間に消えてなくなります。自分が思っているよりもずっと、周りの人たちは優しかった。婚約中の私のがんばりを認めてくれていたのです。知らないうちに私は多くの人たちに支えられていたのだと気づきました。
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